Microsoft広告とは?配信面とGoogle広告との違い、配信開始後に自動で変わる4つの設定
Microsoft広告を始めるか検討している、またはすでに配信しているものの、管理画面の設定がそれぞれ何を意味するのか把握しきれていない——ということはありませんか。
Google広告のキャンペーンを取り込めば、短時間で配信を始められる媒体です。その一方で、配信を始めた後に、広告の配信先が想定より広がっていたり、設定が自動で変更されていたり、成果の件数が二重に計上されていたりすることがあります。
そこでこの記事では、Microsoft広告の仕組みと配信面、Google広告との違い、始め方を図で整理したうえで、配信開始後に自動で変わりやすい4つの設定と、それぞれを確認する画面をまとめます。
対象は、Microsoft広告を始めるか検討している担当者・責任者の方と、すでに配信している担当者の方(アカウントを引き継いだ方を含む)です。
Microsoft広告のアカウント診断で、これらの設定を毎回確認している立場から解説します。
【結論】Microsoft広告は、始め方はGoogle広告に近く、配信開始後に自動で変わる設定が多い媒体
Microsoftが提供する運用型の広告で、キャンペーンの組み方はGoogle広告に近く、Google広告から取り込んで始められます。注意が必要なのは、始める前よりも配信を始めた後です。
要点は次の3つです。
- 配信先は、Microsoft Bingと提携する検索サイトの検索結果、そしてMSNやOutlook.com、Microsoft EdgeといったMicrosoftのサービスの画面。
- キャンペーン・広告グループ・キーワードという構造と入札戦略の考え方はGoogle広告とほぼ同じで、インポート機能でGoogle広告のキャンペーンを取り込める。
- ただし、①検索パートナーとオーディエンスの配置への配信、②推奨事項の自動適用、③Google広告インポートによる上書き、④取り込んだ目標とUETの目標の重複、の4つは、配信開始後すぐに確認する。
Microsoft広告とは
管理画面で配信の条件や入札を調整しながら配信する運用型の広告で、提供元はMicrosoftです。
検索広告とオーディエンス広告の2系統がある
公式ヘルプによると、Microsoft広告ネットワークは検索広告とオーディエンス広告で構成されています。検索広告は、商品やサービスを積極的に検索している人に、キーワードに応じて検索結果と一緒に表示する広告です。オーディエンス広告は、Webサイトを閲覧している人のうち、狙いたい層に画像などを使った広告を表示します。
「Bing広告」「Microsoft Advertising」は同じ媒体の呼び名
以前の名前はBing Ads(Bing広告)です。現在の英語の名前は Microsoft Advertising で、開発者向けのFAQには、Bing AdsがMicrosoft Advertisingになったこと、あわせてBing Ads EditorがMicrosoft Advertising Editorに変わったことなどが、名前の対応表として載っています。日本語の管理画面とヘルプでは「Microsoft 広告」と表記されています。
広告が表示される場所(配信面)と、配信できる広告の種類
広告が表示される場所は、検索・オーディエンス・Copilotの3つに分けると整理しやすくなります。検索広告は、Bingだけでなく提携する検索サイトや、オーディエンスの配置にも表示される場合がある点に注意が必要です。
検索:Microsoft Bingと、提携する検索サイト
検索広告は、Microsoft Bingの検索結果と、提携する検索サイトの検索結果に表示されます。レポートでは、提携する検索サイトへの配信は「シンジケート検索パートナー」として、Microsoft自身の検索への配信とは分けて表示されます。どこまで配信するかは、広告配信の設定で「Microsoft 広告ネットワーク全体」か「Microsoft サイトと選択トラフィック」かを選びます。
オーディエンス:MSN・Microsoft Edge・Outlook.com など
オーディエンス広告の表示先として公式ヘルプが挙げているのは、MSN、Outlook.com、Microsoft Start、Microsoft Edge、パブリッシャーパートナーなどのサイトです。公式ヘルプには、検索キャンペーンもこれらのオーディエンスの配置に拡張される場合があると書かれています。検索広告のつもりで配信していても、ニュースやメールの画面に広告が表示されることがある、ということです。
Copilot:既存のアセットから自動で作られる広告
MicrosoftのAIアシスタントであるCopilotの画面にも、広告が表示される場合があります。公式ヘルプによると、Copilotの広告はキャンペーンにある既存のアセットから自動で作られ、検索広告の場合はロゴ表示オプションか、自動で付くビジネスロゴを含むことが対象の条件です。日本のCopilotで広告が表示されているかは、公式ヘルプからは確認できません(2026年10月20日時点)。
配信できる広告の種類
検索の配置で配信できるのは、レスポンシブ検索広告のほか、ショッピング広告、アプリインストール広告、動的検索広告、マルチメディア広告などです。オーディエンスの配置では、オーディエンスキャンペーン(ディスプレイ・ネイティブ・オンライン動画)などを配信できます。Performance Maxキャンペーンは、検索とオーディエンスの両方の配置に配信されます。
Google広告との違い
Google広告を運用した経験があれば、Microsoft広告の管理画面の大半はそのまま理解できます。違いは、配信面と、成果の件数の少なさ、LinkedInのプロフィール情報を使った入札の調整にあります。
共通する点:構造・入札戦略・インポート
キャンペーンの中に広告グループがあり、広告グループにキーワードと広告を登録する構造は、Google広告と同じです。入札戦略にも、手動の入札と、コンバージョン数を最大化する自動入札などがあります。さらに、Google広告のキャンペーンをMicrosoft広告にインポートする機能があり、構造をそのまま移せます。
異なる点:配信面と件数の少なさ
1つ目の違いは配信面です。前の節のとおり、検索広告がBing以外の検索サイトやMicrosoftのサービスにも表示されます。Google広告の管理画面の感覚で配信を始めると、想定していない配置に費用が出ていることがあります。
2つ目は件数の少なさです。同じキーワードで配信しても、Google広告より問い合わせの件数が少なくなることが多い媒体です。件数が少ないと、問い合わせ単価が月ごとに大きく振れ、自動入札の学習に必要なデータも集まりにくくなります。判断に時間がかかる前提で計画を立てます。
LinkedInのプロフィール情報で入札を調整できる
Microsoft広告では、LinkedInのプロフィール情報(会社・業界・職務)に基づいて入札を調整できます。公式ヘルプには、この設定は配信する相手を絞り込むものではなく、「入札のみ」と考えるよう書かれています。たとえば特定の業界を指定しても、その業界以外の人が配信の対象から外れるわけではありません。利用できる国・地域は、公式ヘルプの提供状況のページで確認してください。
どのような会社が検討しているか
業界・職務の情報で入札を調整できることから、BtoBで検討されることの多い媒体です。ただ、BtoBに向いているかどうかは、媒体の特徴だけでは決まりません。判断の基準は、問い合わせ1件にいくらまで支払えるか(問い合わせ単価の上限)です。キャンペーンごとの問い合わせ単価をこの上限と比べ、資料DLは問い合わせと分けて数えます。評価の手順は、コラム「Microsoft広告をBtoBで評価する方法」で解説しています。
始め方:配信開始までの4つの手順
始め方は4つの手順に分けられます。手順の詳細は公式ヘルプに譲り、ここでは各手順で、次の節の「配信開始後に自動で変わる設定」がどこに関わるかを示します。
- アカウントを作成する:Microsoft広告のサイトからアカウントを作成します。
- UETタグを設置し、コンバージョン目標を作成する:UETは、Webサイトでの問い合わせなどの行動を記録するためのMicrosoft広告のタグです。問い合わせの完了ページなどを目標として登録します。Google広告から目標を取り込む場合は、ここで「目標の重複」が起きやすくなります。
- Google広告から取り込むか、新しく作成する:Google広告のキャンペーンをインポートするか、Microsoft広告で新しく作成します。インポートをスケジュールで繰り返す設定にすると、「インポートによる上書き」が起きることがあります。
- 予算と配信先を確認して配信を開始する:広告グループの広告配信の設定と、推奨事項の自動適用の設定を確認してから配信を始めます。ここで「検索パートナーとオーディエンスの配置への配信」と「推奨事項の自動適用」の初期状態が決まります。
配信開始後に自動で変わる・混ざる4つの設定
配信開始後に確認したいのは、次の4つです。いずれも、担当者が操作しなくても配信先や設定、成果の数字が変わる点が共通しています。
① 検索パートナーとオーディエンスの配置への配信
何が起きるか:広告配信の設定が「Microsoft 広告ネットワーク全体」のままだと、検索広告がBing以外の検索サイトにも表示されます。検索キャンペーンは、オーディエンスの配置に拡張される場合もあります。設定は広告グループ単位のため、後から追加した広告グループだけネットワーク全体のまま、ということも起きます。
確認する画面:レポートをネットワーク別に分け、「シンジケート検索パートナー」の費用と成果を、自社の検索(Microsoft サイトと選択トラフィック)と比べます。広告グループの設定でも、配信の範囲を確認します。外すかどうかの判断は、コラム「Microsoft広告の検索パートナーは外すべき?」で解説しています。
② 推奨事項の自動適用
何が起きるか:Microsoft広告が提案する設定変更のうち、自動適用をオンにした種類は、7日間のレビュー期間の後に、担当者が「適用」を押さなくても反映されます。対象は「修理(コンバージョン目標の設定)」「キーワードとターゲット設定」「広告と表示オプション」の3種類で、部分一致のキーワードの追加なども含まれます。予算は対象外です。
確認する画面:変更履歴で、変更者を「自動適用レコメンデーション」に絞り込みます(直近6か月)。残すか停止するかの判断は、コラム「Microsoft広告の推奨事項の自動適用」で解説しています。
③ Google広告インポートによる上書き
何が起きるか:Google広告のインポートを毎週などのスケジュールで繰り返す設定にしていると、Microsoft広告側で修正した入札・予算・状態などが、Google広告側の値で更新されることがあります。スケジュールの取り込みはGoogle広告側で変わったものを取得するため、修正から数週間たって戻ることもあります。
確認する画面:変更履歴で、同じ項目の「変更前の値→新しい値」を日付の順に追い、インポートのスケジュールと履歴の画面の実行日時と照らし合わせます。手順は、コラム「Microsoft広告のGoogle広告インポートで設定が戻ったかを変更履歴で確認する方法」で解説しています。
④ 取り込んだ目標とUETの目標の重複
何が起きるか:Google広告から取り込んだ問い合わせの目標と、UETタグで作成した問い合わせの目標が、どちらも「コンバージョンに含める」になっていると、1件の問い合わせが2件として記録されます。問い合わせ単価は実際より低く見え、自動入札もその件数をもとに入札を調整します。
確認する画面:コンバージョン目標の一覧で、問い合わせを数える目標のうち「コンバージョンに含める」がオンのものが1つだけかを確認します。資料DLは「すべてのコンバージョン」列で見ます。照合の手順は、コラム「Microsoft広告のコンバージョン設定」で解説しています。
補足:検索広告のロゴの設定は、Copilotでの表示に関わる
ロゴ表示オプションの有無は、検索広告がCopilotの広告の対象になるかどうかの条件です。広告表示オプションの画面で、ロゴが設定されているかを確認します。詳しくは、コラム「Copilotに広告が出る条件」で解説しています。
4つの設定の一覧(架空の会社C社の例つき)
| 設定 | 既定で起きること | 確認する画面 | 診断サンプルの架空の会社(C社)の例 |
|---|---|---|---|
| ① 検索パートナーとオーディエンスの配置 | ネットワーク全体に配信される | レポート(ネットワーク別)・広告グループの設定 | 12か月の費用の20.2%が検索パートナーで、問い合わせと資料DLに占める割合は15.8% |
| ② 推奨事項の自動適用 | オンの種類は7日後に反映される | 変更履歴(変更者で絞り込み) | 部分一致のキーワードの追加が2件 |
| ③ インポートによる上書き | 修正した値がGoogle広告側の値に戻ることがある | 変更履歴・インポートの履歴 | インポートによる変更106件のうち、戻った疑いが9件 |
| ④ 目標の重複 | 1件が2件として数えられる | コンバージョン目標の一覧 | 資料DLも「コンバージョン」列に入っていた場合、単価8,776円が約2,437円に見える |
配信開始から1か月で確認すること
配信開始から1か月は、効果を判断する期間ではなく、設定を確認する期間と考えます。4つの設定は、次の順で確認します。
- 1週目:コンバージョン目標の一覧で、問い合わせを数える目標が1つだけ「コンバージョンに含める」になっているかを確認する。インポートを使っている場合は、スケジュールと更新の設定を確認する。
- 2週目:レポートをネットワーク別に分け、検索パートナーとオーディエンスの配置に出ている費用を確認する。
- 毎週:変更履歴で、自動適用レコメンデーションとインポートによる変更が入っていないかを確認する。
- 4週目:広告表示オプションのロゴの設定と、問い合わせ・資料DLの件数を確認する。
成果の件数が少ないため、1か月の問い合わせ単価だけで効果の有無を判断しないでください。問い合わせ単価の上限を決めておき、上限と比べて判断できるだけの件数が集まるまでの期間を、配信を始める前に決めておきます。
TAMKOのMicrosoft広告アカウント診断で確認している項目
ここまでの4つの設定は、TAMKOのMicrosoft広告アカウント診断で毎回確認している項目です。診断では、BtoBの問い合わせを基準に、検索パートナーの配信先、Google広告からの取り込み、自動で変わった設定、業界と職務まで確認し、続けてよいか・やめるべきものはあるか・広告で伸ばせるかに根拠を添えて答えます。料金は無料(毎月2社まで・広告費は月50万円以上が目安)。
設定の修正まで任せたい場合は、お試し運用もあります。料金は5万円で、1施策・1か月(税別)です。お預かりする施策の広告費は月30万円までです。
よくある質問(FAQ)
Q01Bing広告とMicrosoft広告は同じものですか?
同じ媒体です。
旧称がBing Ads(Bing広告)で、現在の名前がMicrosoft広告(英語では Microsoft Advertising)です。管理画面やヘルプの表記は「Microsoft 広告」です。
Q02Google広告と同じキーワード・広告文で配信してよいですか?
インポートを使えば同じ構成で始められます。
ただし、スケジュールのインポートを続けると、Microsoft広告側で修正した設定がGoogle広告側の値で更新されることがあります。項目ごとに、どちらの管理画面で決めるかを1つに決めておきます。
Q03LinkedInの情報で、配信する相手を特定の業界に絞り込めますか?
絞り込みではなく、入札の調整です。
公式ヘルプによると、会社・業界・職務を指定しても、それ以外の人への配信は除外されません。指定した相手に入札額を上乗せする設定として使います。
Q04配信を始めてから、どのくらいで効果を判断できますか?
期間ではなく件数で決めます。
問い合わせ単価の上限と比べて判断できるだけの問い合わせが集まるまでを判断の期間とし、件数が少ない場合は、資料DLを問い合わせと分けて方向の確認に使います。
Microsoft広告は、配信開始後の4つの設定を確認してから評価する|まとめ
キャンペーンの構造がGoogle広告に近く、インポートを使えば短時間で配信を始められる媒体です。一方で、配信開始後に、検索パートナーとオーディエンスの配置への配信、推奨事項の自動適用、インポートによる上書き、目標の重複の4つによって、配信先や設定、成果の数字が変わることがあります。それぞれ確認する画面は決まっているため、配信開始から1か月は設定の確認にあて、効果の判断は問い合わせ単価の上限から必要な件数を決めて行います。
この記事のポイント
- Microsoftが提供する運用型の広告。配信先は、Bingと提携する検索サイトの検索結果と、MSNやOutlook.com、Microsoft Edgeなどの画面。
- キャンペーンの構造と入札戦略の考え方はGoogle広告に近く、Google広告のキャンペーンをインポートして始められる。
- 配信開始後は、検索パートナーとオーディエンスの配置、推奨事項の自動適用、インポートの上書き、目標の重複の4つを確認する。
- それぞれ、ネットワーク別のレポート、変更履歴、インポートの履歴、コンバージョン目標の一覧で確認できる。
- 成果の件数が少ないため、効果の判断は問い合わせ単価の上限から必要な件数を決めて行う。