LinkedIn広告のターゲティングは、職務タイプ・会社規模の内訳で狙いの外の費用を見つけて絞る
LinkedIn広告で職務タイプや会社規模を指定して配信しているのに、問い合わせ単価が想定より高い、ということはありませんか。
診断サンプルの架空の会社(N社・法人向け情報セキュリティサービス会社)の例では、職務タイプ「情報技術」・会社規模「201人以上」を狙った広告セットを12か月配信していました。職務タイプの内訳を見ると、費用の35.3%が「情報技術」の外に出ており、その費用から出た問い合わせは全体の13.3%でした。
そこでこの記事では、ターゲティングの項目を短く押さえたうえで、職務タイプ・会社規模の内訳から狙いの外の費用を見つけ、問い合わせ単価の上限と比べて絞る手順を、LinkedInの公式ヘルプを根拠に整理します。
対象は、LinkedIn広告を運用しているBtoBの担当者で、成果を問い合わせ、途中の成果を資料DLで見ている方です。
LinkedIn広告のアカウント診断で、職務タイプ・会社規模ごとの費用と問い合わせを毎回確認している立場から解説します。
【結論】LinkedIn広告のターゲティングは、職務タイプ・会社規模の内訳で狙いの外の費用を見つけて絞る
ターゲティングは設定して終わりではありません。配信した後に、職務タイプ・会社規模ごとの内訳で、狙った属性の外に出ている費用の割合と問い合わせの割合を並べ、狙いの外の問い合わせ単価を上限と比べて、停止・除外・判断の保留に分けます。
設定の後に、内訳で狙いの外を見つけて絞る
- 01問い合わせの広告セットを選ぶ資料DLの広告・再訪の広告は分ける
- 02費用の割合と問い合わせの割合を並べる職務タイプ・会社規模ごと
- 03狙いの外の単価を上限と比べる
- 04オフ・除外/保留に分ける件数が少ない行は保留
- 05内側へ配分し、2か月で判定する
- 内訳は、成果が問い合わせの広告セットに限って読む。資料DLが目的の広告と、サイト訪問者に再び表示する広告は、分けて評価する。
- 職務タイプ・会社規模ごとに、狙いの外の「費用の割合」と「問い合わせの割合」を並べる。
- 狙いの外の問い合わせ単価を、自社の問い合わせ単価の上限と比べる。
- 上限を大きく超える狙いの外は、リーチ拡大ツールのオフと除外の設定で絞る。問い合わせが数件しかない行は、内訳が概算であるため、行ごとには判断せず保留する。
- 絞った分の費用は狙った属性の内側に配分し、2か月程度で上限の内に収まるかを判定する。
内訳のレポートは、LinkedInの公式ヘルプでは「プロフェッショナル属性統計データ」と呼ばれています。プライバシー保護のために概算値で表示される、という性質を前提に読むことが、この手順の要点です。
LinkedIn広告のターゲティングの項目と、配信後に内訳を確認できる項目
ターゲティングは、会社の情報と、人の職務経験などの情報を組み合わせて指定します。配信した後は、そのうち職務タイプ・会社規模などの10の属性について、表示回数・クリック・コンバージョンの内訳を確認できます。
設定した項目のうち、職務タイプと会社規模は配信後に内訳で確認できる
設定で指定する項目
- 会社:会社名・会社の業種・会社規模 など
- 職務経験:役職・職務タイプ・職務レベル・スキル など
- 場所・学歴・統計データ・関心トピックと特徴
配信後に内訳で確認できる属性
- 職務タイプ・役職・職務レベル
- 会社・会社業種・会社規模
- 場所・国/地域・郡・指定市場地域
指標:表示回数・クリック・コンバージョン(費用は一覧に無い)
公式ヘルプのターゲットオプションの分類は、次のとおりです(主な項目だけを抜き出しています)。
| 分類 | 主な項目 |
|---|---|
| 場所(必須) | 定住する場所、最近の場所 など |
| 会社 | 会社名、会社の業種、会社規模、会社の成長率、企業収益 など |
| 統計データ | メンバーの年齢、メンバーの性別 |
| 学歴 | 学位、専攻、メンバーの出身校 |
| 職務経験 | 役職、職務タイプ、職務レベル、スキル、経験年数 |
| 関心トピックと特徴 | メンバーグループ、メンバーの関心トピック、メンバーの特徴 |
BtoBで最初に指定されやすいのは、職務タイプと会社規模です。公式の定義では、職務タイプはポジション内で共通するタスクや業務で、役職がLinkedIn独自の分類で職務タイプに対応付けられます。会社規模は組織の推定規模で、主にページ管理者が入力した規模が使われ、入力が無い場合はページに関連付けられたメンバーの数から判断されます。統計データに基づく項目は、包含と除外を合わせて最大200件まで選べます。
プロフェッショナル属性統計データ
公式ヘルプで内訳の対象として挙がっている属性は、職務タイプ・役職・会社・会社業種・職務レベル・会社規模・場所・国/地域・郡・指定市場地域の10種類です。指標は、表示回数・クリック数・平均CTR・コンバージョン数・コンバージョン率で、リード獲得フォームを使う広告セットではリードフォーム開封数やリード数なども並びます。データの反映には24〜48時間かかることがあり、対象は最大2年前までです。
注意したいのは、ヘルプの指標の一覧に費用が無いことです。LinkedInのMarketing APIでは、会社規模などの属性を指定すると、その属性ごとの費用(costInLocalCurrency)を取得できると記載されています。キャンペーンマネージャーの画面で属性ごとの費用を出せるかは、キャンペーンマネージャーで確認してください。出せない場合は、属性ごとのクリック数の割合で広告セットの費用を按分した推定で読みます。以降のN社の費用も、クリック数で按分した推定です(診断サンプルの架空の会社(N社)の例です)。
狙った属性の外に費用が出る理由:リーチ拡大ツールと、1人が複数の区分に入ること
狙いの外に費用が出る理由は、リーチ拡大ツールだけではありません。1人が複数の区分に数えられることや、個人情報が使えないことでも、狙いの外の値は出ます。そのため「狙いの外がゼロでない=設定の誤り」とは判断せず、割合と単価で判断します。
狙いの外に数えられる経路は3つある
- 1リーチ拡大ツールで、似た属性のメンバーへ広がる設定でオフにできる
- 21人が複数の区分・2つの役職に入る例:創業者とCEOの両方がプロフィールにある
- 3個人情報が使えない・期間中に転職した内訳の合計が広告セットの実績と一致しない理由にもなる
N社の広告セット「情報システムの管理職」も、リーチ拡大ツールが有効のままでした(診断サンプルの架空の会社(N社)の例です)。オフにする場所と、どの広告セットで最初から有効になっているかの見つけ方、LinkedInの外の提携アプリ・サイトへの配信であるLinkedIn Audience Network(日本語のヘルプでは「LinkedInパートナーネットワーク」)との違いは、「LinkedIn Audience Networkは外すべき?外への配信とリーチ拡大ツールの確認方法」で扱います。
リーチ拡大ツールをオフにしても、狙いの外の値がゼロになるとは限りません。公式ヘルプは、プロフェッショナル属性統計データの合計が広告セットの実績と一致しない理由として、次の点を挙げています。
- 1人のメンバーが複数の区分に入る(例:プロフィールに創業者とCEOの両方がある)
- 複数の会社で2つの役職を持つ(顧問と雇用など)
- プライバシー保護のため、個人情報を使用できない場合がある
Marketing APIのドキュメントでも、会社名の内訳に狙っていない会社が含まれる理由として、複数の会社で働くメンバー、期間中の転職、リーチ拡大ツール(Audience expansion)が有効な場合、親会社を指定した場合、期間中の指定の変更が挙げられています。狙いの外の値が少し出ていることだけでは、設定の誤りとは言えません。判断は、次の章以降の割合と単価で行います。
内訳を読む前に:成果が問い合わせの広告セットに限り、資料DLの広告を分ける
アカウント全体で内訳を見ると、成果の違う広告が混ざります。職務タイプで絞って問い合わせを狙った広告セットだけを内訳の対象にし、資料DLが目的の広告は資料DLの単価で別に評価します。
内訳を読む広告セットを、成果で仕分ける
N社の4つの広告セット(12か月・費用の合計7,804,816円)
- 情報システムの管理職(4,352,649円)内訳の対象職務タイプで絞り、問い合わせを狙う
- セキュリティ点検表(1,853,839円)資料DLの単価で別に評価ドキュメント広告+リード獲得フォーム
- サイト訪問者(1,151,881円)対象外(再訪の広告)対象者は訪問の有無で決まる
- 部長以上(446,447円)対象外(停止済み)
N社の4つの広告セットは次のとおりです(12か月・診断サンプルの架空の会社(N社)の例です)。
| 広告セット | 目的 | 費用 | 問い合わせ(クリック後) | 資料DL | 内訳の対象 |
|---|---|---|---|---|---|
| 情報システムの管理職(スポンサードコンテンツ) | Webサイトのコンバージョン | 4,352,649円 | 60件 | 0件 | 対象 |
| セキュリティ点検表(ドキュメント広告+リード獲得フォーム) | リード獲得 | 1,853,839円 | 4件 | 351件 | 対象外(資料DLの単価5,282円で別に評価) |
| サイト訪問者(再訪の広告) | Webサイトのコンバージョン | 1,151,881円 | 16件 | 0件 | 対象外(サイト訪問者のリストが対象で、職務タイプで絞った広告ではない) |
| 部長以上(メッセージ広告・2026年1月で停止) | Webサイトのコンバージョン | 446,447円 | 1件 | 0件 | 対象外(停止済み) |
| 合計 | 7,804,816円 | 81件 | 351件 |
アカウント全体の問い合わせ単価は96,356円(7,804,816円÷81件)で、N社が仮に置いた上限9万円を超えて見えます。ただしこの値には、資料DLが目的の広告の費用も含まれています。この数字を根拠に職務タイプを絞る判断はしません。資料DLは途中の成果として資料DLの単価で評価し、問い合わせ単価の上限とは比べません。資料DLを問い合わせと分けて数える考え方は、Microsoft広告の記事「Microsoft広告をBtoBで評価する方法|問い合わせ単価の上限と資料DLの分け方」と同じです。
再訪の広告は、この記事では評価の対象にしません。サイト訪問者のリストに表示する広告は、職務タイプではなく訪問の有無で対象者が決まるためです。
以降は、広告セット「情報システムの管理職」(費用4,352,649円・問い合わせ60件・問い合わせ単価72,544円)の内訳だけを使います。
職務タイプ・会社規模の内訳で、狙いの外の費用の割合と問い合わせの割合を並べる
属性ごとに「費用の割合」と「問い合わせの割合」を並べ、費用の割合が問い合わせの割合を大きく上回る属性を、狙いの外から探します。N社では、職務タイプの外に費用の35.3%・問い合わせの13.3%、会社規模の外に費用の25.0%・問い合わせの5.0%が出ていました。
読み方の型は1つです。費用の割合より問い合わせの割合が小さい属性は、広告セットの平均より問い合わせ単価が高い属性です。差が大きいほど、上限を超えている可能性が高くなります。
なお、職務タイプの狙いの外と、会社規模の狙いの外は、同じ人が両方に入りえます。2つの金額を足して「狙いの外の費用」とはしません。
職務タイプ:狙った「情報技術」の外に費用の35.3%、問い合わせは13.3%
診断サンプルの架空の会社(N社)の例です。広告セット「情報システムの管理職」の12か月を職務タイプごとに分けると、次のとおりでした。費用はクリック数で按分した推定です。
| 職務タイプ | 費用(推定) | 費用の割合 | 問い合わせ | 問い合わせ単価 |
|---|---|---|---|---|
| 情報技術(狙った職務タイプ) | 2,631,855円 | 60.5% | 52件 | 50,613円 |
| エンジニアリング | 391,893円 | 9.0% | 4件 | 97,973円 |
| 営業 | 305,739円 | 7.0% | 1件 | 305,739円 |
| 事業開発 | 257,689円 | 5.9% | 2件 | 128,845円 |
| 人事 | 205,309円 | 4.7% | 0件 | − |
| 経営・事業企画 | 139,393円 | 3.2% | 1件 | 139,393円 |
| 教育 | 115,228円 | 2.6% | 0件 | − |
| その他 | 123,022円 | 2.8% | 0件 | − |
| 表示されない分 | 182,522円 | 4.2% | 0件 | − |
狙いの外(表示されない分を除く7行)を合計すると、費用は1,538,273円で広告セットの35.3%、問い合わせは8件で60件の13.3%、問い合わせ単価は192,284円です。そのうち、問い合わせが0件の人事・教育・その他の3行だけで443,559円ありました。
会社規模:狙った「201人以上」の外に費用の25.0%、問い合わせは5.0%
同じ広告セットを会社規模ごとに分けた結果です(診断サンプルの架空の会社(N社)の例です。費用はクリック数で按分した推定)。
| 会社規模 | 費用(推定) | 費用の割合 | 問い合わせ | 問い合わせ単価 |
|---|---|---|---|---|
| 1〜10人 | 314,388円 | 7.2% | 0件 | − |
| 11〜50人 | 378,326円 | 8.7% | 1件 | 378,326円 |
| 51〜200人 | 396,507円 | 9.1% | 2件 | 198,254円 |
| 201〜500人(狙った規模) | 926,292円 | 21.3% | 17件 | 54,488円 |
| 501〜1,000人(狙った規模) | 762,145円 | 17.5% | 16件 | 47,634円 |
| 1,001〜5,000人(狙った規模) | 854,029円 | 19.6% | 17件 | 50,237円 |
| 5,001人以上(狙った規模) | 582,848円 | 13.4% | 7件 | 83,264円 |
| 表示されない分 | 138,114円 | 3.2% | 0件 | − |
200人以下の3行を合計すると、費用は1,089,221円で25.0%、問い合わせは3件で5.0%、問い合わせ単価は363,074円です。狙った201人以上の4行は、費用3,125,314円(71.8%)・問い合わせ57件(95.0%)・問い合わせ単価54,830円でした。
「表示されない分」は、件数が少なく内訳に出ない属性
公式ヘルプでは、内訳は、メンバーの特定を防ぐために属性ごとに十分なデータがある場合にのみ表示される、とされています。Marketing APIのドキュメントでも、3件に満たない値は結果から除かれると記載されています。そのため、属性の合計は広告セットの実績と一致しません。
N社では、職務タイプで182,522円(4.2%)、会社規模で138,114円(3.2%)が、どの属性にも表示されない分でした。この分は狙いの内か外かを判定できないため、狙いの外の計算には含めていません。
問い合わせ単価の上限と比べて、停止・除外・判断の保留に分ける
狙いの外の問い合わせ単価が上限を大きく超えるなら、リーチ拡大ツールをオフにし、それでも残る属性は除外を検討します。問い合わせが数件しかない行は、内訳が概算であるため、行ごとには判断せず保留します。
問い合わせ単価の上限は、「受注1件の粗利×問い合わせから受注までの率×広告に回してよい割合」で出します。出し方と、商談化率が分からないときの判断は、「Microsoft広告をBtoBで評価する方法|問い合わせ単価の上限と資料DLの分け方」で解説しています。N社は仮の値として、粗利300万円×受注率15%×広告に回す割合20%=90,000円を上限に置きました(診断サンプルの架空の会社(N社)の仮定です)。
この上限と比べると、狙いの外の問い合わせ単価は、職務タイプで192,284円(上限の約2.1倍)、会社規模で363,074円(約4.0倍)です。狙った属性の内側は、情報技術が50,613円、201人以上が54,830円で、どちらも上限の内側でした(診断サンプルの架空の会社(N社)の例です)。
| 判断 | 対象 | 理由 |
|---|---|---|
| 停止する(設定でオフにする) | リーチ拡大ツール | 狙いの外の合計の単価が、上限を大きく超えている |
| 除外を検討する | オフにした後も残る狙いの外(N社では200人以下の会社規模など) | 設定で狙いの外への配信を減らせる |
| 判断を保留する | 問い合わせが1〜4件の行(エンジニアリング・事業開発・営業など) | 内訳は概算で、数件の違いで単価が上限の内にも外にも動く |
停止する:リーチ拡大ツールをオフにする
狙いの外の合計が上限を大きく超えているため、まず広告セットのリーチ拡大ツールをオフにします。オフにする手順は、「LinkedIn Audience Networkは外すべき?外への配信とリーチ拡大ツールの確認方法」で扱います。
除外を検討する:オフにした後も残る狙いの外
オフにした後も内訳に狙いの外が残る場合は、会社規模(N社では200人以下)などを除外に指定することを検討します。公式ヘルプでは、ターゲットから除外した属性は、リーチ拡大ツールの拡大の対象にも含まれないとされています。
Marketing APIのドキュメントでは、除外は包含の後に適用され、残る人数が300人を超える必要があると記載されています。除外を足すと対象者は減るため、画面での対象者数の表示と下限は、キャンペーンマネージャーで確認してください。
判断を保留する:問い合わせが数件の行は、合計で見る
公式ヘルプ(英語版)では、プロフェッショナル属性統計データの値は、ほぼすべての場合に実際の結果から3単位(表示回数・クリック・コンバージョン)以内とされています。問い合わせが数件の行では、この幅が単価を大きく動かします。
たとえばエンジニアリングは4件・97,973円ですが、実際が7件なら約5.6万円(391,893円÷7)、1件なら391,893円です(説明用の計算です)。上限の内にも外にもなりうるため、この行だけを根拠に職務タイプを除外しません。狙いの外は合計で見て判断し、行ごとの判断は、同じ条件のまま期間を延ばして件数を集めてから行います。何件あれば判断できるかは、上限と単価の差で変わります。
狙った規模の中でも、5,001人以上は83,264円(7件)で上限に近い値です。ただし狙った属性の内側であるため、停止の対象にはしません。
絞った後の配分:内側に戻し、2か月程度で判定する
停止した分の費用は、狙った属性の内側(情報技術・201人以上)に配分します。ただし対象を絞るとクリック単価は上がりやすく、配分した分の問い合わせ単価が、今の内側の単価(約5.1万円)と同じになるとは限りません。配分した分の費用と問い合わせを2か月程度で計測し、上限の内に収まるかを判定します。
問い合わせの数え方:内訳はクリック後の問い合わせで読む
LinkedInのコンバージョンには、広告をクリックした後のものと、広告を見ただけのメンバーによるものがあります。表示後を含めると単価は低く見えるため、上限と比べる判断と内訳は、クリック後の問い合わせで行います。
管理画面の成果の数469件のうち、判断に使うのは81件
管理画面の成果の数 469件
- A問い合わせ(クリック後)81件問い合わせ単価の計算と内訳に使う
- B問い合わせ(表示後)37件別の列で確認する
- C資料DL 351件リード獲得フォームのリード。資料DLの単価で評価する
公式ヘルプでは、ほとんどの種類のコンバージョンで、ウィンドウ内に同じメンバーが複数回コンバージョンしても1件として数えるとされています(購入とカートに追加は各回を数えます)。
診断サンプルの架空の会社(N社)の例です。アカウント全体の問い合わせは、クリック後が81件、表示後が37件でした。資料DLの351件と合わせると、管理画面の成果の数は469件(81+37+351)になります。広告セット「情報システムの管理職」は、クリック後60件・表示後26件で、クリック後だけで割ると問い合わせ単価は72,544円、表示後も含めて割ると50,612円です。
表示後を含めた50,612円で見ると、上限9万円との差は大きく見えます。前の章の比較は、クリック後の問い合わせで行いました。内訳もクリック後の問い合わせで読み、表示後は別の列として確認します。プロフェッショナル属性統計データでクリック後と表示後を分けて確認できるかは、キャンペーンマネージャーで確認してください。
リード獲得フォームのリードは、管理画面では「リード」の列に表示されます。N社の資料DL 351件はこのリードで、サイトの問い合わせとは分けて数えています。
TAMKOのLinkedIn広告アカウント診断で確認すること
この記事で挙げた、広告セットの仕分け、職務タイプと会社規模の内訳、問い合わせの数え方は、TAMKOのLinkedIn広告アカウント診断で毎回確認している項目です。

診断で確認する項目には、「職務タイプ・会社規模ごとの費用と問い合わせ」「自社サイトの問い合わせと、リード獲得フォームのリードの数え方」が含まれます。
現状の配分を続けてよいという判断も、診断の結論です。改善点には設定の手順を、続けてよい点にはその根拠を、判断できないものには検証の方法を添えます。診断・報告書・説明会まで無料(毎月2社まで)。
詳しくは診断ページへ。
よくある質問(FAQ)
Q01LinkedIn広告のターゲティングは、どこまで絞り込めばよいですか?
設定の段階で、正解の幅は決められません。
配信した後に、職務タイプ・会社規模の内訳で費用の割合と問い合わせの割合を比べ、狙いの外の単価が問い合わせ単価の上限を超えているかで判断します。除外を足した後は、残る対象者の人数にも注意してください。
Q02内訳で、狙っていない職務タイプに配信されているのは設定の誤りですか?
必ずしも誤りではありません。
リーチ拡大ツールが有効な場合のほか、1人が複数の区分に入る場合や、2つの役職を持つ場合にも、狙いの外に数えられることがあると公式ヘルプに記載があります。狙いの外の割合と単価で判断します。
Q03問い合わせが1〜2件しかない職務タイプは、除外すべきですか?
その行だけでは判断しません。
内訳の値は概算で、ほぼすべての場合に実際の結果から3単位以内とされているため、数件の違いで単価が大きく動きます。狙いの外を合計で見て判断し、行ごとの判断は件数が集まってから行います。
Q04資料DLが目的の広告も、同じように職務タイプで見直せますか?
見直せますが、問い合わせ単価の上限とは比べません。
資料DLは途中の成果として資料DLの単価で評価し、問い合わせの広告セットとは分けて内訳を読みます(成果の違う広告を混ぜないため)。
LinkedIn広告のターゲティングは、配信後の内訳で狙いの外の費用を確認して絞る|まとめ
LinkedIn広告のターゲティングは、配信した後のプロフェッショナル属性統計データで確認します。まず、成果が問い合わせの広告セットに限って内訳を読み、資料DLが目的の広告は資料DLの単価で別に評価します。次に、職務タイプ・会社規模ごとに費用の割合と問い合わせの割合を並べ、狙いの外の問い合わせ単価を自社の上限と比べます。上限を大きく超える狙いの外は、リーチ拡大ツールのオフと除外の設定で絞り、問い合わせが数件しかない行は、内訳が概算であるため合計で判断して、行ごとの判断は件数が集まるまで保留します。比べる問い合わせは、表示後を含めずクリック後の件数で数えてください。
この記事のポイント
- LinkedIn広告のターゲティングは、配信後に「プロフェッショナル属性統計データ」で職務タイプ・会社規模ごとの内訳を確認できる(指標の一覧に費用は無く、費用はクリック数で按分した推定で読む)。
- 内訳は、成果が問い合わせの広告セットに限って読み、資料DLが目的の広告は資料DLの単価で別に評価する。
- 狙いの外の「費用の割合」と「問い合わせの割合」を並べる(架空のN社の例:職務タイプの外に費用35.3%・問い合わせ13.3%)。職務タイプと会社規模の狙いの外は足し合わせない。
- 狙いの外の単価が問い合わせ単価の上限を大きく超えるなら、リーチ拡大ツールのオフと除外で絞る。件数の少ない行は、内訳が概算のため行ごとに判断しない。
- 内訳はクリック後の問い合わせで読む。表示後を含めると単価は低く見える。