ショッピング広告が「承認済み」なのに表示されないとき、最初に確認すること
Merchant Centerでは商品が「承認済み」、Google広告のキャンペーンも「有効」。それなのに、ショッピング広告の表示回数が0のまま動かない——という状態になったことはありませんか。
例を1つ挙げます。診断サンプルの架空の会社(B社・アウトドア用品のEC)の例です。B社は新商品向けのキャンペーン「P-MAX_ポータブル電源」を、カスタムラベルで新商品だけに絞り込んで配信していたとします。ある日、商品データの側でそのラベルの値が別の値に書き換わると、キャンペーンが拾える商品は1件もなくなります。キャンペーンの状態は「有効」のまま、目立つエラー表示もなく、配信だけが停止します。
そこでこの記事では、ショッピング広告が承認済みなのに表示されない原因を、「キャンペーンの対象商品が0件になる仕組み」を中心に整理し、どの画面をどの順番で確認すればよいかを解説します。
対象は、Google広告のショッピング広告やP-MAXを自社で運用している担当者の方、または運用を外部に任せていて、配信の状態を自分でも確認しておきたい方です。
TAMKOはGoogle広告のアカウント診断で、キャンペーンの配信状態を確認する立場から、この記事を書いています。
【結論】ショッピング広告が表示されないときは、まず「キャンペーンに入っている商品数」を確認する
商品が承認済みなのにショッピング広告が表示されないとき、最初に確認するのは不承認の有無ではなく、キャンペーン(リスティンググループ・商品グループ)に何件の商品が入っているかです。入っている商品が0件なら、キャンペーンの状態が「有効」でも広告は配信されません。
不承認の商品が無いことは、広告が出せる条件の一部にすぎません。キャンペーン側の絞り込み条件に当てはまる商品が無ければ、オークションに参加する商品そのものが存在しない状態になります。Googleのヘルプでも、ショッピング広告に商品が表示されない原因として「有効な商品グループに商品が含まれていないこと」が挙げられています。
確認は、上流から下流へ次の5段で進めます。
- Google広告の「商品」タブの診断で、有効・有効(制限付き)・無効の内訳を確認する
- キャンペーンごとのリスティンググループで、各グループに入っている商品数を確認する
- カスタムラベル・フィードラベル・在庫フィルタの値を、商品データと照らし合わせる
- Merchant Centerで、掲載先・販売国・在庫状況を確認する
- 商品が入っていれば、入札・予算・重複するキャンペーンを確認する
それぞれの段で見る画面と、異常だったときに修正する箇所は、後半の「確認する順番」の節で説明します。
Merchant Centerの「承認済み」と、広告に表示できる状態は別のもの
Merchant Centerの「承認済み」は、Googleの審査を通過したという意味で、ショッピング広告として表示されることまでは約束しません。掲載先の指定、販売国の設定、在庫の状態、そしてGoogle広告側のキャンペーン設定がそろって、初めて広告に表示できる状態になります。
Merchant Centerの商品の状態は、次の5つに分かれます。
| 状態 | 意味 |
|---|---|
| 審査中 | Googleが商品を審査している。ショッピング広告では3〜5営業日かかることがある |
| 処理中 | 直近の商品データの更新を反映している |
| 承認済み | 審査が完了し、Googleに表示できる |
| 制限付き | Googleに表示できるが、一部の国や掲載方法に限られるなど、表示が制限されている |
| 不承認 | ポリシー違反やデータの品質などの問題があり、Googleに表示できない |
不承認の商品がある場合は、Merchant Centerの「要確認(注意が必要)」のタブで、商品ごとの問題を確認できます。不承認の解消は、表示されない原因のうちもっとも分かりやすい部分なので、この記事では詳しく扱いません。以下は、不承認が無い(または解消した)のに表示されない場合に、Merchant Center側で確認しておく2点です。
掲載先(ショッピング広告)から外れている
商品データには、その商品をどこに掲載するかを指定する属性があります。掲載先 [included_destination] で掲載したい場所を、非掲載先 [excluded_destination] で掲載したくない場所を指定します。値には「Shopping_ads」(ショッピング広告)や「Free_listings」(無料リスティング)などがあります。
注意したいのは、両方の属性で同じ掲載先を指定した場合の扱いです。ヘルプには、競合する値を登録したときは、常に非掲載先の値が優先されると書かれています。無料リスティングだけに出すつもりで非掲載先に「Shopping_ads」を入れた商品が残っていると、その商品は承認済みのまま、ショッピング広告には出ません。
販売国・配送の設定とキャンペーンの対象地域が合っていない
Merchant Centerでは、商品を販売する国(対象国)を設定します。ショッピングキャンペーンの地域ターゲティングは、Merchant Centerで設定した対象国と一致しているか、その一部である必要があります。また、Google広告のトラブルシューティングのヘルプでは、対象国の配送設定が無い場合にも商品が配信されなくなることがあるとしています。新しい国に配信を広げたときは、Merchant Center側の対象国と配送設定も同時に確認してください。
キャンペーンは有効のまま、対象商品が0件になる仕組み
ショッピング広告やP-MAXのキャンペーンは、商品データの中から条件に当てはまる商品だけを配信の対象にします。条件のどれか1段で当てはまる商品が0件になると、それより後ろの段もすべて0件になり、キャンペーンの状態が「有効」のまま配信が停止します。
商品が広告の配信にたどり着くまでには、次のような絞り込みを順に通ります。
この流れのどこかで条件が商品と合わなくなると、キャンペーンの設定画面は正常に見えても、配信できる商品がありません。不承認のように商品ごとの警告として目立つ形では表示されにくいため、状態の表示だけを見ていると見落とします。以下、0件になる典型的な3つの経路を説明します。
リスティンググループ(商品グループ)が対象商品を含んでいない
Google広告で商品が「除外済み」と表示される場合、その商品はどの有効なリスティンググループにも含まれていない、という意味です。よくあるのは、「すべての商品」をカテゴリなどで細かく分けたあと、残りの商品をまとめた区分を除外にしているケースです。分けた時点では問題が無くても、のちに商品のカテゴリが変わったり、新しいカテゴリの商品が追加されたりすると、その商品は除外側に入ります。
ヘルプでは、除外済みの商品を配信したい場合は、「すべての商品」グループを分割するか、新しい商品グループを作成して、その商品を含めるよう案内しています。なお、商品グループから外れた商品でも、最大48時間は表示やクリックが発生することがあるため、変更の直後は数字だけで判断しないようにします。
カスタムラベルの値が変わった・反映されていない
カスタムラベル(custom_label_0〜4)は、商品データに自由な値を付けて、キャンペーンの絞り込みに使う属性です。新商品・セール対象・利益率の区分などを付け、その値でリスティンググループを分ける使い方が一般的です。
ラベルで絞ったグループは、ラベルの値に強く依存します。商品データの側で値を「新商品」から別の値に書き換えると、その値で絞っていたグループの商品は0件になります。リードで挙げたB社(診断サンプルの架空の会社)の例は、この経路です。
反映の時間にも注意が要ります。ヘルプには、新しく作成または編集したカスタムラベルがGoogle広告に表示されるまで、24〜48時間ほどかかる場合があると書かれています。ラベルを付け替えた直後にキャンペーン側のグループを新しい値に切り替えると、反映を待つあいだ対象が0件になることがあります。
もう1つは値の種類の上限です。カスタムラベルは、アカウント全体で1つのラベル属性あたり最大1,000種類の値までです。Merchant Centerのヘルプには、この上限を超えて登録された商品はレポートと入札で考慮されないとあり、Google広告のヘルプでも、上限を超えるか上限に近いとラベルが同期されないことがあるとしています。商品IDや日付のように種類が増え続ける値をラベルに入れている場合は、上限に達していないかを確認してください。
キャンペーンのフィードラベル・在庫フィルタが商品と合っていない
フィードラベルは、Merchant Centerの商品データソースに付ける名前で、キャンペーンがどのデータソースの商品を配信するかを決めます。ヘルプには、キャンペーンごとに選択できるフィードラベルは1つのみと書かれています。商品データソースを新しく作り直すなどして、商品側のフィードラベルがキャンペーンで選んでいる値と違うものになると、そのキャンペーンからは新しいデータソースの商品が見えなくなります。
標準ショッピングキャンペーンの在庫フィルタも同じ性質を持ちます。在庫フィルタは、キャンペーン全体で扱う商品を属性の条件で絞り込む設定です。条件に使っている属性の値が商品データ側で変わると、キャンペーン全体の対象が0件になります。
ショッピング広告が表示されない原因を確認する順番
確認は、範囲の広い画面から狭い画面へ、Google広告の商品数→キャンペーン内の絞り込み→Merchant Centerの商品データ→入札と競合の順に進めます。上流で異常が見つかれば、その段を修正してから次へ進みます。
手順1:Google広告の「商品」タブの診断で、有効・有効(制限付き)・無効の内訳を確認する
見る画面:Google広告の[キャンペーン]メニュー→[商品]→[診断]タブ。
商品の診断では、広告に掲載できる商品とできない商品の内訳を、アカウント・キャンペーン・リスティンググループ・広告グループの単位で確認できます。状態は「有効」「有効(制限付き)」「無効」の3つです。キャンペーン単位で「有効」の商品がほとんど無い場合は、手順2へ進みます。「無効」の商品が多い場合は、商品の問題の列に表示されている理由を確認します。
手順2:キャンペーンごとのリスティンググループで、各グループの商品数を確認する
見る画面:P-MAXならアセットグループのリスティンググループ、標準ショッピングなら広告グループの商品グループ。
グループを分割する画面では、選んだ区分ごとのリスティング(商品)の総数が表示されます。配信したいグループの商品数が0件になっていないか、配信したい商品が除外側の区分に入っていないかを確認します。0件のグループがあれば、手順3でその条件を商品データと照らし合わせます。
手順3:カスタムラベル・フィードラベル・在庫フィルタの値を、商品データと照らし合わせる
見る画面:キャンペーンの設定(フィードラベル・在庫フィルタ)と、Merchant Centerの商品データ。
キャンペーンが条件として使っている値と、商品データに実際に入っている値を1つずつ照合します。表記の揺れ(全角と半角、末尾の空白など)も不一致の原因になります。ラベルを変更した直後であれば、24〜48時間の反映待ちの可能性もあります。
手順4:Merchant Centerで、掲載先・販売国・在庫状況を確認する
見る画面:Merchant Centerの商品一覧と、対象国・配送の設定。
掲載先と非掲載先の属性、対象国と配送設定、在庫状況を確認します。Google広告のヘルプでは、在庫切れの商品も配信の対象外になることがあるとしています。
手順5:商品が入っていれば、入札・予算・重複するキャンペーンを確認する
手順1〜4で、キャンペーンに配信できる商品が入っていることを確認できたら、原因はオークション側にあります。次の節で確認する項目を説明します。
対象商品が0件になっても気づきにくい理由と、定期的に確認する方法
対象商品が0件になると、そのキャンペーンの費用も0円になります。費用対効果の指標(ROAS・CPA)は計算の元になる数字が無くなるだけで悪化はしないため、成果の指標だけを追っていると停止に気づくのが遅れます。費用と商品数を、成果の指標とは別に確認する仕組みが必要です。
アカウント全体の数字で見ると、1つのキャンペーンが停止しても、他のキャンペーンが配信を続けていれば合計の変化は小さく見えます。とくに、新商品やセール対象など、比較的小さな予算で動かしているキャンペーンほど、停止がアカウント全体の数字に埋もれます。
定期的に確認する方法は3つです。
- 日次で、費用が0円の日があるキャンペーンを確認する。前日まで配信していたのに0円になっていれば、まず対象商品数を疑う
- 週次で、キャンペーンごとの「有効」な商品数の推移を確認する(「商品」タブの診断)
- 商品データの変更(ラベルの付け替え・データソースの作り直し・カテゴリの変更)を行った日は、反映を待ったうえで、影響するキャンペーンの商品数を確認する
確認を人の手だけに頼らず、Google広告の自動ルールやスクリプトを使って、費用が0円になったキャンペーンを通知する方法もあります。仕組みの作り方は、別の記事で扱います。
商品は入っているのに表示されないときの確認項目
キャンペーンに配信できる商品が入っているのに表示されない場合は、同じ商品を扱う他のキャンペーンに配信を譲っているか、入札・予算でオークションに勝てていない可能性があります。どちらかは、自分で検索するのではなく、診断ツールと指標で切り分けます。
同じ商品を複数のキャンペーンで扱っている
標準ショッピングキャンペーンが複数あり、同じ商品を扱っている場合は、キャンペーンの優先順位(低・中・高、初期設定は低)で、どのキャンペーンの入札単価を使うかが決まります。優先順位がもっとも高いキャンペーンの入札単価が使われ、そのキャンペーンの予算を使い切ると、次の優先順位のキャンペーンに移ります。同じ優先順位の場合は、もっとも高い入札単価が使われます。新商品用のキャンペーンを作ったのに配信されないときは、既存のキャンペーンが同じ商品を高い優先順位で扱っていないかを確認します。
P-MAXと他のキャンペーンが同じ表示機会の対象になる場合は、広告ランクがもっとも高いキャンペーンが優先されると、Googleは説明しています。P-MAXと標準ショッピングで同じ商品を扱っているときは、どちらで配信されているかを、キャンペーンごとの表示回数で確認してください。
入札・予算で競り負けている
入札単価が低いと、オークションに参加したり落札したりできる可能性が下がり、表示回数がほぼ0になることもあります。ただし、表示されない理由が「競り負け」なのか、そもそも「検索の機会が少ない」のかは、表示回数だけでは区別できません。
切り分けには、インプレッションシェアの指標を使います。
「検索広告のインプレッションシェア損失率(ランク)」は、広告ランクの低さが原因で表示されなかった割合、「検索広告のインプレッションシェア損失率(予算)」は、予算不足が原因で表示されなかった割合です。ランクによる損失が大きければ入札や商品データの内容、予算による損失が大きければ予算の配分を見直す対象になります。どちらの損失も小さいのに表示回数が少ない場合は、検索の機会そのものが少ない可能性があります。
表示を確認したいときは、自分でGoogle検索をするのではなく、広告プレビューと診断ツールを使います。ヘルプでは、このツールを使えば表示回数が加算されず、パフォーマンスデータに影響しないと説明しています。また、広告が表示されない理由を把握するのにも使えます。
TAMKOのGoogle広告アカウント診断|配信状態の確認から始める
TAMKOのGoogle広告アカウント診断は、料金は無料(毎月2社まで)で、検索広告・P-MAX・YouTube・ディスプレイ・ショッピングまでキャンペーンの種類ごとに確認し、続けてよいか・やめるべきものはあるか・広告で伸ばせるかに根拠を添えて答えます。成果の数字を評価する前に、この記事で扱ったような配信状態——キャンペーンが有効なのに対象商品が0件になっていないか——も確認の対象です。診断サンプルでは、架空の会社(B社)の新商品キャンペーンを例に、診断の進め方を示しています。
診断のあいだ、設定には触れません。修正まで任せたい場合は、Google広告のお試し運用(1施策・1か月で5万円・税別)から始められます。対象は、その施策の広告費が月50万円までです。
よくある質問(FAQ)
Q01Merchant Centerで不承認が0件なら、ショッピング広告は表示されますか?
表示されるとは限りません。
キャンペーンの対象商品が0件になっている、掲載先から外れている、販売国や配送の設定がキャンペーンの地域と合っていない、などの理由で表示されないことがあります。まずGoogle広告の「商品」タブの診断で、キャンペーンごとの「有効」な商品数を確認してください。
Q02カスタムラベルを変更したら、いつ広告に反映されますか?
ヘルプでは、新しく作成または編集したカスタムラベルがGoogle広告に表示されるまで、24〜48時間ほどかかる場合があるとされています。
ラベルを変更した日と、その1〜2日後に、影響するキャンペーンの商品数を確認してください。
Q03P-MAXと標準ショッピングで同じ商品を配信すると、どちらが表示されますか?
Googleは、P-MAXと他のキャンペーンが同じ表示機会の対象になる場合、広告ランクがもっとも高いキャンペーンが優先されると説明しています。
実際にどちらで配信されているかは、キャンペーンごとの表示回数で確認できます。
Q04自分で検索して、広告が出るか確認してもよいですか?
広告プレビューと診断ツールの利用をおすすめします。
自分で検索すると表示回数に影響することがあり、表示されなかったときの理由も分かりません。診断ツールは表示回数を加算せず、表示されない理由の把握にも使えます。
Q05表示回数はあるのにクリックされない場合も、この記事の確認方法で分かりますか?
分かりません。
この記事で扱っているのは「表示されない」問題です。表示されたあとに選ばれない問題は別の原因で、価格・画像・商品名など、商品データの内容を確認することになります。
「承認済み」は配信の約束ではない。まずキャンペーンの対象商品数を確認する|まとめ
ショッピング広告が表示されないとき、Merchant Centerの「承認済み」は配信を約束するものではありません。キャンペーンが有効でも、リスティンググループ・カスタムラベル・フィードラベル・在庫フィルタのどれか1段で対象商品が0件になれば、エラーも目立たないまま配信は停止します。確認は上流から、①「商品」タブの診断で有効な商品数を確認する、②リスティンググループごとの商品数を確認する、③ラベルとフィルタの値を商品データと照合する、④Merchant Centerで掲載先・販売国・在庫を確認する、⑤商品が入っていれば入札・予算・重複するキャンペーンを確認する、の順に進めます。費用が0円になってもROASやCPAは悪化して見えないため、費用0円の日と商品数の変化を定期的に確認する仕組みを持っておくことが、停止を長引かせない近道です。
この記事のポイント
- Merchant Centerの「承認済み」は、ショッピング広告が表示されることを約束しない。掲載先・販売国・在庫の条件と、キャンペーン側の設定もそろう必要がある。
- リスティンググループ・カスタムラベル・フィードラベル・在庫フィルタのどれか1つで対象商品が0件になると、キャンペーンは有効のまま配信が停止する。
- 確認は上流から:「商品」タブの診断→リスティンググループの商品数→ラベルと商品データの照合→Merchant Centerの掲載先・販売国→入札・予算・重複。
- 費用が0円になってもROASやCPAは悪化して見えないため、費用0円の日と商品数の変化を定期的に確認する。
- 表示の確認は自分で検索せず、広告プレビューと診断ツールを使う。