Meta広告のAudience Networkは、配置別の購入単価とROASで外すかどうかを決める
この記事は、自社ECやD2CでMeta広告を運用し、購入とROASで成果を判断している担当者の方に向けた解説です。配置は自動(Advantage+ 配置)のまま運用しており、配置別の内訳はまだ確認していない方を想定しています。
Audience Networkの配置については、次の3つの状況がよく起こります。この記事では、それぞれへの対処と、広告マネージャで確認する箇所を順に説明します。
- 配置を自動のまま運用しているが、広告費の一部がMeta以外のアプリに配信されているかどうかを把握していないAdvantage+ 配置では、Meta外のモバイルアプリに配信するAudience Networkにも予算が配分される
- 配置の内訳を確認すると、Audience Networkの費用は大きいが、購入は少ない配置ごとに、費用の割合と購入の割合を比較すると、外す候補かどうかが分かる
- Audience Networkはクリック率が高く、購入も計上されているため、外すべきかどうかを判断できない判断に使うのは、損益分岐のROASとの比較と、ビュースルーを除いた購入
例として、診断サンプルの架空の会社であるF社(スキンケアブランドの自社EC)を記事の最後まで使います。数字はすべて説明用のサンプルです。F社では、配置を自動にしている2つのキャンペーンの12か月の費用のうち10.0%(約217万円)がAudience Networkに配分されており、購入に占める割合は2.3%でした。
説明の根拠は、Metaビジネスヘルプセンターの記載です。TAMKOは、Meta広告のアカウント診断で、配置ごとの費用と購入を毎回確認しています。その立場から解説します。
【結論】Audience Networkは「配置別の購入単価とROAS」で外すかどうかを決める
Audience Networkは、配置として一律に良い・悪いと決めるのではなく、自社のアカウントの配置別の購入単価とROASで、外すかどうかを決めます。判断の手順は、①配置の内訳で費用の割合と購入の割合を比較する、②ROASを損益分岐のROASと比べる、③ビュースルーの購入を除いても同じ結論かを確認する、④外す範囲と方法を選ぶ、の4段階です。

外すかどうかは、4つの段階で決める
- 01配置の内訳で比較する費用の割合と購入の割合
- 02ROASを損益分岐と比べるROASが損益分岐を下回り、購入の割合が費用の割合の半分未満の場合は候補
- 03ビュースルーを分けて見るクリック経由の購入だけでも同じ結論か
- 04外し方を選ぶアカウント制御・広告セット・アプリ単位
①は「配置の内訳とは」の章、②と③は「損益分岐のROASとビュースルーの購入とは」の章、④は「Audience Networkを外す方法」以降の3つの章で説明します。F社の例では、①で外す候補に挙がり、②と③で外す判断になります。
なお、Metaが推奨しているのはAdvantage+ 配置です。公式ヘルプには、Advantage+ 配置を使用した広告セットでは、手動配置設定の広告セットに比べて顧客獲得単価(CPA)が平均で11.7%低くなったというテスト結果が記載されています。この記事は、その推奨を前提に、自社の数字で配置ごとの判断を行う方法を扱います。配置を自動のまま運用することと、成果の低い配置を数字で確認することは両立します。
Meta広告のAudience Networkとは:配置を自動のままにすると、Meta外のアプリにも予算が配分される理由
配置を自動のまま運用しているが、広告費の一部がMeta以外のアプリに配信されているかどうかを把握していない。
Audience Networkは、Meta Audience Networkと連携しているモバイルアプリの利用者に広告を配信する配置です。Advantage+ 配置は、配信システムがAudience Networkを含む全配置を対象に予算を割り当てる設定であるため、何も除外しなければAudience Networkにも予算が配分されます。
Advantage+ 配置は、Meta外のアプリまで含めて予算を配分する
- Facebook・Instagramフィード・リール・ストーリーズなどMetaのアプリの中
- Messenger・Threads・WhatsAppMetaのそのほかのアプリMetaのアプリの中
- Audience NetworkMeta Audience Networkと連携しているモバイルアプリMetaの外
ヘルプの説明によれば、この配置を使うと「Meta Audience Networkと連携しているモバイルアプリの利用者にも、キャンペーンのリーチを広げることができる」とされています。広告にはMeta広告と同じターゲット設定、オークション、配信システム、測定の仕組みが使われます。対応している目的には「売上」が含まれ、広告の形式には動画リワード広告・インタースティシャル広告・ネイティブ広告・バナー広告などがあります。
広告セットで配置を除外せず、モバイルとデスクトップのデバイスもオフにしない場合は、Advantage+ 配置と同じ設定になり、[配置]の横に[Advantage+ オン]と表示されます。この状態では、Audience Networkにどれだけの費用が配分されたかは、配置の内訳を開かない限り表示されません。
この記事でいう「売上目的」は、キャンペーンの目的に「売上」を選んだキャンペーンのことです。Advantage+ セールスキャンペーンも売上目的のキャンペーンに含まれます。F社の「手動|新規」と「Advantage+ セールス|全商品」は、どちらもF社が付けた名称で、配置を自動にしている売上目的のキャンペーンです。
自動の配信先に費用が配分され、配信面ごとに成果を分けて見る必要がある点は、Google広告のP-MAXも同様です(関連:P-MAXの配信面ごとの成果)。
配置の内訳とは:Audience Networkの費用と購入を、配置ごとの割合で比較する理由
配置の内訳を確認すると、Audience Networkの費用は大きいが、購入は少ない。
配置の内訳は、キャンペーンの費用や購入を配置ごとに分けて表示する機能で、広告マネージャの[内訳]で[配信]→[配置]を選ぶと表示できます。費用の金額と購入の件数をそのまま比べると、費用の大きい配置ほど購入も多く見えるため、配置ごとに費用の割合と購入の割合を出して比較します。2つの割合が釣り合っていない配置が、外す候補です。
配置の判断は、割合の比較から始める
- 01[内訳]→[配信]→[配置]配置を自動にしているキャンペーンを選ぶ
- 02列をそろえる費用・購入・購入単価・ROAS・クリック率
- 03割合を出す費用の割合と購入の割合を配置ごとに
- 04長めの期間で見る12か月など。月ごとの差で決めない
- 配置を自動にしているキャンペーンを選び、[内訳]アイコンから[配信]→[配置]を選ぶ。
- 列に、費用(消化金額)・購入・購入単価・ROAS(画面上の列名は購入ROAS)・クリック率を追加する。
- 配置ごとに、費用の割合(配置の費用÷合計の費用)と、購入の割合(配置の購入÷合計の購入)を出す。
- 期間は12か月など長めに取り、月ごとの差だけで判断しない。
公式ヘルプによると、ウェブサイトでの購入のようなオフサイトコンバージョンでも、[配信]にある[配置]の内訳はサポートされています。一方で、コンバージョンのデータが不足しているときなどには、内訳で統計モデリングが使われることがあるとも書かれています。配置別の購入は、推計を含む数字として扱います。
見る列:費用・購入・購入単価・ROAS・クリック率
判断の中心は購入単価とROASです。クリック率は、[リンクのクリック]を[インプレッション]で割った値で、クリックが多い一方で購入が少ない、という食い違いがないかを確認するために列に加えます。
購入は、ピクセルとコンバージョンAPIの重複除外ができている数で見ます。コンバージョンAPIは、ブラウザを通さず、広告主のサーバーから購入などのイベントをMetaへ送る仕組みです。ブラウザから送るピクセルと併用している場合、同じ購入が二重に数えられていると、すべての配置のROASが実際より高く表示されるため、損益分岐のROASとの比較が不正確になります(関連:Meta広告のコンバージョンAPIの二重計上を、注文数と照らして確認する方法)。
F社の例:費用の10.0%に対して、購入は2.3%
診断サンプルの架空の会社(F社)の例です。配置を自動にしている2キャンペーンの12か月の費用は約2,164万円、重複除外後の購入は6,338件でした。

| 配置 | 費用 | 費用の割合 | 購入の割合 | 購入単価 |
|---|---|---|---|---|
| Instagram フィード | 539.8万円 | 24.9% | 28.2% | 3,023円 |
| Instagram リール | 475.4万円 | 22.0% | 25.6% | 2,933円 |
| Facebook フィード | 433.5万円 | 20.0% | 22.3% | 3,073円 |
| Instagram ストーリーズ | 303.6万円 | 14.0% | 14.8% | 3,226円 |
| Audience Network | 216.8万円 | 10.0% | 2.3% | 14,747円 |
| Facebook リール | 129.9万円 | 6.0% | 4.9% | 4,190円 |
| その他(Messenger・Threadsなど) | 64.8万円 | 3.0% | 1.9% | 5,312円 |
ほかの配置は、費用の割合と購入の割合がおおむね釣り合っているのに対し、Audience Networkだけは購入の割合が費用の割合の4分の1以下です。Audience Networkの費用は216.8万円、購入は約147件(費用÷購入単価)で、購入単価は14,747円です。これはInstagramフィードの約4.9倍にあたります。
損益分岐のROASとビュースルーの購入とは:クリック率ではなく、ROASで外すかどうかを判断する理由
Audience Networkはクリック率が高く、購入も計上されているため、外すべきかどうかを判断できない。
クリック率が高くても、購入につながっていなければ広告費は回収できないため、判断は損益分岐のROASとの比較で行います。あわせて、計上されている購入のうちビュースルー(広告を見たがクリックはせずに起きた購入)の割合を確認し、クリック経由の購入だけでも同じ結論になるかを検証します。ROASが損益分岐を下回り、ビュースルーの割合も高い場合は外します。
ROASとビュースルーの割合の2つで決める
損益分岐のROASは1÷粗利率で出す
損益分岐のROASは、広告費を売上の粗利で回収できる下限のROASで、1÷粗利率で出します。粗利率が65%の場合は約1.54で、ROASがこれを下回ると、広告費を回収できていない状態です。
粗利率が分からない場合は、主な商品の販売価格と原価から概算します(粗利率=(販売価格−原価)÷販売価格)。商品によって粗利率に幅がある場合は、低いほうの値でも計算し、どちらの損益分岐でも同じ結論になるかを確認します。送料や決済手数料まで含めると損益分岐のROASはさらに高くなるため、概算の粗利率で外す判断となった配置は、実際には損益分岐のROASをさらに大きく下回っています。
外す候補の目安:ROASが損益分岐を下回り、購入の割合が費用の割合の半分未満
1つ目の目安は、Audience NetworkのROASが損益分岐のROASを下回り、購入の割合が費用の割合の半分未満の場合に、外す候補にすることです。これはこの記事で用いる判断の目安で、Metaが示している基準ではありません。
この目安を用いる理由は、購入の割合が費用の割合の半分未満であれば、その配置の購入単価がキャンペーン全体の購入単価の2倍を超えるためです。客単価が配置によって大きく変わらなければ、ROASもキャンペーン全体の半分を下回ります。配置別の購入には統計モデリングの推計が含まれる場合があるため、多少の誤差があっても結論が変わらない差として、この水準を目安にしています。
ビュースルーの購入を分けて、クリック経由の購入だけで出し直す
どの購入を広告の成果として数えるかは、アトリビューション設定で決まります。公式ヘルプでは、ウェブサイトのコンバージョンについて次の3種類が示されています。
- クリックスルー:広告のリンククリックから1日または7日以内
- ビュースルー:広告のインプレッションから1日以内
- エンゲージスルー:リンク以外のクリックなどから1日以内
列の設定でアトリビューションの期間をビュースルーとクリックスルーに分けると、それぞれの購入が別の列に表示されます。配置の内訳と組み合わせて表示できない場合は、配置ごとの購入に(1−ビュースルーの割合)を掛けて、クリック経由の購入を概算します。配置ごとのビュースルーの割合が得られない場合は、キャンペーン全体のビュースルーの割合で代用します。Audience Networkのようにビュースルーの割合が高い配置では、この代用によってクリック経由の購入が多めに見積もられるため、それでも損益分岐を下回る場合は結論が変わりません。2つ目の目安は、ビュースルーの割合がほかの配置より高く、クリック経由の購入だけで購入単価とROASを出し直しても損益分岐を下回ることです。この場合は、外す判断の根拠が強くなります。
なお、クリック率が高い一方で購入が少ないことは、クリックの質を疑う材料にはなりますが、それだけで誤クリックとは判断できません。判断は購入単価とROASで行います。購入の数え方で成果の見え方が変わるのは、配置に限りません。Advantage+ セールスキャンペーンの購入を新規顧客と既存顧客に分ける場合も同じです(関連:Advantage+ セールスキャンペーンの既存顧客は何割?新規だけのROASで確認する)。
F社の例:ROAS 0.50は損益分岐の1.54を大きく下回る
診断サンプルの架空の会社(F社)の例です。粗利率は説明のために65%と仮定しています。1つ目の目安には、次のとおり当てはまります。
- ROAS:約0.50(約147件×客単価7,400円÷216.8万円)。損益分岐の約1.54を下回る
- 費用の割合と購入の割合:10.0%に対して2.3%で、半分未満
F社の例:購入の71.4%がビュースルー。クリック経由だけの購入単価は約5.2万円
F社のアトリビューション設定は、クリックスルー7日・ビュースルー1日です。Audience Networkの購入のうちビュースルーは71.4%で、Instagramフィード・Instagramリール・Facebookフィード・Instagramストーリーズの4配置(2〜3割)と比べて大幅に高い割合でした。クリック経由の購入だけで出し直すと、次のとおりです(説明用の概算です)。
- クリック経由の購入:約42件(約147件×28.6%)
- クリック経由だけの購入単価:約5.2万円、ROAS:約0.14
- クリック率:3.1%(ほかの配置の平均0.92%の約3.4倍)
クリック数は多いものの、クリック経由の購入は約42件と少ない状態です。2つ目の目安(クリック経由だけでも損益分岐を下回る)にも当てはまるため、F社のAudience Networkは「外す」と判断できます。
件数が少ないときの判断:購入が少ないのは偶然かを期待件数で確認する
広告費が小さいアカウントや短い期間では、Audience Networkの購入が数件しかなく、判断できないことがあります。その場合は、ほかの配置と同じ購入単価だった場合に何件の購入があったか(期待件数)を出して、実際の件数と比べます。
購入が少ないのが偶然かは、期待件数で見分ける
期待件数がおおむね10件以上あって、実際の購入がその半分未満の場合は、偶然とは考えにくい状態です。これは判断の目安であって、統計の厳密な検定ではありません。期待件数が10件に満たない場合は、外すかどうかを決めずに保留します。期待件数が10件になるまでの費用(ほかの配置の購入単価×10)と、そこまでにかかる期間を出し、その期間のデータを蓄積してから判断します。
F社の例では、ほかの配置の購入単価は約3,145円(Audience Network以外の費用÷購入)で、Audience Networkの費用216.8万円から見た期待件数は約689件です。実際は約147件で、偶然では説明しにくい差です(説明用の概算です)。
ただし、外した分の予算がほかの配置で同じ購入単価のまま購入が増えるとは限りません。予算が増えた配置では、購入単価が上がることがあります。外した後の確認は、「外しても費用が発生する理由」の章で説明します。
Audience Networkを外す方法:売上目的ではアカウント制御の[配置の制御]で外す
売上目的のキャンペーンでは、広告セットで配置を手動で選択できなくなっています(段階的に導入)。Audience Networkを外すときは、アカウント制御の[配置の制御]を使います。アカウント制御は、広告アカウント単位で配置の除外を設定する機能で、アカウント内のすべてのキャンペーンに適用されます。
目的によって、外す場所と影響の範囲が変わる
売上・リード・エンゲージメント・アプリの宣伝
- アカウント制御の[配置の制御]
- アカウント内のすべてのキャンペーンに適用
- 既存のキャンペーンへの反映は最大48時間
認知度アップ・トラフィック
- 広告セットの配置で手動選択
- その広告セットだけに適用
- 配置を除外すると[Advantage+ オフ]
公式ヘルプによると、Metaは配置設定を変更し、目的が「エンゲージメント」「リード」「アプリの宣伝」「売上」のキャンペーンでは、広告セットレベルで配置を手動で選択できなくなりました。目的が「認知度アップ」「トラフィック」のキャンペーンは、この変更の影響を受けず、配置を手動で設定できます。
代わりの方法として、アカウント制御で広告アカウントレベルの配置の除外を設定できます。対象の配置の一覧には、Audience Networkの2つの配置が含まれています。目的別に設定することもできます。アカウント制御での手順は次のとおりです。
- [広告設定]に移動する。
- [配置の制御]をクリックする。
- (任意)[特定の配置でのみ宣伝できる]をオンにして、配置を除外する。
- Audience Networkの2つの配置の横にあるボックスのチェックを外す。
- [変更を確認]をクリックし、変更内容を確認して[確認]をクリックする。
アカウント制御は全キャンペーンに適用される:反映まで最大48時間
アカウント制御は、作成者を問わず、新しいキャンペーンにも自動で適用されます。設定には[広告設定]へのアクセス許可が必要で、既存のキャンペーンが変更されるまでに最大48時間かかることがあります。
そのため、Audience Networkの成果がよいキャンペーンが同じアカウントにある場合も、アカウント制御で外すと、そのキャンペーンでもAudience Networkが配信されなくなります。外す前に、配置の内訳をキャンペーンごとに分けて確認します。
売上目的で広告セットの[配置の制御]が表示されるかはアカウントで異なる
この変更は段階的に導入されているため、まだ広告セットで配置を選べるアカウントもあります。公式ヘルプには、売上目的の広告セットの[配置]で[その他の設定を表示]を開き、[配置の制御]で除外する配置のチェックを外す手順も残っています。この場合は、その広告セットだけから外すことができ、配置を除外した広告セットは[Advantage+ オフ]になります。どちらの方法で外す場合も、次の章の「除外された配置に予算を限定的に割り当てる」の扱いを確認します。
外しても費用が発生する理由:「除外された配置に予算を限定的に割り当てる」
Audience Networkを外しても、配置の内訳に費用が残ることがあります。主な理由は、配置を除外すると「除外された配置に予算を限定的に割り当てる」(この記事では「限定的な予算消化」と呼びます)が既定で有効になり、除外した配置でも予算の5%前後が使われることです。
除外しても、既定では予算の一部が消化される
完全な除外
- Audience Networkへの配信はなし
- 予算はほかの配置だけに配分
- [除外された配置を管理]で選ぶ
限定的な予算消化(既定で有効)
- 除外した配置ごとに予算の5%前後
- パフォーマンスの向上が見込める場合に配信
- 配置の内訳に少額の費用が残る
公式ヘルプによると、目的が「売上」「リード」「トラフィック」「エンゲージメント」「アプリの宣伝」のキャンペーンで配置を除外すると、パフォーマンスの向上が見込める場合に、配信システムが、除外された各配置で予算の5%前後を消化するよう配信します。広告セットの設定手順の説明では、除外された配置ごとに予算の5%までを消化できる機能と書かれており、公式ヘルプのページによって「5%前後」「5%まで」の2通りの書き方があります。この記事では「5%前後」と書きます。
既定で有効:[除外された配置を管理]で完全な除外を選ぶ
対象となる広告主では、プラットフォームまたは配置の制御で配置を除外すると、限定的な予算消化が既定で有効になります。除外する配置ごとに[除外された配置を管理]をクリックして、限定的な予算消化を許可するか、配置の完全な除外を続けるかを選べます。この機能はいつでもオフにできます。
一方で、Metaは全世界を対象とした分析で、限定的な予算消化を許可した広告セットは、許可しなかった広告セットに比べて結果の単価が平均で7.7%低かったと示しています。そのため、Audience Networkを完全に外すか、5%前後を残すかは、ROASで判断した結果で選びます。F社のように、クリック経由の購入が約42件と少なく、損益分岐を大きく下回っている場合は、完全な除外を選ぶ根拠があります。アカウント制御で除外した場合にこの機能がどう扱われるかは、公式ヘルプに明記がないため、外した後の配置の内訳で確認します。
外した後の確認:同じ長さの期間で、配置の内訳とROASを前後比較する
外した後は、翌週以降の配置の内訳で、Audience Networkの費用が0になっているか、または2つの配置それぞれで予算の5%前後に収まっているかを確認します。そのうえで、外す前と同じ長さの期間で、キャンペーン全体の購入単価とROASを比べます。外した分の予算が配分された配置の購入単価が上がっていないかも、配置ごとに確認します。
配置ごと外すか、アプリ単位で外すか:配信レポートとパブリッシャーブロックリスト
除外を決めた後は、その範囲も選びます。F社のように購入単価が損益分岐を大きく上回り、購入も少ない場合は配置ごと除外しますが、Audience Networkの購入がある程度あり、費用が一部のアプリに偏っている場合は、成果の低いアプリだけを対象にする方法もあります。広告が表示されたアプリは配信レポートで確認し、対象のアプリはパブリッシャーブロックリストに登録します。
外す範囲が広いほど、手間は減り影響は大きくなる
外す範囲が広い
配信レポートは、キャンペーンの期間中または実施後に確認できます。データは概算で、反映は約3〜5日遅れです。配信レポートのダウンロードには、ビジネスポートフォリオが必要です。
ただし、配信レポートで分かるのはインプレッションの情報で、アプリごとの購入は、公式ヘルプでは確認できる項目として示されていません。費用が大きく、購入がほとんどない場合は、アプリを1つずつ外すより、配置ごと外すほうが早く結論を出せます。どちらを選ぶかは、Audience Networkの費用の大きさと、確認にかけられる工数で決めます。
TAMKOのMeta広告アカウント診断で確認すること
この記事で挙げた、配置別の費用と購入の比較は、TAMKOのMeta広告アカウント診断で毎回確認している項目です。
診断で、配置について確認する3つの項目
- 1購入の数の正しさピクセルとコンバージョンAPIの重複除外
- 2配置ごとの費用と購入フィード・リール・ストーリーズ・Audience Network
- 3自動に任せた配置継続してよい配置と、手動に戻すべき配置を分ける
診断で確認する項目には、「配置ごと(フィード・リール・ストーリーズ・Audience Network)の費用と購入」が含まれます。診断・報告書・説明会まで無料(毎月2社まで)。エグゼクティブサマリー・調査報告書・分析の明細(Excel)・オンラインの説明会1回をお渡しします。
配置の除外や予算の配分の変更まで依頼したい場合は、Meta広告のお試し運用から始められます。1施策を、1か月・5万円でお預かりします(税別)。お預かりする施策の広告費は月30万円までです。
詳しくは診断ページへ。
よくある質問(FAQ)
Q01Audience Networkはクリック率が高いので、残したほうがよいのではありませんか?
クリック率だけでは判断できません。
購入単価とROASで比べ、ROASが損益分岐を下回る場合は、クリック経由の購入だけでも同じ結論になるかを確認してから、外すかどうかを決めます。
Q02粗利率が分からない場合、損益分岐のROASはどう出せばよいですか?
主な商品の販売価格と原価から、粗利率を概算して出します。
粗利率=(販売価格−原価)÷販売価格です。粗利率に幅がある場合は、低いほうの粗利率で出した損益分岐でも同じ結論になるかを確認します。
Q03Audience Networkを外しても、配置の内訳に費用が残っています。なぜですか?
配置を除外すると「除外された配置に予算を限定的に割り当てる」が既定で有効になり、除外した配置ごとに予算の5%前後が消化されることがあります。
完全に外す場合は、[除外された配置を管理]で配置の完全な除外を選びます(公式ヘルプ記載)。
Q04売上目的のキャンペーンで、広告セットの配置の設定が見つかりません。
売上・リード・エンゲージメント・アプリの宣伝の目的では、広告セットで配置を手動で選択できなくなっています(段階的に導入)。
アカウント制御の[配置の制御]で外せますが、アカウント内のすべてのキャンペーンに適用されます。
Q05Audience Networkの中の特定のアプリだけを外せますか?
パブリッシャーブロックリストで、Meta Audience Network内の特定のアプリに広告が表示されないようにできます。
どのアプリに表示されたかは、配信レポートのインプレッション情報で確認できます。
Q06購入が数件しかなく、成果の良し悪しを判断できません。
Audience Networkの費用をほかの配置の購入単価で割った期待件数が、10件以上になるまで数字を集めてから判断します。
期待件数が少ないうちは、外すかどうかを決めずに期間を延ばします。
Audience Networkは配置別のROASで判断し、外す場合は既定の設定まで確認する|まとめ
Audience Networkは、Advantage+ 配置では、何も設定しなければ予算が配分される配置です。外すかどうかは、配置別の購入単価とROASで判断し、外すと決めた場合は、外す場所と既定の設定を確認してから操作します。判断と操作の順に、次の4点を確認してください。
この記事のポイント
- Audience Networkは「Meta Audience Networkと連携しているモバイルアプリ」への配置で、Advantage+ 配置では、何も設定しなければ予算が配分される。
- 配置の内訳([内訳]→[配信]→[配置])で費用の割合と購入の割合を比較し、ROASを損益分岐のROAS(1÷粗利率)と比べて外す候補を決める。購入の割合が費用の割合の半分未満であることも目安にする。
- 購入のうちビュースルー(広告を見たがクリックせずに起きた購入)の割合を確認し、クリック経由の購入だけでも同じ結論になるかを見る。
- 売上目的では、Audience Networkをアカウント制御の[配置の制御]で外す。アカウント内のすべてのキャンペーンに適用される。
- 配置を除外しても、既定では除外した配置にも予算の一部が使われる。完全に外す場合は[除外された配置を管理]で選び、外した後は同じ長さの期間で前後を比較する。