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キーワードとターゲティング

Amazon広告の商品ターゲティングで指定した競合の商品ページは、ページごとに購入率とクリック単価を確認し、指定を継続するか停止するかを判断する

Amazon広告の商品ターゲティングで競合の商品を指定したキャンペーンについて、ACOSが損益分岐ACOSを上回っていても、どの指定を停止すべきかを担当者が判断できない場合はありませんか。

この記事では、商品ターゲティングで指定する競合の商品について、その商品詳細ページを「競合の商品ページ」と呼びます。診断サンプルの架空の会社(K社・キッチン用品メーカー・自社ブランド「ケイライフ(架空)」)の例では、競合の商品を指定したスポンサープロダクト広告キャンペーンのACOSは55.5%で、手数料などを差し引いた後の利益率から算出した損益分岐ACOS(35%と仮定。以下、損益分岐)を上回ります。キャンペーンの成果を指定した5つの競合の商品ページ別に集計すると、ACOSは33.4%から242.4%まで大きな差があります。さらに、説明用の架空のクリック数と注文数から購入率を算出すると、ガラス製とプラスチック製の保存容器の2件は1%未満です。この2件は、入札額を実際のクリック単価の2割未満まで引き下げなければ、ACOSが損益分岐を下回りません。

そこでこの記事では、指定した競合の商品ページごとの成果をレポートで確認し、ACOSを損益分岐と比較したうえでクリック単価と1クリックあたりの売上に分解し、継続・入札額を引き下げて継続・期間を延長して継続・指定の停止のいずれとするかを決める手順を、Amazon Adsの公式の記載を根拠に整理します。

この記事の対象読者は、Amazonに自社ブランド品を出品し、スポンサープロダクト広告の商品ターゲティングで競合の商品を指定している担当者の方です。

Amazon広告のアカウント診断において、商品ターゲティングで指定した商品詳細ページを毎回確認しているTAMKOの立場から解説します。

【結論】商品ターゲティングの指定を継続するか停止するかは、競合の商品ページごとに、購入率とクリック単価から判断する

商品ターゲティングの成果は、キャンペーン全体ではなく、指定した競合の商品ページごとのACOSを損益分岐と比較して判断します。ACOSが損益分岐を上回る競合の商品ページは、ACOSをクリック単価と1クリックあたりの売上(注文単価×購入率)に分解し、同じキャンペーンの他の競合の商品ページと比較します。そのうえで、購入率が大幅に低く、理由が商品そのものの違いにある場合は、指定を停止します。クリック単価が他より高い場合と、ACOSが損益分岐を下回るのに必要な注文の増加が注文数の偶然のばらつきの範囲を超える場合は、入札額を引き下げて継続します。購入率もクリック単価も同程度で、必要な注文の増加がばらつきの範囲に収まる場合は、期間を延長して継続します。

Amazon広告の商品ターゲティングで指定した競合の商品ページ(ASIN)について、指定を継続するか停止するかを、評価の期間から除く日の決定、ACOSと損益分岐の比較、ACOSの分解、購入率が低い理由の確認、4つの区分への振り分けの5段階で決める手順を示した図
比較の単位は、キャンペーン全体ではなく、指定した競合の商品ページ(ASIN)ごと。ACOSが損益分岐を上回る場合は、原因が購入率とクリック単価のいずれにあるかによって対応が異なる。

損益分岐は、販売価格から原価・Amazonの販売手数料・配送費などを差し引いた利益率をもとに求めます。その算出方法と、キャンペーンの種類別にACOSを損益分岐と比較する手順は「Amazon広告のTACOSとは?損益分岐ACOSでキャンペーンを種類ごとに仕分ける方法」で解説しています。

商品ターゲティングとは:個別の商品(ASIN)の指定・カテゴリーの指定と、広告の表示先

よくある場面

商品ターゲティングやオートターゲティングのキャンペーンで、指定外の商品詳細ページにも広告が表示されている。

商品ターゲティングは、広告対象の商品と関連性の高い特定の商品やカテゴリーなどを指定して、スポンサープロダクト広告を表示する方法です。広告は指定した商品の商品詳細ページに限らず、商品ターゲティングではカテゴリーの指定や拡張されたターゲティングによって、オートターゲティングのキャンペーンでは代替商品・補完商品のターゲティンググループによって、指定外の商品詳細ページにも表示されます。

Amazon広告の商品ターゲティングなどで広告が表示される経路を、個別の商品(ASIN)の指定、カテゴリーの指定、拡張されたターゲティング、オートターゲティングの代替商品・補完商品の4つに分け、それぞれの表示先を示した図
ターゲティングレポートの1行は、指定1件ごとの成果の合計。どの経路でも、実際に広告が表示された商品詳細ページは、検索ワードレポートのASINの行で確認する。

公式ヘルプによると、商品ターゲティングは、広告対象の商品との関連性の高い特定の商品・カテゴリー・ブランド・その他の商品の機能を選択できる方法です。個別の商品の指定では、ASINを1件ずつ登録します。カテゴリーの指定はカテゴリー全体を対象とし、ブランド・価格帯・評価・プライム配送の可否で絞り込めます。この記事では、主に個別の商品の指定を扱います。

公式ガイドによると、商品を指定した広告は、その商品の商品詳細ページに加えて、その商品が上位に表示される検索結果ページにも掲載される場合があります。また、公式ヘルプによると、スポンサープロダクト広告の拡張されたターゲティングの機能を使うと、指定した商品と密接に関連する他の商品にも対象を広げられます。オートターゲティングにも「代替商品」と「補完商品」のターゲティンググループがあり、それぞれ、広告対象の商品に類似する商品、広告対象の商品を補完する商品の商品詳細ページを閲覧している人に広告が表示されます。

なお、指定先は広告対象の商品と関連している必要があり、処方薬など一部の商品は指定できません。

競合の商品ページごとの成果を確認するレポート:ターゲティングレポートと検索ワードレポート(ASINの行)

よくある場面

競合の商品を指定したキャンペーンのACOSが損益分岐を上回っているが、原因となっている指定を特定できない。

指定ごとの成果はターゲティングレポートで、実際に広告が表示された商品詳細ページは検索ワードレポートのASINの行で確認します。キャンペーン全体のACOSが損益分岐を上回っていても、成果を指定別に集計すると、損益分岐の前後にある指定と、大きく上回る指定が混在している場合があります。

Amazon広告の商品ターゲティングの成果を確認する2つのレポートを比較した図。ターゲティングレポートは行の単位が指定で、検索ワードレポートは広告が表示された商品詳細ページをASINの行で示す
指定別の判断にはターゲティングレポートを使い、実際に広告が表示された商品詳細ページが指定先と一致しているかは、検索ワードレポートで確認する。

個別の商品を指定した広告グループでは、ターゲティングレポートの行は指定した商品ごとに分かれます。各行には、その商品の商品詳細ページと、その商品が上位に表示される検索結果の両方での成果が含まれます。

検索ワードレポートの「お客様検索用語」の列には、一般的な検索語句に加えて、「b00ipgvvz4」のような英数字が表示されることがあります(公式ヘルプの例は小文字です)。公式ヘルプによると、これらは広告が表示された商品詳細ページのASINを示します。ASINの行が表示されるのは、オートターゲティングのキャンペーンと、商品属性ターゲティング(この記事の商品ターゲティング)の広告グループのみです。

公式ヘルプによると、レポートで遡れる期間(公式ヘルプの表記はルックバックウィンドウ)は、ターゲティングレポートが90日、検索ワードレポートが65日です。数か月分の推移を確認する場合は、レポートを月ごとにダウンロードして保存すれば、同じ形式の表で比較できます。

診断サンプルの架空の会社(K社)の例では、競合の商品を指定したキャンペーンのACOSは55.5%です。指定した5件の内訳は、損益分岐(35%)の前後にある3件(33.4%・35.9%・37.3%)と、大きく上回る2件(242.4%・193.9%)です。

ACOSをクリック単価と1クリックあたりの売上に分解する:購入率が低い競合の商品ページのACOSは、入札額の調整では改善が見込めない

よくある場面

指定したガラス製の保存容器の競合の商品ページで、広告のクリック数に比べて注文数が極めて少ない。

ACOSは、クリック単価を1クリックあたりの売上で割った値です。1クリックあたりの売上は注文単価と購入率で決まるため、購入率が他の競合の商品ページより大幅に低い場合は、入札額を大幅に引き下げなければACOSが損益分岐を下回らず、その水準では広告が表示される機会も大幅に減ると考えられます。

ACOS(広告費売上高比率)は広告費÷売上です。広告費はクリック数×クリック単価、売上はクリック数×1クリックあたりの売上と表せるため、ACOSはクリック単価÷1クリックあたりの売上となり、1クリックあたりの売上は注文単価(売上÷注文数)×購入率(注文数÷クリック数)に分解できます。

損益分岐クリック単価を入札の上限として使う方法は、「Amazon広告の推奨入札額で入札してよいか?損益分岐ACOSから入札の上限を算出して比較」で解説しています。

競合の商品ページ広告費売上ACOSクリック数注文数クリック単価購入率
1 ガラス製の保存容器234,574円96,776円242.4%3,4202769円0.79%
2 ステンレス製の保存容器A278,322円832,483円33.4%4,15023167円5.57%
3 ステンレス製の保存容器B175,004円469,301円37.3%1,84013095円7.07%
4 プラスチック製の保存容器198,336円102,282円193.9%3,0102866円0.93%
5 ホーロー製の保存容器97,442円271,356円35.9%1,4507667円5.24%
Amazon広告の商品ターゲティングで指定した競合の商品ページごとに、実際のクリック単価と損益分岐クリック単価を比較した横棒グラフ。ガラス製とプラスチック製の保存容器の競合の商品ページは、損益分岐クリック単価(10円・12円)が実際のクリック単価(69円・66円)を大きく下回る
競合の商品ページごとの実際のクリック単価と損益分岐クリック単価。損益分岐35%は、診断サンプルのK社の手数料などを差し引いた後の利益率をもとに仮定した値(K社とクリック数はいずれも架空)。

注文単価はいずれの競合の商品ページも約3,600円(3,570〜3,653円)のため、1クリックあたりの売上の差は購入率の違いによるものです。競合の商品ページ1(ガラス製の保存容器)と4(プラスチック製の保存容器)の購入率は0.79%と0.93%で、他の3件(5.24〜7.07%)の5分の1未満です。また、この2件の購入率は、K社の一般語の検索語句「ステンレス 保存容器」の購入率7.7%(13,934クリック・注文1,069件。診断サンプルの架空の会社(K社)の例です)と比べても大幅に低い水準です。

この2件の損益分岐クリック単価は10円と12円で、実際のクリック単価(69円と66円)の2割未満です。ACOSを損益分岐まで下げるには入札額をこの額まで引き下げる必要があり、その場合は広告が表示される機会が大幅に減ると考えられます。購入率の低さが原因である場合、入札額の調整では、広告の表示の機会を保ったままACOSを損益分岐より下げることはできません。

一方、競合の商品ページ3は、購入率が5件中で最も高い7.07%であるものの、クリック単価は95円と他の4件(66〜69円)を上回っています。ACOSが損益分岐を上回る原因はクリック単価にあるため、実際のクリック単価が損益分岐クリック単価(89円)以下となるよう、入札額を引き下げる余地があります。

購入率が低い理由の確認:競合の商品と自社の商品の違いを、商品そのものと販売条件に分ける

よくある場面

購入率の低い競合の商品ページについて、指定を停止するか、自社の価格や配送の条件の見直しで対応するかを決めかねている。

競合の商品ページに表示される広告の閲覧者は、その競合の商品を購入候補として検討している人です。購入率が低い理由が素材や用途など商品そのものの違いにある場合は、自社では解消できないため指定を停止します。価格や配送などの販売条件の違いにある場合は、自社で見直す予定があるときに限り、見直し後の期間でACOSを再度比較します。

Amazon広告の商品ターゲティングで購入率が低い競合の商品ページについて、理由を、素材・用途・サイズなど商品そのものの違いと、価格・配送などの販売条件の違いに分け、前者は指定を停止し、後者は条件の見直し後の期間でACOSを再度比較することを示した図
競合の商品と自社の商品を比較する観点には、公式ヘルプがカテゴリーの指定の絞り込み条件に挙げる項目(ブランド・価格帯・評価・プライム配送)と、素材や用途などの商品自体の属性を使う。評価(レビューの星の数)は自社で短期間に変えられないため、商品そのものの違いと同様に扱う。

公式ヘルプには、類似商品の価格帯や評価(レビューの星の数)で対象を設定する例が示されています。これらの項目は、競合の商品と自社の商品を比較する観点として使えます。

診断サンプルの架空の会社(K社)の商品はステンレス製で、購入率が低い2件は、ガラス製とプラスチック製の保存容器の競合の商品ページです。素材の違いは自社では解消できないため、この2件は指定を停止する候補となります。

なお、競合の商品ページ5(ホーロー製の保存容器)も素材がK社の商品と異なりますが、購入率は5.24%で、ステンレス製の2件(5.57%・7.07%)と同程度です。素材が異なれば必ず購入率が下がるわけではないため、停止は、素材の違いだけでなく購入率の数字とあわせて判断します。

競合の商品と同じ属性(例:ガラス製)を含む検索語句の成果も、判断の根拠となります。K社の検索ワードレポートでは、検索語句「保存容器 ガラス」が743クリックで注文0件です(診断サンプルの架空の会社(K社)の例です)。このことから、ガラス製の保存容器を探している人は、検索結果と商品詳細ページのいずれでも、K社のステンレス製の商品を選んでいないと考えられます。

自社の商品と同じ素材の競合の商品で購入率が低い場合は、価格や配送の条件の違いが理由として考えられます。自社でこれらの条件を見直す予定が無い場合は、商品そのものの違いと同様に指定の停止を検討します。

指定の継続・停止を判断する前に確認すること:直近7日・広告対象の商品の在庫切れの日・注文数のばらつき

よくある場面

停止を検討している競合の商品ページのACOSが、損益分岐をわずかに上回っている。

直近7日の売上は確定していないため、この7日間を評価の期間から除きます。広告対象の商品が在庫切れだった日も除いたうえで、ACOSが損益分岐を下回るのに必要な注文の増加が、注文数の偶然のばらつきの範囲に収まるかを確認します。

Amazon広告の商品ターゲティングで指定した競合の商品ページについて、指定の継続・停止を判断する前に、直近7日の未確定の売上、広告対象の商品の在庫切れの日、ACOSが損益分岐を下回るのに必要な注文の増加とばらつきの範囲の3点を確認することを示した図
偶然による注文数のばらつきの一般的な目安は、その件数の平方根程度。

直近7日の売上は、確定していない

公式ヘルプによると、出品者のスポンサープロダクト広告では、クリックから7日間の購入が売上に計上されます。購入は広告のクリックの日付で反映され、各日の指標はクリック後7日間の計上期間が終了するまで確定しないため、直近7日は評価の期間から除きます。

広告対象の商品が在庫切れの日は、広告が表示されない

公式ガイドによると、商品がおすすめ出品として表示され、広告の掲載資格を得るには、在庫が必要です。診断サンプルの架空の会社(K社)の例では、K社の商品(ステンレス保存容器 5点セット)が12か月のうち20日間(12月19日〜12月30日、3月24日〜3月31日)在庫切れでした。説明のため、この商品を競合の商品ページに表示する広告の広告対象と仮定すると、在庫切れの20日間は評価の期間から除きます。

ACOSが損益分岐を下回るのに必要な注文の増加を、ばらつきの目安と比較する

注文数は偶然によっても増減し、統計上、その変動幅の一般的な目安は注文数の平方根程度です。競合の商品ページ5の注文数は76件(説明用の架空の数字です)で、ばらつきの目安は約9件です。ACOSを損益分岐まで下げるのに必要な売上の増加額は約7,050円で、注文単価で注文数に換算すると約2件にとどまり、ばらつきの範囲内です。一方、競合の商品ページ1の注文数は27件で、ばらつきの目安は約5件ですが、必要な注文の増加は約160件で、その範囲を大きく超えます。

指定の継続と停止の4つの区分:継続・入札額を引き下げて継続・期間を延長して継続・指定の停止

よくある場面

指定を停止する競合の商品ページに、オートターゲティングのキャンペーンからも広告が表示されている。

ACOSが損益分岐を下回る競合の商品ページは、指定を継続します。上回る競合の商品ページは、購入率とクリック単価に応じて、指定の停止・入札額を引き下げて継続・期間を延長して継続に振り分けます。指定を停止した競合の商品ページに、オートターゲティング・カテゴリーの指定・拡張されたターゲティングで広告が表示されている場合は、除外商品ターゲティングを追加します。

Amazon広告の商品ターゲティングで指定した競合の商品ページを、ACOSと損益分岐の比較、購入率とクリック単価の水準、注文数のばらつきによって、継続・指定の停止・入札額を引き下げて継続・期間を延長して継続の4つに振り分けた図
振り分けの例は、診断サンプルのK社のもの(K社とクリック数・注文数はいずれも架空)。購入率とクリック単価は、同じキャンペーンの他の競合の商品ページと比較する。購入率が低い理由が販売条件の違いで、自社の条件を見直す予定がある場合は、見直し後の期間でACOSを再度比較する。

損益分岐の前後にある競合の商品ページ2・3・5は、いずれも配信を継続します。競合の商品ページ3は、ACOSが損益分岐を下回るのに必要な注文の増加(約9件)がばらつきの目安(約11件)の範囲内ですが、クリック単価が他の競合の商品ページより高いため、この記事では入札額を引き下げて継続に振り分けています。クリック単価は1,840回分の平均値であり、注文数ほど偶然に左右されないためです。入札額の引き下げ後は、「競合の商品ページごとの成果」の表にインプレッション数の列を加え、インプレッション数・クリック単価・ACOSの変化を確認します。

購入率が低い理由が販売条件の違いで、自社の価格や配送の条件を見直す予定がある場合は、指定を停止せず、見直し後の期間でACOSを再度比較します。

マニュアルターゲティングで個別に指定した商品は、その指定を停止します。オートターゲティング・カテゴリーの指定・拡張されたターゲティングでも同じ商品詳細ページに広告が表示されている場合は、除外商品ターゲティングにそのASINを追加します。公式ヘルプによると、除外商品ターゲティングは、商品ページのASINが一致する場合に、商品ターゲティングを設定した広告とオートターゲティングの広告を表示しないようにする機能です。適用範囲は、広告グループ単位で作成した場合は同じ広告グループの商品ターゲティングの指定(公式ヘルプの表記は商品属性ターゲット)とオートターゲティング、キャンペーン単位で作成した場合はキャンペーン内の全広告グループです。除外商品ターゲティングが有効になるまでには、96時間のバッファー期間があります。

指定を停止した後に確認すること

1点目は、検索ワードレポートに、停止した競合の商品ページのASINの行が残っていないことの確認です。バッファー期間の経過後もASINの行が残っている場合は、除外商品ターゲティングを設定したキャンペーンと広告グループを確認します。2点目は、広告対象の商品の全体の売上の変化です。停止すると、2件の広告経由の売上(合計199,058円。診断サンプルの架空の会社(K社)の例です)の一部が失われる可能性があるため、停止の前後で、広告によらない売上も含む全体の売上の変化をセラーセントラルで確認します。停止日から7日間は、それ以前のクリックによる購入が計上される可能性があるため、この期間は比較から除きます。3点目は継続した競合の商品ページの成果で、毎月、「競合の商品ページごとの成果」の表と同じ項目でACOS・購入率・クリック単価を確認します。

TAMKOのAmazon広告アカウント診断で確認すること

この記事で扱った、商品ターゲティングで指定した商品詳細ページごとの成果と、在庫切れなどで広告が表示されなかった日は、TAMKOのAmazon広告アカウント診断で毎回確認している項目です。診断ページでは、「費用と売上がずれやすい3つの場所」の1つに「競合の商品ページへの配信」を挙げ、「素材や価格帯の違う商品ページを指定すると、比べられても選ばれにくく、ACOSが損益分岐を超えやすい」と記載しています。

TAMKOのAmazon広告アカウント診断の確認項目のうち、オートとマニュアルのキャンペーンで表示された検索語句と商品ターゲティングで指定した商品ページ、広告の種類ごとのACOS、在庫切れなどで広告が表示されなかった日の3点を示した図
診断ページの確認項目のうち、この記事に関わる3項目(原文のまま引用)。

診断ページには、「現状の配分を続けてよいという判断も、診断の結論です。」「改善点には設定の手順を、続けてよい点にはその根拠を、判断できないものには検証の方法を添えます。」と記載しています。料金は、診断・報告書・説明会まで無料(毎月2社まで)です。

詳しくは、診断ページをご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q01商品ターゲティングで、競合の商品(ASIN)を指定できますか?

指定できます。

公式ヘルプによると、指定先は広告対象の商品と関連している必要があり、処方薬など一部の商品は指定できません。指定した後は、競合の商品ページごとにACOSを損益分岐ACOSと比較します。

Q02指定の停止と除外商品ターゲティングは、どの場合にどちらを使いますか?

マニュアルターゲティングで個別に指定した商品は指定を停止し、オートターゲティング・カテゴリーの指定・拡張されたターゲティングで広告が表示される商品詳細ページは、除外商品ターゲティングに追加します。

除外商品ターゲティングが追加後に有効になるまでには、96時間のバッファー期間があります。

Q03商品ターゲティングのACOSの目安はどの程度ですか?

公式の目安はありません。

手数料などを差し引いた利益率から損益分岐ACOSを算出し、競合の商品ページごとのACOSと比較することをおすすめします。

Amazon広告の商品ターゲティングでは、競合の商品ページごとに購入率とクリック単価を確認し、入札額の調整ではACOSの改善が見込めない指定を停止する|まとめ

商品ターゲティングの成果は、キャンペーン全体ではなく、指定した競合の商品ページごとのACOSを損益分岐と比較して判断します。ACOSが損益分岐を上回る競合の商品ページは、ACOSをクリック単価と1クリックあたりの売上に分解して原因を確認します。購入率が大幅に低く、理由が商品そのものの違いにある場合は、入札額の調整ではACOSの改善が見込めないため指定を停止します。クリック単価が高い場合は入札額を引き下げて継続し、ACOSが損益分岐を下回るのに必要な注文の増加が注文数のばらつきの範囲に収まる場合は、期間を延長して継続したうえでACOSを再度比較します。

この記事のポイント

  • 商品ターゲティングの成果は、キャンペーン全体ではなく、指定した競合の商品ページ(ASIN)ごとのACOSを損益分岐と比較して判断する。
  • 指定ごとの成果はターゲティングレポートで、実際に広告が表示された商品詳細ページは検索ワードレポートのASINの行で確認する。
  • ACOSはクリック単価÷1クリックあたりの売上。購入率が大幅に低い競合の商品ページは、入札額を大幅に引き下げなければACOSが損益分岐を下回らない。
  • 購入率が低い理由が素材や用途など商品そのものの違いにある場合は、指定を停止する。オートターゲティング・カテゴリーの指定・拡張されたターゲティングでは除外商品ターゲティングを使う。
  • 評価の期間からは直近7日と広告対象の商品の在庫切れの日を除き、ACOSが損益分岐を下回るのに必要な注文の増加が注文数のばらつきの範囲に収まる競合の商品ページは、期間を延長して継続する。