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計測と評価

Microsoft広告で問い合わせが二重に数えられていないかを確認する:取り込んだ目標とUETの目標

Microsoft広告の管理画面に表示される「コンバージョン」の件数が、実際に届いた問い合わせの数より多い——ということはありませんか。

コンバージョン目標の一覧を開くと、UETタグで作成した「問い合わせ完了」と、Google広告から取り込んだ「問い合わせ」が並び、どちらも「コンバージョンに含める」がオンになっている。2つの目標が同じサンクスページを数えていれば、1件の問い合わせが2件として記録され、問い合わせ単価は実際の半分に見えます。自動入札もその件数をもとに入札を調整します。

そこでこの記事では、問い合わせが二重に数えられる経路、件数で見つける方法、修正の手順、問い合わせと資料DLの分け方を、Microsoft広告の公式ヘルプを根拠に整理します。UETタグの設置手順は要点だけにとどめます。

対象は、Microsoft広告をGoogle広告と並行して運用している担当者の方で、特にBtoBで成果が問い合わせの会社を想定しています。

Microsoft広告のアカウント診断で、コンバージョン目標の振り分けを最初に確認している立場から解説します。

【結論】「コンバージョン」列に入れる問い合わせの目標は1つにし、資料DLは「すべてのコンバージョン」列で見る

同じ問い合わせを数える目標が2つ以上「コンバージョンに含める」になっていれば、1つだけ残してほかは外します。資料DLは途中の行動として「すべてのコンバージョン」列で見るのが基本です。

判断の手順は次の3点です。

  1. 問い合わせを数える目標のうち、「コンバージョンに含める」がオンのものが2つ以上あれば、二重計上を疑う。
  2. 「目標ごとの件数」「日別の件数」「フォームの受付件数」の3つで照合する。設定画面だけでは見つかりにくい。
  3. 資料DLは「コンバージョンに含める」をオフにする。入札の学習に入れるかどうかは、問い合わせの件数を見て別に判断する。

どちらの目標を残すかはアカウントの事情によって変わるため、一律の正解ではなく判断の手順として示します。Google広告の同じ論点は、Google広告のコラム「コンバージョンの主要と副次」で解説しています。

Microsoft広告でのコンバージョン設定の要点:UETタグとコンバージョン目標

コンバージョンの計測は、サイトに入れる「UETタグ」と、何を成果として数えるかを決める「コンバージョン目標」の2層でできています。二重計上は、この2層の組み合わせ方から生まれます。

UETタグとコンバージョン目標の関係

UETタグは、サイトでの訪問者の行動を記録してMicrosoft広告に送るタグで、サイト全体に1つ入れます。コンバージョン目標は、届いた記録のうちどれを成果として数えるかの条件です。「URLにthanksを含むページの表示」(リンク先URL)や「送信ボタンのクリック」(カスタムイベント)のように指定し、記録が条件に一致するとコンバージョンとして数えられます。

押さえておきたいのは、1つの記録が複数の目標に一致しうることです。同じサンクスページを条件にした目標が2つあれば、1回の表示が2件として数えられます。

UETタグサイト全体に1つサンクスページ表示 1回目標A問い合わせ完了(UET)目標B問い合わせ(取り込み)「コンバージョン」列2件
UETタグ(1つ)が記録したサンクスページの表示(1回)が、同じページを条件にした目標A・目標Bの両方に一致し、「コンバージョン」列は2件になる(説明用の図です)

設置後の動作確認は、Microsoft EdgeとGoogle Chromeで使えるブラウザー拡張機能「UET Tag Helper」で行います。設置の詳しい手順は公式ヘルプに譲ります。

この記事で使う3つの設定:「コンバージョンに含める」「カウント」「収益」

問い合わせが二重に数えられる3つの経路

主な経路は3つです。どれも設定画面を1つずつ開いても気づきにくく、件数を並べて初めて見つかることが多い経路です。ヘルプも、過大に数えられる理由として、同じUETタグをコンバージョンページに2回入れた場合と、複数の目標が1つのユーザーイベントに一致する場合を挙げています。

Google広告から取り込んだ目標と、UETで作成した目標が同じページを数えている

Google広告からのインポートで「コンバージョン目標のインポート」を選ぶと、Google広告の目標が、同じ設定(アトリビューションの方法、計測期間、コンバージョンに含めるかどうか など)のまま取り込まれます。一方で、Microsoft広告に既にある目標とUETタグは影響を受けません。

つまり、以前からUETで作成していた「問い合わせ完了」は残ったまま、Google広告側の「問い合わせ」が加わります。取り込んだWebサイトの目標もUETタグの記録で数えられるため、両方が同じサンクスページを条件にしていて、どちらも「コンバージョンに含める」がオンなら、1件の問い合わせが2件になります。

取り込みの対象は、Google広告で作成したタグ型で、リンク先URLの種類の目標だけです。Google AnalyticsやSA360で作成した目標は取り込まれません。GA4の目標をもとにMicrosoft広告で目標を作り直した場合は、手動で作成した目標として同じように重なりを確認します。目標の取り込みはヘルプ上「パイロット段階」とされているため、利用できるかどうかは管理画面の取り込み設定で確認してください。

推奨事項や簡易設定で自動的に作成された目標が加わっている

推奨事項の「コンバージョン目標の作成」を適用すると、UETタグのデータをもとに目標が作成されます。ヘルプには、既定の設定では推奨された目標が「コンバージョン」に含まれ、有効な自動入札戦略に影響すると記載されています。

UETタグが検出したイベントから目標を提案する「簡易コンバージョン目標の設定」もあります(ヘルプ上、まだ一部のアカウントでのみ提供)。一覧に、作成した覚えのない目標がないかを確認します。

UETタグがサンクスページに2回入っている

Googleタグマネージャー経由とページへの直接記述の両方でUETタグが入っていると、同じ表示が2回記録されます。UET Tag Helperでサンクスページを開くと、ページ上のタグの状態を確認できます。同じタグIDのJavaScript版とJavaScript以外の版が両方入っている場合も、UET Tag Helperで指摘されます。

二重計上の見つけ方:目標ごとの件数と、日別の件数を比べる

二重計上は、設定より件数のほうが見つけやすいものです。目標ごとの件数、日別の件数、フォームの受付件数の順に照合します。

手順1:「コンバージョンに含める」がオンの目標を一覧にする

コンバージョン目標のページで、ページ右上の日付範囲で期間をそろえ、目標ごとに名前・状態・「コンバージョンに含める」の値・件数を書き出します。問い合わせを数える目標でオンのものが2つ以上あれば、次の手順に進みます。名前が違っても、条件が同じサンクスページを指していれば同じ問い合わせを数えています。

手順2:日別に目標ごとの件数を並べ、同じ動きをしていないか見る

目標レポートなどで、日ごとに目標別の件数を並べます。2つの目標が毎日ほぼ同じ件数で動いていれば、同じ問い合わせを2回数えている可能性が高いと判断できます。

診断サンプルの架空の会社(C社・精密部品メーカー)の問い合わせは、2026年9月が84件で、1日あたり3件前後です。この規模に合わせて、2つの目標の1週間の日別件数を置いた例が次の表です(診断サンプルの架空の会社(C社)の例です。日別の件数と目標名は説明用の架空の数字です)。

日目標A「問い合わせ完了」(UETで作成)目標B「問い合わせ」(Google広告から取り込み)「コンバージョン」列
月336
火224
水448
木336
金224
土000
日112
合計151530

(診断サンプルの架空の会社(C社)の例です。日別の件数は説明用の架空の数字です)

7日間すべてで2つの目標の件数が一致し、「コンバージョン」列はその合計になっています。この形なら、同じ問い合わせを2回数えていると見てよいでしょう。片方が常に多い・少ない場合は、URLの条件の指定やカウント(一意/全コンバージョン)の違いを確認します。BtoBは1日の件数が0〜数件と少ないため、1日分の一致では判断せず、数週間分を並べて見ます。

手順3:フォームの受付件数と照合する(GA4との差だけで判断しない)

最後に、フォームの受付件数(受付メールや顧客管理の記録)と照合します。上の例で、同じ7日間の受付がMicrosoft広告以外の経路も含めて26件だったとします(説明用の架空の数字です)。「コンバージョン」列の30件がすべての経路の受付件数を上回っているので、数え方の問題だと判断できます。

日付の基準には注意が要ります。Microsoft広告はコンバージョンを、もとになった広告クリックの日時でレポートします。フォームの受付は受付日で記録されるため、週や月の単位で比べます。

GA4との差だけで判断するのも避けます。ヘルプには、各システムが独自のロジックで数えるため、ある程度の食い違いが予想されると書かれています。GA4は複数のチャネルにまたがって成果を割り当てるため、Microsoft広告が数えた問い合わせの一部が、GA4ではほかのチャネルに割り当てられることもあります。基準は自社のフォームの受付件数です。

二重計上の修正手順と、修正後に確認すること

残す目標を1つ決め、もう一方は削除せずに「コンバージョンに含める」をオフにします。修正後は件数が減るため、前後の比較のしかたを先に決めておきます。

残す目標を1つ決め、もう一方は「コンバージョンに含める」をオフにする(削除しない)

数える対象が同じなら、どちらを残しても件数は変わりません。Google広告と同じ定義で管理したいなら取り込んだ目標を、Microsoft広告側で条件を細かく設定したいならUETで作成した目標を残すのが、一つの考え方です。

残さない目標は、目標の詳細で「コンバージョンに含める」のチェックを外します。件数は「すべてのコンバージョン」列にだけ残り、自動入札には使われなくなります。数える必要自体がなければ、目標を一時停止するとカウントは停止します。

削除は避けます。ヘルプには、目標を削除するとその目標に関連付けられた履歴データがすべて完全に削除されると記載されています。修正前の件数と比べられなくなるため、外すか一時停止にとどめます。あわせて、残す目標のカウントが「一意のコンバージョン」になっているかを確認します。

インポートの次の実行で、外した目標が元に戻っていないか確認する

Google広告からのインポートを定期的に実行している場合は、修正後の最初の取り込みが終わった時点で目標の一覧を開き直します。取り込んだ目標はGoogle広告側の設定を使う仕組みのため、Microsoft広告側で外した設定が次の取り込みでどう扱われるかは、取り込み後の一覧で確認するのが確実です。

修正後は件数が減る。前後を同じ期間の長さで比較する

二重計上を解消すると、「コンバージョン」列の件数は減り、問い合わせ単価は上がって見えます。数え方が実態に近づいた結果で、成果が悪化したわけではありません。

ただし自動入札は、「コンバージョンに含める」の目標の件数をもとに入札を調整しているため、学習の対象が変わります。ヘルプでは、コンバージョン数の最大化について、評価する前に少なくとも30回のコンバージョンを蓄積する時間を与えることが推奨されています。前後の比較は、同じ長さの期間で、フォームの受付件数と照合しながら行います。

問い合わせと資料DLの分け方:成果・途中の行動・事業の成果

成果は問い合わせ、途中の行動は資料DL、事業の成果は商談・受注です。3つを別の場所で見ることで、問い合わせ単価が本来の意味を保ちます。

問い合わせは「コンバージョン」列、資料DLは「すべてのコンバージョン」列で見る

区分例見る場所
成果問い合わせ(見積・相談・商談の申し込みを含む)「コンバージョンに含める」をオン。「コンバージョン」列
途中の行動資料DL(カタログ・ホワイトペーパー・ウェビナーの申し込み)原則として「コンバージョンに含める」をオフ。「すべてのコンバージョン」列
事業の成果商談・受注広告の管理画面の外。顧客管理の記録、またはオフラインコンバージョンの取り込み

目標の作成時には「リードフォームの送信」「見積もりのリクエスト」などの目標カテゴリも選びますが、ヘルプでは、目標カテゴリはパフォーマンスに影響しない整理のための設定と説明されています。入札に使うかどうかを決めるのは「コンバージョンに含める」です。

資料DLが混ざると、問い合わせ単価はどう見えるか(架空の会社C社の例)

診断サンプルの架空の会社(C社)の12か月の数字では、広告費7,825,207円、問い合わせ892件、資料DL2,319件で、問い合わせ単価は8,776円です(診断サンプルの架空の会社(C社)の例です)。もし資料DLも「コンバージョン」列に入っていれば、件数は3,211件、単価は約2,437円と表示され、問い合わせの単価として読むと実際の約3.6分の1に見えます。

キャンペーン広告費問い合わせ資料DL問い合わせ単価資料DLも含めた単価
検索|製品の一般語3,364,203円121件313件27,861円7,752円
P-MAX|カタログ2,314,253円111件287件20,917円5,815円
検索|社名・製品名1,158,186円621件1,615件1,864円518円
オーディエンス広告|業界988,566円39件104件25,367円6,913円

(診断サンプルの架空の会社(C社)の例です。「資料DLも含めた単価」は、広告費を問い合わせと資料DLの合計で割った計算値です)

C社のサンプルでは、どのキャンペーンも資料DLが問い合わせの約2.6倍あるため、キャンペーンの順位は変わりません。それでも「検索|製品の一般語」の問い合わせ単価27,861円は、資料DLを含めると7,752円に見えます。問い合わせ単価の上限を決めて判断している場合、上限との距離の読み方が大きく変わります。資料DLの比率がキャンペーンごとに違えば、順位も入れ替わります。

資料DLを入札の学習に入れるかは、問い合わせの件数で判断する

問い合わせの件数が自動入札の学習に足りない場合は、資料DLを「コンバージョンに含める」に入れる選択肢もあります。件数が増えるぶん学習は進みやすくなりますが、入札は資料DLをしやすい人に予算を配分する方向に動きます。

必要な件数について、ヘルプに一律の基準はありません。判断の材料として、同じ期間に資料DLをした人のうち問い合わせに至った割合を、顧客管理の記録から確認します。入れる場合は、前後を同じ期間の長さで比べ、問い合わせの件数と単価が悪化していないかを確認します。

商談・受注は管理画面の外で見る(顧客管理・オフラインコンバージョン)

商談や受注はサイトの外で起きるため、UETタグでは数えられません。顧客管理の記録で見るか、オフラインコンバージョンとして取り込みます。取り込むには、広告クリックのときに付くMicrosoft Click ID(MSCLKID)を、問い合わせの情報と一緒に保存しておく必要があります。最後のクリックから90日を超えてアップロードしたコンバージョンは取り込まれません。

「収益」は設定値。問い合わせ単価と件数で評価する

問い合わせの目標に付けた「収益」は、広告主が決めた設定値で、売上ではありません。問い合わせ1件に1,000円と設定していれば、管理画面の収益は件数に1,000円を掛けた数字です。収益を広告費で割った値は参考にとどめ、評価は問い合わせ単価と件数で行います。

TAMKOのMicrosoft広告アカウント診断で確認すること

この記事で挙げた確認項目——「コンバージョンに含める」の目標の棚卸し、二重計上の有無、問い合わせと資料DLの分け方——は、TAMKOのアカウント診断で最初に確認している項目です。

Microsoft広告(旧Bing広告)のアカウントを診断します。料金は無料(毎月2社まで・広告費は月50万円以上が目安)。エグゼクティブサマリー・調査報告書・分析の明細(Excel)・オンラインの説明会1回をお渡しします。閲覧のみの権限で拝見し、診断のあいだ設定には触れません。Google広告から取り込んでいるアカウントでは、取り込みによる設定の上書きも確認します。

修正まで依頼したい場合は、Microsoft広告のお試し運用(1施策・1か月で5万円・税別)から始められます。対象は、お預かりする施策の広告費が月30万円までの場合です。

よくある質問(FAQ)

Q01Google広告から取り込んだ目標と、UETで作成した目標は、どちらを残せばよいですか?

数える対象が同じなら、どちらを残しても件数は変わりません。

Google広告と同じ定義で管理したいなら取り込んだ目標、Microsoft広告側で条件を細かく設定したいならUETで作成した目標を残し、もう一方の「コンバージョンに含める」をオフにします。

Q02「コンバージョンに含める」をオフにした目標の件数は、どこで見られますか?

「すべてのコンバージョン」列で確認できます。

「コンバージョン」列には入らず、自動入札の計算にも使われません。

Q03Microsoft広告とGA4で問い合わせの件数が合わないのは、二重計上ですか?

それだけでは判断できません。

各システムが独自のロジックで数えるため、ある程度の食い違いが出ることはヘルプにも記載されています。目標ごとの件数と、自社のフォームの受付件数で照合します。

Q04資料DLも「コンバージョンに含める」に入れたほうが、自動入札の学習は進みませんか?

件数は増えますが、入札は資料DLをしやすい人に予算を配分する方向に動きます。

問い合わせの件数が学習に足りない場合に限り、資料DLから問い合わせに至った割合を確認したうえで検討し、前後を同じ期間の長さで比較します。

問い合わせを数える目標は1つ、資料DLは別の列で——件数が合っているかを確認する|まとめ

Microsoft広告のコンバージョンは、UETタグとコンバージョン目標の2層で数えられ、1つの記録が複数の目標に一致すると件数が重複します。取り込んだ目標と既存のUETの目標、推奨事項から作成された目標、サンクスページに2回入ったタグが、主な経路です。見つけるには、目標ごとの件数、日別の件数、フォームの受付件数の順に照合します。修正は、残す目標を1つ決めてもう一方の「コンバージョンに含める」をオフにし、履歴が消える削除は避けます。そのうえで、問い合わせは「コンバージョン」列、資料DLは「すべてのコンバージョン」列、商談・受注は顧客管理やオフラインコンバージョンで見る形に分けてください。

この記事のポイント

  • Google広告から取り込んだ目標は、「コンバージョンに含める」を含むGoogle広告側の設定のまま入り、既存のUETの目標も残る。同じサンクスページを数えていれば、問い合わせは二重に数えられる。
  • 二重計上は設定画面より件数で見つかる。目標ごとの件数、日別の件数、フォームの受付件数の順で照合する。GA4との差だけでは判断しない。
  • 修正は、残す目標を1つ決めて、もう一方の「コンバージョンに含める」をオフにする。削除すると履歴データが消える。修正後は件数が減るので、前後を同じ期間の長さで比較する。
  • 問い合わせは「コンバージョン」列、資料DLは「すべてのコンバージョン」列、商談・受注は顧客管理やオフラインコンバージョンで見る。
  • 目標の「収益」は設定値で売上ではない。評価は問い合わせ単価と件数で行う。