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配信と設定

LinkedIn Audience Networkは内訳の問い合わせ単価で外すかを決め、リーチ拡大ツールは有効な広告セットを確認する

この記事は、LinkedIn広告で問い合わせと資料DLを成果にしている、BtoBの担当者の方に向けた解説です。広告セットのリーチ拡大ツールとLinkedIn Audience Networkの設定を、作成時の既定のまま使っている方を想定しています。

2つの設定については、次の3つの状況がよく見られます。この記事では、それぞれへの対処と、キャンペーンマネージャーで確認する箇所を順に説明します。

例として、診断サンプルの架空の会社であるN社(法人向け情報セキュリティサービス会社)を記事の最後まで使います。数字はすべて説明用のサンプルです。N社では、情報システムの管理職を狙った広告セットで、LinkedInの外への配信(LinkedIn Audience Network。日本語のヘルプでは「LinkedInパートナーネットワーク」)が12か月の費用の14.0%・クリックの29.7%を占める一方、問い合わせは60件のうち1件です。この広告セットでは、狙いに似た会員へ配信を広げるリーチ拡大ツールも有効になっています。

説明の根拠は、LinkedInの公式ヘルプです。TAMKOは、LinkedIn広告のアカウント診断で、配信先の内訳と広告セットの設定を毎回確認しています。その立場から解説します。

【結論】LinkedIn Audience Networkは配信先の内訳で問い合わせ単価を比べて外すかを決め、リーチ拡大ツールは有効な広告セットを見つけて、狙っていない属性への配信を確認する

LinkedIn Audience Network(LinkedInの外の提携アプリ・サイトへの配信)とリーチ拡大ツール(狙いに似た属性の会員への配信)は、利用できる広告セットでは最初から有効です。LinkedIn Audience Networkは、LinkedIn内と分けて算出した問い合わせ単価を自社の上限と比べて、外すかを決めます。リーチ拡大ツールは、拡大した分の成果をレポートで区別して確認できないため、有効な広告セットを一覧にし、配信した会員の職務タイプ・職務レベル・会社規模ごとのデータで、狙っていない属性への配信を確認します。

LinkedIn Audience Network(LinkedInパートナーネットワーク)とは何かを、LinkedInのフィードへの配信と、LinkedInの外の提携アプリ・サイトへの配信の2つの箱で示し、N社では外への配信が費用の14.0%・クリックの29.7%・問い合わせの1.7%だったことを添えた図
LinkedIn Audience Networkは、同じ広告セットの広告をLinkedInの外の提携アプリ・サイトにも配信する。割合はN社の広告セット「情報システムの管理職」の12か月の値。

2つの機能は、確認の方法が異なる

LinkedIn Audience Network

  • 広がるもの:配信先(LinkedInの外の提携アプリ・サイト)
  • 最初の状態:新しい単一画像・カルーセル・ドキュメント・動画の広告セットで有効
  • 内訳:On/Off Networkの内訳で区別して表示される
  • 判断の材料:LinkedInの外への配信の問い合わせ単価

リーチ拡大ツール

  • 広がるもの:対象者(狙った属性に似た属性の会員)
  • 最初の状態:利用できる広告セットで有効
  • 内訳:狙った対象者と一緒に報告される
  • 判断の材料:プロフェッショナル統計データの職務タイプ・職務レベル・会社規模
どちらも最初から有効。異なるのは、内訳で区別して確認できるかどうか。
  1. どちらも、利用できる広告セットでは最初から有効になっている。担当者が意図しないまま、2つの設定が有効になっている広告セットもありうる。
  2. LinkedIn Audience Networkは、キャンペーンマネージャーでLinkedIn内とLinkedInの外に分けて費用・クリック・問い合わせの割合を比較し、問い合わせ単価を自社の上限と比べる。クリック率の高さでは判断しない。
  3. 問い合わせの件数が少ない場合は、LinkedInの外への配信の費用を問い合わせ単価の上限で割り、問い合わせ単価を上限以下にするのに必要だった件数を算出し、実際の件数と比べる。
  4. リーチ拡大ツールは、拡大した分の成果がレポートで区別して表示されないため、有効な広告セットを一覧にし、プロフェッショナル統計データ(職務タイプ・職務レベル・会社規模ごとのデータ)で、狙っていない属性への配信を確認する。
  5. 資料DLが目的の広告セットは、問い合わせの広告セットと混ぜず、資料DLの単価で別に判断する。

LinkedIn Audience Network(LinkedInパートナーネットワーク)とリーチ拡大ツールとは:作成時の設定のまま両方が有効になっている理由

よくある場面

広告セットを作成時の設定のまま配信しているが、LinkedInの外への配信とリーチ拡大ツールが有効になっているかを把握していない。

どちらも、利用できる広告セットでは作成した時点で有効になり、チェックを外さない限り有効のまま配信されます。LinkedIn Audience Networkは「どこに配信するか(配信先)」を、リーチ拡大ツールは「誰に配信するか(対象者)」を拡大する機能です。両方が有効な広告セットでは、配信先と対象者が同時に広がります。

2つの機能は、配信を広げる方向が異なる

  1. もとの配信広告セットで狙った対象者に、LinkedInのフィードで配信
  2. LinkedIn Audience Network配信先が、LinkedInの外の提携アプリ・サイトへ広がる
    配信先
  3. リーチ拡大ツール対象者が、狙いに似た属性の会員へ広がる
    対象者
両方が有効な広告セットでは、もとの配信に2つの広がりが加わる。

LinkedIn Audience Networkは、スポンサードコンテンツの広告セット向けの機能で、LinkedInのフィード以外の、審査済みの提携アプリ・サイトにも広告を配信します。公式のよくある質問では、有効にすると、フィードの広告セットと同じターゲティング・入札タイプ・予算が適用されると説明されています。承認されたアプリ・サイトの配置には、ネイティブ広告とインタースティシャル広告も含まれます。

リーチ拡大ツールは、広告セットで狙った対象者に似た属性を持つ会員にも、広告を配信する機能です。公式ヘルプでは、オンライン広告のスキルを登録している会員を狙った広告セットで、B2Bマーケティングのスキルを登録している会員にも対象を広げる例が挙げられています。また、幅広い層の認知と関心を高めるアッパーファネルの施策に適した選択肢とされています。問い合わせを成果にしている広告セットで有効になっている場合は、この用途と広告セットの目的が合っているかを確認します。

どちらも、利用できる広告セットでは最初から有効になっている

LinkedIn Audience Networkは、新しい単一画像・カルーセル・ドキュメント・動画の広告セットで自動的に有効になります。利用できるのはこの4つの広告フォーマットの広告セットのみで、広告にLinkedInイベントのURLを含めた場合は、LinkedInのフィードにだけ表示されます。

リーチ拡大ツールは、利用できる広告セットでは自動的に有効になります。ダイナミック広告(フォロワー広告・スポットライト広告・求人広告)や自動生成オーディエンス(自動ターゲティング・バイヤーグループ・予測オーディエンス)を使う場合と、促進広告セットを作成する場合は利用できません。

どちらも、広告セットを作るときにチェックを外さなければ、有効のまま配信されます。作成した担当者が意図しないまま有効になっている広告セットがある、という前提で確認します。

LinkedInの外への配信には、個別の予算を設定できない

広告セットに設定した入札と予算は、LinkedIn内とLinkedInの外の両方への配信に適用されます。公式のよくある質問では、インプレッション数が増えるため、広告セットの予算の上限に、より短い期間で達する可能性が高まる、とされています。

また、LinkedInの外だけに配信する広告セットは作れません。LinkedIn Audience Networkが有効な広告セットの広告は、LinkedInのフィードにもLinkedInの外にも表示される可能性があります。この「1つの予算を共有している」ことが、後の章で扱う、外したあとの予算配分を考える前提になります。

On/Off Networkの内訳とは:クリック率が高い広告セットで問い合わせが増えない理由

よくある場面

クリック率が高い広告セットがあるが、その広告セットの問い合わせの件数は増えていない。

LinkedInの外への配信でクリックが多く発生し、問い合わせにはほとんどつながっていない可能性があります。キャンペーンマネージャーのOn/Off Networkの内訳で、LinkedIn内とLinkedInの外に分けて費用・クリック・問い合わせの3つをそれぞれの割合で比較すると、費用に見合う問い合わせが出ているかが分かります。

内訳は、広告セットの行の下に分けて表示される

  1. 01[広告]を開くキャンペーン・広告セット・広告のタブを選ぶ
  2. 02[列]で指標を選ぶ例:パフォーマンス
  3. 03内訳でOn/Off Networkを選ぶAudience NetworkとOn LinkedInの行が分かれる
  4. 043つの割合を算出する費用・クリック・問い合わせ
内訳を選ぶと、各行の下にLinkedIn内とLinkedInの外の行が分かれて表示される。

手順は公式ヘルプのとおりです。キャンペーンマネージャーで広告アカウントを開き、左側のメニューの[広告]から、キャンペーン・広告セット・広告のいずれかのタブを選びます。[列]で確認したい指標の種類を選び、内訳のメニューでOn/Off Networkを選ぶと、各行の下にAudience NetworkとOn LinkedInの行が分かれて表示されます。CSVで書き出す場合は、エクスポートの種類でLinkedIn Audience Networkの広告のパフォーマンスを選びます。操作は章末の「キャンペーンマネージャーのここを見る」にもまとめています。

配信先の内訳を読むときは、次の3点に注意します。

  • LinkedIn Audience Networkでの配信からのコンバージョンは、広告セット単位でのみ報告されます。広告ごとには比べず、広告セットの行で判断します。
  • LinkedIn Audience Networkのインプレッションは、広告がページに表示されると数えられます。
  • 「分類なし」の行は、インプレッションの位置が分からないことを意味します(公式ヘルプの説明)。

比較するのは、問い合わせを成果とする広告セットだけです。資料DLが目的の広告セットは、後の章で別に扱います。なお、Meta広告のAudience Networkも、配置別に費用と成果を比較して外すかを決めるという同じ考え方で判断できます(Meta広告のAudience Networkは外すべき?配置別の費用と購入で決める方法)。

N社の例:LinkedInの外はクリックの割合が費用の割合の約2倍、問い合わせは60件中1件

対象はN社の「スポンサードコンテンツ|情報システムの管理職」の広告セットで、12か月(2025年10月〜2026年9月)の費用は4,352,649円、問い合わせは60件です。LinkedIn Audience Networkとリーチ拡大ツールは、どちらも有効です。

配信先費用費用の割合クリックの割合問い合わせ問い合わせ単価
On LinkedIn(LinkedIn内)3,743,278円86.0%70.3%59件約63,445円
Audience Network(LinkedInの外)609,371円14.0%29.7%1件609,371円
広告セット全体4,352,649円100%100%60件約72,544円
N社の広告セットの費用・クリック・問い合わせを、LinkedIn内とLinkedInの外に分けた100%の帯グラフ。LinkedInの外は費用の14.0%、クリックの29.7%、問い合わせの1.7%
費用・クリック・問い合わせに占めるLinkedInの外への配信の割合(12か月・N社の例)。

LinkedInの外への配信は、クリックの割合が費用の割合の約2倍ですが、問い合わせは60件中1件です。クリック率(クリック数÷インプレッション数)はLinkedIn内の約2.6倍です(インプレッションの値は表に含めていません)。

割合から比率を算出すると、1クリックあたりの費用はLinkedIn内の約4割、クリックから問い合わせに至る割合はLinkedIn内の約25分の1です。LinkedInの外への配信は、低い費用で多くのクリックを得ていますが、問い合わせにはほとんどつながっていません。

(説明用の計算:1クリックあたりの費用は「費用の割合÷クリックの割合」をLinkedInの外とLinkedIn内で比べて約0.39、クリックから問い合わせに至る割合は「問い合わせの割合÷クリックの割合」を同様に比べて約0.04。)

クリック率の高さは、判断の材料にしない

公式のよくある質問では、LinkedInの外の承認されたアプリ・サイトの配置に、ネイティブ広告とインタースティシャル広告(画面全体に表示する広告)が含まれるとされています。広告のレイアウトも、LinkedInのフィードでの表示をもとに配信先ごとに調整されます。表示形式がフィードと異なるため、クリック率が高くても、問い合わせに結びつくとは限りません。クリックの質に差が生じる原因を配信先の内訳の数字から特定することはできないため、判断は問い合わせ単価で行います。

問い合わせ単価の上限とは:問い合わせが1件でも外すかどうかを判断できる理由

よくある場面

LinkedInの外への配信からの問い合わせは1件だけだが、件数が少ないため外すかどうかを判断できない。

LinkedInの外への配信の費用を問い合わせ単価の上限で割り、問い合わせ単価を上限以下にするのに必要だった件数を算出します。実際の件数がそれを大きく下回っている場合は、件数が少なくても外すと判断できます。

必要だった件数と、実際の件数を比べる

必要だった件数=LinkedInの外への配信の費用÷問い合わせ単価の上限

  • 実際の件数が大きく下回る外すN社:必要約7件に対して1件
  • 実際の件数が近い(差が1〜2件)期間を延ばして集める必要3件に対して2件など(説明用の例)
  • 実際の件数が十分に上回る続ける問い合わせ単価が上限以下に収まっている
N社の例。件数が少ないことだけを理由に、判断を先送りしない。

判断は3つの段階で行います。

  1. 問い合わせ単価の上限を先に決めておく。自社の受注1件の粗利・問い合わせから受注までの率・広告に回してよい割合を掛け合わせます。N社の上限は9万円です。同じN社の上限を、職務タイプ・会社規模別の問い合わせ単価と比べた例は「LinkedIn広告のターゲティングと費用|職務タイプ・会社規模の内訳で狙いの外を絞る」にあります。
  2. LinkedInの外への配信の問い合わせ単価を、上限と比べる。N社は609,371円で、上限の約6.8倍です。
  3. 件数が少ない場合は、必要だった件数を算出する。609,371円÷9万円≒6.8で、問い合わせ単価を上限以下にするには7件以上が必要でした。実際は1件です。

7件が必要なところに1件であるため、問い合わせがあと数件多かったとしても、問い合わせ単価は上限を下回りません。件数が少ないことを理由に、判断を先送りする必要はありません。

自社で外すかどうかの目安も、同じ計算で算出できます。LinkedInの外への配信の問い合わせ単価が自社の上限を超えており、「費用÷上限」で算出した必要な件数を実際の件数が大きく下回っている場合は、外す判断になります。反対に、実際の件数が必要な件数を十分に上回っている場合は、問い合わせ単価が上限以下に収まっているため、配信を続けます。上限の算出方法は、問い合わせから受注までの率が分からない場合も含めて、Microsoft広告の記事「Microsoft広告をBtoBで評価する方法|問い合わせ単価の上限と資料DLの分け方」で補足しています。考え方は媒体によらず同じです。

逆に、必要な件数と実際の件数が近い場合(たとえば必要3件に対して2件。説明用の例です)は、1件の差で結論が変わるため、この時点では判断できません。同じ設定のまま期間を延ばして費用を積み上げ、「費用÷上限」で算出した必要件数と実際の件数の差が、1〜2件の増減では判断が揺らがない程度に開くまで集めてから判断します。

「LinkedIn内であれば問い合わせを得られた」とは言えない

配信先の内訳の数字から分かるのは、LinkedInの外への配信の問い合わせ単価が上限を超えていることまでです。外した場合に、同じ費用でLinkedIn内から何件の問い合わせを得られるかは分かりません。LinkedIn内の問い合わせ単価(N社は約63,445円)は、いまの配信量での値であり、配信を増やした場合も同じとは限らないためです。LinkedIn Audience Networkを外したあとの数字は、後の章の方法で確認します。

ビュースルーを含むかどうかをそろえて比べる

N社の広告セットの問い合わせ60件はクリック後の数で、ビュースルーの26件は別に数えています。配信先の内訳を比較するときは、LinkedIn内とLinkedInの外の問い合わせについて、数え方をそろえておきます。ビュースルーの数え方の詳細は、この記事では扱いません。

LinkedIn Audience Networkを外す手順と、外したあとの予算

外すときは、広告セットの配置のセクションでLinkedIn Audience Networkのチェックを外します。予算を変えなければ、その全額がLinkedIn内への配信に使われるため、減額するか据え置くかを分けて決めます。

外しても、予算を変えなければ全額がLinkedIn内への配信に使われる

外す前

  • 1つの広告セットの予算を、LinkedIn内とLinkedInの外で共有する
  • N社の費用:LinkedIn内86.0%・LinkedInの外14.0%

外したあと

  • 同じ予算が、LinkedIn内への配信だけに使われる
  • 予算を減らすか、据え置くかを決める

LinkedIn内の問い合わせ単価が変わらないとは限らない

N社の例。外した分の予算を他の広告セットに移すかは、別途判断する。

既存の広告セットで外す手順は、公式ヘルプでは次のとおりです。

  1. キャンペーンマネージャーで広告アカウントを開き、左側のメニューの[広告]をクリックする
  2. キャンペーンのタブで、対象のキャンペーン名をクリックする
  3. 広告セットのタブで、広告セット名にカーソルを合わせ、[編集]をクリックする
  4. 配置のセクションで[変更]をクリックし、LinkedIn Audience Networkのチェックボックスをクリアする
  5. ページの一番下までスクロールし、[次へ]をクリックして変更を確定する

新しい広告セットを作るときも、配置のセクションで既定の設定を確認し、LinkedIn Audience Networkのチェックボックスにチェックを入れるかどうかを選びます。既定ではチェックが入っているため、問い合わせを成果とする広告セットでは、作成時に外すかどうかを決めておきます。

LinkedInの外への配信をすべて外すのではなく、特定のサイト・アプリだけを避ける方法もあります。公式ヘルプでは、IABカテゴリーの除外と、特定のサイト・アプリのブロックリストが案内されています。IABカテゴリーの除外は、個別の広告セットに適用するか、広告アカウント内のすべての有効な広告セットに適用するかを選べます。操作の手順は公式ヘルプのページを参照してください。

予算を減らす場合と、据え置く場合

予算を減らす場合:N社で、外した分(609,371円)だけ予算を減らし、LinkedIn内の配信が同じ費用・同じ件数のままだと仮定すると(説明用の計算です)、費用は3,743,278円、問い合わせは59件で、問い合わせ単価は約72,544円から約63,445円になります。

予算を据え置く場合:外した分の予算も、LinkedIn内への配信に使われます。LinkedIn内の問い合わせ単価は配信量が増えると変わる可能性があるため、外したあとの同じ広告セットの問い合わせ単価を、外す前と比べて確認します。N社のこの広告セットは問い合わせが平均で月5件(12か月で60件)であるため、1か月分では判断できません。外す前と同じ長さの期間を、複数か月で比べます。

外した分の予算を別の広告セットに移すかどうかは、移す先の問い合わせ単価で別に判断する事項であり、この記事では扱いません。

資料DLの広告は、資料DLの単価で別に判断する

資料DLが目的の広告セットは、問い合わせの広告セットと混ぜずに配信先の内訳を確認します。LinkedIn Audience Networkが有効な場合は、資料DLの単価で外すかを判断します。

判断の基準は、広告セットの目的で分ける

問い合わせが目的の広告セット

  • 判断の基準:問い合わせ単価
  • N社:情報システムの管理職・リターゲティング・メッセージ広告
  • LinkedIn Audience Networkが有効なのは「情報システムの管理職」だけ

資料DLが目的の広告セット

  • 判断の基準:資料DLの単価
  • N社:ドキュメント広告|セキュリティ点検表(ドキュメント広告+リード獲得フォーム)
  • LinkedIn Audience Networkとリーチ拡大ツールはどちらも無効
N社の例。

資料DLの広告セットを問い合わせ単価で見ると、資料DLの件数が評価に含まれず、効果が実際より低く見積もられます。反対に、問い合わせの広告セットと資料DLの広告セットを合算して配信先の内訳を確認すると、どちらの目的の配信がLinkedInの外で成果を上げていないのかを区別できません。

ドキュメント広告もLinkedIn Audience Networkの対象の広告フォーマットです。資料DLの広告セットで有効になっている場合は、配信先の内訳の資料DLの件数と費用から資料DLの単価を算出し、LinkedIn内と比べて判断します。リード獲得フォームの資料DLは、管理画面では「リード」の列に数えられます。

N社の資料DLの広告セット「ドキュメント広告|セキュリティ点検表」(ドキュメント広告+リード獲得フォーム)は、12か月の費用1,853,839円・資料DL351件・資料DLの単価5,282円で、LinkedIn Audience Networkとリーチ拡大ツールはどちらも無効でした。今回の判断の対象には入りません。資料DLの単価をいくらまで許容するかは、資料DLから問い合わせに進む率などで変わるため、この記事では目安を置きません。

リーチ拡大ツールが最初から有効になっている広告セットを見つける

リーチ拡大ツールで届いた会員は、狙った条件で届いた会員と一緒に報告されるため、LinkedIn Audience Networkのように内訳で区別することはできません。広告セットごとにチェックの状態を確認して有効な広告セットを一覧にし、プロフェッショナル統計データで狙っていない属性への配信を確認します。

内訳がないため、先に設定を確認する

  1. 01有効な広告セットを洗い出す[オーディエンス]セクションのチェック
  2. 02目的を確認する問い合わせか資料DLか
  3. 03プロフェッショナル統計データを見る職務タイプ・職務レベル・会社規模
  4. 04除外するか無効にする外したい属性はターゲティングで除外
リーチ拡大ツールの分だけを取り出した数字は、レポートに出ない。

公式ヘルプでは、ターゲティング基準とリーチ拡大ツールで到達した会員は一緒に報告される、とされています。インプレッション数やクリック数などの指標にも、狙った対象者とリーチ拡大ツールで広がった対象者の両方の分が含まれます。LinkedIn Audience Networkのように、内訳で区別して比較することはできません。

そのため、確認は図と同じ4つの手順で行います。

  1. 有効な広告セットを一覧にする。広告セットごとに、[広告セットを設定]ページの[オーディエンス]セクションで、[リーチ拡大ツール機能を有効にする]のチェックボックスの状態を確認します。最初から有効であるため、有効になっていることを、作成した担当者が意図していない場合があります。
  2. 広告セットの目的を確認する。リーチ拡大ツールは、幅広い層の認知と関心を高める施策に適した選択肢とされています。問い合わせを成果とする広告セットで有効になっている場合は、目的と設定が合っているかを先に確認します。資料DLが目的の広告セットは、資料DLの単価で別に判断します。
  3. プロフェッショナル統計データで、狙っていない属性への配信を確認する。有効な広告セットについて、狙っていない職務タイプ・職務レベル・会社規模などに費用が出ていないかを確認します。公式ヘルプでも、リーチ拡大ツールを使う広告セットでは、プロフェッショナル統計データを見ることがすすめられています。特定の職務と職務レベルを狙った広告セットで、同じ肩書きでも職務レベルの異なる会員にまで広がる例も挙げられています。プロフェッショナル統計データの読み方と、狙っていない属性への費用の見つけ方は「LinkedIn広告のターゲティングと費用|職務タイプ・会社規模の内訳で狙いの外を絞る」で解説しています。
  4. 除外するか、リーチ拡大ツールを無効にする。ターゲティングで除外した属性は、リーチ拡大ツールの対象にも含まれません。外したい会社や役職などがある場合は、リーチ拡大ツールを無効にする代わりに、ターゲティング基準に除外として追加する方法もあります。

あわせて、作成時の[予測結果]パネルに出るターゲットオーディエンスの推定規模と、保存したオーディエンスの数には、リーチ拡大ツールで広がる会員は含まれない点に注意します。予測の規模と、実際の配信の広がりは一致しません。

N社の例:配信先と対象者の拡大が、同じ広告セットで重なっている

広告セット目的リーチ拡大ツールLinkedIn Audience Network次に見るもの
スポンサードコンテンツ|情報システムの管理職問い合わせ有効有効配信先の内訳の問い合わせ単価と、プロフェッショナル統計データ
ドキュメント広告|セキュリティ点検表(資料DL)資料DL無効無効資料DLの単価
リターゲティング|サイト訪問者問い合わせ無効無効この記事の確認の対象外
メッセージ広告|部長以上問い合わせ無効対象外の広告フォーマット2026年1月を最後に停止

4つの広告セットのうち、リーチ拡大ツールが有効なのは「情報システムの管理職」の1つだけで、LinkedIn Audience Networkが有効な広告セットと同じです。1つの広告セットで、配信先と対象者の2つの広がりが重なっています。この広告セットは、配信先の内訳と、プロフェッショナル統計データの両方で確認します。

LinkedIn広告アカウント診断で、配信先の内訳と広告セットの設定を確認する

この記事で挙げた、On/Off Networkの内訳と、リーチ拡大ツールが有効な広告セットの洗い出しは、TAMKOのLinkedIn広告アカウント診断で毎回確認している項目です。

LinkedIn広告ならではの確認項目

  1. 1
    職務タイプ・会社規模ごとの費用と問い合わせ
  2. 2
    狙いに似た人へ配信を広げる設定(リーチ拡大ツール/Audience Expansion)と、LinkedInの外への配信(LinkedIn Audience Network)
  3. 3
    自社サイトの問い合わせと、リード獲得フォームのリードの数え方
  4. 4
    同じ人への表示回数(フリークエンシー)と対象者の数
診断ページに載せている確認項目。この記事の内容は2つ目に当たる。

診断では、「狙いに似た人へ配信を広げる設定(リーチ拡大ツール/Audience Expansion)と、LinkedInの外への配信(LinkedIn Audience Network)」を、広告セットごとに確認します。閲覧のみの権限で拝見し、診断のあいだ設定には触れません。

現状の配分を続けてよいという判断も、診断の結論です。改善点には設定の手順を、続けてよい点にはその根拠を、判断できないものには検証の方法を添えます。

詳しくは診断ページへ。

よくある質問(FAQ)

Q01LinkedIn Audience Networkとリーチ拡大ツールは、無効にしなければ必ず配信されますか?

利用できる広告セットでは、どちらも最初から有効になっています。

LinkedIn Audience Networkは単一画像・カルーセル・ドキュメント・動画の広告セットが対象です。広告にLinkedInイベントのURLを含めた場合は、LinkedInの外には配信されません。リーチ拡大ツールは、ダイナミック広告や自動生成オーディエンスを使う場合と、促進広告セットを作成する場合は利用できません。

Q02「LinkedInパートナーネットワーク」と「LinkedIn Audience Network」は別の機能ですか?

同じ機能です。

日本語のヘルプでは「LinkedInパートナーネットワーク」「LinkedInオーディエンスネットワーク」「LinkedIn Audience Network」の表記が混在しています。英語のヘルプの名前はLinkedIn Audience Networkです。

Q03LinkedInの外への配信だけを外して、LinkedIn内の配信は続けられますか?

できます。

広告セットの配置のセクションで、LinkedIn Audience Networkのチェックボックスをクリアします。反対に、LinkedInの外だけに配信する広告セットは作れません。

Q04問い合わせが1件しかない場合でも、外すかどうかを判断してよいですか?

必要だった件数と比べて、大きく下回っていれば判断できます。

「LinkedInの外への配信の費用÷問い合わせ単価の上限」で、問い合わせ単価を上限以下にするのに必要だった件数を算出し、実際の件数と比べます。差が小さい場合は、期間を延ばして件数を集めてから判断します。

Q05広告ごとに、LinkedIn Audience Networkの問い合わせを比べられますか?

比べられません。

公式ヘルプでは、LinkedIn Audience Networkでの配信からのコンバージョンは、広告セット単位でのみ報告されるとされています。判断は広告セットの単位で行います。

LinkedIn Audience Networkは、On/Off Networkの内訳の問い合わせ単価で外すかを決める|まとめ

LinkedIn Audience Networkとリーチ拡大ツールは、利用できる広告セットでは最初から有効です。LinkedIn Audience Networkは、配信先の内訳で費用・クリック・問い合わせの割合を比較し、クリック率ではなく問い合わせ単価で外すかを決めます。N社の例では、LinkedInの外への配信が費用の14.0%・クリックの29.7%を占める一方、問い合わせは1.7%(1件)で、問い合わせ単価を上限以下にするのに必要な約7件を大きく下回っています。外しても予算を変えなければ全額がLinkedIn内への配信に使われるため、減額するか据え置くかを分けて決めます。資料DLが目的の広告セットは、資料DLの単価で別に判断します。リーチ拡大ツールは内訳で区別できないため、有効な広告セットを一覧にし、プロフェッショナル統計データで狙っていない属性への配信を確認してください。

この記事のポイント

  • LinkedIn Audience Network(日本語のヘルプでは「LinkedInパートナーネットワーク」)とリーチ拡大ツールは、利用できる広告セットでは最初から有効になっている。
  • LinkedIn Audience Networkは、配信先の内訳で費用・クリック・問い合わせの割合を比較し、クリック率ではなく問い合わせ単価で外すかを決める。
  • 件数が少ない場合は、LinkedInの外への配信の費用を問い合わせ単価の上限で割って「必要だった件数」を算出し、実際の件数と比べる。
  • 外しても予算を変えなければ、全額がLinkedIn内への配信に使われる。減額するか据え置くかは分けて決める。
  • 資料DLの広告セットは、問い合わせの広告セットと混ぜず、資料DLの単価で判断する。
  • リーチ拡大ツールは拡大した分の成果がレポートで区別して表示されないため、有効な広告セットを一覧にし、プロフェッショナル統計データで狙っていない属性への配信を確認する。