Yahoo!広告の地域ターゲティングは、地域別レポートで商圏の外の費用と成果を並べて確認する
検索広告で地域ターゲティングを設定しているのに、獲得単価が想定より高い、ということはありませんか。
診断サンプルの架空の会社(H社・地域の住宅リフォーム会社・ショールーム2か所)の例では、アカウント全体で見ると、商圏の外に出ていた費用は14.4%でした。ところが「リフォーム」など地域名の入らない語のキャンペーンだけで見ると、費用の54.0%が商圏の外に出ており、そこから生まれた成果は11.1%にとどまっていました。
そこでこの記事では、地域別レポートで商圏の外の費用と成果を並べ、停止するか、浮いた費用を地域名の入った語の予算に回すかを判断する手順を、LINEヤフー広告の公式ヘルプを根拠に整理します。
対象は、LINEヤフー広告の検索広告(旧Yahoo!広告 検索広告)を運用する、地域で商売をする会社の担当者です。
LINEヤフー広告のアカウント診断で、地域ターゲティングの設定が商圏に合っているかを確認している立場から解説します。
【結論】Yahoo!広告の地域ターゲティングは、地域別レポートで商圏の外の費用と成果を並べて確認する
地域ターゲティングは、設定だけでは判断できません。キャンペーンごとに地域別レポートで商圏の外の費用と成果を並べ、獲得単価を上限と比べて停止か保留かを決めます。

地域別レポートで並べてから、上限と比べて決める
- 01地域別レポートを出すキャンペーンごと
- 02費用と成果の割合を並べる
- 03獲得単価を上限と比べる
- 04停止/保留に分ける
- 05配分先を決めて2か月で検証
- 地域ターゲティングはキャンペーン単位の設定のため、商圏の外もキャンペーンごとに確認する。
- 地域別レポートで、商圏の外の「費用の割合」と「成果の割合」を並べる。
- 獲得単価が上限を大きく超える地域は、配信地域を修正して停止する。
- 浮いた費用の配分先は、インプレッションシェア損失率(予算)で判断し、2か月程度で検証する。
Yahoo!広告の地域の設定:地域名指定・半径指定と、配信地域判定の要点
指定方法は地域名指定と半径指定の2通りです。判断に関わるのは、除外に使えるのは地域名指定だけであることと、配信地域判定の初期設定が所在地以外の判定も含むことです。
除外に使えるのは、地域名指定だけ
地域名指定
- 都道府県単位・市区町村単位
- 配信と除外の両方に使える
一部選べない市区町村がある
半径指定
- 選んだ地点から1〜80km
- 配信地域の指定だけ(除外は不可)
- 地域名指定と併用できる
検索広告では2025年9月3日に追加
- 地域名指定:都道府県単位・市区町村単位から選びます(一部選べない市区町村があります)。
- 半径指定:選択した地点からの半径距離を指定します。検索広告では2025年9月3日に追加され、1〜80kmの範囲で、地域名指定と併用できます。指定できるのは配信地域だけで、除外地域は指定できません。
配信地域判定は2つから選ぶ
- 「ユーザーの所在地、検索キーワードに含まれる地域、ユーザーが関心を示している地域(推奨)」:初期設定。その地域にいる可能性がある人に加え、その地域に関連する語句で検索した人などにも配信します。
- 「ユーザーの所在地」:その地域にいる可能性がある人だけに配信します。公式ヘルプは、インプレッション数が減少する可能性があるとしています。
除外地域の判定は、2023年5月の変更で「ユーザーの所在地」だけになりました。また、配信地域が除外地域に含まれていると、配信されない可能性があります(例:市を配信、同じ県を除外)。
公式ヘルプは、ターゲティングの精度はLINEヤフーによって保証されるものではないとしています。どこへ費用が出たかは、配信の後にレポートで確認します。
商圏の外を見つけるのは「地域別レポート」:地域ターゲティングレポートとの違い
設定した地域ごとに出るのが地域ターゲティングレポート、設定に関係なく検索時の地域ごとに出るのが地域別レポートです。商圏の外を見つけられるのは地域別レポートです。
設定を広く取ると、商圏の外は地域別レポートでしか見えない
地域ターゲティングレポート
- 設定した地域ごとに出る
- 県全体を設定すれば1行
どの市で費用が出たかは読めない
地域別レポート
- 検索時に取得された地域ごとに出る
- 2市・隣接する市町・県内のほかの地域・県外・その他
分割項目:地域判定の種類
「県全体」を配信地域にすると、地域ターゲティングレポートは1行になり、どの市で費用が使われたかは読めません。
地域別レポートは、公式ヘルプの次の注意を前提に読みます。
- 地域を特定できる情報が取得できない分は「その他」に表示される。
- 数値は速報値で、他のレポートと合計値が異なる場合や、地域レベルの分割項目で数値が異なる場合がある。
- 分割項目「地域判定の種類」を選ばなくても、判定の種類ごとに出力される(値の表記は管理画面で確認してください)。
行の合計がキャンペーンの実績と一致しなくても、比べるのは割合と単価です。
H社では、ショールームのある2市と隣接する市町(車で30分ほどの範囲)を商圏、県内のほかの地域と県外を商圏の外としました(診断サンプルの架空の会社(H社)の例です)。
地域別レポートで、商圏の外の費用の割合と成果の割合をキャンペーンごとに並べる
商圏の内と外で「費用の割合」と「成果の割合」を並べ、費用の割合が大きく上回る行を探します。

以下のH社の数字は、地域の行を4区分にまとめた例です(「その他」と地域判定の種類は省略)。期間は2025年10月〜2026年9月、成果は来店予約と見積の依頼の合計です。
アカウント全体では、商圏の外は費用の14.4%・成果の1.6%
| 配信地域 | 費用 | 費用の割合 | 成果 | 成果の割合 |
|---|---|---|---|---|
| ショールームのある2市 | 4,166,253円 | 58.1% | 636件 | 74.5% |
| 隣接する市町 | 1,975,312円 | 27.5% | 204件 | 23.9% |
| 県内のほかの地域 | 590,465円 | 8.2% | 14件 | 1.6% |
| 県外 | 442,097円 | 6.2% | 0件 | 0.0% |
| 合計 | 7,174,127円 | 854件 |
商圏の外の2行は、費用1,032,562円(14.4%)・成果14件(1.6%)です。アカウント全体の獲得単価は8,401円で、後で置く上限12,000円の内側です。全体だけでは、見直す理由は見つかりません。
一般語の検索だけで見ると、費用の54.0%が商圏の外、成果は11.1%
| 配信地域 | 費用 | 成果 | 獲得単価 |
|---|---|---|---|
| ショールームのある2市 | 413,870円 | 47件 | 8,806円 |
| 隣接する市町 | 220,726円 | 17件 | 12,984円 |
| 県内のほかの地域 | 358,689円 | 8件 | 44,836円 |
| 県外 | 386,279円 | 0件 | − |
| 合計 | 1,379,564円 | 72件 | 19,161円 |
商圏の外の2行は、費用744,968円(54.0%)・成果8件(11.1%)・獲得単価93,121円です。アカウント全体の商圏の外の費用の72.1%が、配信地域が県全体と県外に広がっていたこのキャンペーンに集まっていました(診断サンプルの架空の会社(H社)の例です)。
H社のディスプレイ広告の見直しは配信面と年齢が中心で、「LINEヤフー広告のディスプレイ広告、統合後は配信面ごとの獲得単価で見直す」で扱います。
地域名の入った語のキャンペーンは、別の基準で見る
「地域名+リフォーム」のような語は、検索した人が商圏の外にいても、商圏の中で工事を検討している可能性があります(例:離れて暮らす家族が実家のリフォームを調べる。説明用の想定です)。
配信地域判定を所在地だけにすると、こうした検索に表示されなくなります。所在地だけに絞らず、「地域判定の種類」で所在地以外の判定から出た成果を先に確認します。
獲得単価の上限と比べて、商圏の外を停止するかを決める
獲得単価が上限を大きく超える地域は、配信地域を修正して停止します。件数が少ない行は件数が倍になっても上限を超えるかで判断し、上限に近い行は保留します。

獲得単価の上限は、「成約1件の粗利×成果から成約までの率×広告に回してよい割合」で出します。H社は仮の値として、粗利60万円×成約率20%×広告に回す割合10%=12,000円を上限に置きました(診断サンプルの架空の会社(H社)の仮定です)。
一般語の検索の商圏の外の獲得単価93,121円は、上限の約7.8倍です。県内のほかの地域(44,836円・8件)は、件数が倍の16件でも単価は約22,400円で上限を超えます(診断サンプルの架空の会社(H社)の例です)。
| 判断 | 配信地域 | 理由 |
|---|---|---|
| 停止する | 県内のほかの地域・県外 | 件数が倍になっても上限を超える/12か月で成果0件 |
| 判断を保留する | 隣接する市町(17件・12,984円) | 上限をわずかに超えるだけで、数件の違いで内側にも外側にも動く |
| 続ける | ショールームのある2市(47件・8,806円) | 上限の内側 |
停止は、配信地域を2市と隣接する市町に修正して行います。県全体のまま一部を除外する場合は、設定地域の矛盾と、除外地域の判定が所在地だけである点に注意します。
停止した後の見込みは、約束する数字ではない
商圏の外を除いて計算し直すと、一般語の検索の獲得単価は19,161円から9,916円(634,596円÷64件)になります。これは過去の実績の割り算で、停止後に同じ単価になる約束ではありません。
同じキャンペーンには、対象外にしたい検索語句(「リフォーム 自分で」など4語・計137,956円・成果0件)もありました(診断サンプルの架空の会社(H社)の例です)。商圏の外の費用と重なりうるため足し合わせず、検索語句の見直しは別に行います。
商圏の外の費用を、地域名の入った語の予算に回すか:インプレッションシェア損失率(予算)で判断する
浮いた費用は、インプレッションシェア損失率(予算)が高く、獲得単価が上限の内側にあるキャンペーンに回すかを判断します。その前に、1日の予算を使い切っているかを確認します。
浮いた費用は、予算で表示を逃している語へ
検索|リフォームの一般語:商圏の外
- 744,968円
- 成果8件
停止して浮く費用
検索|地域名+リフォーム
- 損失率(予算)32%
- 獲得単価9,287円
確認:予算を使い切っているか/検証:2か月で上限の内か
損失率(予算)は、パフォーマンスレポートの「競合指標」と、キャンペーン一覧の表示項目で確認できます。
| キャンペーン | 費用 | 成果 | 獲得単価 | インプレッションシェア損失率(予算) |
|---|---|---|---|---|
| 検索|地域名+リフォーム | 2,795,269円 | 301件 | 9,287円 | 32% |
| 検索|リフォームの一般語 | 1,379,564円 | 72件 | 19,161円 | 7% |
| 検索|社名 | 417,022円 | 269件 | 1,550円 | 4.9% |
「地域名+リフォーム」は、獲得単価が上限の内側で、表示の機会の32%を逃しており、配分先の候補です。一般語の検索の商圏の外744,968円は、その12か月の費用の約26.7%にあたります(診断サンプルの架空の会社(H社)の例です)。
回す前に確認すること
この指標は入札価格やアカウント残高による損失も含むため、1日の予算を使い切っていないのに高い場合は、予算を足しても表示は増えません。公式ヘルプの改善策には、効果の見合わないキーワードを見直して予算を確保する方法もあり、商圏の外の停止はこれにあたります。
回した後は2か月で検証する
追加で得る表示の獲得単価が、今の9,287円と同じになるとは限りません。2か月程度で回した分の費用と成果を計測し、上限の内に収まるかを検証します。
H社の「地域名+リフォーム」の月ごとの獲得単価は、6,919円(2026年4月)から13,889円(2026年1月)まで季節で動いていました(診断サンプルの架空の会社(H社)の例です)。前年の同じ月とも並べます。
TAMKOのLINEヤフー広告アカウント診断で確認すること
この記事で挙げた確認は、TAMKOのLINEヤフー広告アカウント診断の確認項目です。

診断で確認する項目には、「地域ターゲティング(地域名指定・半径指定)と年齢の設定が、商圏と客層に合っているか」「自動入札(入札額を媒体に任せる設定)と、予算が足りずに逃している表示」が含まれます。
現状の配分を続けてよいという判断も、診断の結論です。改善点には設定の手順を、続けてよい点にはその根拠を、判断できないものには検証の方法を添えます。診断・報告書・説明会まで無料(毎月2社まで)。
詳しくは診断ページへ。
よくある質問(FAQ)
Q01Yahoo!広告の地域ターゲティングは、市区町村と半径のどちらで設定すればよいですか?
商圏の形に合わせて選びます。
除外が必要な場合は地域名指定を使います。
Q02配信地域判定は「ユーザーの所在地」だけにしたほうがよいですか?
地域名の入らない語のキャンペーンでは有効です。
地域名の入った語では、商圏の外から地域名で検索する人に表示されなくなるため、一律には絞りません。
Q03地域別レポートの合計が、キャンペーンの実績と一致しないのはなぜですか?
数値が速報値で、地域を特定できない分は「その他」に出るためです。
割合と獲得単価で判断します。
Q04インプレッションシェア損失率(予算)が高ければ、予算を増やせばよいですか?
この指標は入札価格や残高による損失も含むため、先に1日の予算を使い切っているかと、獲得単価が上限の内側かを確認します。
Yahoo!広告の地域ターゲティングは、設定より地域別レポートで商圏の外の費用を確認して判断する|まとめ
商圏の外は、キャンペーンごとに地域別レポートで費用と成果の割合を並べて確認します。獲得単価が上限を大きく超える地域は停止し、上限に近い地域は保留します。浮いた費用は、インプレッションシェア損失率(予算)を見て回すかを決め、2か月程度で検証します。
この記事のポイント
- 商圏の外はキャンペーンごとに、地域別レポートで確認する(架空の会社H社の例:全体では費用の14.4%、一般語の検索では54.0%)。
- 件数が少ない行は、件数が倍になっても上限を超えるかで判断する。
- 地域名の入った語は、配信地域判定を所在地だけに絞らない。
- 浮いた費用は、損失率(予算)が高く獲得単価が上限の内側のキャンペーンに回すかを判断する。