ChatGPTに「おすすめの会社」を聞いた20場面の記録から、選ばれた会社の条件を整理する
検索エンジンより先に、ChatGPTへ「おすすめの会社を教えてください」と聞いて発注先を探す担当者が増えています。
一方で、自社の名前がその回答に出ているかを確かめている会社は多くありません。たとえば「Microsoft広告の運用を任せられる会社を5社」と聞くと、ChatGPTは5社を挙げ、それぞれに選んだ理由を添えます。その理由を見ると、挙がった各社のWebページに何が書かれていたかが分かります。
この記事では、TAMKOが2026年10月に行った20場面の記録をもとに、ChatGPTが会社を選ぶまでの流れ、選ばれた会社に共通していた条件、場面による顔ぶれの違いを整理します。
対象は、BtoBの発注先探しで自社の名前が挙がるかを気にしているマーケティング・Web担当の方です。AIや検索の専門知識は前提にしていません。20場面の記録は、TAMKOが自社のサービスを対象に取ったものです。
ChatGPTが「おすすめの会社」を答えるまでの流れ
ChatGPTは、選び方を聞かれた段階では検索しないことが多く、会社を挙げるよう求められた段階で検索してWebページを読み、候補を決めます。会社の名前が挙がるかどうかは、会社を挙げてもらう2問目でページが読まれ、条件に合うと判断されるかで決まります。
OpenAIのヘルプでは、ChatGPTは最新の情報が役立つ質問のときに自動でWebを検索し、回答に参照元のリンクを付けると説明されています。その際には、外部のサービスと連携し、質問を短い語に書き換えて送ることがあるとも書かれています。
TAMKOの記録でも、必要に応じて検索し、参照元のリンクを付ける動きが見られました。20場面のうち、1問目(選び方を聞く質問)で検索したのは8場面でした。2問目(会社を挙げてもらう質問)では20場面すべてで検索し、参照元のリンクが付いていました。
会社を挙げるよう求められた段階で検索し、読んだページから候補を絞る
- 011問目:選び方を聞く検索したのは20場面中8場面
- 022問目:会社を聞く20場面すべてで検索
- 03読んだページから候補を5社前後に絞る
- 04選んだ理由を添えて回答する
1問目で検索しない場合、回答はChatGPTがもともと持っている知識で作られます。1問目で示された「選び方のポイント」が、2問目で会社を絞り込む条件として使われる回答も見られました。
20場面の実測:調べ方と結果
20場面のうち、TAMKOのサービスが挙がったのは1場面でした(10月7日の広告効果の分析サービス)。挙がった会社は場面ごとに異なり、各回答には選んだ理由が書かれていました。
調べ方
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施日 | 2026年10月7日(10場面)・2026年10月20日(10場面) |
| 使ったAI | ChatGPT(Web版)。一時チャットを使い、過去の会話とメモリの影響を除いた |
| 質問 | 1場面につき2問。1問目で選び方を聞き、2問目で具体的な会社を挙げてもらう |
| 場面 | 10月7日:チラシ・イベント・SNS・テレビCMなどの効果を分析する会社探し 10月20日:Google広告・Microsoft広告の代理店探し(一般・乗り換え・第三者の診断・お試し・BtoBなど) |
| 判定 | 2問目の回答に、TAMKOのサービス(10月7日は広告効果の分析サービス、10月20日はGoogle広告・Microsoft広告の診断とお試し運用)の名前とURLが出たか |
2問目の質問の例は、次のとおりです。
- 「それを代わりにやってくれる会社やサービスはありますか?具体的に教えてください。」(「それ」は1問目で聞いた分析の作業を指します)
- 「BtoBのMicrosoft広告を任せられる会社を5社、URLつきで教えてください。」
結果
| 実施日 | 場面 | TAMKOのサービスが挙がった場面 |
|---|---|---|
| 2026年10月7日 | 効果を分析する会社探し(10場面) | 1場面(広告費が上がってきたため、チラシ・イベント・SNS広告のどれを削るかを決めたい場面。5社中1番目) |
| 2026年10月20日 | 広告代理店探し(10場面) | 0場面 |
挙がった1場面では、ページに書いてあった言葉(チラシ・イベント・SNS、どこからいくら減らすか、初回の料金)が、回答にそのまま使われていました。ChatGPTが回答に付けた比較表のうち、費用の欄に具体的な金額が入っていたのは、5社のうちTAMKOのサービスだけでした。
10月20日の10場面については、追加で社名を出して聞いたところ、ChatGPTは対象のサービスページを見つけられていませんでした。公開から日が浅く、サイト内からのリンクもなかったことが原因と考えられます。選ばれなかったのではなく、読まれていなかったことになります。この違いは「ChatGPTに自社が出てこない3つの段階と、その確認手順」で詳しく扱っています。
ChatGPTの回答は、同じ質問でも毎回変わります。この記録は1場面につき1回ずつの結果のため、参考値としてご覧ください。
選ばれた会社に共通していた5つの条件
ChatGPTが選んだ理由として挙げていたのは、専用のページ、料金と契約条件、数字の入った事例、公式の認定・実績年数・中立性、解説記事の5つでした。いずれも、ページに書かれていて読み取れることが前提です。
選んだ理由は、どれもページに書かれていること
- 1質問の言葉で名乗る専用のページ書いていない条件は「要確認」になる
- 2料金と契約条件料金・最低契約期間・契約の単位
- 3数字の入った事例同じ業種・同じ条件の事例
- 4公式の認定・実績年数・中立性パートナー認定、何年から何社
- 5解説記事読まれていることが前提
質問の言葉で名乗る専用のページがある
Microsoft広告の代理店探しでは、「Microsoft広告専用のサービスページがある」ことが、選んだ条件として繰り返し書かれていました。Microsoft広告の少額のお試し運用を聞いた場面でも、1番目に挙がった会社の理由は、Microsoft広告専用のページで料金と1か月の契約を公開していることでした。
反対に、ページに書いていない条件は「要確認」として扱われました。Microsoft広告の第三者による診断を聞いた場面では、挙がった5社のうち3社に「Microsoft広告に対応できるかは要確認」という注記が付いていました。
料金と契約条件が書かれている
料金、最低契約期間、契約の単位を公開していることは、多くの場面で理由に挙がりました。料金を書いていない会社は、比較表の費用の欄が「要見積もり」になります。なお、20場面とは別に2026年9月に行った質問(「MMMをしてみたいので、サービスを探してほしい」)でも、比較表の先頭に挙がったTAMKOの広告効果の分析サービスは、料金・期間・必要なデータをページに書いていました。
事例に数字が入っている
BtoBのMicrosoft広告を任せられる会社を聞いた場面では、5社すべての理由が「Microsoft広告×BtoBの事例を数字つきで公開している」ことでした。問い合わせの件数や獲得単価など、成果を数字で示した事例です。食品メーカーの担当者という設定の場面でも、同じ業種の事例があることが決め手として書かれていました。
公式の認定・実績年数・中立性が書かれている
広告媒体の公式パートナーの認定は、1問目の選び方の段階から重要な項目として挙がり、2問目でも選んだ理由になっていました。分析会社探しの場面では、「何年から、何社の実績」という実績年数と社数、「広告会社・媒体社から独立している」という中立性が、繰り返し理由として引用されました。
解説記事を公開している
Google広告のP-MAX(自動で配信先を決める広告)の見直しを頼める会社を聞いた場面では、挙がった5社のうち複数の会社で、選んだ理由が「解説記事や研究を公開している」ことでした。ただし、解説記事を公開していても、その記事が読まれなければ理由にはなりません。この場面では、TAMKOが公開しているP-MAXの記事は参照されていませんでした。
第三者の診断を聞いた場面での、無料診断と有料診断の扱い
第三者による診断を聞いた2つの場面で、ChatGPTは「無料診断は営業が目的のことがある」として、有料の単発診断を優先するよう勧めていました。
Google広告とMicrosoft広告のアカウント診断を聞いた場面では、1問目の回答で、無料診断は乗り換えの営業を目的としていることがあると説明していました。Google広告の場面で1番目に挙がったのは、報告書・改善計画・報告会を含む有料の診断でした。
この結果は、無料診断を提供することが不利だという意味ではありません。無料で提供する場合は、範囲、受け取れるもの、診断の後に営業を受けるかどうかを、ページに書いておく必要があります。書かれていない場合、ChatGPTは一般的な傾向をもとに判断します。
質問の場面による、挙がる会社の業態の違い
同じ「広告の効果を分析する会社」でも、質問の場面によって挙がる会社の業態が入れ替わりました。自社がどの場面の質問に対してページで答えているかが、挙がるかどうかを分けます。
10月7日の10場面のうち、主な6場面で挙がった業態は次のとおりです。
| 質問の場面 | 主に挙がった業態 |
|---|---|
| 新聞の折込チラシの効果を測りたい | 新聞社系の折込広告会社、反響の計測ツール |
| 催事やイベントの効果を測りたい | 商業施設の売上や来場者を分析する会社 |
| SNSアカウントの運用が売上に効いているかを知りたい | SNSの運用支援会社 |
| テレビCMとWeb広告の予算配分を決めたい | テレビCMの効果分析を専門とする会社、大手広告会社 |
| チラシ・イベント・SNS広告のどれを削るかを決めたい | TAMKOの広告効果の分析サービスを含む分析会社 |
| 広告効果の分析を安く外注したい | 個人が出品するWeb広告の診断(スキルの販売サイト) |
同じTAMKOの広告効果の分析サービスでも、「どれを削るか」の場面では1番目に挙がり、「どの施策が売上に効いたかを分析してくれる会社」を直接聞いた場面では挙がりませんでした。また、「広告効果の分析」を「安く」と聞くと、ChatGPTはWeb広告のアカウント診断の相場と解釈し、比較される相手そのものが変わりました。
Google広告でも、一般的な代理店探しと、「既存の運用はそのままで1施策だけお試しで頼みたい」場面とでは、挙がった5社の顔ぶれがほとんど重なりませんでした。この1施策のお試しの場面では、ChatGPT自身が「5社とも、1施策だけ受けると明記しているわけではない」と注記していました。質問に合うページが見つからない場合は、その条件を満たさない会社も候補に入ります。
自社が選ばれるかを確かめる手順
見込み客が尋ねると想定される質問を場面ごとに作り、1問目と2問目に分けてChatGPTに聞き、挙がった会社と理由を記録します。同じ質問で定期的に聞き直すと、ページを直した効果を確かめられます。
- 場面を書き出す:見込み客が発注先を探すきっかけ(乗り換え、お試し、特定の業種など)を5〜10個挙げる
- 質問を2問に分ける:1問目で選び方、2問目で「会社を5社、URLつきで」と聞く
- 一時チャットで聞く:過去の会話やメモリの影響を除く
- 記録する:挙がった会社・選んだ理由・参照元のURL・自社が挙がったかを残す
- 自社が挙がらなかった場面は、社名を出して聞き直す:自社のページを見つけられているか(読まれていないのか、読まれたうえで選ばれていないのか)を分ける
- 同じ質問で月1回聞き直す:回答は毎回変わるため、1回の結果で判断しない
記録したら、選ばれた会社の理由を、自社のページと照らし合わせます。専用のページはあるか、料金と契約条件は書かれているか、事例に数字はあるか、公式の認定・実績年数・中立性は書かれているか、解説記事は読まれているか、の順で確認すると、直す場所が決まります。
TAMKOのAI検索対策で行うこと
TAMKOのAI検索対策は、この記事と同じ手順で、貴社の名前がAIの回答に挙がるかを確かめるところから始めます。
初回診断は無料です。最初のヒアリング(60分)で、貴社の見込み客がAIに尋ねると想定される質問と場面を決めます。その後、実際にAIに聞き、名前が出ない理由と直す場所を特定します。結果は直す場所の指示書にまとめ、伴走支援の内容とあわせてご説明します。
伴走支援(月額15万円〜・税別・1カテゴリの場合・最短3か月)では、同じ質問で毎月聞き直し、ChatGPTなどのAIが挙げる会社と参考にしたページの変化を報告します。お申し込みが多い時期は、お受けできない場合があります。
詳しくはBtoBのAI検索対策のページへ。
よくある質問(FAQ)
Q01ChatGPTの回答は毎回変わりますが、記録する意味はありますか?
あります。
1回の結果では判断せず、同じ質問を同じ条件で繰り返して傾向を見ます。回答が変わっても、挙がる会社と選んだ理由の書き方には共通点が見られるためです。この記事の記録は1場面につき1回ずつのため、TAMKOでは同じ質問での聞き直しを続けて傾向を確かめます。
Q02広告を出せば、ChatGPTのおすすめに挙がりますか?
この記事の記録は、広告ではなく通常の回答を対象にしています。
通常の回答に挙がるかどうかは、Webページが読まれ、質問の条件に合うと判断されるかで決まります。
Q03社名を出して聞けば自社が出てくる場合は、対策は不要ですか?
不要とは言えません。
社名を出して聞いたときに自社が出てきても、確認できるのはページが読まれていることまでです。発注先を探す担当者は社名を知らない段階で聞くため、場面ごとの質問で挙がるかを確かめる必要があります。
ChatGPTのおすすめに選ばれる条件は、質問の場面ごとにページで答えていること|まとめ
ChatGPTに「おすすめの会社」を聞くと、多くの場合、選び方を聞く1問目では検索せず、会社を聞く2問目で検索してWebページを読み、候補を決めます。TAMKOの20場面の記録では、選ばれた会社に共通していた条件は、質問の言葉で名乗る専用のページ、料金と契約条件、数字の入った事例、公式の認定・実績年数・中立性、解説記事の5つでした。第三者の診断を聞く場面では、無料診断よりも有料の単発診断が優先されました。挙がる会社の業態は、質問の場面によって入れ替わります。そのため、自社の見込み客が尋ねると想定される場面ごとに質問を作り、挙がった会社と理由を定期的に記録してください。その記録をもとに、直す場所を決めます。
この記事のポイント
- ChatGPTは、選び方を聞く1問目では検索しないことが多く(20場面中8場面で検索)、会社を聞く2問目で検索して候補を決める(20場面すべてで検索)。
- 選ばれた会社に共通していた条件は、専用のページ、料金と契約条件、数字の入った事例、公式の認定・実績年数・中立性、解説記事の5つ。ページに書いていない条件は「要確認」として扱われた。
- 第三者の診断を聞く場面では、「無料診断は営業が目的のことがある」として、有料の単発診断が優先された。
- 同じ分野でも、質問の場面によって挙がる会社の業態が入れ替わる。言葉の選び方で、比較される相手そのものが変わる。
- 自社が挙がるかは、場面ごとの2問で聞き、挙がらない場面は社名を出して「読まれていないのか、選ばれていないのか」を分けて確かめる。