Google広告のインポートで、人が修正した設定が戻っていないかを変更履歴で確認する
Microsoft広告の管理画面で予算や入札を修正したのに、しばらくすると元の値に戻っていた——ということはありませんか。
Google広告のキャンペーンを取り込み、毎週のインポートを設定しているアカウントでは、Microsoft広告側で修正した設定が、Google広告側の値で上書きされることがあります。上書きは修正の直後とは限らず、いつ戻ったのかに気付きにくいのが実情です。
そこでこの記事では、スケジュールで繰り返すインポートで設定が戻る仕組み、戻ったかどうかを変更履歴で確認する方法、取り込む項目の選び方を、Microsoft広告の公式ヘルプを根拠に整理します。
対象は、Google広告と並行してMicrosoft広告を運用し、インポートを使っている担当者の方です。設定済みのアカウントを引き継いだ方も含みます。
Microsoft広告のアカウント診断で、Google広告からのインポートによる設定の上書きを毎回確認している立場から解説します。
【結論】項目ごとに決める側を1つにし、戻ったかは変更履歴で確認する
スケジュールのインポートを使うなら、項目ごとに「どちらの管理画面で決めるか」を1つに決めます。戻ったかどうかは、変更履歴で同じ項目の変更前と変更後を日付の順に追って確認します。
- スケジュールのインポートは、取り込み済みの項目をGoogle広告側の値で更新することがあります。公式ヘルプが挙げる更新の対象は、入札・入札戦略・キャンペーン予算・キャンペーンの状態・除外キーワードリストの関連付けなどです。
- Microsoft広告側で決めたい項目は、インポートのオプションで更新の対象から外すか、Google広告側でも同じ修正をします。
- 戻ったかどうかは、人が入れた値が後の変更で元の値に戻っていないかを、変更履歴で項目ごとに見て判断します。インポートのログに出る更新件数では判断できません。
Google広告からのインポートで、Microsoft広告側の修正が戻る仕組み
戻る原因は、インポートが一度きりの複製ではなく、紐づけたまま繰り返し同期する仕組みである点にあります。公式ヘルプによれば、一度インポートしたキャンペーンは恒久的に紐づき、紐づいたキャンペーンを取り込むたびに、Microsoft広告側の対応するキャンペーンが更新されます。Microsoft広告側の変更がGoogle広告に反映されることはありません。
初回の取り込みと、再インポートでの更新は別の扱い
公式ヘルプの一覧は、項目ごとに「初回に取り込まれるか」と「再インポートで更新されるか」を分けて示しています。たとえばキーワードの一致の種類は初回だけ取り込まれ、その後は更新されません。一方、予算額・入札戦略・状態は再インポートでも更新されます。
スケジュールの取り込みは「Google広告側で変わったもの」を取りにいく
スケジュールのインポートは、前回以降に取り込み元で変わったアイテムを取得します。Microsoft広告側だけで変わったアイテムを取り込み直すには「今すぐ実行」を使う、と公式ヘルプは案内しています。
つまりMicrosoft広告側の修正は、直後には戻らず、後でGoogle広告側の同じキャンペーンに変更が入ったときに上書きされる可能性があります。修正から数週間たって戻ることもありえます。「変わったアイテム」が項目単位かキャンペーン単位かは公式ヘルプに書かれていないため、きっかけは変更履歴の記録で判断します。
入札・入札戦略・予算は、それぞれ別の更新設定で決まる
入札・入札戦略・キャンペーン予算は、「入札と予算」の中の「入札の更新」「入札戦略の更新」「既存のキャンペーン予算の更新」の3つで、Google広告の値に合わせて更新するかが決まります。入札戦略の更新は、新しいインポートとスケジュールのインポートで既定でオンです。また「既存アイテムへの更新」がオンだと、Google広告側での一時停止・有効の切り替えも取り込まれます。
インポートで戻りやすい設定(BtoBのアカウントで修正しがちな項目)
BtoBのアカウントでMicrosoft広告側だけ別の値にしたくなる項目の多くが、更新の対象に入っています。
| 項目 | Microsoft広告側で修正する理由 | 公式ドキュメントでの扱い |
|---|---|---|
| 予算・入札 | クリック数や単価がGoogle広告と違う | 「既存のキャンペーン予算の更新」「入札の更新」で更新される場合がある |
| 入札戦略 | 問い合わせが少なく、同じ自動入札では学習のデータが足りないことがある | 「入札戦略の更新」は既定でオン |
| 除外キーワードリストの関連付け | 固有の検索語句(求人、「〜とは」など)を除外したい | 関連付けはGoogle広告の現在の関連付けで上書きされる |
| キャンペーンの状態 | Microsoft広告側だけで一時停止したい | 「既存アイテムへの更新」がオンなら状態の変更も取り込まれる |
| 広告のスケジュール・除外するWebサイト・地域 | 業務時間に配分したい、成果のない配信先を除外したい | ターゲティングの更新を選んでいると、Google広告で更新・削除されたものはMicrosoft広告からも削除される |
| AI Maxの設定 | 別の設定で運用したい | APIドキュメントに、更新を取り込むかの項目がある(既定でオン) |
広告のスケジュール・除外するWebサイト・AI Maxの設定はAPIドキュメント(GoogleImportOption)の記載です。管理画面での表示名と既定の状態は、お使いのアカウントのインポートのオプションで確認してください。
戻ったかどうかを変更履歴で確認する手順
戻ったかどうかは、変更履歴で同じ項目の値の動きを日付の順に追えば判断できます。左のメニューの「キャンペーン」から「変更履歴」を開くと、過去6か月間の変更が、システムによる自動の変更も含めて一覧で表示されます。6か月より前は画面で見られないため、確認した結果は手元に記録しておきます。
- 対象を決める:Microsoft広告側で修正した項目を、キャンペーン名・項目名・修正した日・入れた値とともに書き出す。
- 絞り込む:期間を「修正した日〜今日」にし、左のパネルで対象のキャンペーンを選ぶ。必要に応じて「フィルターの追加」の「変更タイプ」で絞る。
- 値の動きを追う:同じ項目の「変更前の値→新しい値」を日付の順に見る。人が入れた値(例:1日の予算10,000円→7,000円。説明用の架空の数字です)の後に「7,000円→10,000円」があれば、元に戻った記録です。
- 照らし合わせる:戻した変更の日時を、インポートのスケジュールと履歴の画面の「ログ」にある実行日時と比べる。
- 変更者を見る:システムが自動で行った変更は「管理者」と表示されます(TAMKOの診断で見た英語表示の画面ではAdministrator)。インポートによる変更がどう表示されるかは、お使いのアカウントで確認してください。
なお、インポートによる変更は、変更履歴の「元に戻す」では取り消せないと公式ヘルプに書かれています。戻った値は再度入力し、次の節の方法で再発を防ぎます。
インポートの更新件数と変更履歴の件数がずれる理由
ログの更新件数は、取り込み元から取得した既存の項目をすべて数え、前回から変わっていない項目も含みます。実際に変わった数は変更履歴に出るため、ログの件数が多くても、それだけ上書きされたとは限りません。
疑いと確定を分ける:同じ項目が元の値に戻った記録があるものだけを「戻った」とする
診断サンプルの架空の会社(C社・精密部品メーカー)の例です。12か月間の変更の記録では、インポートによる変更が106件、そのうち人が変えた項目が後から元の値に戻った疑いのあるものが9件で、2026年2月以降、毎月1〜2件ずつ出ています。
この9件を、そのまま上書きの件数としては扱いません。1件ずつ変更前と変更後を見て、人が入れた値が同じ項目で元の値に戻った記録があるものだけを「戻った」と確定させます。別の値に変わっただけのものや、人が再び修正したものは疑いのまま残します。
戻った後の成果は、件数が集まるまで判断しない
戻っていた期間の問い合わせ単価を比べたくなりますが、Microsoft広告は問い合わせの件数が少ないことが多く、1〜2か月では偶然の振れ幅のほうが差より大きくなりがちです。戻る前と後で同じ長さの期間をそろえ、問い合わせと資料DLを分けて数え、件数が集まってから判断します。
取り込む項目の選び方:Google広告側で決めるか、Microsoft広告側で決めるか
原則は、項目ごとに決める管理画面を1つにすることです。両方で修正すると、どちらの値が正しいのか分からなくなります。
| 項目 | Google広告側で決める(取り込む) | Microsoft広告側で決める(更新から外す) | 判断の材料 |
|---|---|---|---|
| 広告文・キーワードの追加 | 一元管理して同じものを出したい | 固有の語句を足したい | 一致の種類は再インポートで更新されない |
| 予算・入札・入札戦略 | 両方で同じ方針で運用する | 件数や単価が大きく違う | 一定の割合で増減して取り込む設定もある |
| 除外キーワードリスト | 除外語をGoogle広告のリストで管理する | 固有の除外語が多い | 関連付けはGoogle広告側で上書きされる |
| キャンペーンの状態 | 配信の開始と一時停止をそろえる | Microsoft広告側だけで一時停止したい | 「既存アイテムへの更新」がオンなら状態も取り込まれる |
入札・入札戦略・予算は、Microsoft広告側で決めるなら更新を外す
Microsoft広告側で決めるなら、「入札の更新」「入札戦略の更新」「既存のキャンペーン予算の更新」を1つずつ見て、外すものを決めます。APIドキュメントには、Google広告の予算や入札に対して-90〜900%の範囲で増減して取り込む設定も載っています。方針はそろえたまま、金額だけを変えたい場合の選択肢です。
除外キーワードリストは、関連付けがGoogle広告側で上書きされる
除外キーワードリストを取り込む設定(既定でオン)では、Google広告のリストがすべて取り込まれ、同じ名前のリストは更新されます。中の除外キーワードは両方のものが統合されますが、どのキャンペーンに関連付けるかは、Google広告の現在の関連付けで上書きされます。固有の除外語は、Google広告側のリストに入れるか、取り込みの対象外にしてMicrosoft広告側で管理するかを決めます。
新しい項目だけを取り込む選択肢と、新しく対応した項目の扱い
既存のキャンペーンを上書きしたくない場合、公式ヘルプは「まだ Microsoft 広告にインポートされていないアイテム」だけを選ぶよう案内しています。取り込み済みの項目は書き換えられません。
注意したいのは、Microsoft広告が新しく対応した項目です。APIドキュメントによれば、一般に対応した項目は、利用者がオプトアウトするまで現在と今後のスケジュールに含まれます。取り込む項目の設定は一度決めて終わりにせず、定期的に見直します。
スケジュールの頻度の見直しと、インポートを停止・削除する判断
続けるか停止するかは、Google広告側の変更の頻度と、Microsoft広告側で修正する項目の数で決めます。
- 場所:左のメニューの「インポート」から、インポートのスケジュールと履歴の画面を開きます(英語表示はImport schedule & history)。「スケジュールされたインポート」で頻度と取り込む項目を編集し、「ログ」で実行結果とエラーのファイルを確認します。
- 頻度:自動・今すぐ・1回だけ・毎日・週ごと・月ごとから選べます。Microsoft広告側で修正する項目が多いアカウントでは、取り込みの回数が多いほど戻る機会も増えます。
- 一時停止と削除:スケジュールを削除するとGoogle広告との紐づけが外れますが、取り込み済みのキャンペーンや広告は残ります。完全に切り離すには、両方を削除します。
- 設定の単位:スケジュールはアカウント単位と管理アカウント単位の両方に設定できるため、両方を確認します。
判断の型は2つです。Google広告側で広告文やキーワードを頻繁に追加し、それを出したいなら、取り込む項目を絞って続けます。予算・入札・除外の方針がMicrosoft広告側で独立しているなら、スケジュールを一時停止し、必要なときだけ「今すぐ」で取り込みます。Google広告側で同じ修正をする場合は、Google広告を自分で点検する項目をまとめた記事も参考にしてください。
TAMKOのMicrosoft広告アカウント診断で確認すること
この記事で挙げた確認は、TAMKOのMicrosoft広告アカウント診断でも行っています。確認項目には「Google広告からの取り込みによる設定の上書き」が入っており、インポートしたキャンペーンでも、どの設定がGoogle広告側で決まっていて、どれをMicrosoft広告側で修正すべきかを分けてお伝えします。料金は無料(毎月2社まで・広告費は月50万円以上が目安)。
修正まで依頼したい場合は、Microsoft広告のお試し運用(1施策・1か月で5万円・税別、その施策の広告費は月30万円まで)から始められます。お預かりする施策の設定がインポートで戻らないよう、最初に取り込みの設定を確認します。
よくある質問(FAQ)
Q01Microsoft広告側で修正した入札は、次のインポートで必ず戻りますか?
必ずではありません。
公式ヘルプでは、スケジュールのインポートは前回以降にGoogle広告側で変わったものを取得するとされています。更新の設定がオンのままなら、Google広告側の変更をきっかけに戻ることがあるため、変更履歴で確認します。
Q02インポートのスケジュールを削除すると、取り込んだキャンペーンは消えますか?
消えません。
スケジュールを削除すると該当キャンペーンとGoogle広告の紐づけが外れ、取り込み済みのキャンペーンはMicrosoft広告に残ります。
Q03Microsoft広告側で変えた一致の種類も戻りますか?
公式ヘルプの一覧では、一致の種類は初回のインポートでだけ取り込まれ、再インポートでは更新されないとされています。
Q04インポートのログの更新件数が多いのに、変更履歴の件数は少ないのはなぜですか?
更新件数は取り込み元から取得した既存の項目をすべて数えるため、実際の更新より多く出ることがあります。
実際にMicrosoft広告で変わった数は変更履歴で確認します。
Google広告インポートは、決める側を項目ごとに1つにして変更履歴で確認する|まとめ
スケジュールのインポートは、取り込み済みの設定をGoogle広告側の値で更新することがあり、その時期はGoogle広告側の変更しだいです。戻ったかどうかはログの件数ではなく、変更履歴で同じ項目の値を日付の順に追って確認します。そのうえで項目ごとに決める管理画面を1つにし、Microsoft広告側で決める項目は更新の対象から外し、取り込む項目の設定を定期的に見直してください。
この記事のポイント
- スケジュールのインポートは、取り込み済みの入札・入札戦略・予算・状態・除外キーワードリストの関連付けなどを、Google広告側の値で更新することがある。
- スケジュールの取り込みはGoogle広告側で変わったものを取りにいくため、Microsoft広告側の修正が数週間後に戻ることがある。
- 戻ったかどうかは、変更履歴で同じ項目の「変更前の値→新しい値」を日付の順に追って確認する。ログの更新件数ではなく変更履歴の中身で見る。変更履歴で見られるのは過去6か月。
- 項目ごとに決める管理画面を1つにし、Microsoft広告側で決める項目は既存アイテムへの更新から外す。一致の種類は再インポートで更新されない。
- Microsoft広告が新しく対応した項目はスケジュールに自動で含まれるため、取り込む項目の設定は定期的に見直す。