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P-MAX

P-MAXの配信面ごとの費用と成果は、どの順番で読むか|チャネルのパフォーマンス レポートの見方

P-MAXの費用がどの配信面に使われているのかを把握しないまま、キャンペーン全体のROASだけで継続か停止かを判断していないでしょうか。

たとえば、月の費用は前月とほぼ同じでも、ある月から費用の多くがYouTubeやディスプレイに配分され、検索の比率が下がっていることがあります。キャンペーン全体の合計しか見ていなければ、この変化には気づけません。

そこでこの記事では、P-MAXの配信面(チャネル)ごとの費用と成果を「チャネルのパフォーマンス」レポートで確認する手順、月ごとに並べて比較する方法、そして配信面の平均の数字だけで判断しない理由を、Google広告ヘルプの説明をもとに整理します。

Google広告を自社で運用している担当者の方や、運用を任せていてP-MAXの中身を自分でも確認したい担当者の方に向けた記事です。

Google広告のアカウント診断を提供している立場から、P-MAXを読むときの順番をまとめました。

【結論】P-MAXの配信面は「キャンペーン全体→チャネル→月ごとの比較」の順で読む

P-MAXの配信面ごとの数字は、最初にキャンペーン全体が目標を満たしているかを確認し、次に「チャネルのパフォーマンス」レポートで費用と成果がどの配信面に配分されたかを見て、最後に月ごとに並べて配分の変化を読む、という順番で扱います。

3段の中身は次のとおりです。

  1. キャンペーン全体:目標を満たしているかを確認する。目標は売上ではなく、ECなら値引き後の粗利、リード獲得なら商談につながる問い合わせで置く
  2. チャネル:費用と成果がどの配信面に配分されたか、配信されていない配信面に設定上の問題がないかを確認する
  3. 月ごとの比較:配分が月ごとにどう変わったかを、キャンペーンの変更履歴と並べて読む

全体を先に見るのは、P-MAXが配信面ごとに予算を割り当てて運用するキャンペーンではないからです。1つのキャンペーンの目標に向けて、入札が配信面をまたいで行われます。そのため配信面ごとの数字は、キャンペーン全体の成果を分解した内訳として読むのが基本になります。

あわせて、この記事では次の2点を扱います。1つは、配信面1つの平均ROASだけで、その配信面を減らす・停止するという判断をしないこと。もう1つは、配信先(プレースメント)レポートを成果の判断に使わないことです。どちらも後半の見出しで理由を説明します。

P-MAXの配信面(チャネル)の種類と、費用が配分される仕組み

P-MAXの配信面は、検索、マップ、YouTube、Google ディスプレイ ネットワーク、Discover、Gmail の6つです。どの配信面にいくら使うかは広告主が配信面ごとに指定するものではなく、設定した目標と入札に沿って自動で決まります。

Google広告ヘルプの定義を要約すると、各チャネルの配信先は次のとおりです。

チャネル主な配信先
検索Google.com、Google 検索アプリ(Discover フィードを除く)、検索パートナー。Google マップ検索と YouTube 検索は含まない
マップGoogle マップ、Waze
YouTubeYouTube に配信されるすべての広告。動画広告のほか、YouTube 検索結果のテキスト広告やホームフィードのイメージ広告も含む
Google ディスプレイ ネットワークサイトとアプリ。Gmail と YouTube は別のチャネルとして扱うため含まない
DiscoverDiscover フィード
Gmailユーザーの Gmail アカウント

チャネルのパフォーマンス レポートの分布表では、検索パートナーが別の行として表示されます。

費用の配分は、P-MAXの入札の結果として決まります。ヘルプによると、P-MAXはコンバージョンの見込みに基づいてオークションごとに入札し、成果が高いと見込まれる広告枠に予算を自動で配分します。つまり「どの配信面に配信されたか」は事前に決める項目ではなく、配信後に結果として確認するものです。配信面ごとの数字は、設定の当否を示す採点表というより、入札がどの配信面を選んだかの記録として読みます。

ショッピング広告は「チャネル」ではなく「商品データを使用する広告」として見る

Merchant Center の商品データを使う広告は、チャネルとは別の「フォーマット」という区分で集計されます。Google 検索・YouTube 検索・マップ・検索パートナーのショッピング広告や、Google ディスプレイ ネットワークの動的リマーケティングが該当します。1つのチャネルの中に、商品データを使う広告とそれ以外の広告が混在しているということです。

ECで「ショッピング広告にいくら使ったか」を把握したい場合は、チャネルの行を見るのではなく、チャネル分布表に「商品データを使用する広告」のセグメントを追加して確認します。なお、YouTube と Discover で商品を表示する動画広告と、Gmail で商品データを使うその他のフォーマットは、執筆時点ではこの区分に含まれていないとヘルプに記載があります。

配信面ごとの費用と成果は「チャネルのパフォーマンス」レポートで確認する

配信面ごとの費用・コンバージョン数・コンバージョン値は、P-MAXキャンペーンの「チャネルのパフォーマンス」レポートで確認できます。管理画面の[キャンペーン]→[分析情報とレポート]→[チャネルのパフォーマンス]の順に開きます。

表示できる期間には制約があり、日付選択ツールで選べるのは2025年6月6日以降のデータです。表のツールバーの[ダウンロード]でチャネル分布表を書き出せます。複数のセグメントを含めて書き出す場合は、[ダウンロード]→[その他のオプション]の順に選びます。2025年11月のGoogle広告の公式ブログでは、このレポートがすべてのP-MAXキャンペーンで利用できるようになったこと、検索パートナーがレポートに加わることが告知されています。

① パフォーマンスの概要→ 全体が目標を満たすかROAS目標値コンバージョン値費用② 目標に対するチャネルの貢献度のグラフ→ どこに配分されたか費用成果③ チャネル分布表→ 詳細と配信されない理由チャネル費用コンバージョン値ステータス検索有効YouTube必須アセットが不足
チャネルのパフォーマンス レポートの3つの区画を示す模式図。上から「パフォーマンスの概要」「目標に対するチャネルの貢献度のグラフ」「チャネル分布表」。実際の管理画面ではなく、配置の説明用の図です。

3つの区画で見るもの(概要・貢献度のグラフ・チャネル分布表)

レポートは3つの区画でできています。読む順番の「全体→チャネル」は、この区画を上から順に見ることとほぼ重なります。

区画表示される内容ここで確認すること
パフォーマンスの概要キャンペーン単位の実際のROAS(またはアクション単価)、平均の目標値、インタラクション数、コンバージョン数、コンバージョン値、費用キャンペーン全体が目標を満たしているか
目標に対するチャネルの貢献度のグラフチャネルごとの主要な指標。「チャネル」「フォーマット」「コンバージョン」の3つのプルダウンで表示を絞り込める費用と成果がどの配信面に配分されたか
チャネル分布表すべての指標の列とステータス列。[分類]からセグメントを追加できる配信面ごとの詳細の数字と、配信されていない理由

3つ目のプルダウン「コンバージョン」には注意が要ります。[コンバージョン]を選ぶと、キャンペーンの最適化で重視しているコンバージョンが表示されます。[結果]を選ぶと、最適化の対象にしていない目標も含めたすべての目標のコンバージョンが表示されます。月ごとや配信面どうしで比べるときは、どちらを見ているのかを毎回揃えてください。

もう1つ、店舗に誘導したオフラインのコンバージョンはチャネル単位には分かれず、まとめて[合計コンバージョン数]の列に集計されます。実店舗の来店を目標に含めている場合、配信面ごとの数字には店舗の成果が入っていない点を前提に読みます。

ステータス列で「配信されていない理由」を確認する

費用がほとんど発生していない配信面があるとき、最初に見るのはチャネル分布表の[ステータス]列です。表示されるステータスは次の4つです。

ステータス意味(ヘルプの説明)
有効チャネルに問題はない
有効(制限付き)広告を表示できる場所とタイミングを制限している問題がある
無効チャネルに広告を表示できない
必須アセットが不足していますチャネルにネットワーク固有のアセットがない

ステータスにカーソルを合わせると詳細と解決方法が表示され、[チャネルの診断結果を表示]からさらに詳しい説明を開けます。ヘルプが挙げる診断の例には、商品フィードや Merchant Center アカウントの問題、動画アセットがないこと、最終ページ URL の拡張が有効になっておらず検索での配信が制限されていること、マップに広告を表示するための住所アセットがないこと、予算による制限などがあります。

ここで分けておきたいのは、配信されていない理由が「設定側の不足」なのか「入札の結果」なのかです。ステータスに問題が出ていれば、まず設定を確認して修正します。一方、問題がないのに費用が発生していない配信面について、ヘルプは、その時点でより高い費用対効果が見込めるチャネルをP-MAXが優先している可能性があると説明しています。後者は設定の不備ではないため、修正の対象にはなりません。

配信面ごとの平均ROASだけで、配信面を判断しない理由

配信面ごとの平均ROASは、その配信面を減らす・停止するという判断の根拠としては不十分です。Google広告ヘルプは、平均の費用対効果が低いチャネルでも個々のオークションでは最も高い成果が見込める場合があり、特に短期間で1つのチャネルの平均を見ても全体像は分からないと説明しています。

「平均の費用対効果」と「限界の費用対効果」は違う

平均と限界がずれる例を、説明用の架空の数字で示します。検索チャネルの平均ROASが8.0で、ディスプレイ ネットワークの平均ROASが2.0だったとします。平均だけを見ると、ディスプレイの費用を検索に移せば成果が増えるように見えます。しかし、検索ではすでに見込みの高い検索語句の需要をほぼ獲得していて、次の1万円で増える売上が1.5万円(追加分のROAS 1.5)しかない一方、ディスプレイでは次の1万円で2.5万円(追加分のROAS 2.5)が見込める、ということが起こり得ます。この場合、平均の高い検索へ費用を移すほど、キャンペーン全体の成果は下がります。

0.02.04.06.08.0ROAS8.01.5検索2.02.5ディスプレイ ネットワーク平均のROAS追加の1万円で増える分のROAS説明用の架空の数字
配信面ごとの「平均のROAS」と「追加の1万円で増える分のROAS」を並べた棒グラフ。検索は平均8.0・追加分1.5、ディスプレイは平均2.0・追加分2.5。説明用の架空の数字で、実際のアカウントの値ではありません。

実際のアカウントでは、追加分のROASはレポートに表示されません。だからこそ、平均の数字が低いことは「その配信面が無駄である」ことの根拠にならず、判断の材料の1つとして扱います。

判断の単位は、まずキャンペーン

では何を判断の単位にするか。最初はキャンペーンです。キャンペーン全体の成果を、売上ではなく粗利で見て、損益分岐を上回っているかを確認します。

以下は、診断サンプルの架空の会社(B社・アウトドア用品のEC)の例です。B社は粗利率35%で、損益分岐ROASは2.9です。

キャンペーン(B社・9月)費用売上ROAS損益分岐ROAS 2.9との比較
P-MAX_メイン62,000円820,000円13.2大きく上回る
P-MAX_ポータブル電源50,000円70,000円1.4下回る

診断サンプルの架空の会社(B社)の例です。実在の会社の数字ではありません。

この例で先に判断の材料になるのは、P-MAX_ポータブル電源がキャンペーンとして損益分岐を下回っていることです。配信面の内訳を見るのは、その次の段階です。反対に P-MAX_メイン はキャンペーン全体で損益分岐を大きく上回っているため、内訳のどれか1つの配信面の平均ROASが低くても、それだけで配信面を減らす理由にはなりません。

検索チャネルのROASが他の配信面より高く出るのは、よくあることです。ただし、その中にはブランド名や商品名での検索(指名検索)からの成果が含まれています。指名検索で来る人は、広告が無くても自然検索の結果から購入した可能性があるため、検索チャネルの高いROASをそのまま配信面の実力として読むことはできません。

診断サンプルの架空の会社(B社)の例では、P-MAX_メイン の役割は「指名・商品の受け皿」で、指名の検索で広告が表示された割合は88%でした。このような構成のP-MAXでは、配信面どうしを比べる前に、検索語句の分析情報で指名検索の比率を確認しておく必要があります。確認の手順は「P-MAXが指名検索を拾っていないかの確認方法」の記事で扱っています。

コンバージョンの定義が混ざっていると配信面の比較が成り立たない

もう1つの前提は、比べているコンバージョンが同じものかどうかです。購入のほかに、会員登録やカートへの追加など購入以外のアクションもコンバージョンとして最適化の対象に入っていると、配信面によって稼いでいるコンバージョンの中身が変わります。たとえばある配信面は購入、別の配信面はカートへの追加が中心、という状態では、コンバージョン数やROASを並べても同じ基準の比較になりません。どのアクションを最適化の対象にしているかの整理は「コンバージョンに購入以外が混ざると何が起きるか」の記事にまとめています。

月ごとの比較で、チャネル構成の変化を読む

配分の変化は、レポートの時系列グラフと、月ごとに書き出した分布表を並べて読みます。チャネルの構成はアセット・顧客の需要・競合状況によって変わるため、変更履歴と照らして原因の候補を挙げ、1つの施策の結果と決めつけないことが前提です。

チャネルのパフォーマンス レポートには時系列グラフがあり、[貢献度]グラフで各チャネルがキャンペーン全体の結果にどう貢献してきたかを時間の経過とともに確認できます。チャネルを1つ選ぶと、クリック数やコンバージョン数などの指標の推移を1つのグラフで比較できます。ヘルプは、コンバージョンの不足が特定のチャネルで新たに起きたことなのか、以前からのパターンなのかを見分ける用途も挙げています。

時系列グラフは画面で傾向を見るのに向いていますが、月をまたいで数字を並べるには、分布表を月ごとに書き出して1枚の表にまとめる方法が扱いやすくなります。列を月、行をチャネルごとの費用比率と成果比率にし、最下行にその月の主な変更を書いておきます。

項目7月8月9月
検索:費用の比率58%46%44%
検索:コンバージョン値の比率71%63%61%
YouTube:費用の比率12%24%25%
YouTube:コンバージョン値の比率5%9%10%
ディスプレイ ネットワーク:費用の比率20%20%21%
ディスプレイ ネットワーク:コンバージョン値の比率17%18%19%
その他のチャネル:費用の比率10%10%10%
その他のチャネル:コンバージョン値の比率7%10%10%
その月の主な変更なし8月5日に動画アセットを3本追加9月10日に目標ROASを変更

説明用の架空の数字です。実在のお客さまのアカウントの値ではありません。

この表なら、8月から費用の比率が検索からYouTubeへ移ったこと、その時期が動画アセットの追加と重なることが一目で読めます。ただし、重なっていることは原因の候補であって、原因の確定ではありません。

変更履歴と並べて、構成が変わった理由の候補を挙げる

ヘルプは、チャネルのグラフがアセット、顧客の需要、キャンペーンの競合状況に応じて動的に調整されると説明しています。新しい動画アセットの追加や、キャンペーンの目標・入札戦略の目標値の変更を行ったときに、時系列グラフでチャネルの構成の変化を確認する使い方も示されています。

実務では、構成が変わった日付を時系列グラフで特定し、その前後の変更履歴(アセットの追加・削除、目標値の変更、予算の変更)を照らし合わせます。該当する変更があれば、それを原因の候補の1つとして挙げます。該当する変更が無ければ、需要の季節変動や競合の出稿状況といった、アカウントの外の要因も候補に入れます。いずれの場合も、候補は1つに絞らずに残しておきます。

大きな変更の後は安定化期間を置いてから比べる

予算・入札戦略・ターゲティング・アセットを大きく変えた直後は、キャンペーンが学習期間に入り、配信が一時的に不安定になることがあります。ヘルプは、大幅な変更の後は1〜2週間(またはそれ以上)の安定化期間を設けるよう案内しています。変更直後の数日の構成を見て評価すると、学習中の一時的な配分を結論にしてしまうため、比較はこの期間を置いた後の数字で行います。

季節の影響が大きい商材では、セールのある月とない月を分けて並べることも必要です。診断サンプルの架空の会社(B社)の例では、セール月の11月と7月は広告費が通常の月の約2.6倍になっていました。こうした月を通常の月と同じ列に並べると、配分の変化がセールの影響なのか設定の影響なのかを読み分けられません。

前年の同じ月と比べたい場合は、レポートの期間の制約に注意します。日付選択ツールで選べるのは2025年6月6日以降のデータのため、それより前の月とは、このレポート上では比較できません。

P-MAXの配信面を「配信先レポート」だけで判断しない理由

配信先(プレースメント)レポートは、広告が表示された場所と表示回数を確認するためのものです。Google広告ヘルプは、このレポートを成果の評価ではなくブランド保護のために使うよう明記しています。Google 検索での表示は含まれず、関係するのは一部のチャネルだけです。

配信先レポートは、[分析情報とレポート]→[レポート エディタ]→[P-MAX キャンペーンのプレースメント]の順に開きます。表示されるのは広告が配信された場所の一覧と表示回数で、場所の種類は「ウェブページ」「モバイルアプリ」「YouTube の動画」に分かれます。YouTube のフォーマットや Discover、Gmail など、Google が所有するサイトでの表示回数は「Google により所有および運営」という1つのカテゴリにまとめられます。2024年3月以降は、検索パートナーのサイトも表示されるようになっています。

一方で、Google 検索はプレースメントとみなされないため、このレポートには含まれません。P-MAXの費用の多くが検索チャネルで使われている場合、配信先レポートに出てくるのは配信の一部だけです。ヘルプが「特定のチャネルのパフォーマンスしか含まれていない」ことを理由に、成果の評価には他のレポートを使うよう案内しているのはこのためです。

確認したいことごとに、使うものを分けると次のようになります。

確認したいこと使うもの
費用と成果がどの配信面に配分されたかチャネルのパフォーマンス レポート
配信されていない配信面の理由チャネルのパフォーマンス レポートのステータス列
不適切なサイト・アプリ・動画に表示されていないか配信先(プレースメント)レポート
表示させたくない場所を配信先から除くアカウント単位のプレースメントの除外、コンテンツの適合性の設定

配信面のデータから次の施策を決める手順と、データで判断できない部分の検証方法

配信面のデータから決められるのは、設定の不足の修正と、原因の候補の絞り込みまでです。配信面ごとの増分(その配信面が無かったら成果がいくら減るか)はレポートの数字からは判断できないため、テストや前後比較で検証します。

ステータスとアセットの不足を先に確認する

次の施策は、次の順番で決めていきます。どの配信面を増やす・減らすかに一律の基準は置かず、判断の材料を揃える順番として使ってください。

  1. ステータスが「有効(制限付き)」「必須アセットが不足しています」のチャネルがあれば、アセット・商品フィード・最終ページ URL の拡張の設定を確認して修正する。ヘルプは、広告アセットの充実度を[非常に高い]にすることを目標として挙げています
  2. 検索チャネルの比率が高い場合は、検索語句の分析情報で指名検索の比率を確認し、同じ語句を扱う検索キャンペーンとの重なりを確認する
  3. YouTube やディスプレイ ネットワークの比率が増えた月があれば、アセットや目標値の変更と照らして原因の候補を挙げる

1と2は、レポートの数字から直接判断できる範囲です。3は候補の整理までで、どの候補が原因かは、次の検証で確認します。アカウント全体を点検する項目は「Google広告を自分で点検する項目」の記事にまとめています。

配信面の増分は、テストか前後比較で検証する

レポートに表示されるのは、それぞれの配信面に割り当てられた費用と成果です。その配信面が無かった場合に成果がいくら減るか(増分)は、この数字からは分かりません。指名検索のように、広告が無くても発生した可能性のある成果が含まれているためです。

Google広告には「P-MAX テスト」という仕組みがあり、機能・設定・キャンペーンについてA/Bテストを実施できます。主な種類は次の3つです。

  • 上昇効果検証:既存の検索・ディスプレイなどのキャンペーンにP-MAXを加えた場合の、コンバージョン数やコンバージョン値の上昇を計測する。ヘルプのテストの種類の一覧では、「GMC を併用しない」P-MAXの上昇率テストとして記載されている
  • アップグレード テスト:通常のショッピング キャンペーンなど既存のキャンペーンからP-MAXに予算を移した場合の成果を比較する
  • 最適化テスト:アセットの追加・変更や、最終ページ URL の拡張などの設定がP-MAXの成果にどう影響するかを比較する

いずれもキャンペーンや設定の単位のテストで、配信面を1つ外した場合の比較はテストの種類の一覧にありません。配信面ごとの増分を検証したい場合は、変更を1つに絞った期間の前後比較を組み合わせます。たとえば動画アセットを追加したときは、ほかの設定を変えずに安定化期間を置き、追加前と追加後のキャンペーン全体の成果を比べます。見るのは配信面の内訳ではなく、キャンペーン全体の粗利や商談につながる問い合わせが増えたかどうかです。

前後比較には、季節や競合の動きの影響を分けられないという限界があります。同じ期間の前年の数字や、変更を加えていない他のキャンペーンの推移と並べて、外の要因による変化がどの程度あったかを合わせて確認してください。

TAMKOの場合|P-MAXをキャンペーンの種類ごとに読み、続けてよいかに答える

TAMKOでは、Google広告のアカウント診断を提供しています。料金は無料(毎月2社まで)。検索広告・P-MAX・YouTube・ディスプレイ・ショッピングまでキャンペーンの種類ごとに確認し、続けてよいか・やめるべきものはあるか・広告で伸ばせるかに根拠を添えて答えます。売上ではなく、ECなら値引き後の粗利、リード獲得なら商談につながる問い合わせで測ります。

この記事で「データで判断できない」とした部分、たとえば配信面ごとの増分のようなものも、診断の中で扱いを明示します。判断できないものには、検証の方法を添えます。報告書の構成は、診断サンプルの架空の会社(B社)の報告書の例で確認できます。

設定の修正まで任せたい場合は、Google広告のお試し運用(1施策・1か月で5万円・税別)から始められます。対象はその施策の広告費が月50万円まで。

よくある質問(FAQ)

Q01P-MAXで特定の配信面(例:ディスプレイ)だけを停止できますか?

P-MAXは、チャネルごとの予算配分を広告主が直接制御する仕組みではありません。ただし、検索パートナーと Google ディスプレイ ネットワークについては、「チャネルの優先順位付け」で個別に優先順位を指定したり、1日の予算を割り当てたりできるとヘルプに記載があります。検索・YouTube・マップ・Gmail・Discover は「Google チャネル」としてまとめて扱われます。

このほか、アセット、オーディエンス シグナル、コンバージョンの設定、検索テーマ、コンテンツの適合性と除外の設定を通じて、配分に影響を与えることはできます。配信面を指定して運用したい場合は、検索・ディスプレイ・動画などのキャンペーンを別に立てる選択肢もあります。設定項目は更新されることがあるため、変更の前に最新のヘルプを確認してください。

Q02チャネルのパフォーマンスで、YouTubeの成果がほとんど0です。YouTubeの費用は無駄ですか?

0件という数字だけでは判断できません。

理由は3つあります。1つ目は、平均の費用対効果が低い配信面でも、個々のオークションでは成果の高い配信先になっている場合があることです。2つ目は、成果の計上のされ方です。プルダウンの[コンバージョン]と[結果]のどちらを見ているか、広告イベントタイプのセグメント(エンゲージ ビュー、クリックなど)で動画を見た後のコンバージョンがどう計上されているかを確認してください。3つ目は期間の短さで、短期間の1つのチャネルの平均では全体像は分かりません。判断が必要な場合は、動画アセットの追加や変更の前後でキャンペーン全体の成果を比べるなど、検証の方法を先に決めてから進めます。

Q03どのくらいの期間のデータで判断すればよいですか?

一律の日数はありません。

目安になる考え方は2つです。大きな変更の後は1〜2週間(またはそれ以上)の安定化期間を置いてから比べること。そして、短期間で1つのチャネルの平均を見ても全体像は分からないというヘルプの説明を踏まえ、1チャネル・数日の数字で結論を出さないことです。セールなど季節の影響がある商材では、セールの月と通常の月を分けて比べてください。

Q04配信先レポートに不適切なサイトやアプリが出ていました。どうすればよいですか?

配信先レポートはブランド保護のためのレポートなので、成果の判断とは分けて対処します。

表示させたくない場所は、アカウント単位のプレースメントの除外や、コンテンツの適合性の設定で配信先から除くことができます。ヘルプには、これらの設定によって全体的なリーチが減る可能性があるという注記もあります。除外の後は、チャネルのパフォーマンス レポートでキャンペーン全体の成果に変化がないかを合わせて確認してください。

P-MAXの配信面は、キャンペーン全体の成果を確認してから内訳として読む|まとめ

P-MAXの配信面ごとの数字は、キャンペーン全体が目標(ECなら値引き後の粗利、リード獲得なら商談につながる問い合わせ)を満たしているかを確認した後に、その内訳として読みます。読む順番は、キャンペーン全体、チャネルのパフォーマンス レポートでの配分とステータス、月ごとの比較の3段です。配信面1つの平均ROASは、平均と限界の違いや指名検索の混入があるため、減らす・停止するという判断の根拠にはしません。配信先レポートはブランド保護の用途に限って使います。そして、配信面ごとの増分のようにレポートの数字から判断できない部分は、テストや変更を1つに絞った前後比較で検証して補います。

この記事のポイント

  • P-MAXの配信面は、まずキャンペーン全体が目標(粗利・商談につながる問い合わせ)を満たしているかを確認し、その内訳として読む。
  • 配信面ごとの費用と成果は「チャネルのパフォーマンス」レポートで確認できる。費用が出ていない配信面は、ステータス列で設定の不足かどうかを先に確認する。
  • 配信面1つの平均ROASだけでは判断しない。平均が低い配信面でも、個々のオークションでは成果が高い場合があるとGoogle広告ヘルプは説明している。
  • 月ごとの比較は、変更履歴と並べ、大きな変更の後は安定化期間を置いてから行う。構成の変化を1つの施策の結果と決めつけない。
  • 配信先レポートはブランド保護の用途で、成果の判断には使わない。配信面ごとの増分は、テストや前後比較で検証する。