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点検と改善

Google広告のクリック単価が上がったときは、オークション分析を上昇の前後の期間で比較し、上昇が競合の増加によるものかを判断する

Google広告のクリック単価が上昇した際に、要因を確認しないまま競合の増加と判断し、入札単価の引き上げやキーワードの停止を決める運用が多く見られます。

たとえば、TAMKOがGoogle広告アカウント診断の報告書サンプル(以下「診断サンプル」)で用いている架空の会社B社(アウトドア用品のEC事業者)では、「検索_商品の語」キャンペーンにおけるキーワード「焚き火台」の平均クリック単価が、6月1日〜28日の4週間は60円、続く6月29日〜7月26日は90円です。このキャンペーンの入札戦略は個別クリック単価で、担当者は6月1日〜7月26日の間に上限クリック単価(キーワードや広告グループに設定する、1回のクリックの料金の上限)を変更していません(キーワード・クリック単価・入札戦略は説明用の架空のものです)。平均クリック単価の推移だけでは、上昇の要因が競合の増加か、自社側の変化かを判断できません。

本記事では、まずクリック単価が上がる仕組みを整理します。そのうえで、クリック単価が上がったキーワードと上昇が始まった週の特定、上昇の前後の2つの期間でのオークション分析の作成、指標の変化による競合の増加の判断という手順を解説します。あわせて、競合の増加を確認した後に、上昇後のクリック単価を損益分岐となるクリック単価(以下「損益分岐単価」)と比較し、入札単価を引き上げるかどうかを判断するための計算をまとめます。

想定する読者は、Google広告の検索キャンペーンを自社で運用している方と、運用は外部に委託し、配信の方針を社内で決定している方です。クリック単価の上昇の要因の確認では、次の3つの場面が多く見られます。

TAMKOはGoogle広告アカウント診断を提供しており、その知見に基づき、管理画面で確認する箇所を中心に解説します。

【結論】Google広告のクリック単価が上がったキーワードは、オークション分析を上昇の前後の期間で比較し、上昇が競合の増加によるものかを判断する

クリック単価が上がったキーワードと、上昇が始まった週を特定し、そのキーワードのオークション分析を、上昇の前と後の同じ長さの期間で作成します。新しいドメインが表示されたか、既存の競合のインプレッション シェア・重複率・上部掲載率が上昇していれば、競合の増加がクリック単価の上昇の要因と考えられます。あわせて、[競合指標]の列で自社の広告の表示への影響を確認し、入札単価を引き上げる前に、上昇後のクリック単価を損益分岐単価と比較します。

Google広告のクリック単価が上がったときに、上昇の要因を確認し、入札単価を引き上げるかを判断する5つの手順:クリック単価が上がったキーワードと週を特定する、上昇の前後の期間でオークション分析を作成する、オークション分析の指標の変化を確認する、[競合指標]の列で自社の表示への影響を確認する、上昇後のクリック単価を損益分岐単価と比較する
手順3でオークション分析の指標に変化がない場合は、自社の設定の変更・広告の品質の低下・検索語句の構成の変化を調べる(「オークション分析の指標に変化がない場合に確認すること」の章)。

1つの期間のオークション分析では、同じオークションに参加している競合は把握できますが、その増加は判断できません。上昇の前後の2つの期間でオークション分析を作成すると、クリック単価が上がった時期と、競合の状況が変化した時期が一致しているかを確認できます。

クリック単価が上がる仕組み:実際のクリック単価は、掲載順位が1つ下の広告の広告ランクで決まる

よくある場面

上限クリック単価を変更していないにもかかわらず、キーワードの平均クリック単価が上昇している。

実際のクリック単価は、広告ランクの下限値を満たし、掲載順位が1つ下の広告の広告ランクを上回るために最低限必要な金額です。そのため、上限クリック単価が同じでも、自社の広告の1つ下に、広告ランクの高い競合の広告が加わると、実際のクリック単価は上がります。なお、自社の設定の変更、広告の品質の低下、配信された検索語句の構成の変化によっても、クリック単価は上がります。

掲載順位が1つ下の広告の広告ランクによって、Google広告の実際のクリック単価が決まることを示した図:自社の広告の1つ下に広告ランクの高い競合の広告が加わると、上限クリック単価が同じでも実際のクリック単価は上がる
Google 広告 ヘルプ「実際のクリック単価(CPC)」の記載をもとに作成した説明用の例。請求される金額は、広告ランクの下限値を満たすことも条件として決まる。

Google 広告 ヘルプ(以下「ヘルプ」)によると、実際のクリック単価は、ほとんどの場合、上限クリック単価を下回ります。これは、請求される金額が、結論で示した最低限必要な金額に限られるためです。掲載順位を争う競合がいない場合は、予約料金のみが請求されます。

広告ランクは、入札単価、広告とランディング ページの品質、広告ランクの下限値、オークションにおける競争力などに基づいて、オークションのたびに算出されます。

競合が入札単価を引き上げた場合や、新たな競合がオークションに参加した場合は、掲載順位が1つ下の広告の広告ランクが上がることがあります。その結果、自社の上限クリック単価や広告を変更していなくても、実際のクリック単価は上がります。また、目標アクション単価などの自動入札戦略では、入札単価は広告が掲載対象となるたびに自動で算出されます。自動入札戦略のキャンペーンでは、担当者が操作していなくても入札単価は変動します。

キーワードと週の特定、オークション分析の作成:クリック単価が上がったキーワードについて、上昇が始まった週の前後で同じ長さの期間を設定する

よくある場面

アカウント全体の直近30日間のオークション分析だけでは、どの競合の表示が増えたかを判断できない。

直近の期間を、その直前の同じ長さの期間と比較し、平均クリック単価が上がったキャンペーンを特定します。次に、キーワードの表を週ごとに分割して、クリック単価が上がったキーワードと、上昇が始まった週を絞り込みます。そのキーワードを選択し、上昇の前と後の同じ長さの期間で、それぞれオークション分析を作成します。

Google広告のキーワード「焚き火台」の週ごとの平均クリック単価の推移を示した縦棒グラフ:6月1日の週からの4週間は59〜61円で、6月29日の週から84〜93円に上昇した(説明用の架空の数字)
B社の「検索_商品の語」キャンペーンにおけるキーワード「焚き火台」の、週ごとの平均クリック単価(2026年6月1日〜7月26日)。説明を単純にするため、各週のクリック数はいずれも30件とした。4週間の平均は、上昇の前が60円、後が90円。キーワードと数値は説明用の架空のもの(B社は診断サンプル上の会社)。

最初に、期間選択ツールの[比較]を有効にし、直近の期間とその直前の同じ長さの期間について、平均クリック単価の変化率が大きいキャンペーンを特定します。変化率は、キャンペーンや広告グループの表に表示されます。

次に、そのキャンペーンのキーワードの表で、セグメント アイコンから[期間]→[週]を選び、平均クリック単価を週別に表示します。上昇が始まった週の前と後に同じ長さの期間を設定し、2つの期間の区切りは同じ曜日にそろえます(本記事の考え方)。B社の例では、6月1日〜28日と6月29日〜7月26日の4週間ずつを比較します(説明用の架空の例)。

オークション分析は、キーワード単位・広告グループ単位・キャンペーン単位で作成できます。[キャンペーン]メニューの[検索キーワード]で、対象のキーワードのチェックボックスを選択し、[オークション分析]を開きます。キャンペーン単位で作成すると、対象のキーワードの値が他のキーワードの値と合算され、競合の変化が見えにくくなります。

ただし、ヘルプによると、キーワードと広告グループは、一定の掲載結果データ基準を満たすものだけがオークション分析の対象です。キーワード単位で作成できない場合は広告グループ単位で、広告グループ単位でも作成できない場合はキャンペーン単位で作成します。期間やデバイスでデータを分割することもできますが、本記事では2つの期間を指定して、それぞれオークション分析を作成します。

オークション分析の指標の見方:競合の増加は、新しいドメインの表示か、競合のインプレッション シェア・重複率・上部掲載率の上昇で判断する

よくある場面

オークション分析に新たに表示されたドメインを、確認を経ずにクリック単価の上昇の要因とみなしている。

競合の増加を示す主な変化は、前の期間の一覧になかったドメインの表示、既存の競合のインプレッション シェアの上昇、競合の重複率と上部掲載率の上昇の3つです(ほかの指標の変化は表1)。重複率と上部掲載率は、自社の広告が表示されたオークションを基準にした値のため、自社のインプレッション シェアの変化とあわせて解釈します。

Google広告のオークション分析のインプレッション シェアを、クリック単価の上昇の前後の期間で比較した横棒グラフ:新たに表示された競合 b-outdoor.example が41%で、自社は48%から39%に低下した(説明用の架空の数字)
B社の「検索_商品の語」キャンペーンにおけるキーワード「焚き火台」で、上昇の前(6月1日〜28日)と後(6月29日〜7月26日)を対象期間として作成したオークション分析のインプレッション シェア。b-outdoor.example は前の期間には表示されていない。ドメインと数値は説明用の架空のもの(B社は診断サンプル上の会社)。

オークション分析の指標は、検索キャンペーンでは6つあります。主な指標の定義は、透明性センターで調べる対象の競合の選び方とあわせて別の記事でも解説しています(関連:Google広告の透明性センターの使い方|競合の広告で確認できること・できないこと)。本記事では、クリック単価の上昇の前後で、競合の増加を示す変化に絞って整理します。

指標その行の値が示すもの(ヘルプの定義の要約)競合の増加を示す変化
インプレッション シェアその行の広告主の広告が表示され得た回数の推定値に対する、実際の表示回数の割合競合の行の値の上昇と、自社の行の値の低下
重複率(ヘルプの表記は「広告の重複率」)自社の広告が表示されたときに、その行の広告主の広告も同時に表示された割合競合の行の値の上昇
上部掲載率その行の広告主の広告が自社の広告と同時に表示されたときに、自社の広告より上位に掲載された割合競合の行の値の上昇
優位表示シェア自社の広告が、その行の広告主の広告より上位に掲載されたか、その行の広告主の広告が表示されずに自社の広告だけが掲載された割合競合の行の値の低下
上部表示率その行の広告主の広告が、無料の検索結果の上に掲載された割合競合の行の値の上昇と、自社の行の値の低下
最上部表示率その行の広告主の広告が、無料の検索結果より上の1番目の位置に掲載された割合競合の行の値の上昇と、自社の行の値の低下
ショッピング キャンペーンのオークション分析に表示される指標は、優位表示シェア・インプレッション シェア・重複率の3つです。

B社の例のオークション分析の値は、上昇の前後で次のとおりです。

ドメインインプレッション シェア重複率上部掲載率
B社(自社)48% → 39%——
a-camp.example52% → 53%61% → 63%42% → 44%
b-outdoor.example表示なし → 41%表示なし → 52%表示なし → 45%
c-gear.example24% → 26%30% → 31%35% → 37%
前=6月1日〜28日、後=6月29日〜7月26日。重複率と上部掲載率は、他の広告主の行の値。ドメインと数値は説明用の架空のもの(B社は診断サンプル上の会社)。

後の期間にだけ表示された b-outdoor.example の広告は、B社の広告が表示されたオークションの52%で同時に表示され、そのうち45%はB社の広告より上位、残りの55%は下位に掲載されました。b-outdoor.example の広告がB社の広告の1つ下に掲載されたオークションでは、「クリック単価が上がる仕組み」の章で示したとおり、その広告の広告ランクがB社のクリック単価を上げる要因になります。a-camp.example と c-gear.example の値の変化は1〜2ポイントにとどまります(いずれも説明用の架空の数字)。この結果から、b-outdoor.example の広告が後の期間に表示されたことを、上昇の要因の候補と判断します。

解釈の誤りを避けるため、次の3点に注意します。第1に、ヘルプには、インプレッション シェアが10%を下回ると分析情報が表示されないとあります(自社と他の広告主のどちらの値かは記載されていません)。前の期間の一覧になかったドメインの広告主も、その期間に配信していなかったとは限りません。第2に、重複率と上部掲載率は、結論で述べたとおり自社の広告の表示を基準にした値のため、自社の予算や入札の変更によっても変動します。比較する期間に自社の設定の変更がないかは、変更履歴で確認します(関連:Google広告の変更履歴で成果が変化した原因を探す手順|変化の要因と絞り込み)。第3に、オークション分析のデータには、検索パートナーは含まれません。

[競合指標]の列で、自社の広告の表示への影響を確認する:インプレッション シェア損失率(ランク)・損失率(予算)と上部インプレッション率

よくある場面

新しい競合の広告の表示は確認できるものの、自社の広告の表示がどの程度減ったかを判断できない。

キーワードの表に、検索広告のインプレッション シェア損失率(ランク)と上部インプレッション率の列を追加し、キャンペーンの表で損失率(予算)も確認して、クリック単価の上昇の前後で比較します。損失率(ランク)が上がっていれば、広告ランクが原因で表示されない割合が高まっています。損失率(ランク)と損失率(予算)がどちらも変わらず、クリック単価だけが上がっている場合は、表示の機会を維持するために、より高いクリック単価を支払っている状態です。上部インプレッション率も変わっていなければ、掲載位置も維持しています。

Google広告のクリック単価が上がった後の自社の状態を、検索広告のインプレッション シェア損失率(ランク)と損失率(予算)の変化で4つに分けた図
損失率(ランク)はキーワードの表、損失率(予算)はキャンペーンの表で確認する。4つの区分は本記事で整理したもので、B社の例(説明用の架空の数字)は損失率(ランク)だけが上昇した区分に当たる。

表示項目のアイコンを選び、[競合指標]からインプレッション シェアの列を追加します(ヘルプ)。あわせて使う「検索広告の上部インプレッション率」は、広告のインプレッションのうち、上部広告の1つとして表示されたものの割合です。「検索広告の最上部インプレッション率」は、広告のインプレッションのうち、上部広告の1番目として表示されたものの割合です。いずれも、他の広告と比較した相対的な順位ではなく、検索結果のページで広告が実際に表示された位置を示します。

B社の例では、「焚き火台」の検索広告のインプレッション シェアは48%から39%、損失率(ランク)は50%から59%です。上部インプレッション率は74%から71%、最上部インプレッション率は30%から22%で、「検索_商品の語」キャンペーンの損失率(予算)は2つの期間とも2%です(いずれも説明用の架空の数字)。B社では、クリック単価の上昇に加えて、広告ランクが原因で表示されない割合も高まっています。

ヘルプの記載では、インプレッション シェアに関する指標の更新には1〜2日かかります。そのため、後の期間の終了日は、分析する日の2日以上前に設定します(本記事の考え方)。

オークション分析の指標に変化がない場合に確認すること:自社の設定の変更・広告の品質の低下・検索語句の構成の変化

よくある場面

オークション分析の指標に変化がないにもかかわらず、キーワードの平均クリック単価が上昇している。

競合以外の要因として、自社の設定の変更(入札戦略・目標値・上限クリック単価・予算)、広告の品質の低下、配信された検索語句の構成の変化を確認します。いずれも、オークション分析で用いた上昇の前後の2つの期間で比較します。2026年8月17日以降の上昇では、Google の入札システムの更新の影響も確認します。

Google広告のオークション分析の指標に変化がないにもかかわらずクリック単価が上がった場合の3つの要因と確認画面:自社の設定の変更は変更履歴、広告の品質の低下は品質スコア(履歴)、配信された検索語句の構成の変化は検索語句レポート
確認する順番は本記事で整理したもの。3つの要因が重なる場合もある。

1つ目は、自社の設定の変更です。変更履歴で、入札戦略・目標値・上限クリック単価・予算の変更日を、上昇が始まった週と照合します。変更履歴の絞り込み方は、別の記事で解説しています(関連:Google広告の変更履歴で成果が変化した原因を探す手順|変化の要因と絞り込み)。

2つ目は、広告の品質の低下です。ヘルプの「広告の品質について」によると、広告の品質が低い場合は、競争が激しくない検索語句でも、実際のクリック単価が上限クリック単価に近い額になることがあります。キーワードの表に品質スコア(履歴)の列を追加し、上昇の前後の期間で、品質スコアの3つの要素(推定クリック率・広告の関連性・ランディング ページの利便性)のステータスが下がっていないかを確認します(関連:Google広告の品質スコアの確認方法と改善の順番|費用の大きいキーワードから)。

3つ目は、配信された検索語句の構成の変化です。キーワードの平均クリック単価は、そのキーワードに一致したすべての検索語句の費用の合計を、クリックの合計で割った値です。部分一致などのキーワードで、競合が多く、クリック単価の高い検索語句のクリックの割合が増えると、平均クリック単価は上がることがあります(本記事の考え方)。検索語句レポートを2つの期間で作成し、語句ごとのクリック数と平均クリック単価を比較します(関連:Google広告の検索語句レポートの見方と除外の基準|表示されない語句とマッチタイプ)。

なお、自社側の3つの要因のほかに、Google の入札システムの更新も確認します。ヘルプ「目標値に基づく入札戦略への変更」によると、Google は2026年8月17日以降に入札システムを更新しました。予算による制限を受け、目標値に基づく入札戦略を使用するキャンペーンが対象で、過去に目標値を上回る成果を上げていたキャンペーンでは、パフォーマンスが変動する可能性があります。目標アクション単価または目標広告費用対効果を使用しているキャンペーンで、この時期以降にクリック単価が上昇した場合は、この更新の影響も要因に含めて確認します。

競合の広告文や訴求の変化は、オークション分析には表示されません。オークション分析に表示された競合のドメインで検索すると、その広告の内容を透明性センターで確認できます(関連:Google広告の透明性センターの使い方|競合の広告で確認できること・できないこと)。

競合の増加を確認した後の入札単価の判断:上昇後のクリック単価を、損益分岐単価と比較する

よくある場面

競合の増加を確認した後、上位の掲載順位を維持するために入札単価の引き上げを検討している。

入札単価を引き上げる前に、1クリックあたりの売上に粗利率を掛けて損益分岐単価を計算し、上昇後のクリック単価と比較します。上昇後のクリック単価がこれを上回る場合は、引き上げによって1クリックあたりの損失が拡大するおそれがあるため、広告の品質の改善や予算の配分の見直しを検討します。

Google広告で、上昇前と上昇後の平均クリック単価(60円・90円)を、損益分岐単価(84円)と比較した横棒グラフ(説明用の架空の数字)
B社のキーワード「焚き火台」の、上昇の前と後の平均クリック単価と、損益分岐単価(84円)。1クリックあたりの売上240円は、コンバージョン率2.0%と平均購入単価12,000円から計算した説明用の架空の数字。粗利率35%は診断サンプルの値(B社は診断サンプル上の会社)。

損益分岐単価は、1回のクリックから得られる粗利と、その費用が等しくなるクリック単価です。1クリックあたりの売上(コンバージョン率×平均購入単価)に粗利率を掛けて計算します(本記事の考え方)。

B社の例では、「焚き火台」のコンバージョン率を2.0%、平均購入単価を12,000円とすると、1クリックあたりの売上は240円です(説明用の架空の数字)。この240円にB社の粗利率35%(診断サンプルの値)を掛けると、損益分岐単価は84円です。84円に対し、上昇の前の60円は下回り、上昇の後の90円は上回るため、1クリックあたり6円の損失が生じています(90円−240円×35%=6円)。

上昇後のクリック単価が損益分岐単価を上回る場合は、入札単価の引き上げは見送ります。そのうえで、広告の品質の改善によるクリック単価の抑制、平均クリック単価が損益分岐単価を下回る他のキーワードへの予算の配分、ランディング ページの改善による1クリックあたりの売上の向上を検討します。

上昇後のクリック単価が損益分岐単価を下回る場合は、減少した表示の機会を回復するために、入札単価の引き上げも選択肢になります。その際も、引き上げ後のクリック単価が損益分岐単価を上回っていないかを確認します。

コンバージョン率と平均購入単価は、コンバージョンの件数が少ないと集計する時期によって大きく変わるため、上昇前の3か月など、より長い期間の実績で計算します(本記事の考え方)。

TAMKOのGoogle広告アカウント診断・お試し運用

クリック単価の上昇の要因を、オークション分析・競合指標・変更履歴で確認する時間を社内で確保できない場合は、TAMKOのGoogle広告アカウント診断を利用する方法もあります。

判断の材料が必要か、入札や予算の修正まで委託するかで選ぶ

クリック単価の上昇の要因を確認する時間を社内で確保できない場合

  • 要因を判断する材料が必要Google広告アカウント診断無料(毎月2社まで)
  • 入札や予算の修正まで委託するお試し運用1施策から、1か月・5万円(税別)
お試し運用は1か月で終了し、自動では続かない。

アカウント診断の料金は無料です(毎月2社まで)。診断では、検索広告・P-MAX・YouTube・ディスプレイ・ショッピングまでキャンペーンの種類ごとに確認し、続けてよいか・やめるべきものはあるか・広告で伸ばせるかに根拠を添えて答えます。予算を決める方向けのエグゼクティブサマリー・運用する方向けの調査報告書・分析の明細(Excel)・オンラインの説明会1回をお渡しします。

入札や予算の修正まで委託する場合は、お試し運用をご利用いただけます。Google広告を1施策から、1か月・5万円(税別)でお預かりします。期間は1か月で終了し、自動では続きません。

よくある質問(FAQ)

Q01オークション分析に「google.com」が表示されるのはなぜですか?

自社や競合が Google のドメインを使用している場合に表示されることがあります。

具体的には、自社が Google 所有のドメインか Google ビジネス プロフィールを使用している場合と、競合のランディング ページの URL が Google のサイト(ヘルプの例示は「site.google.com」や「play.google.com」)である場合です。

Q02自社のレポートで、競合のインプレッション シェアが100%と表示されるのはなぜですか?

自社と競合では、広告が表示可能だったオークションが一部しか重ならず、自社のレポートの値は競合自身のレポートの値と異なる場合があるためです。

ヘルプの例では、自社のレポートで100%と表示されていても、競合が表示対象になったオークション全体でのインプレッション シェアは、50%の場合があります。この値だけでは、競合の配信の規模は判断できません。

Q03オークション分析を作成できない、または分析情報が表示されないのはなぜですか?

キーワードと広告グループは一定の掲載結果データ基準を満たすものだけが対象であるためと、インプレッション シェアが10%を下回ると分析情報が表示されないためです。

10%がどの広告主の値かは、ヘルプに記載されていません。キーワード単位で作成できない場合は広告グループ単位で、広告グループ単位でも作成できない場合はキャンペーン単位で作成します。

Q04P-MAXのクリック単価が上がった場合も、オークション分析で競合の変化を確認できますか?

確認できます。P-MAXのオークション分析では、検索ネットワークで配信された検索広告とショッピング広告のデータを参照できます。

対象は2021年11月以降のデータです。データは両者に分けて表示され、アカウント単位とキャンペーン単位で参照できます。キャンペーン単位のオークション分析を、クリック単価の上昇の前後の期間で比較します。

Q05競合の入札単価や広告費は、オークション分析で把握できますか?

把握できません。オークション分析に表示されるのは、インプレッション シェアや重複率などの割合です。

競合の広告の内容は、オークション分析に表示されたドメインで検索すると、透明性センターで確認できます。同センターで確認できることと確認できないことは、別の記事で解説しています(関連:Google広告の透明性センターの使い方|競合の広告で確認できること・できないこと)。

クリック単価の上昇は、Google広告のオークション分析をキーワード単位で上昇の前後の期間で比較して要因を判断する|まとめ

実際のクリック単価は、掲載順位が1つ下の広告の広告ランクで決まるため、上限クリック単価を変更していなくても上がることがあります。クリック単価が上がったときは、対象のキーワードと上昇が始まった週を特定し、そのキーワードのオークション分析を、上昇の前と後の同じ長さの期間で作成します。新しいドメインの表示か、競合のインプレッション シェア・重複率・上部掲載率の上昇があれば、競合の増加がクリック単価の上昇の要因と考えられます。自社の広告の表示への影響は、[競合指標]の列の損失率(ランク)・損失率(予算)・上部インプレッション率で確認します。オークション分析の指標に変化がない場合は、自社の設定の変更・広告の品質の低下・検索語句の構成の変化を確認します。入札単価を引き上げる前には、上昇後のクリック単価を損益分岐単価と比較します。

この記事のポイント

  • 実際のクリック単価は、掲載順位が1つ下の広告の広告ランクで決まるため、上限クリック単価を変更していなくても上がることがある。
  • オークション分析は、クリック単価が上がったキーワード単位で、上昇の前と後の同じ長さの期間を対象に作成する。
  • 競合の増加は、新しいドメインの表示か、競合のインプレッション シェア・重複率・上部掲載率の上昇で判断する。
  • [競合指標]の列の損失率(ランク)・損失率(予算)・上部インプレッション率で自社の広告の表示への影響を確認し、オークション分析の指標に変化がない場合は、自社の設定の変更・広告の品質の低下・検索語句の構成の変化を確認する。
  • 入札単価を引き上げる前に、上昇後のクリック単価を、損益分岐単価(1クリックあたりの売上×粗利率)と比較する。