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ターゲティング

LinkedIn広告のターゲティングは、職務タイプ・会社規模の内訳で狙いの外の費用を見つけて絞る

この記事は、LinkedIn広告で問い合わせと資料DLを成果にしているBtoBの担当者の方に向けた解説です。職務タイプや会社規模で配信先を絞っているものの、狙った属性の外に費用が出ているかはまだ確認していない方を想定しています。

職務タイプや会社規模で絞った広告セットについては、次の3つの状況がよく起こります。この記事では、それぞれへの対処と、キャンペーンマネージャー(LinkedIn広告の管理画面)で確認する箇所を順に説明します。

例として、診断サンプルの架空の会社であるN社(法人向け情報セキュリティサービス会社)を記事の最後まで使います。数字はすべて説明用のサンプルです。N社の広告セットは、職務タイプ「情報技術」・会社規模「201人以上」を対象に12か月配信したものです。職務タイプの内訳では、費用の35.3%が「情報技術」以外に使われており、その費用から出た問い合わせは全体の13.3%でした。

説明の根拠は、LinkedInの公式ヘルプです。TAMKOは、LinkedIn広告のアカウント診断で、職務タイプ・会社規模ごとの費用と問い合わせを毎回確認しています。その立場から解説します。

【結論】LinkedIn広告のターゲティングは、職務タイプ・会社規模の内訳で狙いの外の費用を見つけて絞る

職務タイプや会社規模を指定しても、配信は狙った属性の外にも広がります。主な原因は、広告セットで最初から有効になっているリーチ拡大ツールです。配信した後に、キャンペーンマネージャーのプロフェッショナル属性統計データ(職務タイプ・会社規模ごとの内訳)で、狙いの外の費用の割合と問い合わせの割合を比較します。狙いの外の問い合わせ単価が自社の上限を大きく超えている場合は、リーチ拡大ツールをオフにし、それでも残る属性を除外します。問い合わせが数件しかない行は、内訳が概算であるため、判断を保留します。

LinkedIn広告で狙った職務タイプの外に使われた費用を示す図。N社の広告セットの費用を、狙った職務タイプ(情報技術)60.5%・狙いの外35.3%・表示されない分4.2%に塗り分けた100%の帯と、問い合わせの帯(86.7%・13.3%)を比較した図
職務タイプごとの費用の割合と問い合わせの割合(広告セット「情報システムの管理職」・12か月)。費用はクリック数で按分した推定。診断サンプルの架空の会社(N社)の例です。

設定した後に、内訳で狙いの外を見つけ、配信先を絞る

  1. 01問い合わせの広告セットを選ぶ資料DLの広告・再訪の広告は分ける
  2. 02費用の割合と問い合わせの割合を比較する職務タイプ・会社規模ごと
  3. 03狙いの外の単価を上限と比べる
  4. 04オフ・除外/保留に分ける件数が少ない行は保留
  5. 05狙った属性へ配分し、2か月で判定する
内訳を読むのは、職務タイプで絞り、問い合わせを成果とする広告セットだけ。絞るかどうかは、狙いの外の問い合わせ単価と上限の比較で決める。

内訳を読むのは、職務タイプで絞り、問い合わせを成果とする広告セットだけです。資料DLが目的の広告は資料DLの単価で別に評価し、再訪の広告(サイト訪問者のリストに表示する広告)は内訳の対象から外します。絞って浮いた費用は狙った属性に配分し、2か月程度で、単価が上限以内に収まるかを判定します。

LinkedIn広告のターゲティングの項目と、配信後に内訳を確認できる項目

ターゲティングは、会社の情報と、人の職務経験などの情報を組み合わせて指定します。配信した後は、そのうち職務タイプ・会社規模などの10の属性について、表示回数・クリック・コンバージョンの内訳を確認できます。

設定した項目のうち、職務タイプと会社規模は配信後に内訳で確認できる

設定で指定する項目

  • 会社:会社名・会社の業種・会社規模 など
  • 職務経験:役職・職務タイプ・職務レベル・スキル など
  • 場所・学歴・統計データ・関心トピックと特徴

配信後に内訳で確認できる属性

  • 職務タイプ・役職・職務レベル
  • 会社・会社の業種・会社規模
  • 場所・国/地域・郡・指定市場地域

指標:表示回数・クリック・コンバージョン(費用は一覧に無い)

職務タイプと会社規模は、設定でも内訳でも使える。内訳で見られるのは表示回数・クリック・コンバージョンで、費用は一覧に無い。

公式ヘルプのターゲットオプションの分類は、次のとおりです(主な項目だけを抜き出しています)。

分類主な項目
場所(必須)定住する場所、最近の場所 など
会社会社名、会社の業種、会社規模、会社の成長率、企業収益 など
統計データメンバーの年齢、メンバーの性別
学歴学位、専攻、メンバーの出身校
職務経験役職、職務タイプ、職務レベル、スキル、経験年数
関心トピックと特徴メンバーグループ、メンバーの関心トピック、メンバーの特徴

BtoBで最初に指定されることが多いのは、職務タイプと会社規模です。公式の定義では、職務タイプはポジション内で共通するタスクや業務で、役職がLinkedIn独自の分類で職務タイプに対応付けられます。会社規模は組織の推定人数で、主にページ管理者が入力した値が使われ、入力が無い場合はページに関連付けられたメンバーの数から判断されます。ターゲティングの項目(属性)は、包含と除外を合わせて最大200件まで選べます。

プロフェッショナル属性統計データ

公式ヘルプで内訳の対象として挙がっている属性は、職務タイプ・役職・会社・会社の業種・職務レベル・会社規模・場所・国/地域・郡・指定市場地域の10種類です。指標と表示の条件は次のとおりです。

  • 指標:表示回数・クリック数・平均CTR・コンバージョン数・コンバージョン率。リード獲得フォームを使う広告セットでは、リードフォーム開封数やリード数なども並ぶ
  • 反映と期間:データの反映には24〜48時間かかることがあり、対象は最大2年前まで
  • 費用:公式ヘルプの指標の一覧には無い

費用が一覧に無いため、この記事では、属性ごとのクリック数の割合で広告セットの費用を按分し、その推定値で読みます。開発者向けの資料(LinkedInのMarketing API。広告の数字を外部のツールから取り出すための仕組み)では、属性ごとの費用を取得できると記載されています。以降のN社の費用も、クリック数で按分した推定値です(N社は診断サンプルの架空の会社です)。

リーチ拡大ツールとは:職務タイプを絞っても、内訳に狙っていない職務タイプが表示される理由

よくある場面

職務タイプを「情報技術」に絞って配信したが、内訳には営業や人事など、狙っていない職務タイプが表示されている。

主な原因は、狙った属性と似た特徴を持つメンバーにも配信を広げるリーチ拡大ツールです。利用できる広告セットでは最初から有効になっています。ただし、1人が複数の区分に数えられることや、個人情報が使えないことでも狙いの外の値は出るため、「狙いの外がゼロでない=設定の誤り」とはみなさず、割合と単価で判断します。

狙いの外に数えられる経路は3つある

  1. 1
    リーチ拡大ツールで、似た属性のメンバーへ広がる設定でオフにできる
  2. 2
    1人が複数の区分・2つの役職に入る例:創業者とCEOの両方がプロフィールにある
  3. 3
    個人情報が使えない・期間中の転職や指定の変更内訳の合計が広告セットの実績と一致しない理由にもなる
狙いの外の値が出る経路は3つ。設定でオフにできるのはリーチ拡大ツールだけで、残りの2つはオフにした後も残りうる。

N社の広告セット「情報システムの管理職」も、リーチ拡大ツールが有効のままでした(診断サンプルの架空の会社(N社)の例です)。設定は広告セットごとに、[広告セットを設定]ページの[オーディエンス]セクションにある[リーチ拡大ツール機能を有効にする]のチェックボックスで確認できます。どの広告セットで有効になっているかの洗い出し方と、LinkedInの外の提携アプリ・サイトへの配信であるLinkedIn Audience Network(日本語のヘルプでは「LinkedInパートナーネットワーク」)との違いは、「LinkedIn Audience Networkは外すべき?外への配信とリーチ拡大ツールの確認方法」で扱います。

リーチ拡大ツールをオフにしても、狙いの外の値がゼロになるとは限りません。公式ヘルプと開発者向けの資料は、内訳の合計が広告セットの実績と一致しない原因や、狙っていない属性が内訳に含まれる理由として、次の点を挙げています。

  • 1人のメンバーが複数の区分に入る(例:プロフィールに創業者とCEOの両方がある)
  • 複数の会社で2つの役職を持つ(顧問と雇用など)
  • プライバシー保護のため、個人情報を使用できない場合がある
  • 期間中に転職した、または期間中にターゲティングの指定を変更した

狙いの外の値が少し出ていることだけでは、設定の誤りとは言えません。判断は、後の章で説明する割合と単価で行います。

内訳を読む前に:職務タイプで絞り、問い合わせを成果とする広告セットに限り、資料DLの広告を分ける

アカウント全体で内訳を見ると、成果の異なる広告が混ざります。職務タイプで絞って問い合わせを狙った広告セットだけを内訳の対象にし、資料DLが目的の広告は資料DLの単価で別に評価します。

内訳を読む広告セットを、成果で仕分ける

N社の4つの広告セット(12か月・費用の合計7,804,816円)

  • 情報システムの管理職(4,352,649円)内訳の対象職務タイプで絞り、問い合わせを狙う
  • セキュリティ点検表(1,853,839円)資料DLの単価で別に評価ドキュメント広告+リード獲得フォーム
  • サイト訪問者(1,151,881円)対象外(再訪の広告)対象者は訪問の有無で決まる
  • 部長以上(446,447円)対象外(停止済み)
診断サンプルの架空の会社(N社)の例です。内訳の対象にするのは、職務タイプで絞って問い合わせを狙った広告セットだけ。

N社の4つの広告セットの12か月の実績と、内訳の対象にするかどうかは次のとおりです(診断サンプルの架空の会社(N社)の例です)。

  • 情報システムの管理職(スポンサードコンテンツ):目的はWebサイトのコンバージョン。費用4,352,649円・問い合わせ(クリック後)60件・資料DL0件。内訳の対象
  • セキュリティ点検表(ドキュメント広告+リード獲得フォーム):目的はリード獲得。費用1,853,839円・問い合わせ(クリック後)4件・資料DL351件。内訳の対象外(資料DLの単価5,282円で別に評価)
  • サイト訪問者(再訪の広告):目的はWebサイトのコンバージョン。費用1,151,881円・問い合わせ(クリック後)16件・資料DL0件。内訳の対象外(サイト訪問者のリストが対象で、職務タイプで絞った広告ではない)
  • 部長以上(メッセージ広告・2026年1月で停止):目的はWebサイトのコンバージョン。費用446,447円・問い合わせ(クリック後)1件・資料DL0件。内訳の対象外(停止済み)
  • 合計:費用7,804,816円・問い合わせ(クリック後)81件・資料DL351件

アカウント全体の問い合わせ単価は96,356円(7,804,816円÷81件)で、N社が仮に置いた上限90,000円を超えているように見えます。ただしこの値には、資料DLが目的の広告の費用も含まれています。この数字を根拠に職務タイプを絞る判断はしません。資料DLは途中の成果として資料DLの単価で評価し、問い合わせ単価の上限とは比べません。資料DLを問い合わせと分けて数える考え方は、Microsoft広告の記事「Microsoft広告をBtoBで評価する方法|問い合わせ単価の上限と資料DLの分け方」と同じです。

再訪の広告は、問い合わせを成果にしていますが、内訳の対象から外します。職務タイプではなく訪問の有無で対象者が決まるためです。

以降は、広告セット「情報システムの管理職」(費用4,352,649円・問い合わせ60件・問い合わせ単価72,544円)の内訳だけを使います。

職務タイプ・会社規模の内訳とは:配信先を絞った広告セットの問い合わせ単価が想定より高くなる理由

よくある場面

職務タイプと会社規模で配信先を絞っているが、広告セットの問い合わせ単価が想定より高い。

費用の一部が狙った属性以外に使われており、その費用から出る問い合わせが少ないためです。属性ごとに「費用の割合」と「問い合わせの割合」を比較し、狙いの外の属性のうち、費用の割合が問い合わせの割合を大きく上回るものを探します。N社では、職務タイプの外に費用の35.3%・問い合わせの13.3%、会社規模の外に費用の25.0%・問い合わせの5.0%が出ていました。

N社の広告セット「情報システムの管理職」の職務タイプ別の横棒グラフ。情報技術は費用の60.5%で問い合わせの86.7%、狙いの外の7行の合計は費用の35.3%で問い合わせの13.3%、表示されない分は費用の4.2%で問い合わせは0%
職務タイプごとの費用の割合と問い合わせの割合(広告セット「情報システムの管理職」・12か月・診断サンプルの架空の会社(N社)の例です)。費用はクリック数で按分した推定。

読み方は1つです。費用の割合より問い合わせの割合が小さい属性は、広告セットの平均より問い合わせ単価が高い属性です。差が大きいほど、上限を超えている可能性が高くなります。

なお、職務タイプの狙いの外と、会社規模の狙いの外は、同じ人が両方に含まれることがあります。2つの金額を合計して「狙いの外の費用」とはしません。

職務タイプ別:狙いの外の7行のうち、どの職務タイプの単価が上限を超えているか

前のグラフの「狙いの外の7行の合計」を、職務タイプごとに分けた表です。行ごとの問い合わせ単価を、N社の上限90,000円と比べます(診断サンプルの架空の会社(N社)の例です。費用はクリック数で按分した推定)。

職務タイプ費用(推定)費用の割合問い合わせ問い合わせ単価
情報技術(狙った職務タイプ)2,631,855円60.5%52件50,613円
エンジニアリング391,893円9.0%4件97,973円
営業305,739円7.0%1件305,739円
事業開発257,689円5.9%2件128,845円
人事205,309円4.7%0件−
経営・事業企画139,393円3.2%1件139,393円
教育115,228円2.6%0件−
その他123,022円2.8%0件−
表示されない分182,522円4.2%0件−

狙いの外(表示されない分を除く7行)を合計すると、費用は1,538,273円、問い合わせは8件、問い合わせ単価は192,284円です。そのうち、問い合わせが0件の人事・教育・その他の3行の費用だけで443,559円です。問い合わせのあるエンジニアリング、営業、事業開発、経営・事業企画の4行も、単価はすべて上限を超えています。割合と金額は四捨五入しているため、行の合計が合計欄の値と一致しない場合があります。

会社規模別:狙った「201人以上」の外の3行は、費用の25.0%に対して問い合わせは5.0%(3件)

同じ広告セットを会社規模ごとに分けた結果を、狙いの外と狙った属性にまとめると次のとおりです(診断サンプルの架空の会社(N社)の例です。費用はクリック数で按分した推定)。

  • 200人以下の3行(1〜10人・11〜50人・51〜200人):費用1,089,221円・問い合わせ3件(60件の5.0%)・問い合わせ単価363,074円。1〜10人は費用314,388円で問い合わせ0件
  • 狙った201人以上の4行:費用3,125,314円(71.8%)・問い合わせ57件(95.0%)・問い合わせ単価54,830円。うち5,001人以上は83,264円(7件)
  • 表示されない分:費用138,114円(3.2%)・問い合わせ0件

内訳の割合はどこまで信頼できるか:「表示されない分」と、1人が複数の区分に入ること

公式ヘルプでは、内訳は、メンバーの特定を防ぐために属性ごとに十分なデータがある場合にのみ表示される、とされています。件数が少なく、どの属性にも振り分けられない分は「表示されない分」として残り、N社では職務タイプで182,522円(4.2%)、会社規模で138,114円(3.2%)でした。この分は狙いの内か外かを判定できないため、狙いの外の計算には含めていません。

内訳の割合を読むときは、次の3点を前提にします。

  • 費用はクリック数で按分した推定で、実際の請求額の内訳ではない
  • 1人が複数の区分に入る場合などがあるため、実際の内訳では行の合計が広告セットの実績と一致しないことがある(N社の例は、説明のため合計を広告セットの実績にそろえている)
  • 値は概算で、件数が数件の行では単価が大きく変わる(次の章で扱う)

そのため、数ポイントの差では判断しません。N社の職務タイプのように、狙いの外の費用の割合が問い合わせの割合の2倍以上ある場合は、推定の誤差を考えても、狙いの外の単価が高いと判断できます。

問い合わせ単価の上限とは:狙いの外に問い合わせが数件ある職務タイプを、すぐには除外しない理由

よくある場面

狙いの外の職務タイプにも問い合わせが数件あり、除外するかどうかを判断できない。

判断の基準は、自社の問い合わせ単価の上限です。狙いの外の合計の単価が上限を大きく超えている場合は、リーチ拡大ツールをオフにし、それでも残る属性は除外を検討します。問い合わせが数件しかない行は、内訳は概算であり、数件の違いでも単価が大きく変わるため、行ごとには判断せず保留します。

N社の問い合わせ単価の横棒グラフ。上限9万円の線に対し、情報技術50,613円と201人以上54,830円は上限以内、狙いの外の職務タイプ192,284円は外側でリーチ拡大ツールをオフ、200人以下363,074円は外側で除外を検討、エンジニアリング4件の97,973円は件数が少ないため保留
問い合わせ単価と上限9万円(広告セット「情報システムの管理職」・12か月・診断サンプルの架空の会社(N社)の例です)。狙いの外の職務タイプは合計で判断し、エンジニアリングは合計に含めたうえで、行としては判断を保留する。上限は粗利300万円×受注率15%×広告に回す割合20%の仮定。

自社の問い合わせ単価の上限の出し方

問い合わせ単価の上限は、「受注1件の粗利×問い合わせから受注までの率×広告に回してよい割合」で出します。それぞれの値は、次のように置きます。

  • 受注1件の粗利:売上ではなく粗利で置く。契約が複数年にわたる場合は、何年分を含めるかを先に決める
  • 問い合わせから受注までの率:過去の問い合わせのうち、受注に至った件数の割合
  • 広告に回してよい割合:粗利のうち、問い合わせの獲得に使ってよい割合

N社は仮の値として、粗利300万円×受注率15%×広告に回す割合20%=90,000円を上限に置きました(診断サンプルの架空の会社(N社)の仮定です)。問い合わせから受注までの率が分からない場合の判断は、「Microsoft広告をBtoBで評価する方法|問い合わせ単価の上限と資料DLの分け方」で解説しています。

この上限と比べると、狙いの外の問い合わせ単価は、職務タイプで192,284円(上限の約2.1倍)、会社規模で363,074円(約4.0倍)です。狙った属性の単価は、情報技術が50,613円、201人以上が54,830円で、どちらも上限以内です(診断サンプルの架空の会社(N社)の例です)。

判断対象理由
オフにするリーチ拡大ツール狙いの外の合計の単価が、上限を大きく超えている
除外を検討するオフにした後も残る狙いの外(N社では200人以下の会社規模、問い合わせ0件の人事・教育・その他など)設定で狙いの外への配信を減らせる
判断を保留する問い合わせが1〜4件の行(エンジニアリング、事業開発、営業、経営・事業企画)内訳は概算のため、数件の違いで単価が上限を上回ることも下回ることもある

オフにする:リーチ拡大ツール

狙いの外の合計の問い合わせ単価が上限を大きく超えているため、まず広告セットのリーチ拡大ツールをオフにします。手順は次のとおりです。

  1. キャンペーンマネージャーで、問い合わせを成果にしている広告セットの[広告セットを設定]ページを開く。
  2. [オーディエンス]セクションで、[リーチ拡大ツール機能を有効にする]のチェックボックスを外して保存する。
  3. オフにした日を記録し、その日以降の内訳を、オフにする前の期間と分けて読む。

有効になっている広告セットを洗い出す方法は、「LinkedIn Audience Networkは外すべき?外への配信とリーチ拡大ツールの確認方法」で扱います。

除外を検討する:オフにした後も残る狙いの外

オフにした後も内訳に狙いの外が残る場合は、会社規模(N社では200人以下)などを除外に指定することを検討します。公式ヘルプでは、ターゲットから除外した属性は、リーチ拡大ツールによる配信の対象にも含まれないとされています。

除外を追加すると、対象者は減ります。開発者向けの資料では、除外は包含の後に適用され、適用後に残る対象者が300人を超える必要があると記載されています。

判断を保留する:問い合わせが数件の行は、合計で見る

公式ヘルプ(英語版)では、プロフェッショナル属性統計データの値は、ほぼすべての場合に実際の結果から3単位(表示回数・クリック・コンバージョン)以内とされています。問い合わせが数件の行では、この誤差によって単価が大きく変わります。

たとえばエンジニアリングは4件・97,973円ですが、実際の件数が7件の場合は約5.6万円(391,893円÷7)、1件の場合は391,893円です(説明用の計算です)。上限を上回ることも下回ることもありうるため、この行だけを根拠に職務タイプを除外しません。狙いの外は合計で評価し、行ごとの結論は、同じ条件のまま期間を延ばして件数を集めてから出します。必要な件数は、上限と単価の差で変わります。

狙った規模の中でも、5,001人以上は83,264円(7件)で上限に近い値です。ただし狙った属性であるため、絞る対象にはしません。

絞った後の配分:狙った属性に回し、2か月程度で判定する

リーチ拡大ツールのオフと除外で浮いた費用は、狙った属性(情報技術・201人以上)に配分します。ただし対象を絞るとクリック単価は上がりやすく、配分後の問い合わせ単価が、現在の単価(情報技術で約5.1万円、201人以上で約5.5万円)と同じになるとは限りません。配分した費用とその問い合わせを2か月程度で計測し、単価が上限以内に収まるかを判定します。

問い合わせの数え方:上限との比較と内訳は、クリック後の問い合わせで読む

ここまでの章の問い合わせは、すべて広告をクリックした後の件数です。LinkedInのコンバージョンには、広告を見ただけのメンバーによるものも含まれ、それを含めると単価は低く見えます。そのため、上限との比較と内訳の確認は、クリック後の問い合わせで行います。

管理画面の成果の数469件のうち、判断に使うのは81件

管理画面の成果の数 469件

ABC
  • A
    問い合わせ(クリック後)81件問い合わせ単価の計算と内訳に使う
  • B
    問い合わせ(表示後)37件別の列で確認する
  • C
    資料DL 351件リード獲得フォームのリード。資料DLの単価で評価する
診断サンプルの架空の会社(N社)の例です(アカウント全体・12か月)。上限と比べるのは、クリック後の問い合わせ81件。

この記事では、コンバージョンを次の2つに分けて呼んでいます。

  • クリック後のコンバージョン:広告をクリックしたメンバーが、その後に問い合わせなどをしたもの
  • 表示後のコンバージョン:広告をクリックせず、表示されただけのメンバーが、その後に問い合わせなどをしたもの

公式ヘルプでは、ほとんどの種類のコンバージョンで、コンバージョンウィンドウ(数える期間)内に同じメンバーが複数回コンバージョンしても1件として数えるとされています(購入とカートに追加は各回を数えます)。

診断サンプルの架空の会社(N社)の例です。アカウント全体の問い合わせは、クリック後が81件、表示後が37件でした。資料DLの351件と合わせると、キャンペーンマネージャーに表示される成果の数(問い合わせのコンバージョンと、リード獲得フォームのリードの合計。図では「管理画面の成果の数」)は469件(81+37+351)になります。広告セット「情報システムの管理職」は、クリック後60件・表示後26件で、問い合わせ単価は、クリック後だけで計算すると72,544円、表示後を含めると50,612円です。

表示後を含めた50,612円で見ると、上限90,000円との差は実際より大きく見えます。前の章の比較はクリック後の問い合わせで行いました。内訳もクリック後の問い合わせで読み、表示後は別に数えます。

リード獲得フォームのリードは、キャンペーンマネージャーでは「リード」の列に表示されます。N社の資料DL 351件はこのリードで、サイトの問い合わせとは分けて数えています。

TAMKOのLinkedIn広告アカウント診断で確認すること

この記事で挙げた、広告セットの仕分け、職務タイプと会社規模の内訳、問い合わせの数え方は、TAMKOのLinkedIn広告アカウント診断で毎回確認している項目です。

診断の調査報告書の例(職務タイプごとの費用と問い合わせのページ)
診断でお渡しする調査報告書の例。会社・数字・広告セット名はすべて架空です(診断サンプルの架空の会社(N社)の例です)。

診断で確認する項目には、「職務タイプ・会社規模ごとの費用と問い合わせ」「自社サイトの問い合わせと、リード獲得フォームのリードの数え方」が含まれます。

現状の配分を続けてよいという判断も、診断の結論です。改善点には設定の手順を、続けてよい点にはその根拠を、判断できないものには検証の方法を添えます。診断・報告書・説明会まで無料(毎月2社まで)。

詳しくは診断ページへ。

よくある質問(FAQ)

Q01LinkedIn広告のターゲティングは、どこまで絞り込めばよいですか?

設定の段階では、どこまで絞るのが適切かは決められません。

配信した後に、職務タイプ・会社規模の内訳で費用の割合と問い合わせの割合を比較し、狙いの外の単価が問い合わせ単価の上限を超えているかで判断します。除外を追加した後は、残る対象者の人数にも注意してください。

Q02内訳で、狙っていない職務タイプに配信されているのは設定の誤りですか?

必ずしも誤りではありません。

リーチ拡大ツールが有効な場合のほか、1人が複数の区分に入る場合や、2つの役職を持つ場合にも、狙いの外に数えられることがあると公式ヘルプに記載があります。狙いの外の割合と単価で判断します。

Q03問い合わせが数件(1〜4件)しかない職務タイプは、除外すべきですか?

その行だけでは判断しません。

内訳の値は概算で、ほぼすべての場合に実際の結果から3単位以内とされているため、数件の違いで単価が大きく動きます。狙いの外を合計で見て判断し、行ごとの判断は件数が集まってから行います。

Q04資料DLが目的の広告も、同じように職務タイプで見直せますか?

見直せますが、問い合わせ単価の上限とは比べません。

資料DLは途中の成果として資料DLの単価で評価し、問い合わせの広告セットとは分けて内訳を読みます(成果の異なる広告を混ぜないため)。

LinkedIn広告のターゲティングは、配信後の内訳で狙いの外の費用を確認して絞る|まとめ

LinkedIn広告のターゲティングは、配信した後に、キャンペーンマネージャーのプロフェッショナル属性統計データで確認します。職務タイプや会社規模を絞っても狙いの外に費用が出る主な原因は、最初から有効になっているリーチ拡大ツールです。まず、職務タイプで絞り、問い合わせを成果とする広告セットに限って内訳を読み、資料DLが目的の広告は資料DLの単価で別に評価します。次に、職務タイプ・会社規模ごとに費用の割合と問い合わせの割合を比較し、狙いの外の問い合わせ単価を、受注1件の粗利から出した自社の上限と比べます。上限を大きく超える狙いの外は、[広告セットを設定]ページでリーチ拡大ツールをオフにし、それでも残る属性を除外して絞ります。問い合わせが数件しかない行は、内訳が概算であるため合計で判断し、行ごとの判断は件数が集まるまで保留します。比べる問い合わせは、表示後を含めずクリック後の件数で数えてください。

この記事のポイント

  • LinkedIn広告のターゲティングは、配信後に「プロフェッショナル属性統計データ」で職務タイプ・会社規模ごとの内訳を確認できる(指標の一覧に費用は無く、費用はクリック数で按分した推定で読む)。
  • 内訳は、職務タイプで絞り、問い合わせを成果とする広告セットに限って読み、資料DLが目的の広告は資料DLの単価で別に評価する。
  • 狙いの外の「費用の割合」と「問い合わせの割合」を比較する(架空のN社の例:職務タイプの外に費用35.3%・問い合わせ13.3%)。職務タイプと会社規模の狙いの外は合計しない。
  • 狙いの外の単価が問い合わせ単価の上限を大きく超える場合は、リーチ拡大ツールのオフと除外で絞る。件数の少ない行は、内訳が概算のため行ごとに判断しない。
  • 内訳はクリック後の問い合わせで読む。表示後を含めると単価は低く見える。