チラシをやめると売上は落ちる?折込・ポスティングをやめる前に、影響を数字で見積もる方法
チラシにかけている費用を減らしたい、できればやめたい。けれど、やめた途端に客足が落ちたらと思うと踏み切れない——新聞折込やポスティングを続けている店の販促担当者や経営者から、よく聞く迷いです。
実際、特売のチラシをやめても業績が上向いたというスーパーの話がある一方で、チラシを止めてしばらくすると新しい客が来なくなり、慌てて配布を再開したという話もあります。どちらも起こりうることで、どちらの話を手本にするかで、判断は正反対になります。
そこでこの記事では、チラシをやめても売上が落ちなかった店と落ちた店の違い、やめたあとに売上がどう動くか、やめる前に影響額を見積もる3つの方法、浮く費用と減る粗利の比べ方、段階的に減らす進め方を順に整理します。
対象は、スーパーやドラッグストアなどの小売、飲食店、地域密着のサービス業で、折込チラシやポスティングを配っている会社の販促担当者と経営者です。統計の専門知識がなくても、自社でやめて大丈夫かを判断できる水準で書いています。
広告効果の分析サービスを提供している立場から解説します。
【結論】チラシをやめた影響は「チラシがなくても来ていた客」の割合で決まる
チラシをやめて失うのは、チラシがあったから来ていた客の売上だけです。売上の大半を、チラシがなくても来る固定客が占めている店なら影響は小さく、特売を見て来る客や新しく来る客の割合が高い店なら影響は大きくなります。体験談ではなく、自社のこの割合を見積もってから決めるのが確実です。
同じ「チラシをやめた」でも、店によって結果が分かれるのはこのためです。毎日の買い物で決まった店に通う客が中心の店と、特売の日を選んで来る客が中心の店とでは、チラシが支えている売上の厚みがまったく違います。
チラシをやめるかどうかを考える会社が増えている背景には、紙のチラシの届き方とコストの変化があります。日本新聞協会の調べでは、新聞の発行部数は2015年の約4,425万部から2025年には約2,487万部に減り、1世帯あたりの部数は0.80部から0.42部になりました。電通「2025年 日本の広告費」でも、折込の広告費は2,354億円(前年比96.4%)と前年を下回り、新聞購読率の低下に加え、人件費や配送コストの高騰による媒体単価の値上げが挙げられています。届く世帯が減り、1部あたりの費用が上がれば、続ける理由を数字で確かめたくなるのは自然なことです。
- 一般社団法人日本新聞協会「新聞の発行部数と世帯数の推移」各年10月時点。2015年の合計44,246,688部・1世帯あたり0.80部、2025年の合計24,868,122部・1世帯あたり0.42部
- 株式会社電通「2025年 日本の広告費」(共同通信PRワイヤー掲載のニュースリリース)2026年3月5日発表。折込広告費の金額・前年比と、減少の背景
チラシをやめても売上が落ちなかった店、落ちた店
落ちなかった店には、固定客の厚さ、来店の習慣、チラシに代わる接点がありました。落ちた店では、特売目当ての客の多さ、商圏の競合、新しい客の補充をチラシに頼っていたことが効いています。
落ちなかった店に共通すること(固定客・来店の習慣・代わりの接点)
チラシをやめても売上が保たれやすいのは、まず固定客が厚い店です。生鮮食品や総菜のように何日かおきに買うものを扱い、品ぞろえや鮮度で選ばれている店では、客は「今週の特売」を見てから行き先を決めるのではなく、いつもの店に習慣で足を運びます。こうした客にとって、チラシは来店のきっかけではなく、来店前の確認にすぎません。
もう一つは、チラシの代わりになる接点を持っていることです。店頭での配布物、アプリやLINEでのお知らせ、売場の販促物など、来店した客に次の来店理由を渡す手段があれば、紙を家に届けなくても情報は伝わります。
公開されている例では、福岡県を中心に展開する食品スーパーのハローデイが、コロナ禍に全店で折込チラシに頼った集客をやめ、店頭での配布だけに切り替えたと、流通業界誌のインタビューで同社の経営者が語っています。売上高は2020年度の約850億円から21年度は820億円になりましたが、コロナ特需の反動を含んだうえでの数字で、年間10〜20億円の売上を生んでいたチラシ特売をやめたことを考えれば下落幅は小さく、利益面では大きく改善したとしています。ただし同じ記事では、チラシ特売の廃止とあわせて店頭販促の内容も大きく見直したことにも触れています。
- ダイヤモンド・リテイルメディア掲載のハローデイ経営者インタビュー(ダイヤモンド・チェーンストア)2023年10月2日掲載。ダイヤモンド・チェーンストア編集長による社長インタビュー(本文の一部は会員限定)
落ちた店に共通すること(特売目当ての客・商圏の競合・新規の補充)
反対に、チラシをやめて売上が落ちやすいのは、特売の日を選んで来る客の割合が高い店です。価格を比べて店を選ぶ客は、チラシが届かなくなると、特売を知らせ続けている別の店へ流れます。商圏に似た業態の競合が多いほど、この流れは速くなります。自店のチラシが消えても、競合のチラシは同じ家に届き続けるからです。
見落としやすいのが、新しい客の補充です。引っ越しや生活の変化で、どの店の客も少しずつ入れ替わっています。開店から間もない店、転入の多い地域の店、客の高齢化が進んでいる店などで、新しい客を連れてくる役割をチラシが担っていた場合、やめた影響は時間をおいて大きく出ます。
体験談をそのまま自社に当てはめられない理由
「チラシをやめても増収した」という話には、読み取るときの注意点が3つあります。1つ目は、チラシ以外の変更が同時に起きていることです。浮いた費用で価格を見直した、品ぞろえや売場を変えた、チラシの制作や特売の準備に使っていた人手を接客や売場づくりに回した——こうした変更があれば、売上の変化をチラシをやめたことだけに結びつけることはできません。
2つ目は時期です。需要が大きく動いた時期や、近くの競合店が閉店した時期にやめていれば、その影響が重なります。3つ目は、客の構成が自社と違うことです。固定客が厚い店の成功談は、特売目当ての客が多い店には当てはまりません。体験談は「やめても大丈夫な店がある」ことの証拠にはなりますが、「自社が大丈夫か」の答えにはなりません。
チラシをやめたあと、売上はどう動くか
やめた直後は、固定客と来店の習慣に支えられて売上はあまり動かないことが多く、数週間から数か月かけて、新しい客や離れた客の補充が止まった分がじわじわ表れます。特売チラシの場合は、値引きの効果とチラシで知らせる効果を分けて考えます。
直後:固定客と来店の習慣が売上を支える
チラシを止めた最初の数週間は、売上がほとんど変わらないことがあります。いつもの客は、チラシの有無にかかわらず習慣で来店するからです。ここで「影響はなかった」と判断して全面的にやめるのは早すぎます。直後に変化が小さいことと、長い目で見て影響がないことは別の話です。
数週間〜数か月後:新規客・離れた客の補充が止まる
影響が表れるのは、その後です。客の入れ替わりは毎週少しずつ起きていて、チラシはその抜けた分を新しい客や、しばらく来ていなかった客で埋める役割を担っています。チラシを止めると、抜ける客の数は変わらないまま補充だけが減るため、客数は少しずつ、しかし確実に下がっていきます。週ごとの差は小さく、天候や行事による売上のぶれに紛れて気づきにくいのが厄介なところです。
広告全般をやめたときに影響が遅れて表れる仕組みや、施策がなくても立つ売上(ベースライン)の考え方は、広告をやめたら売上はどうなるかの記事で詳しく整理しています。チラシも同じで、判断に使う期間を短く取りすぎないことが大切です。
特売チラシの場合:値引きの効果とチラシの効果を分けて考える
特売を告知するチラシでは、売上を押し上げているものが2つ重なっています。値引きそのものの効果と、それを家庭に知らせる紙の効果です。「チラシをやめる」と一口に言っても、特売ごとやめるのか、特売は続けて知らせ方だけを店頭やアプリに変えるのかで、失うものは違います。
特売ごとやめる場合は、値引きで削っていた利益が戻る一方、値引きで増えていた売上も失います。値引きの売上には、値引きがなくても買った人の分や、買う時期が前倒しされただけの分も混ざっているため、見た目ほど増えていないこともあります。この見極め方はセール・値引きをやめたら売上はどうなるかの記事で扱っています。
チラシをやめる前に、影響額を見積もる3つの方法
影響額の見積もり方は、一部の地域や店舗で配布を止めて比べる、過去に配布を休んだ週と比べる、週ごとの売上と施策の費用から推定する、の3つです。どれも目的は「やめたら月にいくら売上が減るか」を金額で出すことで、店舗数や使える期間、手間によって向き不向きがあります。
ここでは、やめる判断に必要な数字を出す観点から、各方法の向き不向きだけを整理します。比べ方の手順や結果をゆがめる要因など、測り方の詳細はチラシの効果測定の記事にまとめています。
方法1:一部の地域・店舗だけ配布を止めて比べる
条件の似た地域や店舗の一部だけ配布を止め、続けたところと売上の変化を比べます。実際にやめた状態を小さく試すので、3つの中では最も結果が読みやすい方法です。多店舗の会社なら店舗単位で、1店舗でも配布エリアを町丁目などで分け、会員の住所から来店客を地域別に集計できれば比べられます。
弱点は、止めている間の売上を実際に失う可能性があることと、時間がかかることです。直後の影響だけでなく補充の止まり方まで見るなら、2〜3か月は続けたいところです。繁忙期を避け、止める範囲を絞って始めるのが現実的です。
方法2:過去に配布を休んだ週・減らした週の売上を比べる
年末年始、悪天候、予算の都合などで配布を休んだ週や部数を減らした週があれば、その週の売上と、前後の週や前年の同じ時期を比べます。新しく何かを止める必要がなく、手元のデータだけで始められるのが利点です。
ただし、配布を休んだ週は、そもそも売上が特殊な週であることが多いものです。年末年始は需要が大きく動き、台風の週は来店そのものが減ります。休んだのが1〜2週だけなら、補充が止まる中長期の影響も見えません。手早く当たりをつける方法と考え、ほかの方法と組み合わせるのが安全です。
方法3:週ごとの売上と施策の費用から、チラシの貢献を推定する
1〜2年分の週ごとの売上と、チラシ・Web広告などの施策ごとの費用や配布部数を並べ、季節や特売などの影響と分けて、チラシが売上にどれだけ貢献していたかを統計的に推定します。マーケティング・ミックス・モデリング(MMM)と呼ばれる手法がこれにあたります。
利点は、推定した貢献をもとに「チラシをやめたら」「半分にしたら」といった場合の売上の変化を試算できること、そしてチラシとWeb広告を同じ基準で並べられることです。一方で、結果は幅のある推定値になります。また、毎週同じ部数を同じ地域に配り続けていて配布量に変動がない場合は、チラシの貢献を推定できないことがあります。
| 方法 | 向いている会社 | かかる期間 | 手間・リスク |
|---|---|---|---|
| 1. 一部で止めて比べる | 店舗や配布エリアを分けられる。地域別の売上が取れる | 2〜3か月が目安 | 止めている間の売上を失う可能性がある |
| 2. 休んだ週と比べる | 過去に配布を休んだ・減らした週がある | 手元のデータですぐ | 手間は小さいが、特殊な週と混ざりやすく中長期は見えない |
| 3. 週次データから推定する | 1〜2年分の週次データがあり、配布量に増減がある。Web広告なども使っている | データが揃えば数週間 | 結果は幅のある推定値。配布量が一定だと推定できない |
浮く費用と減る粗利を比べて、やめるかを決める
やめるかどうかは、浮くチラシの費用と、減る粗利を比べて決めます。減る売上の金額をそのまま費用と比べると、チラシの価値を大きく見積もりすぎてしまいます。
比べるのは売上ではなく粗利
チラシをやめて売上が200万円減っても、その200万円がそのまま手元から消えるわけではありません。売れなかった商品の仕入れ代もかからなくなるからです。実際に失うのは、減った売上に粗利率をかけた分です。
費用の側には、印刷代や折込料・配布料だけでなく、紙面の制作にかかる外注費や社内の作業時間も含めます。特売チラシなら、値引きで削っていた利益も、やめれば戻る分として加えて考えます。
計算例(説明用の架空の数字)
ある店のチラシ費用(印刷・折込・制作)が月60万円、方法1の試行から、やめると売上が月200万円減ると見積もれたとします。粗利率が25%なら、減る粗利は月50万円です。浮く費用60万円のほうが大きいので、この見積もりどおりなら、やめると月10万円の得になります(数値はすべて説明用の架空の例です)。
| 減る売上(月) | 減る粗利(粗利率25%) | 浮く費用(月) | 差し引き |
|---|---|---|---|
| 150万円(少なめの見積もり) | 37.5万円 | 60万円 | 月22.5万円の得 |
| 200万円(中心の見積もり) | 50万円 | 60万円 | 月10万円の得 |
| 300万円(多めの見積もり) | 75万円 | 60万円 | 月15万円の損 |
注意したいのは、見積もりに幅があると損得が入れ替わることです。上の例では、減る売上が多めに出た場合は、やめると損になります。さらに、試した期間が短ければ、補充が止まる影響はまだ十分に表れておらず、減る売上を少なく見積もっている可能性があります。中心の値だけでなく、多めの見積もりでも損にならないかを確かめてから判断してください。
全部やめるか、部数・エリア・回数を減らすか
選択肢は「続ける」か「全部やめる」かの二つだけではありません。チラシの効果は配る地域や回数によって均一ではなく、配布量を増やすほど1部あたりで増える売上は小さくなりやすいものです。反応の薄い地域を外す、毎週を隔週にする、部数を絞るといった減らし方なら、浮く費用に比べて減る粗利を小さく抑えられることがあります。全部やめて損になる計算でも、一部を減らせば得になる場合は少なくありません。
チラシを減らすときの進め方(3ステップ)
いきなり全部やめるのではなく、棚卸し、一部での試行と測定、結果を見ての判断の3段階で進めます。戻す基準を先に決めておけば、試すこと自体のリスクを抑えられます。
STEP1:配布エリア・部数・曜日・目的を棚卸しする
まず、いま配っているチラシを一覧にします。配布エリア、部数、配布の曜日と頻度、1回あたりの費用、そして目的です。特売の告知、新しい客の獲得、新商品や開店の告知など、目的によって「やめたら何が起きるか」は違います。特売の告知が目的なら店頭やアプリで代わりが利くかもしれませんが、新しい客の獲得が目的なら代わりの手段を先に用意する必要があります。
STEP2:一部で止めて、売上の変化を測る
棚卸しの結果から、影響が小さそうな地域や回数を選んで、一部だけ配布を止めます。始める前に、比べる相手(続ける地域や店舗)、測る期間、判断の基準を決めておきます。基準は「減った粗利が浮いた費用を下回れば広げる」のように、損得で書いておくと迷いません。止めている間は、売上だけでなく客数と新しい客の数も週ごとに記録します。
STEP3:結果を見て、広げるか戻すかを決める
決めておいた基準に照らして、止める範囲を広げるか、元に戻すか、別の減らし方を試すかを決めます。広げた後も、客数と新しい客の数は見続けてください。補充が止まる影響はゆっくり表れるため、数か月後に減りが目立ってきたら、地域や回数を絞って再開するという選択肢も残しておきます。
DOREGAの場合|チラシとWeb広告などを並べて、やめたときの影響を見積もる
TAMKOが提供するDOREGAは、統計学による広告効果の分析サービスです。この記事の方法3——週ごとの売上と施策の費用からの推定——にあたる分析を、Googleのオープンソースの分析エンジン「Meridian」で行います。チラシの配布費用や部数をWeb広告などと同じ入力として扱い、施策ごとの売上への貢献と、減らしたりやめたりした場合の売上の変化を見積もります。
初回分析は15万円で、標準範囲の分析です。範囲は1事業・主要KPI 1つで、Web広告もチラシ・イベントも入れられます。お渡しするものはレポート・予算配分案・結果説明会で、期間は最短1週間(必要データ共有後)です。特売の価格の影響まで分けて見たい場合や、KPIや事業が複数ある場合、SNSアカウント運用など費用のない施策を含める場合は、標準範囲を超える分析として本格分析(30万円〜)になります。費用と期間は着手前にご案内します。
なお、短期の単発キャンペーンだけの評価は対象外です。SNSアカウント運用は売上への貢献までで、費用がないため配分案には入りません。また、毎週ほぼ同じ部数を配り続けていて配布量に変動がない場合は、チラシの貢献を推定できないことがあります。
よくある質問(FAQ)
Q01チラシをやめてWeb広告に替えれば、同じだけ集客できますか?
同じになるとは限りません。届く相手が違うためです。
折込やポスティングは、商圏の世帯に検索や閲覧の有無と関係なく届きます。Web広告が届くのは、ネットで探したり見たりしている人です。チラシで来ていた客がWeb広告で同じように来るかは、店の客層しだいです。置き換えるときは、一部の地域で先に切り替え、チラシのときと同じ基準(減った売上・増えた売上と、それぞれの費用)で比べてから広げるのが安全です。
Q02何週間くらい測れば、やめるかどうかを判断できますか?
直後の影響を見るなら4〜6週間、新しい客の補充が止まる影響まで見るなら2〜3か月がひとつの目安です。
チラシをやめた影響は、最初の数週間より、その後の数か月にじわじわ表れることがあります。短い期間で「変化なし」と判断して全部やめると、後から客数の減少に気づくことになりがちです。停止した地域の客数と新規客数は、判断のあとも見続けてください。
Q03店舗が1つしかなくても、影響を見積もれますか?
見積もれます。配布エリアを分けて比べる方法が使えます。
1店舗でも、配布エリアの一部(町丁目単位など)だけ配布を止め、ポイントカードや会員情報の住所から、止めた地域と続けた地域の来店客数・売上を比べられます。会員の住所が取れない場合は、過去に配布を休んだ週との比較や、週ごとの売上と費用からの推定を組み合わせます。
Q04ポスティングをやめる場合も、同じ考え方でよいですか?
同じ考え方で判断できます。
失う売上は「ポスティングがあったから来ていた客」の分だけで、比べるのは浮く費用と減る粗利です。ポスティングは配る地域を細かく選べるため、一部の地域だけ止めて比べる方法が新聞折込よりも組みやすい施策です。
Q05新聞折込をやめると、高齢のお客さまが減りますか?
新聞を読んでいるお客さまが多い店では、起こりえます。
新聞の発行部数は減っていますが、購読している世帯の年齢層は店によって異なります。ポイントカードなどで年代別の来店数が取れるなら、止めた地域で年代別の変化を確かめてください。減りが目立つ場合は、店頭での配布やポスティングに切り替えて、届け方だけを変える方法もあります。
チラシをやめるかは、体験談ではなく自社の「チラシがなくても来る客」の割合で決める|まとめ
チラシをやめて失う売上は、チラシがあったから来ていた客の分だけです。固定客が厚く、来店の習慣とチラシに代わる接点がある店なら影響は小さく、特売目当ての客が多い店や、新しい客の補充をチラシに頼っていた店では大きくなります。「やめても売上が落ちなかった」という体験談は、同時に起きたほかの変更や客の構成の違いを含んでいるため、自社の答えにはなりません。影響は直後より数週間〜数か月後に表れやすいので、一部で止めて比べる、過去に休んだ週と比べる、週ごとのデータから推定する、といった方法でやめたら減る売上を見積もり、浮く費用と減る粗利を比べて判断します。全部やめる前に部数・エリア・回数を減らして測り、結果を見て広げるか戻すかを決めるのが、売上を守りながら費用を減らす確実な進め方です。
この記事のポイント
- チラシをやめて失う売上は「チラシがあったから来ていた客」の分だけ。売上の大半がチラシなしでも来る固定客なら影響は小さく、特売目当ての客や新しい客が多ければ影響は大きい。
- 「やめても売上が落ちなかった」という体験談は、同じ時期に店頭販促・価格・品ぞろえなどほかの変更も起きていることが多く、客の構成も違うため、そのまま自社には当てはめられない。
- チラシをやめた影響は直後には出にくく、数週間〜数か月かけて新しい客の補充が止まる形で表れる。特売チラシは、値引きの効果と知らせる効果を分けて考える。
- やめる前の見積もりは、一部の地域・店舗で止めて比べる、過去に休んだ週と比べる、週ごとの売上と費用から統計的に推定する、の3つ。目的は「やめたら月にいくら売上が減るか」を出すこと。
- 判断は、浮くチラシ費用と減る粗利(減る売上×粗利率)で比べる。推定には幅があるので、全部やめる前に部数・エリア・回数を減らして測り、広げるか戻すかを決める。