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計測と評価

Amazon広告は、損益分岐ACOSでキャンペーンを種類ごとに仕分け、全体はTACOSを月ごとに見る

Amazon広告の全体のACOSは目標の範囲に収まっているのに、利益が思ったほど残らない、ということはありませんか。

診断サンプルの架空の会社(K社・キッチン用品メーカー・自社ブランド「ケイライフ(架空)」)の例では、12か月の全体のACOSは21.6%で、手数料などを引いた後の利益率から出した損益分岐(35%と仮定)の内側でした。ところがキャンペーンの種類ごとに分けると、指名は7.2%、競合の商品ページは55.5%で、損益分岐の外側のキャンペーンが1つ混ざっていました。

そこでこの記事では、ACOS・ROAS・TACOSの違いと損益分岐ACOSの出し方を短く押さえたうえで、キャンペーンの種類ごとに損益分岐と比べて仕分ける方法と、TACOSを月ごとに並べて全体を見る方法を、Amazon Adsの公式の記載を根拠に整理します。

対象は、Amazonに自社ブランドの商品を出品し、スポンサープロダクト広告・スポンサーブランド広告を運用している担当者の方です。

Amazon広告のアカウント診断で、キャンペーンごとのACOSと全体の売上に対する広告費を毎回確認している立場から解説します。

【結論】Amazon広告は、損益分岐ACOSでキャンペーンを種類ごとに仕分け、全体はTACOSを月ごとに見る

損益分岐ACOSは、原価に加えて販売手数料や配送の費用などを引いた利益率から出し、全体のACOSではなくキャンペーンの種類ごとに比べます。全体の状態は、TACOSを月ごとに並べ、ACOSと広告経由の売上の比率と一緒に読みます。

全体ではなく、種類ごとに損益分岐と比べる

  1. 01損益分岐ACOSを出す原価・販売手数料・配送の費用などを引いた利益率
  2. 02種類ごとに比べる指名・一般語・オート・競合の商品ページ・スポンサーブランド
  3. 03外側のものを分ける商品ページ・検索語句の単位
  4. 04全体はTACOSで見る月ごとに、ACOS・広告経由の比率と並べる
比べる単位は、全体ではなくキャンペーンの種類。外側に出たものだけを、さらに細かい単位に分ける。
  1. 損益分岐ACOSは、販売価格から原価・Amazonの販売手数料・配送の費用などを引いた利益率から出す。粗利率では出さない。
  2. 全体のACOSではなく、指名・一般語・オート・競合の商品ページ・スポンサーブランドの種類ごとに損益分岐と比べる。
  3. 外側にあるキャンペーンは、商品ページや検索語句の単位まで分けて、どこが原因かを確認する。
  4. 全体はTACOSを月ごとに並べ、ACOSと広告経由の売上の比率を同じ表に置いて読む。
  5. 件数が少ないものと、広告が無くても買われた売上が含まれうるもの(指名)は、管理画面の数字だけで判断しない。

公式のACOSの解説では、損益分岐ACOSは利益率に直接関係し、利益を維持するにはACOSを利益率より低く抑える必要がある、とされています。この記事は、その比較をキャンペーンの種類の単位で行う手順です。

ACOS・ROAS・TACOSの違いと損益分岐ACOS:分母が広告経由の売上か、全体の売上か

ACOSとROASは、どちらも広告経由の売上と広告費の関係を示す同じ指標の表と裏です。TACOSは分母を広告以外も含む全体の売上に替えたもので、広告が事業全体の売上に対してどれだけの費用になっているかを示します。

ACOSとTACOSは、分母に入れる売上の範囲が違う

全体の売上(広告以外も含む)=TACOSの分母

AB
  • A
    広告経由の売上ACOS・ROASの計算に使う売上。K社は約47%
  • B
    広告以外の売上自然検索などからの売上。K社は約53%
診断サンプルの架空の会社(K社)の例です。12か月の全体の売上59,460,328円のうち、広告経由の売上は約47%。

ACOS(広告費売上高比率)は、広告費を広告経由の売上で割り、100を掛けた値です。ROAS(広告費用対効果)は、広告経由の売上を広告費で割った値で、公式の解説ではACOSの逆数と説明されています。

ここでいう広告経由の売上は、Amazon Adsのアトリビューションの考え方で広告に起因するとされた購入の合計金額です。公式ヘルプでは、この売上はROASの計算に使われ、計算方法が異なるためリテールのレポートとは必ずしも一致しない、と説明されています。

診断サンプルの架空の会社(K社)の例です。12か月の広告費は6,042,345円、広告経由の売上は27,942,348円、全体の売上は59,460,328円でした。

指標式K社の値
ACOS広告費÷広告経由の売上21.6%
ROAS広告経由の売上÷広告費4.62
TACOS広告費÷全体の売上10.2%

損益分岐ACOSは、原価と手数料などを引いた利益率から出す

損益分岐ACOSは、広告費をかける前の1個あたりの利益率と同じ値です。式は次のとおりです。

損益分岐ACOSは、手数料なども引いた利益率

損益分岐ACOS
販売価格 − 原価 − Amazonの販売手数料 − 配送の費用など広告費をかける前の1個あたりの利益
販売価格
粗利率(販売価格−原価)ではなく、販売手数料や配送の費用なども引いた利益率で出す。

粗利率(販売価格−原価)で出すと、販売手数料や配送の費用などの分だけ損益分岐を高く見積もり、実際には利益が残っていないキャンペーンを内側と判断してしまいます。手数料の率は商品のカテゴリーや配送の方法で異なるため、セラーセントラルで確認してください。

商品ごとに利益率が違う場合は、そのキャンペーンで売れている商品の利益率で出します。K社は、手数料などを引いた後の利益率を35%と仮定しました(診断サンプルの架空の会社(K社)の例です)。損益分岐ACOSは35%、損益分岐ROASは約2.86(1÷0.35)です。

全体のACOSだけでは判断できない理由:K社は全体21.6%でも、種類ごとに7.2%〜55.5%

全体のACOSは、各キャンペーンの広告費の合計を売上の合計で割った加重平均です。売上の大きい低ACOSのキャンペーンがあると、損益分岐の外側にあるキャンペーンが全体の数字の中に埋もれます。

全体のACOSは、売上の大きいキャンペーンに引っ張られる

全体のACOS
各キャンペーンの広告費の合計
各キャンペーンの広告経由の売上の合計売上の大きいキャンペーンほど影響が大きい
全体のACOSは加重平均。売上の大きい指名のACOSが低いと、全体の値もそれに引っ張られて低くなる。

診断サンプルの架空の会社(K社)の例です。12か月のキャンペーンを種類ごとに並べると、ACOSは7.2%から55.5%まで開いていました。

キャンペーン広告費広告経由の売上ACOSROAS損益分岐(35%)との位置
スポンサープロダクト|指名(ブランド名)666,724円9,288,894円7.2%13.93内側(27.8ポイント下)
スポンサープロダクト|一般語(マニュアル)2,080,018円8,769,024円23.7%4.22内側(11.3ポイント下)
スポンサープロダクト|オート1,546,581円4,867,528円31.8%3.15内側(3.2ポイント下)
スポンサープロダクト|競合の商品ページ983,677円1,772,198円55.5%1.80外側(20.5ポイント上)
スポンサーブランド|一般語765,344円3,244,704円23.6%4.24内側(11.4ポイント下)
損益分岐 35%全体 21.6%SP|指名(ブランド名)7.2%SP|一般語(マニュアル)23.7%SP|オート31.8%SP|競合の商品ページ55.5%SB|一般語23.6%SP=スポンサープロダクト広告、SB=スポンサーブランド広告。診断サンプルの架空の会社(K社)の例です。
K社のキャンペーンの種類ごとのACOS(12か月・診断サンプルの架空の会社(K社)の例です)。損益分岐35%は手数料などを引いた後の利益率の仮定。

売上の3分の1を占める指名が7.2%と低いため、全体は21.6%まで下がります。その中で、競合の商品ページだけが損益分岐を20ポイント以上超えていました。

金額の目安として、「広告経由の売上×35%−広告費」を単純計算すると(説明用の計算です)、指名は約258万円、一般語は約99万円、オートは約16万円、スポンサーブランドは約37万円のプラスで、競合の商品ページは約36万円のマイナスでした。合計は約374万円のプラスで、全体の広告経由の売上×35%から全体の広告費を引いた値と一致します。全体がプラスでも、その中に赤字の種類が1つ含まれている、ということです。

キャンペーンの種類ごとの仕分け:指名・一般語・オート・競合の商品ページ・スポンサーブランド

種類ごとに、損益分岐と比べた位置だけでなく、数字を良く見せる要因と悪く見せる要因を確認し、どの単位まで分けて見るかを決めます。内側か外側かだけで、続けるか停止するかは決めません。

種類ごとに、分けて確認する単位が違う

キャンペーンのACOSを、損益分岐と比べる

  • 指名(ブランド名)停止して検証する広告が無くても買われた売上を含みうる
  • 一般語・オート検索語句の単位に分ける商品に合わない検索語句が混ざる
  • 競合の商品ページ商品ページの単位に分ける素材や価格帯の違う商品ページが混ざる
  • スポンサーブランド損益分岐とだけ比べる数える期間がスポンサープロダクト広告と違う
種類ごとに、数字を良く見せる要因・悪く見せる要因が違う。確認する単位もそれに合わせて変える。
種類K社のACOS数字を良く見せる・悪く見せる要因分けて確認する単位
指名(ブランド名)7.2%広告が無くても買われた売上が含まれうる(良く見せる)停止して検証する
一般語(マニュアル)23.7%商品に合わない検索語句が混ざる(悪く見せる)検索語句
オート31.8%商品に合わない検索語句が混ざる(悪く見せる)検索語句
競合の商品ページ55.5%素材や価格帯の違う商品ページが混ざる(悪く見せる)商品ページ
スポンサーブランド|一般語23.6%数える期間がスポンサープロダクト広告より長いキャンペーン(損益分岐とだけ比べる)

指名(ブランド名):ACOS 7.2%は最も良く見えるが、広告が無くても買われた売上が含まれうる

K社の指名はACOS 7.2%・ROAS 13.93で、5つの中で最も良い数字です(診断サンプルの架空の会社(K社)の例です)。ただし、ブランド名で検索した人は、広告が無くても自然検索の結果から同じ商品を買っていた可能性があります。その分は管理画面の数字では区別できません。

そのため、指名のACOSは、予算を増やす根拠にも、停止する根拠にもしません。停止して自然検索の売上がどれだけ残るかを検証する方法は、「Amazon広告の指名の広告は必要か?停止して自然検索に残る売上を検証する方法」で扱います。Google広告で同じ考え方を扱った記事は「指名キーワードの広告は必要か?停止して確認する前に見る件数とP-MAXの影響」です。

一般語とオート:損益分岐の内側でも、商品に合わない検索語句が混ざる(K社:注文0件の4語・年15万円)

K社の一般語(マニュアル)は23.7%、オートは31.8%で、どちらも内側です。ただしオートは、損益分岐との差が3.2ポイントしかありません。

オートターゲティングには、ほぼ一致・おおまか一致・代替商品・補完商品の4つの戦略があり、Amazonが商品との関連性から検索用語や商品詳細ページを選んで広告を表示します。関連性の判断が自社の想定と合わない検索語句も含まれるため、検索ワードレポートで検索語句の単位に分けて確認します。

診断サンプルの架空の会社(K社)の例です。12か月で注文が0件だった検索語句は次の4語で、合計150,000円でした。

検索語句広告費クリック注文
保存容器 ガラス52,000円7430件
保存容器 100均42,000円5950件
タッパー 使い捨て32,000円4220件
弁当箱 子供24,000円3610件
合計150,000円2,1210件

K社の商品はステンレス製で、4語はいずれもステンレス製の商品を探す検索ではありません。こうした語句は除外キーワードに追加します。除外キーワードで使えるマッチタイプは、フレーズ一致と完全一致です。

一般語とオートを合わせたACOSは26.6%で、この4語の広告費を除くと約25.5%になります(売上は変わらないと仮定した説明用の計算です)。

競合の商品ページ:全体55.5%の中に、大きく外側の商品ページと、境目の商品ページがある

K社の競合の商品ページのキャンペーンは、全体でACOS 55.5%で外側です。商品ページの単位に分けると、中身は大きく2つに分かれました(診断サンプルの架空の会社(K社)の例です)。

指定した商品ページ広告費広告経由の売上ACOS損益分岐(35%)との位置
競合の商品ページ1(ガラス保存容器)234,574円96,776円242.4%大きく外側(約6.9倍)
競合の商品ページ4(プラスチック保存容器)198,336円102,282円193.9%大きく外側(約5.5倍)
競合の商品ページ2(ステンレス保存容器)278,322円832,483円33.4%境目(内側)
競合の商品ページ5(ホーロー保存容器)97,442円271,356円35.9%境目(外側)
競合の商品ページ3(ステンレス保存容器)175,004円469,301円37.3%境目(外側)

ガラスとプラスチックの保存容器の2件は、ACOSが損益分岐の5倍を超え、広告費は合計約43万円(432,910円)でした。素材や価格帯の違う商品ページでは、K社の商品が並んで比べられても選ばれにくい、ということです。この2件は、商品ターゲティングの指定を停止します。オートのキャンペーンでも同じ商品ページに広告が表示されている場合は、オートの側で除外する商品の指定(除外商品ターゲティング)をします。公式ヘルプでは、除外商品ターゲティングは、商品ターゲティングの広告とオートターゲティングの広告の両方に効くとされています。

ステンレスとホーローの3件は、合計するとACOS 35.0%(広告費550,768円・売上1,573,140円)で、損益分岐とほぼ同じです。1件ずつ見ると33.4%・37.3%・35.9%で、損益分岐の前後に分かれています。3件はいずれも「内側」とも「外側」とも言い切れない境目にあります。

キャンペーン全体の1件あたりの売上(約3,600円)で換算すると、35.9%の商品ページは約2件、37.3%の商品ページは約9件、33.4%の商品ページは約10件の注文の増減で、損益分岐をまたぎます(説明用の計算です)。損益分岐との差が約10件以内の注文に収まるため、少し外側の2件も停止の対象にはせず、次の章の「検証してから判断」に入れます。

除外は追加してすぐには効きません。公式ヘルプでは、有効になるまでのバッファー期間を、除外キーワードは72時間、除外商品は96時間としています。

K社のスポンサーブランド|一般語はACOS 23.6%で、内側です(診断サンプルの架空の会社(K社)の例です)。

比べるときの注意は、数える期間です。公式ヘルプでは、出品者のスポンサープロダクト広告のルックバックウィンドウは7日間、スポンサーブランド広告は14日間で、広告に起因するとみなす商品の範囲の定め方も異なります。同じ条件で数えた売上ではないため、種類どうしのACOSの差を細かく比べず、それぞれを損益分岐と比べる使い方にとどめます。

スポンサーブランド広告は、ブランドロゴ・見出し・複数の商品などを組み合わせた広告で、商品検索結果ページの上部とページ内、商品詳細ページなどに表示されます。在庫不足などでおすすめ出品に選ばれない商品があると、スポンサープロダクト広告は表示されませんが、スポンサーブランド広告は表示されます。在庫切れの月は、両者の数字の動きが揃わないことを前提に読みます。

仕分けの結果を4つの判断に分ける:続ける・配分を増やす候補・一部を停止・検証してから判断

仕分けの結果は、損益分岐の内側か外側かと、管理画面の数字だけで判断できるかの2つで分けます。大きく外側で原因がはっきりしているものだけを停止し、境目のものと指名は、期間を延ばして件数を集めてから判断します。

停止するのは「外側で、数字だけで判断できる」ものだけ

外側損益分岐との位置内側
一部を停止競合の商品ページ1・4の指定/注文0件の4語
検証してから判断境目の外側の商品ページ3・5(37.3%・35.9%)
続ける・配分を増やす候補一般語・スポンサーブランド・境目の内側の商品ページ2(33.4%)
検証してから判断指名・オート
管理画面の数字で判断できる判断の材料検証が要る
診断サンプルの架空の会社(K社)の例です。停止するのは、大きく外側で原因が分かるものだけ。
判断対象理由
続ける一般語(マニュアル)・スポンサーブランド|一般語・競合の商品ページ2(33.4%)損益分岐の内側。商品ページ2は境目のため、同じ表で毎月確認する
配分を増やす候補一般語(マニュアル)内側で、損益分岐との差が大きい
一部を停止競合の商品ページ1・4の指定/注文0件の4語(除外キーワード)大きく外側、または注文が0件で、原因が素材や検索の意図の違いと分かる
検証してから判断指名・オート・競合の商品ページ3・5(37.3%・35.9%)広告が無くても買われた売上を含みうる、または損益分岐との差が小さい

停止で浮いた費用の配分先は、内側で損益分岐との差が大きいもの(K社では一般語)から検討します。ただし、入札額や予算を上げるとクリック単価も上がるため、増やした分のACOSは今のACOSと同じにはなりません。増やした分の広告費と売上を2か月程度で計測し、その分のACOSを損益分岐と比べて判断します。

件数が少ない商品ページや検索語句は、注文が数件違うだけでACOSが大きく動きます。同じ条件のまま期間を延ばし、損益分岐をまたぐのに必要な注文の数より十分多い件数が集まってから判断します。何件あれば判断できるかは、利益率と販売価格で変わります。

診断サンプルの架空の会社(K社)の例で、単純計算します(説明用の計算です。停止した2件の売上199,058円は他で取り戻さないと仮定します)。広告費から、競合の商品ページ2件の432,910円と4語の150,000円を引くと、全体のACOSは21.6%から約19.7%に、TACOSは10.2%から約9.2%に下がります。実際に停止した後は、次の章の表で前後の月を比べます。

TACOSを月ごとに並べて全体を見る:ACOSと広告経由の売上の比率を同じ表に置く

TACOSは、ACOSと「全体の売上に占める広告経由の売上の比率」と同じ表に並べ、3つの動きの組み合わせで読みます。TACOSだけを見ると、広告の効率が変わったのか、広告以外の売上が変わったのかを区別できません。

TACOSは、ACOSとの組み合わせで読む

TACOSが動いたとき、ACOSはどう動いたか

  • TACOSが下がり、ACOSは横ばい広告以外の売上が増えている
  • TACOSが上がり、ACOSも上がる広告の効率が落ちている
  • TACOSが上がり、ACOSは横ばい広告以外の売上が減っている、または広告費を増やした
TACOSの動きは、ACOSの動きと組み合わせて読む。TACOSだけでは原因を区別できない。

TACOSは広告費を全体の売上で割るため、広告経由の売上が増えても、広告以外の売上(自然検索など)が同じ割合で増えれば変わりません。表は、広告費・広告経由の売上・全体の売上・ACOS・TACOS・広告経由の売上の比率(広告経由の売上÷全体の売上)の6列を、月ごとに並べます。全体の売上(広告以外も含む)は、セラーセントラルで確認してください。

月広告費広告経由の売上全体の売上ACOSTACOS広告経由の比率
2025年10月50.1万円226.5万円483.7万円22.1%10.4%46.8%
2025年11月56.5万円257.8万円561.6万円21.9%10.1%45.9%
2025年12月50.2万円229.5万円490.0万円21.9%10.2%46.8%
2026年1月46.4万円220.0万円469.2万円21.1%9.9%46.9%
2026年2月41.4万円189.1万円395.9万円21.9%10.5%47.8%
2026年3月48.9万円233.6万円496.0万円21.0%9.9%47.1%
2026年4月54.7万円248.7万円543.3万円22.0%10.1%45.8%
2026年5月49.3万円229.9万円484.6万円21.4%10.2%47.5%
2026年6月46.9万円211.6万円453.8万円22.1%10.3%46.6%
2026年7月59.8万円277.8万円599.1万円21.5%10.0%46.4%
2026年8月52.0万円241.8万円496.1万円21.5%10.5%48.7%
2026年9月48.1万円227.9万円472.9万円21.1%10.2%48.2%
0%20%40%60%広告経由の比率(45.8〜48.7%)ACOS(21.0〜22.1%)TACOS(9.9〜10.5%)10月12月2月4月6月8月2025年10月〜2026年9月。比率=広告経由の売上÷全体の売上。診断サンプルの架空の会社(K社)の例です。
K社の12か月のACOS・TACOS・広告経由の売上の比率(2025年10月〜2026年9月・診断サンプルの架空の会社(K社)の例です)。

K社の12か月は、TACOSが9.9〜10.5%、ACOSが21.0〜22.1%、広告経由の売上の比率が45.8〜48.7%で、3つとも横ばいでした(診断サンプルの架空の会社(K社)の例です)。全体の売上は月396万円(2026年2月)から599万円(2026年7月)まで動いていますが、広告費も同じ割合で動いているため、TACOSはほぼ一定です。上半期(2025年10月〜2026年3月)のTACOSは約10.1%、下半期(2026年4月〜9月)は約10.2%でした。

この12か月分だけでは、月ごとの動きが季節によるものかどうかを切り分けられません。切り分けるには、前年の同じ月のTACOSと並べる必要があります。前の章の停止を行った場合は、停止した月から同じ表でTACOSと全体の売上を前後で比べ、広告経由の売上の比率が下がったか、全体の売上が減ったかを確認します。

TAMKOのAmazon広告アカウント診断で確認すること

この記事で挙げた、キャンペーンの種類ごとのACOS、検索語句と商品ページの単位の仕分け、TACOSの月ごとの推移は、TAMKOのAmazon広告アカウント診断で毎回確認している項目です。

診断のエグゼクティブサマリーの例(キャンペーンの種類ごとのACOSと損益分岐の比較のページ)
診断でお渡しするエグゼクティブサマリーの例。会社・数字・広告名はすべて架空です(診断サンプルの架空の会社(K社)の例です)。

診断で確認する項目には、「スポンサープロダクト広告・スポンサーブランド広告・ディスプレイ広告の分け方と、それぞれのACOS(広告費÷広告経由の売上)」「オートとマニュアルに出た検索語句と、商品ターゲティングで狙った商品ページ」「広告以外を含む全体の売上に対する広告費(TACOS)」が含まれます。

現状の配分を続けてよいという判断も、診断の結論です。改善点には設定の手順を、続けてよい点にはその根拠を、判断できないものには検証の方法を添えます。診断・報告書・説明会まで無料(毎月2社まで)。

詳しくは診断ページへ。

よくある質問(FAQ)

Q01TACOSの目安はどのくらいですか?

TACOSはAmazonの用語ではなく、公式の目安もありません。

公式のACOSの解説でも、ターゲットとするACOSはブランドごとに異なるとされています。目安の数字を探すより、損益分岐ACOSを利益率から出し、TACOSは自社の月ごとの推移で見ることをおすすめします。

Q02ACOSとROASのどちらで見ればよいですか?

ROASはACOSの逆数で、同じ結果を別の形で示しています。

損益分岐ACOSが35%なら、損益分岐ROASは約2.86です。普段使っている方にそろえれば十分です。

Q03損益分岐ACOSを粗利率で出してもよいですか?

おすすめしません。

Amazonの販売手数料や配送の費用などを引く前の率で出すと、その分だけ損益分岐を高く見積もり、実際には利益が出ていないキャンペーンを内側と判断してしまいます。

Q04指名のキャンペーンはACOSが低いので、予算を増やしてよいですか?

管理画面の数字だけでは判断できません。

ブランド名で検索した人は、広告が無くても自然検索から買っていた可能性があるためです。停止して自然検索の売上がどれだけ残るかを検証する方法は、指名の広告の記事で解説しています。

Q05スポンサープロダクト広告とスポンサーブランド広告のACOSを並べて比べてよいですか?

細かな差の比較には向きません。

公式のアトリビューションのルックバックウィンドウが、出品者のスポンサープロダクト広告は7日間、スポンサーブランド広告は14日間と異なるためです。それぞれを損益分岐ACOSと比べる使い方をおすすめします。

Amazon広告は全体のACOSでなく種類ごとに損益分岐と比べ、全体はTACOSを月ごとに見る|まとめ

損益分岐ACOSは、原価に加えて販売手数料や配送の費用などを引いた利益率から出します。全体のACOSが損益分岐の内側でも、キャンペーンの種類ごとに分けると外側のものが混ざることがあります。外側のキャンペーンは商品ページや検索語句の単位まで分け、大きく外側で原因が分かるものだけを、指定の停止や除外キーワードで対処します。指名のように広告が無くても買われた売上が含まれうるものと、損益分岐の境目にあるものは、期間を延ばして件数を集め、検証してから判断します。全体は、TACOSをACOS・広告経由の売上の比率と同じ表に並べて月ごとに読み、季節の影響は前年の同じ月と比べて切り分けてください。

この記事のポイント

  • ACOSは広告費÷広告経由の売上、TACOSは広告費÷広告以外も含む全体の売上(TACOSはAmazonの用語ではない)。
  • 損益分岐ACOSは、原価に加えて販売手数料・配送の費用などを引いた利益率から出す。
  • 全体のACOSが損益分岐の内側でも、キャンペーンの種類ごとに分けると外側のものが混ざる(架空のK社は全体21.6%でも、競合の商品ページは55.5%)。
  • 外側のキャンペーンは商品ページや検索語句の単位まで分け、大きく外側の分だけ指定の停止や除外キーワードで対処する。指名と、損益分岐の境目にあるものは、検証してから判断する。
  • 全体はTACOSを月ごとに並べ、ACOSと広告経由の売上の比率と一緒に読む。季節の影響は前年の同じ月と比べないと切り分けられない。