TAMKO
計測と評価

LinkedInのコンバージョンAPIでCRMの商談・受注を送信するかは、段階別の2週間あたりの件数と、問い合わせから発生までの日数で判断し、各段階を入札の最適化用と評価用に分ける

LinkedIn広告を経由して発生した商談や受注をLinkedInに送信できるコンバージョンAPIについて、自社で導入する価値があるかを判断できないことはありませんか。

代表的な状況は、次の3つです。

そこでこの記事では、LinkedInのコンバージョンAPIの仕様を公式ヘルプで確認したうえで、CRMの段階(リード、マーケティング・クオリファイド・リード(MQL)、セールス・クオリファイド・リード(SQL)、商談、受注)のうち、どの段階のコンバージョンを送信するかを、2週間あたりの件数と、問い合わせ(リードの獲得)から各段階が発生するまでの日数で判断する方法を説明します。設定の手順ではなく、送信する価値の有無の判断を扱います。例には、診断サンプルの架空の会社(N社)の数値と、説明用の架空の数値を用います。

この記事の対象は、LinkedIn広告を運用しているBtoB企業の担当者のうち、問い合わせ後の商談・受注をCRMで管理している方です。

TAMKOはLinkedIn広告アカウント診断において、InsightタグとコンバージョンAPIで問い合わせが正しく計測されているかを確認しています。この記事は、その診断で得た知見に基づいています。

【結論】LinkedInのコンバージョンAPIで送信する段階は、2週間あたりの件数と、リードの獲得からの日数で選ぶ

入札の最適化に用いる段階は、リードの獲得から30日以内に送信できること(公式ヘルプの条件)と、2週間で5件以上発生すること(公式ヘルプの推奨)を基準に選びます。それ以外の段階は広告セットの評価に用い、広告のクリックから発生まで90日を超える段階は、180日・365日のコンバージョンウィンドウを選択できる種類で送信します。

LinkedInのコンバージョンAPIで送信するCRMの商談・受注の用途の判断:2週間あたりの件数とリードの獲得からの日数に応じて、入札の最適化と評価に用いる段階と、広告セットの評価に用いる段階に分かれること、広告のクリック・表示から365日を超えて発生した成果はLinkedIn広告に紐付かないことを示した図
30日以内の送信は候補リードの最適化目標の条件、2週間で5件以上は同じ最適化目標について公式ヘルプが推奨する件数、365日はコンバージョンウィンドウの上限である。30日の起点は公式ヘルプに記載がないため、この記事ではリードの獲得からとする。

コンバージョンAPIで送信した成果は、キャンペーンマネージャーのレポートに加え、入札の最適化(広告セットの最適化目標として、そのコンバージョンを用いること)にも用いられます。ただし、公式ヘルプが示す、入札の最適化に用いるための条件と推奨(候補リードの最適化目標では、30日以内の送信が条件、2週間で5件以上の送信が推奨)は、段階によっては満たせません。候補リードの最適化目標は、日本語のヘルプの題名では「適格リード最適化目標」と訳されています。判断と確認は次の順に行います。

  1. CRMの段階ごとに、LinkedIn広告から発生した件数を2週間あたりに換算する
  2. 段階ごとに、問い合わせ(リードの獲得)から発生までの日数を集計する
  3. 条件を満たす段階は入札の最適化と評価に、それ以外は評価に用いる
  4. 送信開始後、ステータスとマッチ率・関連付けた広告セット・アトリビューションモデルを確認し、キャンペーンマネージャーとCRMの件数の差を把握する

LinkedInのコンバージョンAPIとは:自社のサーバーやCRMから、Webサイト外で発生した成果も送信できる仕組み

よくある場面

問い合わせはInsightタグで計測しているが、商談・受注の記録はCRMにのみあり、商談の発生元の広告セットをキャンペーンマネージャーで確認できない。

コンバージョンAPIは、自社のサーバーやCRMからLinkedInにコンバージョンを送信する仕組みです。Insightタグでは計測できないWebサイト外の成果(商談・受注など)も、メールアドレスなどの識別子によってLinkedInのメンバーと照合され、広告セットに紐付けられます。

LinkedInのInsightタグとコンバージョンAPIの違い:送信元(ブラウザとサーバー)、計測できる成果の範囲(Webサイト上の行動と、商談・受注などWebサイト外の成果)、メンバーの識別方法(Cookieと識別子)を比較した図
商談・受注の記録はCRMにのみあるため、LinkedInへの送信方法は、コンバージョンAPIとCSVファイルのアップロードのいずれかに限られる。

公式ヘルプによると、広告主はコンバージョンAPIでオンラインとオフラインの両方のデータをLinkedInに送信し、Webサイトでの行動や電話による販売などに対する広告の影響を確認できます。実装の方法は次の2つです。

  • パートナー連携:HubSpot・Salesforce Data 360・Zapierなどの外部ツールを利用する。開発者の負担は小さいが、利用料金が発生する場合がある
  • 直接統合(Direct API):自社の開発者が連携の仕組みを構築する。実装には平均2〜4週間を要し、継続的な保守が必要となる

照合に用いる識別子は、SHA-256でハッシュ化したメールアドレス、LinkedInのクリックID(li_fat_id)、リード獲得フォームの回答ID、氏名などです(Microsoft Learnの開発者向けドキュメント)。照合されたイベントのみが、アトリビューションと入札の最適化に用いられます。クリックIDは、Insightタグの強化コンバージョントラッキングを有効にすると、ランディングページのURLに付加されます。問い合わせの時点でクリックIDをCRMに保存すれば、後日の商談・受注の送信時に識別子として利用できます。なお、顧客のデータをLinkedInと共有するために必要な許可を得ることは、広告主の責任とされています。

Insightタグで計測している問い合わせをコンバージョンAPIでも送信する場合は、二重計上を防ぐため、イベントIDによる重複排除の設定が必要です。CRMにのみ記録がある商談・受注では、この二重計上は生じません。Meta広告のコンバージョンAPIで購入が二重に計上されていないかを確認する方法は、「Meta広告のコンバージョンAPIの二重計上を、注文数と照らして確認する方法」で説明しています。

商談・受注の送信時に選ぶコンバージョンの種類:候補リード・購入と、選択できるコンバージョンウィンドウ

よくある場面

HubSpotの商談をLinkedInに送信する設定は完了しているが、割り当てられたコンバージョンの種類が適切かを判断できていない。

LinkedInのコンバージョンの種類に、商談・受注という名称のものはありません。商談は「候補リード」、受注は「購入」として送信すれば、コンバージョンウィンドウに180日・365日を設定できます。HubSpotの既定の対応付けでは商談がREQUEST_QUOTEとなり、この種類ではこれらの期間を選択できません。

LinkedInのコンバージョンAPIでCRMの各段階を送信する際のコンバージョンの種類:リード、MQL・SQL、商談、受注に対応する種類と、180日・365日のコンバージョンウィンドウの選択可否を示した図
商談に対応する種類は、LinkedInのコンバージョンの種類にない。送信時の種類によって、選択できるコンバージョンウィンドウと、候補リードの最適化目標の対象となるかが異なる。

公式ヘルプに記載されたコンバージョンの種類のうち、BtoB企業のCRMの段階に関係するのは、リード(フォームへの入力など)、候補リード(適格なリードとして識別されたリード)、購入、その他です。コンバージョンウィンドウは1日・7日・30日・90日から選択でき、既定はクリック90日・閲覧90日です。販売サイクルが長い場合などに向けて、コンバージョンAPIまたはCSVファイルで送信する一部の種類(応募を送信・購入・カートに追加・候補リード・マーケティング候補リード・セールスクオリファイドリード・リード)に限り、180日または365日も選択できます。「その他」はこの一部の種類に含まれません。

HubSpotとの連携(HubSpot Marketing Hub ProfessionalとEnterpriseで利用可能)では、ライフサイクルステージが次の種類に既定で対応付けられます。

HubSpotのライフサイクルステージ既定の種類180日・365日の選択
リード(Lead)LEAD(リード)可
マーケティング・クオリファイド・リード(Marketing Qualified Lead)QUALIFIED_LEAD(候補リード)可
セールス・クオリファイド・リード(Sales Qualified Lead)QUALIFIED_LEAD(候補リード)可
商談(Opportunity)REQUEST_QUOTE(日本語のヘルプの種類の一覧にない)不可(180日・365日を選択できる種類の一覧にない)
顧客(Customer)PURCHASE(購入)可

この表の「180日・365日の選択」の列は、Microsoft Learnの開発者向けドキュメントの一覧と照合したものです(REQUEST_QUOTEは一覧にない)。広告のクリック・表示から商談の発生まで90日(既定のコンバージョンウィンドウ)を超える場合は、キャンペーンマネージャーでコンバージョンルールを編集し、種類を変更します。候補リードに変更した商談のコンバージョンは、候補リードの最適化目標にも利用できます。

件数による判断:段階別の2週間あたりの件数を、公式ヘルプの推奨値(5件以上)と比較する

よくある場面

受注をLinkedInに送信して入札の最適化に活用したいが、件数は月に1件前後にとどまっている。

段階ごとに、LinkedIn広告から発生した件数を2週間あたりに換算し、候補リードの最適化目標で公式ヘルプが推奨する基準(5件以上)と比較します。診断サンプルの架空の会社(N社)の例では、2週間あたりの件数は資料DLが13.5件、問い合わせが3.1件です。問い合わせから発生する商談と受注は、いずれも5件に達しません。

LinkedInのコンバージョンAPIで送信する段階別の件数の比較:架空の会社N社の2週間あたりの件数(資料DL 13.5件、問い合わせ3.1件、受注0.5件)と、候補リードの最適化目標で公式ヘルプが推奨する基準(5件以上)を示したグラフ
各値は12か月の件数を26で割ったもの。受注は、問い合わせ数に仮の受注率15%を乗じて算出した(診断サンプルの架空の会社N社の例)。

公式ヘルプによると、候補リードの最適化目標を設定した広告セットには2週間の学習フェーズがあり、学習を早めるため、この期間内に5件以上の候補リードを送信することが推奨されています。5件は必須の条件ではなく推奨ですが、他の段階を入札の最適化に用いることができるかを判断する目安にもなります。

N社(診断サンプルの架空の会社)における12か月間(2025年10月〜2026年9月)の件数は、資料DLが351件、問い合わせ(広告クリック後)が81件です。資料DLと問い合わせは、CRMの段階ではリードに当たります。2週間あたりに換算すると、資料DLは13.5件(351÷26)、問い合わせは3.1件(81÷26)です。問い合わせから発生する商談は、この件数を上回りません。受注は、N社で問い合わせ単価の上限を算定する前提として設定した仮の受注率15%で計算すると、12か月で約12件(81×15%)、2週間あたり0.5件です。

N社で推奨の5件に達する可能性があるのは、資料DLのうち候補リード(MQLなど)と判定したものです。2週間あたり5件に達するには、資料DLの約37%(12か月で130件÷351件)が候補リードに該当する必要があります。N社は資料DLを、目的をリード獲得にした、リード獲得フォームを用いるドキュメント広告の広告セットで獲得しており、候補リードの最適化目標の前提に合致しています。なお、照合されなかったイベントはアトリビューションと入札の最適化の対象外となるため、LinkedInで利用される件数はCRMの件数を下回ります。

評価に用いる場合も、件数が少ない広告セットは期間を通算して判断する

件数をnとした場合のばらつきの目安は±1/√nであり、N社の受注(仮の受注率で計算した12か月の約12件。診断サンプルの架空の会社の例)では、12か月を通算しても±29%程度となります。広告セット別に分けると件数はさらに減少するため、受注1件あたりの費用の差は期間を通算して判断します。必要な件数の考え方は「LinkedIn広告の費用が高い原因を特定する方法|クリック単価と問い合わせ単価を分解」で説明しています。

日数による判断:リードの獲得から30日以内の送信、発生から90日以内の送信期限、最長365日のコンバージョンウィンドウ

よくある場面

受注の多くは問い合わせから3か月以上後に発生するため、送信してもLinkedIn広告に紐付けられるかを判断できない。

日数に関する期限は3つあります。候補リードを入札の最適化の対象とするには、リードの獲得から30日以内に送信する必要があります。また、コンバージョンAPIで送信できるのは、発生から90日以内のイベントに限られます。広告のクリック・表示から発生までの日数がコンバージョンウィンドウ(最長365日)を超えた成果は、広告に紐付きません。

LinkedInのコンバージョンAPIで商談・受注を送信する際の3つの期限:候補リードを入札の最適化の対象とするためのリードの獲得から30日以内の送信、イベントの発生から90日以内の送信、最長365日のコンバージョンウィンドウを示した図
30日と90日は送信時期の期限、365日は広告への接触から成果までの日数の上限である。30日の起点は公式ヘルプに記載がないため、この記事ではリードの獲得からとする。

30日と90日は、いずれもLinkedInへの送信時期に関する期限です。公式ヘルプには、候補リードのデータは30日以内に共有しないと広告セットの最適化に含まれないと記載されています。30日の起点は明記されていないため、この記事では、リードの獲得から30日以内に判定・送信できるかを基準とします。90日は、イベントの発生(CRMで段階が更新された日)から送信までの期限です。Microsoft Learnの開発者向けドキュメントでは、イベントの発生日時は過去90日以内である必要があるとされています。導入前に発生した受注も発生から90日以内であれば送信できますが、90日を超えた受注は後から一括で送信できないため、CRMで段階が更新されるたびに送信する運用が必要です。公式ヘルプのベストプラクティスでも、リアルタイムでの送信が推奨されています。

365日は、広告のクリック・表示から成果の発生までの日数の上限です。問い合わせから商談・受注の発生までの日数は、CRMで次の手順で集計します。

  1. LinkedIn広告から発生した商談・受注を抽出する
  2. 問い合わせ日(リードの獲得日)から、商談化日・受注日までの日数を算出する
  3. 30日以内・90日以内・365日以内に発生した割合を、段階別に集計する

広告のクリックは問い合わせより前に発生するため、クリックから数えた日数は、問い合わせから数えた日数より長くなります。365日以内に発生した割合を評価する際は、この差を考慮します。

段階日数の中央値30日以内の発生割合90日以内の発生割合365日以内の発生割合
商談12日85%98%100%
受注140日5%30%90%

この例では、商談の85%が問い合わせから30日以内に発生するため、速やかに送信すれば、候補リードとして入札の最適化の対象にできる可能性があります。一方、90日以内に発生する受注は30%にとどまるため、既定の90日のコンバージョンウィンドウでは7割以上が広告に紐付きません。そのため受注は、365日を選択できる種類(購入)で送信します。

送信対象とする段階の選定:入札の最適化用と評価用に分ける

よくある場面

受注の件数は少ないが、送信すれば受注見込みの高いメンバーに広告が配信されると想定している。

2週間あたりの件数(5件以上か)と、リードの獲得から30日以内に送信できるかの2つの基準で4つの枠に分け、両方を満たす枠の段階のみを入札の最適化と評価に、それ以外の枠の段階は評価に用います。N社の例では、受注は評価に用い、入札の最適化への利用を検討できるのは、資料DLのうち候補リードと判定したものです。

LinkedInのコンバージョンAPIで送信する段階の選定:2週間あたりの件数(5件以上か)とリードの獲得から30日以内の送信可否の2軸で4つの枠に分け、両方を満たす枠の段階のみを入札の最適化に用いることを示したマトリクスの図
両方の条件を満たす段階のみを入札の最適化に用い、それ以外の段階は広告セットの評価に用いる。5件は公式ヘルプの推奨である。

段階のコンバージョンを入札の最適化に用いる場合は、公式ヘルプに記載された次の2点に留意します。

  • 候補リードの最適化目標を設定する広告セットでは、目的にリード獲得を選び、候補リードのコンバージョンはイベントソース1つ(コンバージョンAPIか、ビジネスマネージャーを通じたCRM同期のどちらか)から指定する。両方から送信すると、重複して計上される可能性がある
  • 候補リードの単価が低下する一方で、リード単価は上昇する可能性がある。公式ヘルプは、リード単価よりも候補リードの単価とリードの質を重視するよう推奨している

評価に用いる段階の成果は、キャンペーンマネージャーで広告セット別のコンバージョン数とコンバージョン単価を確認します。これらの指標は、そのコンバージョンを関連付けた広告セットでのみ表示されます。リード獲得フォームの設計ごとの成果を、商談1件あたりの費用で比較する方法は、「LinkedInのリード獲得フォームの項目と質問の決め方|完成率と商談化率で比較する」で説明しています。

N社(診断サンプルの架空の会社)の例では、問い合わせを獲得する広告セットの目的は「Webサイトのコンバージョン」で、問い合わせはN社全体でも2週間あたり3.1件です。そのため、商談・受注は評価に用い、入札の最適化に用いる段階は変更しません。資料DLを獲得するドキュメント広告の広告セットでは、候補リードと判定した資料DLが2週間で5件以上となり、リードの獲得から30日以内に送信できる場合に、候補リードの最適化目標の採用を検討します。

送信開始後の確認事項:ステータスとマッチ率・関連付けた広告セット・アトリビューションモデル・CRMとの件数の差

よくある場面

コンバージョンAPIでCRMの商談の送信を開始したが、キャンペーンマネージャー上の件数がCRMの件数を下回っている。

キャンペーンマネージャーの件数は、照合されたイベントのうち、コンバージョンウィンドウ内に、関連付けた広告セットの広告に接触していたものに限られるため、CRMの件数とは一致しません。送信開始後は、ステータスとマッチ率、関連付けた広告セット、アトリビューションモデルを確認し、件数の差の理由を把握します。

LinkedInのコンバージョンAPIで商談・受注の送信を開始した後の確認手順:ステータスとマッチ率、関連付けた広告セット、アトリビューションモデル、CRMの件数との比較の4つの確認を示した図
キャンペーンマネージャーの件数は、照合とアトリビューションを経た値である。CRMの件数との差が、01〜03の3点で説明できるかを確認する。

01 ステータスとマッチ率:[ステータス]列の「アクティブ」をクリックすると、過去7日間に検出されたイベントの数とマッチ率などを確認できます。Direct APIの統合では、マッチ率が低い場合に「アクティブ: マッチ率低」と表示されます。

02 関連付けた広告セット:コンバージョンは、関連付けた広告セットでのみ計測されます。HubSpotとの連携では、広告アカウントのアクティブ・下書き・一時停止中の広告セットのすべてが既定で関連付けられます。連携後に作成した広告セットについても、商談・受注のコンバージョンが関連付けられているかを確認します。

03 アトリビューションモデル:「ラストタッチ - 各広告セット」では、コンバージョンウィンドウ内にメンバーが広告に接触したすべての広告セットにコンバージョンが計上されるため、広告セット別の件数の合計がCRMの件数を上回ることがあります。合計値で評価する場合は、「ラストタッチ - 最後の広告セット」を選択します。

04 CRMの件数との比較:CRMの件数には、照合されなかったイベントや、コンバージョンウィンドウ外で発生した成果も含まれるため、キャンペーンマネージャーの件数がCRMの件数を下回ること自体は異常ではありません。確認すべきは、キャンペーンマネージャーの件数をCRMの件数で割った比率の月次推移です。公式ヘルプには、イベント量の急減は計測上の問題を示すと記載されています。比率が急減した月については、送信の停止や識別子の欠落の有無を確認します。

LinkedIn広告アカウント診断では、InsightタグとコンバージョンAPIで問い合わせが正しく計測されているかを確認する

問い合わせの計測は、TAMKOが実施するLinkedIn広告アカウント診断の確認項目の1つで、TAMKOは診断ページでこの項目を「サイトに置く計測タグ(Insightタグ)とサーバーから送る仕組み(コンバージョンAPI)で、問い合わせが1回ずつ正しく数えられているか」と説明しています。

LinkedIn広告アカウント診断の確認項目のうち、この記事に関わる「問い合わせの計測(InsightタグとコンバージョンAPI)」に印を付けた図
診断ページに掲載している確認項目(文言は同ページの記載のとおり)。この記事で扱うコンバージョンAPIは1つ目、コンバージョンウィンドウは2つ目の項目に関わる。

診断ページには、アカウントの権限について「閲覧のみの権限で拝見し、診断のあいだ設定には触れません。」、診断の結論について「現状の配分を続けてよいという判断も、診断の結論です。」「改善点には設定の手順を、続けてよい点にはその根拠を、判断できないものには検証の方法を添えます。」と記載しています(いずれも診断ページより引用)。料金は「診断・報告書・説明会まで無料(毎月2社まで)」です。詳細は診断ページをご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q01過去に発生した商談・受注を、コンバージョンAPIで一括して送信できますか?

送信できるのは、発生から90日以内のイベントです(Microsoft Learnの開発者向けドキュメント)。

導入前に発生した商談・受注も90日以内であれば送信できますが、発生から90日を超えたものは対象外です。CSVファイルのアップロードで受け付けられる期間は、キャンペーンマネージャーで確認してください。

Q02HubSpotと連携した場合、商談はどのコンバージョンの種類で送信されますか?

既定では、HubSpotのライフサイクルステージのうち商談(Opportunity)はREQUEST_QUOTE、顧客(Customer)はPURCHASEの種類のコンバージョンとして作成され、送信されます。

種類は、キャンペーンマネージャーでコンバージョンルールを編集して変更できます。なお、公式ヘルプは、HubSpotと連携する場合、コンバージョンの作成をキャンペーンマネージャーではなくHubSpot側で行うよう推奨しています。

Q03リード獲得フォームで獲得したリードが商談化した場合も、その商談をコンバージョンAPIで送信できますか?

送信できます。識別子に、リード獲得フォームの回答ID(leadGenFormResponse)を利用できます。

このIDは、キャンペーンマネージャーの画面またはLead Sync APIで取得できます(Microsoft Learnの開発者向けドキュメント)。

Q04受注のコンバージョンが「非アクティブ」と表示される原因は、設定の誤りですか?

設定の誤りとは限りません。「非アクティブ」は、最後のイベントの受信から7日以上経過したことを示します。

受注のように発生頻度の低い成果では、受注のない期間にこの表示となります。公式ヘルプのHubSpot統合の項目にも、成果の発生頻度を踏まえてステータスを判断するよう記載されています。CRMで受注が記録された日に、イベントが送信されているかを確認してください。

LinkedInのコンバージョンAPIで送信する商談・受注は、件数と日数に応じて入札の最適化用と評価用に分ける|まとめ

LinkedInのコンバージョンAPIを利用すると、CRMの商談・受注を広告セットに紐付けられます。入札の最適化に用いる段階は、リードの獲得から30日以内に送信できること(条件)と、2週間で5件以上発生すること(推奨)を基準に選びます。それ以外の段階は広告セットの評価に用い、広告のクリックから発生まで90日を超える段階は、180日・365日のコンバージョンウィンドウを選択できる種類(候補リード・購入など)で送信し、期間を通算して評価します。送信できるのは発生から90日以内のイベントに限られるため、段階が更新されるたびに送信し、キャンペーンマネージャーとCRMの件数の比率の推移で計測の状態を確認します。

この記事のポイント

  • LinkedInのコンバージョンAPIでは、自社のサーバーやCRMから、Webサイト外で発生した商談・受注も送信できる。照合されたイベントのみがアトリビューションと入札の最適化に用いられる。
  • コンバージョンの種類に商談・受注はない。商談は候補リード、受注は購入として送信すれば、コンバージョンウィンドウに180日・365日を設定できる。HubSpotの既定(商談=REQUEST_QUOTE)では、これらの期間を選択できない。
  • 入札の最適化に用いる段階は、リードの獲得から30日以内に送信できること(候補リードの最適化目標の条件)と、2週間で5件以上発生すること(同じ最適化目標の推奨)を基準に選ぶ。
  • コンバージョンAPIで送信できるのは発生から90日以内のイベントに限られ、90日を超えた受注は対象外となる。
  • キャンペーンマネージャーの件数はCRMの件数と一致しない。ステータス・関連付けた広告セット・アトリビューションモデルを確認し、キャンペーンマネージャーの件数をCRMの件数で割った比率の月次推移で、計測の状態を確認する。