TAMKO
キーワードとターゲティング

Amazon広告で同じ検索語句が、マッチタイプやオートのキャンペーンごとの複数の行に記録されている場合は、成果を合算して集約先の行を1つ決め、完全一致の入札額と除外キーワードで配信を振り分ける

Amazon広告で、同じキーワードを部分一致・フレーズ一致・完全一致で登録し、オートのキャンペーンも併用している場合に、検索ワードレポートで同じ検索語句が複数の行に記録され、どの行の数値で判断すべきかを担当者が決められないことはありませんか。

診断サンプルの架空の会社(K社・キッチン用品メーカー・自社ブランド「ケイライフ(架空)」)の例では、一般語(自社・他社のブランド名を含まない検索語句)の「ステンレス 保存容器」は、12か月でクリックが13,934回、注文が1,069件、ACOS(広告費売上高比率。広告費÷売上)が24.3%です。このACOSは、手数料などを差し引いた後の利益率から算出した損益分岐ACOS(35%と仮定。以下、損益分岐)を下回ります。この検索語句のクリックが、一般語(マニュアル)のキャンペーン(以下、一般語のキャンペーン)の完全一致・フレーズ一致・部分一致の3つの行と、オートのキャンペーンの行の、計4つの行に分かれて記録されている例(行ごとの内訳は説明用の架空の数字です)では、完全一致の行のクリックは3,100回で全体の約22%にとどまり、オートのキャンペーンの行のACOSは45.7%で損益分岐を上回ります。

そこでこの記事では、フレーズ一致と部分一致・完全一致の違い、同じ検索語句が複数の行に記録される原因と入札額の扱い、検索ワードレポートで重複を見つける手順、検索語句の配信を集約する行(以下、集約先の行)の決め方、除外キーワードによる振り分けと、その後の確認事項を、Amazon Adsの公式の記載を根拠に整理します。

対象読者は、Amazonに自社ブランド品を出品し、スポンサープロダクト広告を運用している担当者です。

Amazon広告のアカウント診断において、オートとマニュアルのキャンペーンに記録された検索語句を毎回確認しているTAMKOの立場から解説します。

【結論】Amazon広告で同じ検索語句が複数の行に記録されている場合は、成果を合算したうえで集約先の行を1つに決め、配信をその行に集約する

同じ検索語句が複数の行に記録されている場合は、検索ワードレポートで検索語句ごとに成果を合算し、合算のACOSを損益分岐と比較して、集約先の行を1つ決めます。同じ広告グループで同じキーワードを複数のマッチタイプで登録している場合は、完全一致の入札額を最も高くして配信を完全一致の行に集め、オートなど別のキャンペーンや別の広告グループには、その検索語句を完全一致の除外キーワードとして追加します。公式ガイドは、同じキーワードに異なるマッチタイプを追加しても入札キーワード同士は競合しないと説明しています。重複を確認する目的は、自社の広告同士の競合を避けることではなく、検索語句ごとの成果で入札額の変更や一時停止を判断し、意図した行の入札額で配信することです。

Amazon広告で、同じ検索語句がマッチタイプ(フレーズ一致・部分一致・完全一致)やオートのキャンペーンごとの複数の行に記録されている場合の対応を、検索ワードレポートのダウンロード、検索語句ごとの行数の集計、成果の合算と損益分岐との比較、集約先の行への振り分け、72時間後の確認の5段階で示した図
検索ワードレポートには、少なくとも1回の広告クリックにつながった検索語句だけが記録される。ASINの行は商品詳細ページへの配信の結果のため、重複の集計から除く。

キャンペーンを、指名の検索語句(自社のブランド名を含む検索語句)・一般語・競合の商品ページごとに分けるか否かの判断基準と、その方法は、「Amazon広告のキャンペーン構成:指名・一般語・競合の商品ページを分けるか否かの判断」で解説しています。この記事は、キャンペーンの構成を変えずに、同じ検索語句の配信を1つの行に集約する手順を扱います。

Amazon広告のフレーズ一致とは:部分一致・完全一致との違いと、1つの検索語句が複数のマッチタイプの対象になる理由

よくある場面

キーワード「ステンレス 保存容器」を部分一致・フレーズ一致・完全一致で登録しており、検索語句「ステンレス 保存容器」が3つのマッチタイプのそれぞれの行に記録されている。

フレーズ一致では、キーワードの語を同じ語順で含む検索語句に広告が表示されます。対象になる範囲は完全一致、フレーズ一致、部分一致の順に広くなるため、完全一致の対象になる検索語句は、同じキーワードのフレーズ一致と部分一致の対象にもなります。ただし、同じキーワードでは入札額が最も高いマッチタイプが使用されるため、3つの行に記録されるのは、期間中に入札額の順序を変更した場合などです(次の章で解説します)。

Amazon広告のキーワード「ステンレス 保存容器」を例に、完全一致・フレーズ一致・部分一致の対象になる検索語句の範囲と、完全一致の対象になる検索語句はフレーズ一致と部分一致の対象にもなることを示した図
キーワード「ステンレス 保存容器」の例。検索語句「ステンレス 保存容器 セット」は説明用の架空の例。3つのマッチタイプはいずれも、複数形・スペルミス・翻訳などの類似のバリエーションも一致の対象に含む。

公式ヘルプ「キーワードのマッチタイプを理解する」によると、スポンサープロダクト広告のマニュアルターゲティングのマッチタイプは、部分一致・フレーズ一致・完全一致の3種類です。いずれも、複数形・スペルミス・翻訳などの類似のバリエーションを一致の対象に含みます。

  • 部分一致:キーワードの語を任意の順序で含む検索語句のほか、変化形・同義語・関連する語句にも広告を表示します。キーワード自体を含まない検索語句が対象になる場合もあります。
  • フレーズ一致:キーワードの語を同じ語順で含む検索語句に広告を表示します。キーワード「ステンレス 保存容器」であれば、「ステンレス 保存容器 セット」のように、前後に別の語がある検索語句も対象になります。
  • 完全一致:検索語句がキーワードと同じ語・同じ語順である場合に広告を表示します。

K社の検索語句で例を示すと、キーワード「ステンレス 保存容器」の部分一致は、語順が異なる「保存容器 ステンレス 密閉」も対象にする可能性があります。フレーズ一致と完全一致の定義では、語順が異なるこの検索語句は対象になりません。

公式ヘルプによると、キャンペーンの作成時に選択したキーワードのマッチタイプは変更できませんが、キャンペーンの実行中に、異なるマッチタイプのキーワードを追加できます。完全一致のキーワードを登録していない場合は、完全一致の行を集約先の行にする前に追加します(決め方は後の「集約先の行の決め方」の章で扱います)。

同じ検索語句が複数の行に記録される4つの原因と、公式ヘルプが示す入札額の扱い

よくある場面

キーワード「ステンレス 保存容器」の完全一致の入札額を引き上げても、検索語句「ステンレス 保存容器」のクリックの多くが部分一致の行に記録される。

同じ検索語句が複数の行に記録される原因は4つあります。このうち、同じキーワードを複数のマッチタイプで登録している場合について、公式ヘルプは、一致する検索語句には入札額が最も高いマッチタイプが使用されると記載しています。完全一致の入札額がフレーズ一致や部分一致より低いと、同じキーワードの完全一致は使用されません。

Amazon広告で同じ検索語句が検索ワードレポートの複数の行に記録される4つの原因(同じキーワードの複数のマッチタイプ、別のキーワードの部分一致とフレーズ一致、オートとマニュアルの併用、別々の商品の広告)と、それぞれの扱いを示した図
2つ目と3つ目の場合に、どのキーワードまたはキャンペーンの広告が表示されるかの記載は、公式ヘルプとガイドに見当たらない(2026年10月30日確認)。

1つ目の原因は、同じキーワードを複数のマッチタイプで登録していることです。公式ガイド「スポンサープロダクト広告のターゲティングに関するガイド」は、同じキーワードを部分一致・フレーズ一致・完全一致の3つで登録し、異なる入札額でテストすることを勧めています。そのうえで、入札額を完全一致、フレーズ一致、部分一致の順に高く設定することを推奨し、同じキーワードに異なるマッチタイプを追加しても入札キーワード同士は競合しないと説明しています。

診断サンプルの架空の会社(K社)の例として、一般語のキャンペーン内の同じ広告グループに、キーワード「ステンレス 保存容器」を3つのマッチタイプで登録しているとします。現在の入札額は、完全一致70円・フレーズ一致75円・部分一致80円です。この設定では、検索語句「ステンレス 保存容器」には入札額が最も高い部分一致が使用されます。完全一致の入札額を引き上げても、80円を超えない限り、この検索語句のクリックは部分一致の行に記録されます。

K社は12か月の間に入札額を2回変更しており、入札額が最も高かったのは、2025年10〜12月がフレーズ一致、2026年1〜4月が完全一致、2026年5〜9月が部分一致です(入札額と変更の時期は説明用の架空の設定です)。期間ごとに入札額が最も高かったマッチタイプの行にクリックが記録されたため、12か月で見ると、検索語句「ステンレス 保存容器」は3つの行に分かれています。

2つ目の原因は、別のキーワードの部分一致やフレーズ一致も、同じ検索語句を対象にすることです。たとえば、フレーズ一致のキーワード「保存容器」は、検索語句「ステンレス 保存容器」も対象にします。3つ目は、オートとマニュアルのキャンペーンを併用していることです。公式ガイドは、オートのキャンペーンの検索ワードレポートから、マニュアルのキャンペーンで指定するキーワードを見つける使い方を挙げています。この2つの場合に、どのキーワードまたはキャンペーンの広告が表示されるかについて、公式ヘルプとガイドには記載が見当たりません(2026年10月30日確認)。そのため、広告がどの行で配信されたかは、検索ワードレポートで確認します。

4つ目は、複数のキャンペーンで別々の商品を広告していることです。公式ガイドは、複数のキャンペーンで、広告対象の各商品に関連するカテゴリーキーワードに入札している場合、商品ごとの優先順位に応じて入札額を設定するよう勧めています。この重複は意図したものとして扱い、振り分けの対象にしません。

同じ検索語句が複数の行に記録されていると、その検索語句の成果が行ごとに分散します。1つの行だけを確認して入札額の変更や一時停止を決めると、ほかの行の成果が判断から漏れます。また、意図した行(例:完全一致)ではなく、別の行の入札額で配信されている場合もあります。

検索ワードレポートで重複を見つける手順:お客様検索用語ごとに行を数え、成果を合算する

よくある場面

検索ワードレポートで、検索語句「ステンレス 保存容器」の行が、オートと一般語の両方のキャンペーンにある。

検索ワードレポートを「お客様検索用語」ごとに集計し、記録された行が2つ以上ある検索語句を抽出して、すべての行の広告費・売上・注文数を合算し、検索語句ごとのACOSを算出します。

Amazon広告の検索ワードレポートで、診断サンプルの架空の会社(K社)の検索語句「ステンレス 保存容器」への12か月のクリック13,934回が、一般語のキャンペーンの完全一致・フレーズ一致・部分一致の3つの行と、オートのキャンペーンの行の、計4つの行に分かれて記録されていることを示した図
合算のクリック数13,934回と合算のACOS 24.3%は、診断サンプルの架空の会社(K社)の例。4つの行への内訳とACOSは説明用の架空の数字。一般語のキャンペーンの3つの行は、それぞれ入札額が最も高かった期間のクリック。

この記事では、検索ワードレポートの、キャンペーン名・広告グループ名・ターゲティング・マッチタイプの組み合わせを「行」と呼びます。同じ検索語句について、この組み合わせが2つ以上ある状態を、検索語句の重複とします。

重複は、次の4つの手順で見つけます。

  1. 検索ワードレポートを、確認したい期間を指定してダウンロードします。公式ヘルプによると、遡れるのは65日間(ルックバックウィンドウ)のため、それより長く確認する場合は、定期的に保存したレポートを合算します。時間単位を日次にした場合は、日付の区別をせずに合算します。
  2. 「お客様検索用語」の列にASINが入っている行と、指名の検索語句の行を、重複の集計の対象から除きます。ASINの行は商品詳細ページへの配信の結果のため、検索語句の重複とは別に扱います。
  3. 検索語句・キャンペーン名・広告グループ名・ターゲティング・マッチタイプの5列の値が同じ行を1行にまとめた後、検索語句ごとに行を数えます。この数が、記録された行数です。
  4. 記録された行が2つ以上ある検索語句について、すべての行の広告費・売上・注文数(レポートの列名は商品購入数)を合算し、ACOSを算出します。合算の広告費が大きい検索語句から確認します。

公式ヘルプによると、検索語句の情報は、キャンペーンマネージャーの各広告グループの検索用語のセクションでも確認できます。ただし、キャンペーンをまたいだ重複は、全キャンペーンを含む検索ワードレポートをダウンロードして調べます。

検索語句記録された行数広告費注文数ACOS
ステンレス 保存容器4999,000円1,069件24.3%
保存容器 ステンレス 密閉3573,000円614件22.7%
片手鍋 ステンレス 18cm2449,000円369件26.8%
作り置き 容器 ステンレス2402,000円414件22.8%
計量スプーン ステンレス1156,000円360件28.7%

K社の例では、注文のある一般語の検索語句5つのうち4つが、2つ以上の行に記録されています。この4つの広告費の合計は2,423,000円で、5つ全体(2,579,000円)の約94%に当たります。5つの検索語句の合算のACOSはいずれも損益分岐を下回りますが、合算の値だけでは行ごとのACOSの差は分かりません。次の章では、行数が最も多い「ステンレス 保存容器」の4つの行を比較します。

なお、注文が0件の検索語句(K社の例では「保存容器 ガラス」など4つ)は、振り分けではなく除外の対象です。除外の判断は「Amazon広告のTACOSとは?損益分岐ACOSでキャンペーンを種類ごとに仕分ける方法」で解説しています。

集約先の行の決め方:合算の注文数とACOSで判断する

よくある場面

検索語句「ステンレス 保存容器」の合算のACOSは損益分岐を下回るが、オートのキャンペーンの行のACOSだけが損益分岐を上回っている。

合算の注文数が判断に十分な検索語句のうち、合算のACOSが損益分岐を下回るものは、完全一致の行を集約先の行にします。合算のACOSが損益分岐を上回る検索語句は、振り分けの前に、入札額を引き下げるか、キーワードを一時停止するかを判断します。また、行ごとに意図的に別々の商品を広告している検索語句は振り分けません。

Amazon広告で検索ワードレポートの複数の行に記録された検索語句について、合算の注文数とACOSの変動の幅、行ごとの広告対象の商品、損益分岐との比較から、集約先の行を決めるまでの流れを示した図
損益分岐は、手数料などを差し引いた後の利益率から算出する。診断サンプルの架空の会社(K社)では35%と仮定した。合算のACOS 24.3%も同社の例。
行クリック数広告費売上注文数ACOS(変動の幅)
一般語のキャンペーン|完全一致3,100回210,800円1,078,000円280件19.6%(18.4〜20.7%)
一般語のキャンペーン|フレーズ一致2,300回165,600円770,000円200件21.5%(20.0〜23.0%)
一般語のキャンペーン|部分一致5,800回429,200円1,847,379円479件23.2%(22.2〜24.3%)
オートのキャンペーン2,734回193,400円423,500円110件45.7%(41.3〜50.0%)
合算13,934回999,000円4,118,879円1,069件24.3%(23.5〜25.0%)

この記事では、ACOS±ACOS÷√注文数を変動の幅の目安とします(根拠は「Amazon広告の掲載枠とは?入札額の引き上げ率を掲載枠ごとのACOSと注文数で決める方法」の「掲載枠ごとのACOSの差の有無は、注文数による変動の幅と比較して判断する」の章で解説しています)。K社の例では、「ステンレス 保存容器」の合算のACOSは24.3%で、注文数1,069件から算出すると、変動の幅は23.5〜25.0%です。変動の幅の上限でも、損益分岐(35%)を下回ります。

行ごとに比較すると、一般語のキャンペーンでは3つの行のACOSが19.6〜23.2%(3つの行の計では21.8%)で、オートのキャンペーンの行は45.7%です。オートのキャンペーンの行は、変動の幅の下限(41.3%)でも損益分岐(35%)を上回ります。クリック単価は4つの行とも68.0〜74.0円でほぼ同じため、ACOSの違いは購入率(注文数÷クリック数)の差から生じています。購入率は、一般語のキャンペーンの3つの行の計が8.6%、オートのキャンペーンの行が4.0%です。行ごとの購入率の差は、広告対象の商品や掲載枠の違いによって生じる場合があるため、オートのキャンペーンで広告している商品もあわせて確認します。なお、一般語のキャンペーンの3つの行は記録された期間が異なるため、3つの行どうしの差には季節による変動も含まれます。

集約先の行には、完全一致の行を選びます。理由は2つです。1つ目は、完全一致のキーワードでは、その検索語句と類似のバリエーションに限定して入札額を設定できることです。公式ヘルプ「キーワードターゲティングを設定する」は、個々のキーワードに入札額を設定して、ターゲティングと広告費をより詳細に管理したい場合にキーワードターゲティングを使うとしています。フレーズ一致・部分一致のキーワードやオートのキャンペーンの入札額は、ほかの検索語句にも適用されます。2つ目は、公式ガイドが、完全一致はコンバージョン率(この記事の購入率)が最も高くなる傾向があると説明していることです。K社の例でも、完全一致の行の購入率(9.0%)が4つの行の中で最高です(期間が異なるため参考値です)。

完全一致の入札額は、損益分岐クリック単価(1クリックあたりの売上×損益分岐)を上限の目安にします。K社の「ステンレス 保存容器」の損益分岐クリック単価は、合算の値で103円です(4,118,879円÷13,934回×35%)。計算方法は「Amazon広告の推奨入札額で入札してよいか?損益分岐クリック単価を算出して比較する」で解説しています。

合算の注文数が少ない検索語句は、行ごとの値も合算の値も偶然によって変わるため、振り分けずに集計を続けます。例えば、注文数が16件であれば、変動の幅は、ACOSにその25%(1÷√16)を足し引きした範囲です。ACOSが30%の場合は±7.5ポイントで、22.5〜37.5%となり、損益分岐(35%)を含みます(説明用の架空の数字です)。

除外キーワードで検索語句を振り分ける:完全一致とフレーズ一致の使い分け

よくある場面

オートのキャンペーンに「ステンレス 保存容器」をフレーズ一致の除外キーワードとして追加すると、この語句を含むより長い検索語句にも広告が表示されなくなる。

同じ広告グループで1つのキーワードを複数のマッチタイプで登録している場合は、完全一致の入札額を最も高くして、検索語句を完全一致の行に振り分けます。別のキャンペーンや広告グループには、集約先の行に移す検索語句を、完全一致の除外キーワードとして追加します。フレーズ一致の除外キーワードは、その語句を含むすべての検索語句で広告を表示しないため、振り分けには使いません。

Amazon広告の除外キーワードの完全一致とフレーズ一致を、広告を表示しない商品検索の範囲、語数と文字数の上限、用途で比較し、検索語句を集約先の行に振り分けるには完全一致を使うことを示した図
広告を表示しない対象と語数・文字数の上限は、公式ヘルプの記載による。除外キーワードは追加から72時間後に有効になり、追加後はマッチタイプを変更できない。

K社の例では、2つの変更を行います(いずれも説明用の架空の例です)。1つ目は、一般語のキャンペーンの同じ広告グループで、キーワード「ステンレス 保存容器」の入札額を、完全一致は70円から85円に引き上げ、部分一致は80円から65円に引き下げることです。フレーズ一致の75円は変更しません。変更後の入札額は完全一致85円・フレーズ一致75円・部分一致65円で、公式ガイドが推奨する順序になり、完全一致の85円は損益分岐クリック単価の103円を下回ります。公式ヘルプの記載のとおり、入札額が最も高いマッチタイプが使用されるため、検索語句「ステンレス 保存容器」には完全一致が適用されます。部分一致のキーワードは「保存容器 ステンレス 密閉」、フレーズ一致のキーワードは「ステンレス 保存容器 セット」などのほかの検索語句も対象にするため、一時停止しません。公式ガイドも、キーワードを一時停止する前に、異なるマッチタイプを1〜2週間以上テストして十分なデータを集めるよう勧めています。

2つ目は、オートのキャンペーンに「ステンレス 保存容器」を完全一致の除外キーワードとして追加することです。公式ガイドによると、除外ターゲティングはオートとマニュアルの両方のキャンペーンで使用できます。除外キーワードは、追加したキャンペーンまたは広告グループの広告を、一致する検索に表示しない設定です。そのため、この除外キーワードは、集約先の完全一致のキーワードがある広告グループと、そのキャンペーンのキャンペーン単位には追加しません。同じ広告グループ内のマッチタイプ違いには、除外キーワードは使いません(入札額の差で検索語句を振り分けます)。フレーズ一致・部分一致のほかのキーワード(例:フレーズ一致の「保存容器」)を別の広告グループに登録している場合は、その広告グループに「ステンレス 保存容器」を完全一致の除外キーワードとして追加します。

除外キーワードのマッチタイプは、フレーズ一致と完全一致の2つです。公式ヘルプによると、フレーズ一致の除外キーワードは、その語句全体または類似バリエーションを含む商品検索に広告を表示しません。オートのキャンペーンで「ステンレス 保存容器」をフレーズ一致で除外すると、この語句を含むより長い検索語句にも、そのキャンペーンの広告が表示されなくなります。完全一致の除外キーワードの対象について、公式ヘルプは「完全一致のフレーズまたは類似バリエーションを含む商品検索」と記載するのみで、より長い検索語句が対象になるかは明示していません。そのため、除外キーワードの追加後に、そうした語句の行がオートのキャンペーンに残っているかを、検索ワードレポートで確認します。

除外キーワードは、追加から72時間後に有効になります。既存の除外キーワードはマッチタイプを変更できないため、追加する前に選択を確認します。指名の検索語句を指名のキャンペーンに振り分ける場合に、どこへ除外キーワードを追加するかは、「Amazon広告のキャンペーン構成:指名・一般語・競合の商品ページを分けるか否かの判断」の「キャンペーンの分け方:新しいキャンペーンの作成と、元のキャンペーンでの一時停止・除外の追加」の章で扱っています。

振り分けた後の確認事項:検索語句が記録される行と、合算の成果・クリック数

よくある場面

除外キーワードを追加した翌日の検索ワードレポートに、オートのキャンペーンの「ステンレス 保存容器」の行が記録されている。

除外キーワードは追加から72時間後に有効になるため、それ以降の検索ワードレポートで、検索語句が集約先の行にだけ記録されているかを確認します。あわせて、振り分けの前後で検索語句の合算の広告費・売上・注文数を同じ日数で比較し、クリック数の減少の有無も調べます。

Amazon広告で検索語句を集約先の行に振り分けた後に、検索ワードレポートで確認する3点(記録される行、前後の合算の成果、クリック数の変化)を示した図
検索ワードレポートの売上には、広告がクリックされた日から7日以内の注文が計上されるため、直近7日の数値は確定していない。

1点目は、検索語句が記録される行です。除外キーワードの追加から72時間が経過した後の検索ワードレポートで、オートのキャンペーンに「ステンレス 保存容器」の行が無いことと、一般語のキャンペーンではこの検索語句が完全一致の行にだけ記録されていることを確認します。フレーズ一致や部分一致の行が残っている場合は、同じキーワードで完全一致の入札額が最も高いかを確認します。

2点目は、合算の成果です。振り分けの前後で、検索語句「ステンレス 保存容器」のすべての行の広告費・売上・注文数を合算し、同じ日数で比較します。検索ワードレポートの売上には、広告がクリックされた日から7日以内の注文が計上されるため、直近7日は比較の期間から除きます。前後の差には、需要の増減による影響も含まれます。設定を変更していないキャンペーンの変化率を用いてこの影響を差し引く方法は、「Amazon広告の入札戦略はどれを選ぶ?掲載枠の実績と切り替え前後の比較で決める方法」の「入札戦略の切り替え前後の比較期間:4週間ずつとし、設定を変更していないキャンペーンの変化率から見込みを算出する」の章で解説しています。

3点目は、合算のクリック数です。集約先の行の入札額が、それまで使用されていた行より低いと、振り分けた検索語句のクリック数が減ることがあります。K社の例で、引き上げ後の完全一致の入札額(85円)は、それまで使用されていた部分一致の入札額(80円)を上回ります。オートのキャンペーンの入札額はこの記事では示していませんが、85円はオートのキャンペーンの行のクリック単価(70.7円)も上回ります。クリック数が減り、合算のACOSが変わらない場合は、損益分岐クリック単価(103円)を上限として、完全一致の入札額を引き上げます。また、部分一致の入札額を65円に引き下げたため、部分一致だけが対象になる検索語句(例:「保存容器 ステンレス 密閉」)のクリック数も、振り分けの前後で比較します。

TAMKOのAmazon広告アカウント診断で確認すること

この記事で扱った、オートとマニュアルのキャンペーンに記録された検索語句の確認は、TAMKOのAmazon広告アカウント診断で毎回行っている項目です。診断ページでは、「費用と売上がずれやすい3つの場所」の1つに「オートターゲティングと部分一致の検索語句」を挙げ、「素材違いや安さ目的など、商品に合わない検索にも広告費が出やすい」と記載しています。

TAMKOが行うAmazon広告アカウント診断の確認項目のうち、「オートとマニュアルに出た検索語句と、商品ターゲティングで狙った商品ページ」と「オートターゲティングと部分一致の検索語句」の2点を示した図
診断ページの確認項目と「費用と売上がずれやすい3つの場所」のうち、この記事に関わる2項目(原文のまま引用)。

診断ページでは、「現状の配分を続けてよいという判断も、診断の結論です。」「改善点には設定の手順を、続けてよい点にはその根拠を、判断できないものには検証の方法を添えます。」と記載しています。料金は、診断・報告書・説明会まで無料(毎月2社まで)です。

詳しくは、診断ページをご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q01同じキーワードを部分一致・フレーズ一致・完全一致で登録すると、自社の広告同士が競合しますか?

公式ガイドは、同じキーワードに異なるマッチタイプを追加しても、入札キーワード同士は競合しないと説明しています。

公式ヘルプによると、同じキーワードに入札額の異なる複数のマッチタイプを設定した場合、一致する検索語句には入札額が最も高いマッチタイプが使用されます。完全一致で配信したい場合は、その入札額をほかのマッチタイプより高くします。

Q02絞り込み部分一致は、スポンサープロダクト広告で使えますか?

公式ヘルプで絞り込み部分一致の記載があるのはスポンサーブランド広告の項目だけで、スポンサープロダクト広告での使用は記載されていません。

スポンサープロダクト広告のマニュアルターゲティングのマッチタイプは、部分一致・フレーズ一致・完全一致の3つです。

Q03除外キーワードのマッチタイプは、追加した後に変更できますか?

公式ヘルプによると、既存の除外キーワードのマッチタイプは変更できません。

フレーズ一致の除外キーワードは、その語句を含むすべての検索語句で広告を表示しないため、検索語句を振り分ける場合は、追加する前に完全一致を選んでいるかを確認します。

Q04オートのキャンペーンで成果の良い検索語句は、マニュアルのキャンペーンにキーワードとして追加すべきですか?

公式ガイドは、オートのキャンペーンの検索ワードレポートで成果の高いターゲットを見つけ、マニュアルのキャンペーンに追加する使い方を挙げています。

追加した後もオートのキャンペーンで同じ検索語句に広告が表示されている場合は、その語句の合算の注文数とACOSを確認したうえで、そのキャンペーンに完全一致の除外キーワードとして追加するかを判断します。

Amazon広告のフレーズ一致などで複数の行に記録された検索語句は、成果を合算してから集約先の行に振り分ける|まとめ

同じキーワードを3つのマッチタイプで登録すると、3つとも同じ検索語句を対象にします。期間中に入札額の順序を変更した場合や、別のキーワード・オートのキャンペーンも同じ検索語句を対象にする場合に、1つの検索語句が複数の行に記録されます。公式ガイドは、同じキーワードの異なるマッチタイプは競合しないと説明しています。問題は、成果が複数の行に分散することと、意図した行の入札額で配信されないことです。検索ワードレポートで検索語句ごとに成果を合算し、合算の注文数が判断に十分で、合算のACOSが損益分岐を下回る検索語句は、同じ広告グループでは完全一致の入札額を最も高くし、別のキャンペーンや広告グループには完全一致の除外キーワードとして追加して振り分けます。除外キーワードの追加から72時間が経過した後に、検索語句が記録される行と、前後の合算の成果、合算のクリック数を確認します。

この記事のポイント

  • フレーズ一致は、キーワードの語を同じ語順で含む検索語句に広告を表示する。完全一致の対象になる検索語句は、同じキーワードのフレーズ一致と部分一致の対象にもなる。
  • 同じキーワードに入札額の異なる複数のマッチタイプを設定すると、入札額が最も高いものが使用される。公式ガイドは、入札キーワード同士は競合しないと説明している。
  • 重複によって生じる問題は、成果が複数の行に分散することと、意図した行の入札額で配信されないことである。
  • 検索ワードレポートを「お客様検索用語」ごとに集計し、行が2つ以上ある検索語句の成果を合算し、合算のACOSを損益分岐と比較する。
  • 合算の注文数が判断に十分で、合算のACOSが損益分岐を下回る検索語句は、完全一致の行を集約先の行にする。同じ広告グループのマッチタイプ間は入札額の差で、別のキャンペーンや広告グループとの間は完全一致の除外キーワードで、検索語句を振り分ける。
  • 除外キーワードは追加から72時間後に有効になる。その後の検索ワードレポートで検索語句が記録される行を確認し、前後の合算の成果を同じ日数で比較し、合算のクリック数が減っていないかを確認する(直近7日は除く)。