TAMKO
計測と評価

旧LINE広告の配信終了後は、期間・コンバージョンの計測条件・配信面を揃えてから、統合前と統合後の獲得単価を比べる

旧LINE広告(LINE広告)の配信は、2026年10月26日に終了しました。移行先のLINEヤフー広告 ディスプレイ広告の成果1件あたりの費用(獲得単価)を、統合前の数字と比較しただけで、改善した・悪化したと判断していませんか。

診断サンプルの架空の会社(H社・地域の住宅リフォーム会社)の例です。新規顧客向けのディスプレイ広告の獲得単価は、統合前の6か月が12,824円、統合後の6か月が14,152円でした。数値上は約1割の上昇ですが、比べる条件と件数の揺れの幅を確認すると、この差だけでは悪化と判断できません。

そこでこの記事では、配信終了で停止した機能と、引き続き利用できる機能を公式のお知らせで確認したうえで、期間・コンバージョンの計測条件・配信面の3つを揃えて統合前と統合後を比べる手順と、差の有無を判断するのに必要な件数の目安を整理します。

対象は、地域で店舗・住宅関連事業・医療機関・教室などを運営し、LINEヤフー広告 ディスプレイ広告を利用している会社の担当者で、来店予約・見積の依頼・問い合わせを成果の指標としている方です。

TAMKOは、LINEヤフー広告のアカウント診断で、旧LINE広告から移行したキャンペーンを含めてコンバージョンの計測条件を確認しています。この記事は、その立場から解説します。

【結論】旧LINE広告の配信終了後は、期間・計測条件・配信面を揃えてから統合前後の獲得単価を比べる

統合前と統合後の数字は、比べる期間の条件、コンバージョンの計測条件、配信面の範囲が一致していないため、そのまま比較しても判断の根拠になりません。この3つを揃えたうえで、獲得単価の差が、成果の件数から算出した目安を超えるかを確認してから、改善か悪化かを判断します。

旧LINE広告の配信終了後に統合前後の獲得単価を比べる手順:期間を揃える、計測条件を揃える、配信面を揃える、差を件数から算出した目安と比べて判断する、の4段を示した図
旧LINE広告とLINEヤフー広告 ディスプレイ広告の数字は、この順に条件を揃えてから比べる。差が目安を下回る場合は、前後の比較では結論を出さない。

旧LINE広告(LINE広告)の配信終了で停止した機能と、引き続き利用できる機能

よくある場面

2026年10月26日の配信終了後に、旧LINE広告の管理画面で統合前の実績を確認できる期限が分からない。

停止したのは、広告配信と、キャンペーンなどの新規作成・編集です。旧LINE広告の管理画面は、配信の終了後も一定期間、閲覧とレポートの作成ができる状態で残ります(配信停止完了のお知らせでの呼び方は「読み取り期間」)。読み取り期間がいつ終了するかは後日案内されるため、比べる期間のレポートは早めに出力して保存します。

旧LINE広告の配信終了(2026年10月26日)で停止した機能と、読み取り期間の終了まで旧LINE広告の管理画面で利用できる機能を対比した図
読み取り期間がいつ終了するかは後日案内される。移行ガイドでは、旧LINE広告の提供終了は2027年3月末頃の予定。

旧LINE広告と旧Yahoo!広告 ディスプレイ広告は、2026年4月1日に統合されました。移行ガイドによると、旧LINE広告は2027年3月末頃に提供を終了する予定で、それ以降はレポートも閲覧できません。読み取り期間の終了日とこの提供終了が同じ日かは、公式の案内に記載がありません。

旧LINE広告の過去の配信実績とレポートは移行されないため、統合前の実績はその管理画面でのみ確認できます。旧Yahoo!広告 ディスプレイ広告を利用していた場合は移行が不要で、統合の前後で、同じキャンペーンに実績が引き続き記録されています。

配信停止完了のお知らせによると、キャッシュの影響で、レポートの数値は変動することがあります。旧LINE広告のレポートのうち2026年10月分だけは、数値が確定してから保存します。

比べる期間を揃える:並行配信の月、「学習中」の期間、季節

よくある場面

移行したキャンペーンの配信開始月は旧LINE広告より獲得単価が高く、この月を比べる期間に含めてよいかが分からない。

移行したキャンペーンは自動入札(入札戦略)の学習データを引き継がないため、「学習中」の期間は区別して集計します。並行配信の月も分けて記録し、季節の条件も揃えます。

旧LINE広告の統合前と統合後で比べる期間を揃える3つの条件(並行配信の月・「学習中」の期間・季節)を示した図
並行配信の月と「学習中」の期間は、統合前と統合後のどちらにも含めず、分けて記録する。季節は前年同月と比べて揃える。

移行期間(2026年4月〜10月下旬頃)は、旧LINE広告の配信を続けながら、LINEヤフー広告へ切り替えることができました。並行配信の月は、どちらか一方のアカウントの数値がその月の費用と成果の一部にとどまるため、統合前と統合後のどちらにも含めず、分けて記録します。

移行ガイドによると、過去の配信実績とともに、自動入札の学習データも引き継がれません。入札戦略の最適化に必要なデータを収集している間は、広告管理ツールのキャンペーン一覧の「配信状況」欄に「学習中」が表示されます。移行ツールで移行したキャンペーンは配信がオフの状態で作成されるため、「学習中」の期間の起点は配信をオンにした日です。

来店予約や見積の依頼には季節変動があるため、最も比較に適しているのは前年同月です。前年同月の実績が揃うまでは、統合による変更が名称のみだった検索広告を同じ期間で比較し、季節や需要による変動と、統合による影響を切り分けます。

コンバージョンの計測条件を揃える:LINE Tagと計測タグでは、計上日・計測期間・計測方法が異なる

よくある場面

統合後と旧LINE広告のコンバージョン数が、同じ計測条件による数値かが分からない。

同じ計測条件ではありません。旧LINE広告はコンバージョンが発生した日に、統合後のディスプレイ広告はコンバージョンの起点となったクリック(または動画視聴)の日に計上します。媒体の数字どうしを比べるのではなく、コンバージョン数を自社の受付件数で割った比率を2つの期間で比べます。

この記事では、媒体が計測した数を「コンバージョン数」、自社で受け付けた来店予約・見積の依頼・問い合わせの数を「受付件数」と呼び分けます。

LINE Tagと計測タグで計測条件が異なるコンバージョン数を、自社の受付件数(来店予約・見積の依頼・問い合わせ)で割った比率を、統合前と統合後で比べる式の図
比率は統合前と統合後で算出し、比率の大きさではなく、統合の前後で比率が変わったかを確認する。

移行ガイドによると、LINE Tagは統合後のディスプレイ広告に対応していないため、計測タグを新たに設定する必要があります(移行先が、旧Yahoo!広告から利用している既存のアカウントの場合は、そのアカウントで設置済みのタグを利用できます)。

項目旧LINE広告(LINE Tag)LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(計測タグ)
計上日コンバージョンが発生した日コンバージョンの起点となったクリック・動画視聴の発生日
計測期間クリックから最大30日(カスタムコンバージョンは最大180日)1〜90日で設定(動画視聴からは1〜30日)
計測方法(同一ユーザーの2回目以降のコンバージョン)コードが発火するたびに計測(ページの再読み込みを含む)「毎回」か「初回のみ」を選択
数字に含まれるもの公式のよくある質問に記載なし「コンバージョン数」に推定コンバージョンを合算。ビュースルーコンバージョン数は別の項目

統合後はクリック・動画視聴の日に計上するため、直近の月の件数は計測期間が過ぎるまで遡って加算されます。直近の月は、計測期間が過ぎてから比べます。「初回のみ」に設定している場合は、同一ユーザーの2回目以降のコンバージョンを計測しないため、コンバージョン数は旧LINE広告より少なく表示されます。

受付件数には広告以外の経路も含まれるため、確認すべきは比率の水準ではなく、統合の前後での変化です。比率が大きく変動した場合は、成果の増減より先に計測条件の変更を疑います。

配信面を揃える:統合後のキャンペーンはYahoo! JAPANとLINEの両方に配信される

よくある場面

統合後のキャンペーン全体の獲得単価を旧LINE広告のアカウント単位の数字と比較しているが、この比較方法でよいかが分からない。

統合後のキャンペーンには、Yahoo! JAPAN・LINE・LINEヤフー広告ネットワークなどの配信面が混在します。配信先URLレポートで実績を配信面ごとに分け、統合前と同じ範囲に絞って比べます。

LINEヤフー広告の統合前後で配信面を揃える方法:統合前の数値が旧LINE広告・旧Yahoo!広告 ディスプレイ広告・その両方のいずれの実績かによって、比べる範囲を決める判断の図
統合前の数値がどのアカウントの実績かによって、統合後の実績から抽出する範囲が変わる。配信面への振り分けは配信先URLレポートで行う。

統合リリースのお知らせによると、旧Yahoo!広告 ネットワークパートナーと旧LINE広告ネットワークは、「LINEヤフー広告ネットワーク」に名称が統一されました。統合後のキャンペーン全体を旧LINE広告のアカウント単位の実績と比べると、配信面の範囲の差異が獲得単価の差として表れます。

配信先URLレポートは、広告が配信されたURLごとの実績を集計したものです(運用型では、URLをディレクトリの第2階層まで取得できます)。URLの振り分けの手順は、配信面ごとの見直しを扱った記事で説明しています。

架空の会社H社の例:統合前12,824円と統合後14,152円を、条件を揃えて比べる

よくある場面

統合後の6か月で、ディスプレイ広告の獲得単価が統合前の6か月より1割高くなった。

H社の獲得単価の1割の上昇は季節だけでは説明しにくい差ですが、統合後の費用の4分の1が成果の少ない1つの配信面(LINEヤフー広告ネットワーク・提携パートナー。以下、提携パートナー)に配分されていること、上昇幅が件数から算出した目安を下回ることから、悪化とは判断できません。

診断サンプルの架空の会社(H社)の例です。H社の新規顧客向けのディスプレイ広告は、旧Yahoo!広告 ディスプレイ広告から配信を続けているキャンペーンで、配信面を揃える章の図のうち「旧Yahoo!広告 ディスプレイ広告」の場合に当たります。調査報告書(診断サンプル)では、統合の前後でコンバージョン数に途切れはなく、H社の計測設定は広告のクリックを経たコンバージョンのみを計上しています。この例では、計測期間と計測方法の設定を統合の前後で変更していない前提で、計測条件の違いは扱いません(サンプルにはこれらの設定値の記載がありません)。

キャンペーン統合前の6か月(2025年10月〜2026年3月)統合後の6か月(2026年4月〜9月)獲得単価の変化
ディスプレイ|新規961,791円・75件・12,824円891,588円・63件・14,152円10.4%上昇
検索|地域名+リフォーム(比較用)1,480,332円・153件・9,675円1,314,937円・148件・8,885円8.2%低下

表のディスプレイ|新規の統合前は、12か月の合計から統合後6か月分の実績を差し引いた値です。

旧LINE広告と旧Yahoo!広告 ディスプレイ広告の統合前後の獲得単価の比較:H社のディスプレイ広告(統合前12,824円・統合後14,152円・提携パートナーを除いた統合後11,529円)と検索広告(統合前9,675円・統合後8,885円)の横棒グラフ
統合前(2025年10月〜2026年3月)と統合後(2026年4月〜9月)の各6か月の獲得単価。H社は診断サンプルの架空の会社。

期間:検索広告との比較で季節の影響を切り分ける

サンプルのデータは12か月分のため、前年同月とは比べられません。このため、統合の影響を受けていない検索広告を比較対象とします。検索|地域名+リフォームの獲得単価は8.2%低下しており、統合後の6か月に需要が減少していたとは考えにくい状況です。この例は旧Yahoo!広告 ディスプレイ広告から続くキャンペーンだけを比べるため、統合後の6か月が移行期間(2026年4月〜10月下旬頃)と重なっていても、並行配信の月の扱いは生じません。キャンペーンを移行していないため、移行に伴う「学習中」の期間もありません。

配信面:統合後の費用の4分の1が提携パートナーに配分されている

統合後の6か月では、提携パートナーが費用の25%(222,897円)を占め、成果は5件、獲得単価は44,579円でした。これを除いた3つの配信面(Yahoo! JAPAN(トップページ・ニュースなど)、LINE(トークリスト)、LINE NEWS・ホームタブなど)の合計は、費用668,691円・成果58件で、獲得単価は11,529円です。サンプルには統合前の配信面別の内訳がないため、実際のアカウントでは、統合前の同じ長さの期間の配信先URLレポートを統合後と同じ区分に振り分け、提携パートナーの獲得単価が以前から高かったかを確認します。

件数:揺れの幅を考慮すると、1割の上昇は差の目安を下回る

成果の件数がn件のとき、件数の揺れの幅(同じ条件でも期間ごとに上下する幅)は±2√n件が目安です(約95%の範囲。この記事独自の計算で、公式の基準ではありません)。2つの期間の成果がどちらもn件程度のとき、この揺れの幅から、獲得単価に差があると判断できる変化率の目安はおおむね2×√(2÷n)になります。H社の件数をnに入れると、75件で約33%、63件で約36%です。H社の上昇幅10.4%はこの目安を下回るため、件数から見て差があるとは判断できません。

条件を揃えた後の判断:差が目安を下回るときは、配信面ごとの獲得単価を自社の上限と比べる

よくある場面

期間・計測条件・配信面の3つを揃えても統合前と統合後の差が小さく、統合後に獲得単価が変わったと言えるかが分からない。

獲得単価の変化率が差の目安を下回る場合は、前後の比較では結論を出しません。配信面ごとの獲得単価を、自社で決めた上限(成果1件にかけてよい広告費の上限)と比べて、配信面ごとに、配信を継続するか、除外するか、判断を保留するかを決めます。

統合前後の獲得単価の差を評価する手順:条件を揃えた後の変化率が差の目安を超えるか、超えないかで分岐する図
変化率が差の目安を下回る場合は、比較対象を統合前の数値から自社の上限に替えて判断する。

差の目安2×√(2÷n)から逆算すると、1割の差が誤差でないと判断するには各期間に約800件、2割では約200件、3割では約90件が必要です。H社のように各期間の成果が60〜70件台の場合、差があると判断できるのはおおむね3割を超える変化です。

地域の会社のディスプレイ広告では、1割の差が誤差でないと判断できるだけの件数を確保できることは多くありません。その場合は、配信面ごとの獲得単価を自社の上限と比べます。比較対象の側の揺れが無くなるため、前後の比較より少ない件数で判断できます。手順は、前述の配信面ごとの見直しを扱った記事を参照してください。あわせて、旧LINE広告のレポートを保存しておくことで、並行配信の月を除いた統合後の各月を、前年同月の旧LINE広告の実績と比べられます。

TAMKOのLINEヤフー広告アカウント診断で確認すること

TAMKOのLINEヤフー広告アカウント診断では、次の項目を確認します(診断ページの確認項目から)。

  • 来店予約・問い合わせの数え方(旧LINE広告から移したキャンペーンの計測を含む)
  • 検索広告とディスプレイ広告(Yahoo! JAPAN・LINEの配信面)を分けた費用と成果
診断の調査報告書の例(計測と自動入札のページ)
診断でお渡しする調査報告書の例(計測と自動入札のページ)。会社・数字はすべて架空です(診断サンプルのH社)。

現状の配分を続けてよいという判断も、診断の結論です。改善点には設定の手順を、続けてよい点にはその根拠を、判断できないものには検証の方法を添えます。診断・報告書・説明会まで無料(毎月2社まで)。

詳しくは診断ページへ。

よくある質問(FAQ)

Q01旧LINE広告の配信終了後も、その管理画面でレポートを確認できますか?

読み取り期間の終了まで、レポートの作成・確認ができます。

読み取り期間がいつ終了するかは、後日案内されます。なお、移行ガイドによると、旧LINE広告の提供終了は2027年3月末頃の予定です。

Q02LINE Tagは、統合後のディスプレイ広告でも利用できますか?

利用できません。

LINE Tagは統合後のディスプレイ広告に対応していないため、計測タグを新たに設定します。移行先が、旧Yahoo!広告から利用している既存のアカウントの場合は、そのアカウントで設置済みのタグを利用できます。

Q03旧Yahoo!広告 ディスプレイ広告から配信を続けている場合も、比較の方法は同じですか?

期間と配信面の揃え方は基本的に同じです。

旧Yahoo!広告 ディスプレイ広告の実績は統合後も同じキャンペーンに記録されているため、並行配信の月はありません。コンバージョン測定の設定を統合の前後で変更していないかを確認したうえで、季節と配信面を揃えます。

旧LINE広告の配信終了後の比較は、期間・計測条件・配信面を揃え、差を件数から算出した目安と比べてから判断する|まとめ

旧LINE広告から移行した場合、統合前と統合後の比較は、2つの管理画面の数字について比べる条件を揃える作業です。並行配信の月と「学習中」の期間を分けて季節を揃え、計測条件の違いはコンバージョン数と自社の受付件数の比率で確認し、配信面は統合前と同じ範囲に絞って比べます。獲得単価の変化率が差の目安を下回る場合は、配信面ごとの獲得単価を自社の上限と比べて判断します。

この記事のポイント

  • 旧LINE広告の配信は2026年10月26日に終了した。レポートは読み取り期間の終了まで作成・確認でき、過去の実績は移行されない。
  • 並行配信の月と「学習中」の期間は分けて記録し、季節の影響は前年同月または検索広告との比較で切り分ける。
  • 旧LINE広告はコンバージョンが発生した日、統合後はクリック・動画視聴の発生日に計上する。コンバージョン数と自社の受付件数の比率で、計測条件の違いを確認する。
  • 統合後のキャンペーンはYahoo! JAPANとLINEの両方に配信されるため、配信先URLレポートで統合前と同じ範囲の配信面に絞って比べる。
  • 差の目安は2×√(2÷n)。1割の差が誤差でないと判断するには各期間に約800件が必要で、目安を下回る場合は配信面ごとの獲得単価を自社の上限と比べる。