Yahoo!広告(LINEヤフー広告)のクロスドメイン計測では、予約システム・決済サービスのドメインまでクリックIDが引き継がれているかを確認する
予約システムや決済サービスの画面が自社のWebサイトとは別のドメインにある場合、その画面で完了した予約や申し込みは、Yahoo!広告(現在のLINEヤフー広告)のコンバージョン数に計上されているでしょうか。
クロスドメイン計測の設定をしていない場合、広告をクリックした人が自社のWebサイトから外部の予約システムへ移動すると、広告のクリックを識別する情報(クリックID)が引き継がれず、完了ページのタグが動作しても成果として計上されないことがあります。管理画面には計上された件数のみが表示されるため、計上漏れの有無は管理画面では確認できません。
そこでこの記事では、クロスドメイン計測の設定が必要な構成の判別方法、検索広告とディスプレイ広告それぞれの設定方法、設定後の確認手順を、公式ヘルプの記載と、診断サンプルの架空の会社(H社)の例をもとに整理します。
- 外部の予約システムで受け付けた来店予約の件数に比べて、管理画面のコンバージョン数が少ないクリックIDが予約システムのドメインに引き継がれていない可能性がある
- 外部の決済サービスを利用しているが、クロスドメイン計測の設定が必要かどうかを判断できない支払いの後に自社のWebサイトに戻り、その完了ページが表示される構成では不要
- クロスドメイン計測の設定は済んでいるが、予約システムで完了した来店予約が計上されるかを確認していないテスト予約で、遷移後のURL・完了ページからのデータの送信・管理画面での計上状況を確認する
この記事の対象は、地域で店舗・住宅関連事業・医療機関・教室などを運営する会社の広告担当者のうち、外部の予約システムや決済サービスを利用し、LINEヤフー広告の検索広告またはディスプレイ広告(2026年4月に旧LINE広告と旧Yahoo!広告 ディスプレイ広告が統合)を運用している方です。
TAMKOは、LINEヤフー広告アカウント診断で、来店予約や見積の依頼が、どの画面での完了をもとに計上されているかを確認しています。この記事では、その確認で得た知見をもとに解説します。
【結論】Yahoo!広告のクロスドメイン計測では、完了ページのドメインと、クリックIDの引き継ぎを確認する
予約・申し込みの完了ページが、広告のクリック後に最初に表示されるページ(着地ページ)と別のドメインにある場合は、クリックIDを完了ページのドメインまで引き継ぎ、そのドメインのページにもタグを設置します。設定後は、予約システムへの遷移後のURLにクリックIDが付与されているか、完了ページからデータが送信されているか、管理画面で計上されているかの3点を確認します。

同じドメインであれば、着地ページで保存されたクリックIDを完了ページのタグが参照できるため、クロスドメイン計測の設定は必要ありません。同じドメインか別のドメインかは、実際に予約の手続きを行い、完了ページのアドレスバーに表示されるドメインで判断します。
クロスドメインの構成で成果が計上されない仕組み:クリックIDとファーストパーティCookie
外部の予約システムで受け付けた来店予約の件数に比べて、管理画面のコンバージョン数が少ない。
LINEヤフー広告のタグは、着地ページのURLに付与されたクリックIDを、自社のWebサイトのファーストパーティCookieなどに保存します。完了ページのタグは、保存されたクリックIDを参照して、クリックと成果を関連付けます。保存された情報はドメインごとに管理されるため、ブラウザーのセキュリティ機能強化の影響を受ける環境では、別のドメインにある完了ページのタグから参照できず、予約が計上されないことがあります。

検索広告のサイトジェネラルタグは、コンバージョン測定補完機能タグ(以下、補完機能タグ)とともに設置すると、ファーストパーティCookie(自社のWebサイトのCookie)を作成します。公式ヘルプは、自動タグ設定と補完機能タグなどによるコンバージョン測定の補完機能を、各社ブラウザーのセキュリティ機能強化の影響などによる測定漏れへの対策として案内しています。ディスプレイ広告の計測タグも、計測に用いる識別子をCookieやローカルストレージ(ブラウザー内の別の記録領域)に保存できます。いずれもドメイン単位で管理される情報です。同じヘルプには、クロスドメインの構成での設定として、yclidの引き継ぎも記載されています(検索広告の章で説明します)。
なお、自動タグ設定が「設定しない」の場合は、クリックとコンバージョンが関連付けられないため、クロスドメインの構成かどうかにかかわらず成果を計測できません。自動タグ設定はアカウント単位で行うため、検索広告とディスプレイ広告のアカウントをそれぞれ確認します。
クロスドメイン計測の設定の要否:予約システムで予約が完了する場合・決済サービスから自社のWebサイトに戻る場合・タグを設置できない場合
予約の代金を外部の決済サービスで受け取っているが、クロスドメイン計測の設定が必要かどうかを判断できない。
判断の基準は、タグを設置して計測する完了ページのドメインです。外部の決済サービスを経由しても、支払いの後に自社のWebサイトに戻り、その完了ページが表示される構成では、設定は不要です。着地ページが自社のWebサイトにあり、予約システム上で予約が完了する構成では、設定が必要です。ただし、その完了ページにタグを設置できない場合は、タグによる計測はできません。

決済サービスを経由する構成では、支払いの後に自社のWebサイトに戻り、その完了ページが表示されるかを、決済サービスの提供元に確認します。この構成では、クリックIDは着地ページと同じドメインのCookieなどに保存されているため、完了ページのタグが参照できます。ただし、決済の後に完了ページが表示されない場合は、タグが動作しないため予約は計上されません。また、広告の最終リンク先URLを予約システムのページにしている場合は、クリックIDがそのURLに直接付与されるため引き継ぎは不要ですが、予約システムのページへのタグの設置は必要です。
予約システムの完了ページで計測する場合は、予約システムの提供元に次の2点を確認します。1つ目は、LINEヤフーが発行したタグを予約システムのページに設置できるかです。公式ヘルプによると、計測にはLINEヤフーが発行したタグが必要で、他社で発行されたタグは利用できません。2つ目は、クリックIDを付与したURLで予約システムのページを表示できるかです。「自動タグ設定について」には、任意のURLパラメータを許可していない一部のWebサイトでは、自動タグ設定による付与でエラーページが表示される可能性があると記載されています。
タグを設置できない場合は、「コンバージョンのインポート機能」で計測できます。yclidと自社の顧客情報を関連付けて、成果を管理画面に取り込む機能で、Webサイトの構造上コンバージョン測定タグを利用できない場合でも計測できる方法として案内されています。
検索広告のクロスドメイン計測の設定:予約システムの全ページにサイトジェネラルタグと補完機能タグを設置し、yclidを引き継ぐ
検索広告のコンバージョン測定タグを予約システムの完了ページに設置しているが、来店予約のコンバージョン数が予約システムの受付件数より少ない。
ショッピング以外の検索広告では、完了ページのコンバージョン測定タグに加えて、予約システムの全ページにもサイトジェネラルタグと補完機能タグを設置し、予約システムのページまでyclidを引き継ぎます。

公式ヘルプが計測タグを利用できるサービスとして挙げているのは、LINE公式アカウント、ディスプレイ広告、検索広告(ショッピング)です(ヘルプの記載は2026年4月時点)。そのため、ショッピング以外の検索広告はコンバージョン測定タグで計測します。「コンバージョン測定の補完機能について」には、クロスドメインの構成での設定として、コンバージョン測定タグと同じドメインのページにサイトジェネラルタグと補完機能タグを設置し、そのページまでyclidを引き継ぐことが記載されています。
同じヘルプは、引き継ぎの方法はWebサイトの構成によって異なるとし、可否を含めてWebサイトの管理者に確認するよう求めています。着地ページから料金や事例のページを経由して予約に進む人もいるため、yclidを保持し、予約システムへのすべてのリンクに付与する方法を、Webサイトの管理者と取り決めます。予約システムのページでは、サイトジェネラルタグと補完機能タグを<HEAD>タグの開始直後に、コンバージョン測定タグをそれより後に設置します。
ディスプレイ広告のクロスドメイン計測の設定:計測タグのautoLinkDomainsで_ly_cを引き継ぐ
旧LINE広告から移行したディスプレイ広告について、外部の予約システムが受け付けた来店予約の計測に用いるタグを決めていない。
旧LINE広告のLINE Tagは統合後のディスプレイ広告に対応していないため、計測タグかコンバージョン測定タグで計測します。計測タグを用いる場合は、自社のWebサイトのグローバルスニペットの設定項目「autoLinkDomains」に、予約システムのドメインを指定します。指定したドメインのページへの遷移時に、URLにパラメータ「_ly_c」と「_ly_rt」が自動的に付与されます。予約システムのページにもグローバルスニペットを、完了ページにはイベントスニペットを設置します。

計測タグ Developer Center「パラメータについて」によると、autoLinkDomainsは、異なるドメイン間の計測機能を利用する対象を、文字列の配列で指定する項目です。Googleタグマネージャーでは、LINEヤフーが提供するテンプレート「計測タグ グローバルスニペット」のautoLinkDomainsの欄に、1行に1ドメインずつ入力します。検索広告と異なり、リンクにクリックIDを付与する処理を自社で用意する必要はありません。
イベントスニペットはグローバルスニペットと併せて動作するタグのため、予約システムのページにも同じタグIDのグローバルスニペットを設置します。管理画面でグローバルスニペットを取得するときは、「ローカルストレージオプションを利用する」と「ファーストパーティーCookieオプションを利用する」にチェックが入っていることを確認してからコピーします。公式ヘルプは、いずれもコンバージョン測定の精度の向上につながるオプションとして案内しています。
ディスプレイ広告をコンバージョン測定タグで計測している場合も、検索広告と同じくyclidを引き継ぎます。統合前後の成果の評価については、旧LINE広告の配信終了後に統合前後の獲得単価を比較する方法で解説しています。
クロスドメイン計測の設定後に確認する3点:遷移後のURL、完了ページからのデータの送信、管理画面での計上状況
クロスドメイン計測の設定は済んでいるが、予約システムで完了した来店予約が計上されるかを確認していない。
自社の担当者が広告をクリックし、同じブラウザーで予約の完了まで進めて、遷移後のURLのクリックID、完了ページからのデータの送信、管理画面での計上状況を順に確認します。テスト予約は、確認の後に取り消します。

公式ヘルプは、測定の確認方法として、広告主自身が広告をクリックしてコンバージョンを発生させるテストを挙げ、クリックから完了までを同じブラウザーで行う必要があるとしています。
遷移後のURLにクリックIDが付与されていない場合は、検索広告とディスプレイ広告の章で説明した引き継ぎの設定を確認します。着地ページの時点でクリックIDが付与されていない場合は、引き継ぎより前の段階に原因があります。「コンバージョン測定の補完機能について」には、他社のトラッキングツールでリダイレクトする場合などに、着地ページのアドレスバーにyclidが表示されないことがあると記載されています。
完了ページからのデータの送信は、ブラウザーのデバッグツールにあるNetworkタブで確認します。「タグイベント発生時の送信先ドメインについて」によると、送信先のドメインは、検索広告のコンバージョン測定タグがb98.yahoo.co.jp、ディスプレイ広告のコンバージョン測定タグがam.yahoo.co.jpとapm.yahoo.co.jp、計測タグがapm.yahoo.co.jpです。
管理画面で確認する項目は、ディスプレイ広告ではコンバージョン設定状況と、イベント受信履歴の最終受信日時、検索広告では「ツール」内のコンバージョン測定画面にある直近のコンバージョン発生日です。管理画面への反映には時間を要する場合があります。設定以降は、コンバージョン数を予約システムの受付件数と月ごとに突き合わせます(手順はYahoo!広告のコンバージョン設定を自社の受付件数で確認する方法で解説しています)。テスト予約で計上されたコンバージョンは、予約を取り消してもコンバージョン数に残るため、件数を記録し、その月の突き合わせで差し引きます。
架空の会社H社の例:来店予約の割合を、検索広告とディスプレイ広告で比較する
予約システムで受け付ける来店予約の計上が、検索広告とディスプレイ広告のどちらかで停止していないかを確認したい。
クリックIDの引き継ぎが一方の広告でのみ行われなくなると、その広告の成果に占める来店予約の割合が低下します。H社の来店予約の割合は検索広告が39.6%、ディスプレイ広告が40.6%で、両者の差(約1ポイント)は差の目安(後述、±7.8ポイント)の範囲内のため、一方の広告のみで引き継ぎが行われていない形跡は見られません。
以下は、診断サンプルの架空の会社(H社・地域の住宅リフォーム業)の例です。H社は、検索広告ではコンバージョン測定タグを、ディスプレイ広告では2026年4月の統合以降は計測タグを用いて、来店予約と見積の依頼を別々に計測しています(診断サンプルの調査報告書の記載による)。この章では説明用に、来店予約は別のドメインの予約システムで、見積の依頼は自社のWebサイトのフォームで受け付けていると仮定します。この場合、引き継ぎが行われなくなっても、見積の依頼の計上には影響しません。
| キャンペーン | 成果(来店予約+見積の依頼) | 来店予約 | 来店予約の割合 |
|---|---|---|---|
| 検索|地域名+リフォーム | 301件 | 123件 | 40.9% |
| 検索|リフォームの一般語 | 72件 | 23件 | 31.9% |
| 検索|社名 | 269件 | 108件 | 40.1% |
| 検索広告の計 | 642件 | 254件 | 39.6% |
| ディスプレイ|新規 | 138件 | 53件 | 38.4% |
| ディスプレイ|サイト訪問者 | 74件 | 33件 | 44.6% |
| ディスプレイ広告の計 | 212件 | 86件 | 40.6% |
| 全体 | 854件 | 340件 | 39.8% |
全体の来店予約の割合をp(H社は340件÷854件で約0.398)、検索広告とディスプレイ広告の成果の件数をn1・n2とすると、差の目安はおおむね±2×√(p×(1−p)×(1÷n1+1÷n2))です(計算結果を100倍するとポイントの値になります。計測の状態が同じ場合に、割合の差の約95%が収まる範囲を示す、この記事独自の計算で、公式の基準ではありません)。H社はn1=642件、n2=212件のため目安は約±7.8ポイントとなり、実際の差(40.6%−39.6%=約1ポイント)はこの範囲に収まります。
比較として、ディスプレイ広告の来店予約86件のうち半数(43件)が計上されなかった場合を試算します(説明用の計算)。この場合、ディスプレイ広告の来店予約の割合は43件÷169件(成果212件から43件を除いた件数)で約25.4%です。検索広告との差は約14ポイントとなり、差の目安(pを297件÷811件で約0.366、n2を169件として計算すると約±8.3ポイント)を超えます。

ただし、ディスプレイ広告の12か月の数値には統合前の6か月も含まれるため、統合後の設定のみを確認する場合は、2026年4月以降の期間で同じ比較を行います。また、来店予約の割合は広告の種類による客層の違いでも変動するため、差が目安を超えた場合は、前章の3点を確認してから計上漏れかどうかを判断します。両方の広告で同時に引き継ぎが行われなくなった場合はこの比較では検出できないため、予約システムの受付件数との突き合わせも併せて行います。
TAMKOのLINEヤフー広告アカウント診断で確認すること
TAMKOのLINEヤフー広告アカウント診断では、公開している点検項目の1つとして「来店予約・問い合わせの数え方(旧LINE広告から移したキャンペーンの計測を含む)」を確認します。診断ページのよくある質問では、旧LINE広告から移行したキャンペーンについて、「移したキャンペーンで来店予約や問い合わせが統合後の設定で数えられているかも確認します」と回答しています。

診断では、改善点には設定の手順を、続けてよい点にはその根拠を、判断できないものには検証の方法を添えます。診断・報告書・説明会まで無料(毎月2社まで)。
詳しくは診断ページへ。
よくある質問(FAQ)
Q01Yahoo!広告のクロスドメイン計測は、Googleタグマネージャーで設定できますか?
計測タグを用いる場合は設定できます。
LINEヤフーが提供するテンプレート「計測タグ グローバルスニペット」のautoLinkDomainsの欄に、予約システムのドメインを入力します。コンバージョン測定タグのyclidの引き継ぎは、Webサイトの構成によって方法が異なるため、Googleタグマネージャーで行えるかどうかを含めてWebサイトの管理者に確認します。
Q02自動タグ設定を「設定する」にすると、予約システムのページでエラーが表示されることはありますか?
表示される可能性があります。
公式ヘルプによると、任意のURLパラメータを許可していない一部のWebサイトでは、パラメータの付与によりエラーページが表示される場合があります。管理画面(広告管理ツール)では付与後のURLを確認できないため、実際に広告をクリックして表示を確認します。
Q03予約システムにタグを設置できない場合、来店予約は計測できませんか?
タグによる計測はできません。
予約システムの受付件数を月ごとに記録し、広告費の推移と併せて確認します。予約の件数を管理画面に取り込む場合はコンバージョンのインポート機能を利用できますが、yclidと予約を関連付ける自社の仕組みが必要です。
Yahoo!広告のクロスドメイン計測では、完了ページのドメインまでクリックIDを引き継ぎ、テスト予約で計上を確認する|まとめ
予約システムや決済サービスの画面が着地ページと別のドメインにあり、クリックIDが引き継がれていない場合は、完了ページのタグが動作しても予約が計上されないことがあります。完了ページのドメインで設定の要否を判断し、コンバージョン測定タグはyclidを、計測タグは_ly_cを、予約システムのドメインまで引き継ぎます。設定後はテスト予約で動作を点検し、その後は来店予約の割合の比較と受付件数との突き合わせによって、計上が継続しているかを確認します。
この記事のポイント
- クロスドメイン計測の設定の要否は、完了ページが着地ページと同じドメインにあるかで判断する。決済の後に自社のWebサイトに戻り、その完了ページが表示される構成では、設定は不要である。
- クリックID(yclid・_ly_c)は自社のドメインのCookieなどに保存されるため、別のドメインの完了ページのタグからは参照できない場合がある。
- 検索広告では、予約システムの全ページにも、コンバージョン測定補完機能タグ(補完機能タグ)とサイトジェネラルタグを設置し、yclidを引き継ぐ。
- ディスプレイ広告の計測タグでは、autoLinkDomainsに予約システムのドメインを指定し、同システムのページにも同じタグIDのグローバルスニペットを設置する。
- 設定後は、テスト予約で遷移後のURL・完了ページからのデータの送信・管理画面での計上状況を確認し、検索広告とディスプレイ広告で来店予約の割合の差を求め、成果の件数から算出した差の目安と比較する。