Meta広告の購入単価が上昇したときは、CTRを業界の平均値と比べる前に、購入単価の倍率をCPM・CTR・CVRの倍率に分解し、上昇の要因となった指標を特定する
Meta広告のCTR(クリック率)は、業界の平均値(Webの記事などで公開されているCTRの平均値)と比べて評価されることが多くあります。
しかし、CTRの高低だけでは、購入単価の高低は判断できません。診断サンプルの架空の会社(F社・スキンケアブランド・自社EC)の例では、CTRが同じ0.8%のInstagram ストーリーズとFacebook リールでも、購入単価はそれぞれ3,226円、4,190円であり、約1.3倍の差がありました。
Meta広告のCTRと購入単価について、よく見られる状況は次の3つです。
- Meta広告のCTRが、Webの記事で紹介されている業界の平均値を下回っているため、クリエイティブの差し替えを検討している。比較対象の業界の平均値は、CTRの種類と配置の構成が自社と同じとは限らない
- Meta広告の購入単価が前の期間の1.60倍に上昇したが、CTRは同水準である。購入単価の倍率をCPM・CTR・CVRの倍率に分解すると、CPMとCVRのどちらが上昇の要因かを特定できる
- クリエイティブを変更していないにもかかわらず、広告セット全体のCTRが前の期間より低下している。配置の構成が変わるだけでも、広告セット全体のCTRは増減する
本記事では、購入単価をCPM・CTR・CVRの3つの指標に分解し、購入単価の上昇の要因となった指標を特定する方法と、指標ごとに管理画面(Meta広告マネージャ)で確認する項目を、Metaビジネスヘルプセンターの記載に基づいて整理します。
本記事の対象は、ECサイトでの購入をコンバージョンとしてMeta広告を運用し、購入単価やROASで成果を評価している担当者の方です。
本記事は、Meta広告のアカウント診断で配置ごとの費用と購入件数を確認しているTAMKOが解説します。
【結論】Meta広告のCTRを業界の平均値と比べる前に、購入単価をCPM・CTR・CVRに分解して上昇の要因となった指標を特定する
Meta広告のCTRを業界の平均値と比べるだけでは、購入単価が上昇した原因は特定できません。購入単価をCPM・CTR・CVRの3つの指標に分解し、2つの期間における各指標の倍率から上昇の要因となった指標を特定したうえで、その指標が変化した原因を管理画面で確認します。

CTRは、広告の表示から購入までの過程のうち、クリックの部分だけを示す指標です。CTRが業界の平均値を上回っていても、CPMが上昇したりCVRが低下したりしていれば、購入単価は上昇します。反対に、CTRが業界の平均値を下回っていても、購入単価が損益分岐の購入単価より低ければ、CTRを改善する必要はありません。本記事では、次の3つの指標を使います。
- CPM(インプレッション単価):インプレッション1,000件あたりの費用
- CTR(リンククリックスルー率):インプレッションのうち、リンククリックが発生した割合
- CVR(コンバージョン率):リンククリック1件あたりの購入件数(本記事では購入件数÷リンククリックで算出し、ビュースルーの購入も含む)
Meta広告のCTRの業界の平均値:CTRの種類と配置の構成によって水準が異なる
Meta広告のCTRが、Webの記事で紹介されている業界の平均値を下回っているため、クリエイティブの差し替えを検討している。
Meta広告のCTRには、リンククリックのみを対象とするCTR(リンククリックスルー率)と、リアクションやコメントも含めるCTR(すべて)の2種類があり、配置によっても水準が異なります。自社のCTRを業界の平均値と比べる前に、その平均値のもとになったCTRの種類と配置の構成が、自社と同じかを確認します。

公式ヘルプによると、CTR(リンククリックスルー率)は、リンククリックの数をインプレッション数で割った値です。リンククリックは、広告主が指定したリンク先に誘導する、広告内のリンクがクリックされた回数です。一方、CTR(すべて)の算出に使うクリック(すべて)には、リンククリックに加えて、プロフィールのクリック、投稿へのリアクション、コメントやシェア、写真などをフルスクリーンで表示するためのクリックも含まれます。そのため、同じ広告でも、CTR(すべて)はCTR(リンククリックスルー率)以上の値になります。自社のCTRを業界の平均値と比べる場合は、その平均値がどちらのCTRによるものかを確認します。本記事で「CTR」と表記する場合は、購入に至る経路であるリンククリックを対象としたCTR(リンククリックスルー率)を指します。
配置によってCTRの水準が異なる
診断サンプルの架空の会社(F社)で、Advantage+ 配置を使用している2つのキャンペーンの12か月間の数値を配置ごとに集計すると、Audience Networkを除くCTRは0.7〜1.2%でした。このうちCTRが最も高いFacebook フィード(1.2%)の購入単価は3,073円で、CTRが0.9%のInstagram リールの購入単価(2,933円)より高くなっています。CTRが同じ0.8%のInstagram ストーリーズとFacebook リールでも、購入単価はそれぞれ3,226円、4,190円であり、約1.3倍の差があります。Audience Networkの評価方法は、配置ごとの成果を扱った記事で説明しています。
配置ごとにCTRの水準に差があるため、配置の構成が自社と異なるアカウントから算出された業界の平均値と比べても、自社のCTRの高低は判断できません。比較の対象とするのは、同じ広告セットの過去の期間のCTRと、次章で説明する広告関連度診断の結果です。
広告関連度診断:オーディエンスが同じ競合広告と比べた3つのランキング
購入単価が上昇した広告の品質ランキングが、「平均以下(下位20%)」と表示されている。
広告関連度診断は、オーディエンスが同じ競合広告と比べた、品質・エンゲージメント率・コンバージョン率の3つのランキングです(コンバージョン率ランキングは、最適化の目的も同じ広告と比べます)。比較の対象がオーディエンスの同じ広告であるため、目的を達成していない広告について、クリエイティブ・クリック後のエクスペリエンス・オーディエンスのいずれに改善の余地があるかを判断する材料になります。

公式ヘルプによると、広告関連度診断は、選択した過去の期間における広告オークションでの各広告のパフォーマンスを評価するもので、次の3つのランキングで構成されます。
- 品質ランキング:オーディエンスが同じ競合広告と比べた、広告の感性品質。広告を見た人や非表示にした人からのフィードバックなどに基づいて判断される
- エンゲージメント率ランキング:オーディエンスが同じ競合広告と比べた予測エンゲージメント率。広告を見た人がクリック、反応、コメント、シェアなどをする確率から算出される
- コンバージョン率ランキング:最適化の目的とオーディエンスが同じ競合広告と比べた予測コンバージョン率(Metaによる予測値で、本記事のCVRとは別の指標)
各ランキングは5段階で示され、平均を上回る評価(ヘルプの記載は「平均より上」または「平均以上」)、「平均」、「平均以下(下位35%)」、「平均以下(下位20%)」、「平均以下(下位10%)」があります。35〜55パーセンタイルが「平均」にあたります。「平均以下(下位20%)」は、オーディエンスが同じ競合広告のうち80%以上が、自社の広告より高く評価されていることを意味します。
広告関連度診断を使う際の注意点
広告関連度診断は、インプレッションが500未満の広告では利用できず、確認できるのは過去35日間分です。エンゲージメント率ランキングとコンバージョン率ランキングは、バリューの最適化などの目的では利用できません。また、広告関連度診断の結果は、広告オークションには影響しません。
公式ヘルプでは、広告関連度診断はパフォーマンスの低い広告の原因の把握に使い、すでに目的を達成している広告の最適化には使わないよう案内されています。ランキングが上昇しても成果が向上する保証はないため、ランキングを目標にはしません。また、高価格帯の商品や購入前の検討が必要な商品の広告は、コンバージョン率ランキングが低くなりやすいとされています。
購入単価の分解:CPM・CTR・CVRの倍率から、上昇の要因となった指標を特定する
Meta広告の購入単価が前の期間の1.60倍に上昇したが、CTRは同水準である。
購入単価は、CPM÷1,000÷CTR÷CVRで表せます。2つの期間の購入単価の倍率を3つの指標の倍率に分解すると、上昇の要因となった指標を特定できます。

購入単価は、費用を購入件数で割った値です。費用はインプレッション数×CPM÷1,000、購入件数はインプレッション数×CTR×CVRで表せます。費用を購入件数で割るとインプレッション数が約分され、購入単価は次の式で表せます。
購入単価=CPM÷1,000÷CTR÷CVR
たとえば、CPMが1,200円、CTRが1.20%、CVRが3.00%の場合、購入単価は1,200円÷1,000÷1.20%÷3.00%=約3,333円です。2つの期間を比べる場合は、それぞれの指標の倍率(直近の期間の値÷前の期間の値)を使います。
購入単価の倍率=CPMの倍率÷CTRの倍率÷CVRの倍率
購入単価は、CPMが上昇した場合と、CTRまたはCVRが低下した場合に上昇します。そのため、購入単価への影響を、CPMについては倍率のまま、CTRとCVRについては倍率の逆数(1÷倍率)で表します。3つの影響を掛け合わせた値は、購入単価の倍率と一致します。
例:CTRが変わらないまま、購入単価が1.60倍になった場合
以下は説明用の架空の数字です。ある広告セットの費用を、前の28日間と直近の28日間でいずれも1,200,000円とします。前の28日間はインプレッション1,000,000件・リンククリック12,000件・購入360件、直近の28日間はインプレッション937,500件・リンククリック11,250件・購入225件です。
この場合、CPMは1,200円から1,280円(1.07倍)、CTRは1.20%のまま(1.00倍)、CVRは3.00%から2.00%(0.67倍)となり、購入単価は約3,333円から約5,333円(1.60倍)に上昇します。購入単価への影響は、CPMが1.07倍(1,280÷1,200=1.067)、CTRが1.00倍、CVRが1.50倍(3.00%÷2.00%)です。3つを掛け合わせると1.067×1.00×1.50=1.60となり、購入単価の倍率と一致します。上昇の主な要因はCVRの低下であり、CTRを業界の平均値と比べても、この要因は特定できません。
比べる2つの期間は同じ日数にそろえ、情報収集期間と、購入件数が確定していない直近の日を除きます。期間の設定方法と、判定に必要な購入件数の目安は、Instagram広告の効果を判定する前提を扱った記事で説明しています。
CPMが上昇した場合:CVRの変化とあわせて評価し、広告の品質・配信の機会・オークションの競争を確認する
広告セットの予算を変更していないが、CPMが前の期間より上昇している。
購入に最適化した広告セットでは、購入単価を下げられる場合にCPMの高い配信の機会が選ばれることがあるため、CPMの上昇だけを理由に問題があるとは判断しません。CPMの上昇はCVRの変化とあわせて評価し、CPMの上昇が購入単価の上昇の主な要因である場合に、広告の品質・配信の機会・オークションの競争の順に原因を確認します。

公式ヘルプによると、広告オークションでは、入札価格・推定アクション率・広告品質の3つから判断される全体的な価値が最も高い広告が落札されます。推定アクション率と広告品質から広告の関連度が測定されるため、関連度の高い広告が、入札価格の高い広告より優先されることがあります。
また、公式ヘルプでは、購入などのコンバージョンに最適化した広告セットのパフォーマンスは、CPMでは正確に評価できない可能性があるとされています。購入単価(公式ヘルプでは「コンバージョン単価」)を下げられる場合に、CPMの高い配信の機会が選ばれることがあるためです。CPMが上昇していても、CVRも同程度以上に上昇し、購入単価が上昇していなければ、対応は不要です。
CPMの上昇が購入単価の上昇の主な要因である場合の確認事項
この場合は、次の順に確認します。
- 広告の品質:公式ヘルプでは、クリエイティブとクリック後のエクスペリエンスの質と関連度が、広告主が支払う価格に直接影響するとされています。品質ランキングが平均以下の広告がないかを確認します。
- 配信の機会:公式ヘルプによると、配信システムは費用の低い配信の機会から先に探すため、オーディエンスや配置を絞り込むと、費用の低い機会を探す範囲が小さくなります。また、そうした機会がなくなると費用の高い機会が選ばれるため、結果の単価は時間の経過とともに上昇することがあるとされています。比べる2つの期間のあいだに、オーディエンスや配置を絞り込む変更をしていないかを確認します。
- オークションの競争:上記のいずれにも該当しない場合について、公式ヘルプは競争度が高まっている可能性を挙げ、オークションの重複の診断と削減の方法を案内しています。自社の広告セット間でオークションの重複がないかを確認します。
CTRが低下した場合:配置の構成・広告疲れ・エンゲージメント率ランキングの順に確認する
クリエイティブを変更していないにもかかわらず、広告セット全体のCTRが前の期間より低下している。
広告セット全体のCTRは、配置ごとのCTRをインプレッション数で加重平均した値であるため、配置の構成が変わるだけでも増減します。CTRが低下した場合は、まず内訳で配置の構成を、次に広告疲れの有無を、最後にエンゲージメント率ランキングを確認します。

公式ヘルプによると、Advantage+ 配置は、利用可能なすべての配置を分析し、インプレッションごとに最も効率的な配信の機会を特定します。前述のとおり、F社の例ではAudience Networkを除く配置のCTRに0.7〜1.2%の幅があります。そのため、各配置のCTRが変わらなくても、CTRが低い配置へのインプレッションの配分が増えると、広告セット全体のCTRは低下します。この場合、購入単価が上昇していなければ、対応は不要です。配置ごとのCTRは、[内訳]→[配信]→[配置]で確認できます。
ただし、公式ヘルプによると、内訳には統計モデリングが使用される場合があります。また、内訳で購入単価が高く見える配置が、その期間で最も費用対効果に優れた配信の機会である可能性もあります。内訳の購入単価だけで配置の費用対効果を判断する誤りを、公式ヘルプは「結果の内訳効果」と呼んでいます。内訳の数値だけで配置を除外する判断はしません。
配置の構成が変わっていない場合は、広告疲れの有無を確認します。同じ広告のCTRが次第に低下してフリークエンシーが上昇している場合や、[配信]列に「広告疲れ」と表示されている場合は、同一のユーザーに同じ広告が繰り返し配信されている可能性があります。フリークエンシーの推移に応じた対応の選び方は、フリークエンシーと週ごとの購入単価を扱った記事で説明しています。
いずれにも該当しない場合は、エンゲージメント率ランキングを確認します。ランキングが平均以下の場合について、公式ヘルプは、オーディエンスとの関連度が高い内容への変更か、反応する可能性の高いオーディエンスの設定を案内しています。
CVRが低下した場合:ランディングページビューを使い、ページの読み込みと、ページを表示した後の過程を分けて確認する
CPMとCTRは前の期間と同水準だが、CVR(購入件数÷リンククリック)が低下している。
CVRは、ランディングページビュー率(ランディングページビュー÷リンククリック)と、ランディングページビューあたりの購入率(購入件数÷ランディングページビュー)の積に分けられます。ランディングページビューを使ってこの2つを算出すると、原因がページの読み込みと、ページを表示した後の過程のどちらにあるかを判断できます。

公式ヘルプによると、ランディングページビューは、リンクをクリックした後に、Webサイトなどのリンク先が正常に読み込まれた回数です。ランディングページビューの数がリンククリックの数と一致しない理由として、Webページが完全に読み込まれなかったことなどが挙げられています。
「購入単価の分解」の章の例(説明用の架空の数字)で、ランディングページビューが前の28日間は10,800件、直近の28日間は10,125件だったとします。ランディングページビュー率はいずれも90.0%で変わらず、ランディングページビューあたりの購入率は3.33%から2.22%に低下しています。この場合、原因はページの読み込みではなく、ページを表示した後の過程にあります。
ランディングページビューあたりの購入率が低下した場合に確認すること
広告以外の要因として、比べる2つの期間の境界の前後に、商品の価格・在庫・ランディングページの内容・購入手続きの変更がなかったかを確認します。広告の要因としては、コンバージョン率ランキングが平均以下の場合に、コールトゥアクションやクリック後のエクスペリエンスの改善、購入意向の高いオーディエンスの設定が公式ヘルプで案内されています。
購入の計測も確認します。公式ヘルプでは、MetaピクセルやコンバージョンAPIなどのデータソースの設定に問題があると、広告にアトリビューションされるイベントが減り、購入単価(公式ヘルプでは「顧客獲得単価」)が上昇する可能性があるとされています。確認方法は、購入イベントの受信状況についてはInstagram広告の効果を判定する前提を扱った記事で、購入の二重計上についてはコンバージョンAPIの二重計上を扱った記事で説明しています。
ビュースルーで計上された購入の割合も確認する
管理画面の購入件数には、広告が表示されただけでクリックしなかった人による購入(ビュースルー)も含まれます。そのため、購入件数÷リンククリックで算出したCVRは、ビュースルーの割合が変わるだけでも増減します。診断サンプルの架空の会社(F社)の例では、購入のうちビュースルーで計上された割合は、Instagram フィードで21.9%、Facebook リールで35.5%と、配置によって異なりました。クリックから発生した購入件数は、[アトリビューション設定を比較]で確認できます。
TAMKOのMeta広告アカウント診断で確認すること
TAMKOのMeta広告アカウント診断では、ECサイトでの購入件数とROASを基準に、アカウントの状態を確認します。診断ページに記載している確認項目には、「配置ごと(フィード・リール・ストーリーズ・Audience Network)の費用と購入」、「同じ広告の表示回数(フリークエンシー)と、情報収集期間の状態」、「Metaピクセルとコンバージョン APIの重複排除と、購入の数の正しさ」が含まれます。

2つの期間のCVRと購入単価を比べる前提として、購入件数が正しく計上されている必要があります。分析の明細(Excel)では、報告書の数値の算出根拠をキャンペーン・配置・日別に確認できます。
現状の配分を続けてよいという判断も、診断の結論です。改善点には設定の手順を、続けてよい点にはその根拠を、判断できないものには検証の方法を添えます。料金は、診断ページに記載のとおり「診断・報告書・説明会まで無料(毎月2社まで)」です。エグゼクティブサマリー・調査報告書・分析の明細(Excel)をお渡しし、オンラインの説明会で、報告書をもとにご質問にお答えします。
設定の変更までご依頼いただく場合は、Meta広告のお試し運用からご利用いただけます。1施策を、1か月・5万円でお預かりします(税別)。お預かりする施策の広告費は月30万円までです。
詳しい内容は、診断ページをご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q01Meta広告のCTRの平均値は、Metaから公表されていますか?
本記事で参照したMetaビジネスヘルプセンターのページには、業界別の平均値の記載はありません。
Metaが示している比較の基準は、オーディエンスが同じ競合広告との相対評価である広告関連度診断です。参考として、診断サンプルの架空の会社(F社)では、Audience Networkを除く配置のCTR(リンククリックスルー率)は0.7〜1.2%でした。自社のCTRを業界の平均値と比べる場合は、CTRの種類と配置の構成が自社と同じかを確認します。
Q02CTRが高い広告ほど、購入単価は低くなりますか?
低くなるとは限りません。
購入単価はCPM・CTR・CVRの3つで決まるため、CTRが高くても、CPMが高い場合やCVRが低い場合は購入単価が高くなります。診断サンプルの架空の会社(F社)の例では、CTRが3.1%と全配置の中で最も高いAudience Networkは、購入単価も14,747円と全配置の中で最も高い値でした。
Q03CPMが上昇した場合は、配信を停止すべきですか?
CPMの上昇だけを理由に、配信の停止を判断することはしません。
購入に最適化した広告セットでは、購入単価を下げられる場合に、CPMの高い配信の機会が選ばれることがあります。CVRの変化を確認したうえで、購入単価が損益分岐の購入単価を上回っているかどうかで判断します。
Q04購入件数が少ない広告セットでも、購入単価を分解して原因を特定できますか?
CPMとCTRの変化は判断しやすい一方で、CVRの変化は、購入件数が少ないと偶然によるものかどうかを判断できません。
CPMとCTRは件数の多いインプレッションとリンククリックから算出するため、安定しやすい指標です。CVRは購入件数が少ないと偶然による変動が大きくなります。購入件数がポアソン分布に従うと仮定すると、リンククリックが同じ2つの期間で、前の期間の購入件数が10件の場合は、直近の期間の購入件数が5件(CVRが半分)や20件(CVRが2倍)になっても、偶然の変動と区別できません。リンククリックが同じ2つの期間で、CVRの3分の2への低下を偶然の変動と区別するには、おおむね、低下前の期間で60件、低下後の期間で40件の購入件数が必要です(Metaの基準ではなく、本記事の目安)。
Meta広告のCTRは単独で評価せず、購入単価をCPM・CTR・CVRに分解して上昇の要因となった指標を特定し、その指標が変化した原因を確認する|まとめ
Meta広告のCTRを業界の平均値と比べるだけでは、購入単価が上昇した原因は特定できません。CTRは表示から購入までの過程のうちクリックの部分しか示さず、業界の平均値自体もCTRの種類と配置の構成によって異なるためです。購入単価はCPM÷1,000÷CTR÷CVRで表せるため、2つの期間でCPM・CTR・CVRの倍率を算出すると、上昇の要因となった指標を特定できます。CPMが要因の場合は、CVRの変化とあわせて広告の品質・配信の機会・オークションの競争を確認します。CTRが要因の場合は、配置の構成・広告疲れ・エンゲージメント率ランキングを確認します。CVRが要因の場合は、ランディングページビューを使って、ページの読み込みとページを表示した後の過程のどちらに問題があるかを確認します。オーディエンスが同じ競合広告との比較には、広告関連度診断の3つのランキングを使います。
この記事のポイント
- Meta広告のCTRには、リンククリックのみを対象とするCTR(リンククリックスルー率)と、リアクションなども含めるCTR(すべて)があり、配置によっても水準が異なる(F社の例:Audience Networkを除く配置で0.7〜1.2%)。オーディエンスが同じ競合広告との比較には、広告関連度診断を使う。
- 購入単価=CPM÷1,000÷CTR÷CVR。2つの期間の購入単価の倍率をCPMの倍率÷CTRの倍率÷CVRの倍率に分解すると、上昇の要因となった指標を特定できる。
- 購入に最適化した広告セットでは、CPMの上昇が問題であるとは限らない。CPMの上昇はCVRの変化とあわせて評価し、広告の品質・配信の機会・オークションの競争を確認する。
- CTRの低下は、配置の構成の変化によっても生じる。配置の構成、広告疲れ(広告ごとのCTRとフリークエンシー)、エンゲージメント率ランキングの順に確認する。
- CVRの低下は、ランディングページビュー率と、ランディングページビューあたりの購入率に分けて、ページの読み込みとページを表示した後の過程のどちらに原因があるかを判断する。